9月20日(日)、本州に台風25号が迫る中、朝一番の北陸新幹線に揺られて富山開催のGII・第42回共同通信社杯競輪へ。台風の影響を免れ、連日活気に溢れた現地のレースやブースのレポートをお伝えしていく。バイクチェックは、自力で初の特別競輪出場を掴んだ堀江省吾選手(長野)のパナソニック。
富山競輪場は1951年開設。行き方はシンプル。JR富山駅構内にある富山地方鉄道 富山港線に乗ると、20数分程で競輪場前駅へ着く。その改札を出ると、すぐ目の前が駅前入場口だ。入場料は50円。出口でチケットに印をもらえば再入場も可能だ。

富山地鉄の競輪場前駅。振り返ればすぐそこが富山競輪場だ photo: Yuichiro Hosoda 
駅から正面入場門へと続く通路 photo: Yuichiro Hosoda

富山競輪場。晴れの日には、バンクの向こうに立山連峰が見える photo: Yuichiro Hosoda
バンク周長は333mで、みなし直線43m、最大カントは33°41'24"。33バンクとしては捲りも決まりやすく、400バンクに近いとも言われる。2024年11月からは22年ぶりにバンク改修工事を実施、2025年6月3日から本場開催が再開された。晴れの日には、1センターの向こうに立山連峰を臨むことが出来る。
これまでにGI開催はないが、GIIはかつてあった「ふるさとダービー」を含め過去5回の開催実績がある。前回のビッグレースも当大会で、メインビジュアルのコピー「10年待たせて、ごめん。」の通り、10年ぶりに富山へと共同通信社杯競輪が帰ってきた。

「10年待たせて、ごめん。」のコピーが踊った今回の共同通信社杯競輪 photo: Yuichiro Hosoda 
第1コーナースタンドにあった地元選手応援エリア。真ん中は今大会出場中の小堺浩二選手(石川) photo: Yuichiro Hosoda
そちらに向かって歩いていると、かつてEQADSのキャプテンも務めた知人の元ロードレーサー、内野直也さんが声をかけてくれた。聞けば今はこちらで働いていると言う。「レースは出てないですけど、今でも自転車に乗ってますよ!」とシャツの裾をめくって日焼けの跡を見せ合い、偶然の再会に顔をほころばせた。

元EQADSのキャプテン、内野直也さんがサイクルアスレチックのコーナーに photo: Yuichiro Hosoda 
子供達が安全に走れるよう補助をしていた内野直也さん photo: Yuichiro Hosoda

子供達がサイクルアスレチックを楽しんだサイクルパークとやま。スタッフが見守る中、少人数が順番で走っていた photo: Yuichiro Hosoda
内野さんの担当は、私が向かっていたサイクルパークの「わくわく!サイクルアスレチック」。午前の開催がちょうど終わった後とのことで、午後の開始時刻を聞いて再び戻ると、そこで走る子供達が怪我をしないようにとサポートする彼の姿が見られた。
隣接する建物とその周辺では「キッズタウン建設広場」と名付けられた、ダンプカーやショベルカー等、ミニチュア重機の操作を楽しめるスペースも。ふわふわやトランポリンなどの遊具、おもしろ自転車に乗れるコーナーも併設され、子供達がはしゃぐ様子を、親御さん達が時ににこやかに、時にハラハラしながら見守っていた。

様々な重機を模した乗り物で遊べたキッズタウン建設広場 photo: Yuichiro Hosoda

屋内ではショベルカーの操作も楽しめた photo: Yuichiro Hosoda 
変わり種のおもしろ自転車に乗ることが出来たサイクルパークの一角 photo: Yuichiro Hosoda

トランポリンで子供達が跳ねる! photo: Yuichiro Hosoda 
巨大なスペースシャトルふわふわ。シャトルの中にも入れる! photo: Yuichiro Hosoda
当日、もう一方のイベントステージでは「こじるり」こと小島瑠璃子さんも時間を違えてトークショーを開催。私はそちらも気になって見に行ってしまったわけだが、一人の競輪ファンとして、中野浩一さんをはじめ数えるほどしかいないこの大記録を成し遂げた、小嶋選手のセレモニーこそ見逃すわけにはいかない。

ライちゃんから花束を受け取る小嶋敬二選手(石川) photo: Yuichiro Hosoda

テントからはみ出るほどの人を集めたイベントステージ photo: Yuichiro Hosoda 
イベントステージには小島瑠璃子さんや松本伊代さん、早見優さんなど、世代を代表するタレントが連日登場した photo: Yuichiro Hosoda
「社長」のニックネームで知られる小嶋選手は、通算勝利数もこの日現在で866回を数え、うちGIで4回、GIIで3回の優勝も果たしており、紛うことなき競輪界のトップアイドル…もといレジェンドレーサーだ。優勝100回を達成したのは今年7月27日(木)の奈良開催、スポーツニッポン杯争奪三笠賞(FI)でのA級決勝。
そんな社長にマスコットのライちゃんや地元の選手達から贈られたのは、本人の顔写真入りのじゃがりこ。トークショーの終わりには、記念品とともに集まったファンの人達にそれらが配られ、サイン入りの富山支部Tシャツを1名様にプレゼントするジャンケン大会も。トークの中で小嶋選手は「まだ自分は現役なので、神山雄一郎さんの909勝を超えたい」と意気込んでいた。

小嶋敬二選手の顔写真が入った特製じゃがりこ photo: Yuichiro Hosoda 
トークのお相手、吉井秀仁さん(千葉、元38期)から祝福を受ける小嶋敬二選手(石川) photo: Yuichiro Hosoda

ファンから祝福されながら優勝100回の記念撮影に収まる小嶋敬二選手(石川)。左右に立つ選手は、ともに富山の南儀拓海選手と竹澤浩司選手 photo: Yuichiro Hosoda
だが準決勝が始まる第10レース前、突如道は開かれた。んまいもん市の一角にあった「駅前ラーメンひげ」に通りかかると刹那、行列が途切れており、聞けば「今ならそれほどお待たせしませんよ〜」とのお返事。数時間前に通った際は30分待ちとお店の方が呼びかけており、一旦諦めていたところに光が差した。このチャンスを逃すまいとすかさずネギラーメンを注文。理由は食べやすそうだから。焦りが生んだ絶妙なチョイス。

駅前ラーメンひげ。運良く行列の間隙を突き、すぐに注文出来た photo: Yuichiro Hosoda

私の後からドンドンと注文が入り、一気にラーメンが作られていった photo: Yuichiro Hosoda 
「ひげ」のネギラーメン。太麺だが滑らかなスープと相まって食べやすい(麺をお見せするために少し上面を崩しました) photo: Yuichiro Hosoda
第10レースの発走時刻が迫る中、チラチラと時計を見ながら待つこと約10分、それは出てきた。富山名物と言えば「富山ブラック」だが、ここのラーメンはスタンダードなアッサリ系。しつこさのない程よい油を含んだスープが、ちぢれた太麺をスルスルと喉の奥に運んでくれる。美味しい。お急ぎ加減な今の自分にもピッタリ。一気に食べ切り「ごちそうさまでした!」とお店の皆さんにお礼を述べ、バンクへ向かってダッシュした。
翌、最終日は店の前を通る度に謎だった食べ物「あんばやし」にありつけた。お店の方に聞いて判明したのは、ちょっと変わり種の味噌田楽と言った風で、やや水気を含んだ味噌ダレをこんにゃくにかけたもの、と言うこと。お金を払って1つくださいと言うと「ルーレットを回してくださいね〜」と促された。指でそれを弾くとなんと大当たり!手からこぼれんばかりの15本ものあんばやしをゲット。
しかしこれはさすがに食べ切れない…と言うことで、取材にご協力くださったブースの方や、ご一緒しているカメラマンの皆さんにお裾分け。日本競輪選手会富山支部のブースでは「あんばやし大好き!」と言っていた下条未悠選手(富山)にも1本。元気なスマイルを頂きました。

謎の食べ物だった富山名物「あんばやし」 photo: Yuichiro Hosoda 
ルーレットであんばやしの数が決まる! photo: Yuichiro Hosoda

圧巻の大当たりあんばやし15本。手からこぼれ落ちそう(笑) photo: Yuichiro Hosoda 
富山支部ブースにいた「あんばやし大好き!」と言う下条未悠選手(富山)にお裾分け photo: Yuichiro Hosoda

富山PRブースで売られていたハッピーターン白えび味。どんなお味か気になる photo: Yuichiro Hosoda 
富山PR+富山競輪ファンクラブブースの皆さん photo: Yuichiro Hosoda
その決勝、1番車には単騎で古性優作(大阪)が。直前の向日町記念GIII「平安賞in奈良」を優勝し、当開催では1着こそないものの、順当にここに駒を進めた。
2番車は、吉田拓矢(茨城)。準決勝は先行した南関東2車の3着に食い込み、ここでは関東の前を務める。その2番手に付くのは、佐々木悠葵(群馬)。8月にタレントの天木じゅんさんとの結婚を公表し、直後の地元前橋GIII・三山王冠争奪戦の決勝は悔しい2着。関東3番手の6番車・小林泰正(群馬)も「自分が勝つ走りを」と背中を押し、初の栄冠を目指す。

第5レース後、バンクに集った決勝出場選手達 photo: Yuichiro Hosoda
3番車に収まった深谷知広(静岡)は「日に日に疲労が溜まっている」と話すも、3連勝でここに。自慢の先行力で3月のウィナーズカップに続く6つめのGIIを狙う。その番手を務めるのは8番車、KEIRINグランプリ2020覇者のベテラン、和田健太郎(千葉)。南関東はこの2車が決勝に臨んだ。
北日本からも2名、新山響平(青森)が5番車に。日本一とも称される先行力で今年は3月の豊橋、6月の久留米と、記念GIIIを2度制覇。番手には準決勝で新山を2着に残しながら1着でここへと進んだ菅田壱道(宮城)が付く。
古性と同じく単騎となったのは7番車の犬伏湧也(徳島)。オールスター競輪を制した後もその勢いは衰えず、この開催もここまで2、1、1着で勝ち上がり。多くの予想家が◎(本命)の印を打った。
富山競輪場は1951年開設。行き方はシンプル。JR富山駅構内にある富山地方鉄道 富山港線に乗ると、20数分程で競輪場前駅へ着く。その改札を出ると、すぐ目の前が駅前入場口だ。入場料は50円。出口でチケットに印をもらえば再入場も可能だ。



バンク周長は333mで、みなし直線43m、最大カントは33°41'24"。33バンクとしては捲りも決まりやすく、400バンクに近いとも言われる。2024年11月からは22年ぶりにバンク改修工事を実施、2025年6月3日から本場開催が再開された。晴れの日には、1センターの向こうに立山連峰を臨むことが出来る。
これまでにGI開催はないが、GIIはかつてあった「ふるさとダービー」を含め過去5回の開催実績がある。前回のビッグレースも当大会で、メインビジュアルのコピー「10年待たせて、ごめん。」の通り、10年ぶりに富山へと共同通信社杯競輪が帰ってきた。


サイクルパークを中心に、縦横無尽の子供達 久しぶりの再会も
最終日も台風の直撃はないと予想されたが、降雨の懸念から準決勝開催日の9月20日(日)を主に、場内をぐるりと巡ることに。この日は時折雨がパラついたものの、曇り空を保った。当場のバンク1センター向こう側には普段から子供達が遊べる「サイクルパークとやま」があり、当開催ではそこの拡張版のようなイベントが開かれていた。そちらに向かって歩いていると、かつてEQADSのキャプテンも務めた知人の元ロードレーサー、内野直也さんが声をかけてくれた。聞けば今はこちらで働いていると言う。「レースは出てないですけど、今でも自転車に乗ってますよ!」とシャツの裾をめくって日焼けの跡を見せ合い、偶然の再会に顔をほころばせた。



内野さんの担当は、私が向かっていたサイクルパークの「わくわく!サイクルアスレチック」。午前の開催がちょうど終わった後とのことで、午後の開始時刻を聞いて再び戻ると、そこで走る子供達が怪我をしないようにとサポートする彼の姿が見られた。
隣接する建物とその周辺では「キッズタウン建設広場」と名付けられた、ダンプカーやショベルカー等、ミニチュア重機の操作を楽しめるスペースも。ふわふわやトランポリンなどの遊具、おもしろ自転車に乗れるコーナーも併設され、子供達がはしゃぐ様子を、親御さん達が時ににこやかに、時にハラハラしながら見守っていた。





こじるりも来たけど、こじけいの優勝100回を祝うぞ!の巻
サイクルパークからやや離れたマルチビジョンテントのステージでは、地元の小嶋敬二選手(石川)の優勝100回を祝うセレモニーとトークショーが行われた。富山なのに隣県の選手?と思われるかもしれないが、石川には競輪場がないこともあり、石川県の選手は日本競輪選手会の富山支部所属なのだ。当日、もう一方のイベントステージでは「こじるり」こと小島瑠璃子さんも時間を違えてトークショーを開催。私はそちらも気になって見に行ってしまったわけだが、一人の競輪ファンとして、中野浩一さんをはじめ数えるほどしかいないこの大記録を成し遂げた、小嶋選手のセレモニーこそ見逃すわけにはいかない。



「社長」のニックネームで知られる小嶋選手は、通算勝利数もこの日現在で866回を数え、うちGIで4回、GIIで3回の優勝も果たしており、紛うことなき競輪界のトップアイドル…もといレジェンドレーサーだ。優勝100回を達成したのは今年7月27日(木)の奈良開催、スポーツニッポン杯争奪三笠賞(FI)でのA級決勝。
そんな社長にマスコットのライちゃんや地元の選手達から贈られたのは、本人の顔写真入りのじゃがりこ。トークショーの終わりには、記念品とともに集まったファンの人達にそれらが配られ、サイン入りの富山支部Tシャツを1名様にプレゼントするジャンケン大会も。トークの中で小嶋選手は「まだ自分は現役なので、神山雄一郎さんの909勝を超えたい」と意気込んでいた。



駅前ラーメン「ひげ」に救われた!急ぎ足グルメ
競輪場内はイベントも食も盛り沢山なのに、それ以上の人人人。「富山んまいもん市」と題したキッチンカーのエリアも各店長蛇の列が。イベントやレースの撮影に歩き回る中、長時間並ぶわけにもいかず、私の食の楽しみが危ぶまれていた。だが準決勝が始まる第10レース前、突如道は開かれた。んまいもん市の一角にあった「駅前ラーメンひげ」に通りかかると刹那、行列が途切れており、聞けば「今ならそれほどお待たせしませんよ〜」とのお返事。数時間前に通った際は30分待ちとお店の方が呼びかけており、一旦諦めていたところに光が差した。このチャンスを逃すまいとすかさずネギラーメンを注文。理由は食べやすそうだから。焦りが生んだ絶妙なチョイス。



第10レースの発走時刻が迫る中、チラチラと時計を見ながら待つこと約10分、それは出てきた。富山名物と言えば「富山ブラック」だが、ここのラーメンはスタンダードなアッサリ系。しつこさのない程よい油を含んだスープが、ちぢれた太麺をスルスルと喉の奥に運んでくれる。美味しい。お急ぎ加減な今の自分にもピッタリ。一気に食べ切り「ごちそうさまでした!」とお店の皆さんにお礼を述べ、バンクへ向かってダッシュした。
翌、最終日は店の前を通る度に謎だった食べ物「あんばやし」にありつけた。お店の方に聞いて判明したのは、ちょっと変わり種の味噌田楽と言った風で、やや水気を含んだ味噌ダレをこんにゃくにかけたもの、と言うこと。お金を払って1つくださいと言うと「ルーレットを回してくださいね〜」と促された。指でそれを弾くとなんと大当たり!手からこぼれんばかりの15本ものあんばやしをゲット。
しかしこれはさすがに食べ切れない…と言うことで、取材にご協力くださったブースの方や、ご一緒しているカメラマンの皆さんにお裾分け。日本競輪選手会富山支部のブースでは「あんばやし大好き!」と言っていた下条未悠選手(富山)にも1本。元気なスマイルを頂きました。






佐々木悠葵がビッグレース初優勝 共同通信社杯競輪[GII]
雨の予報がなされた決勝開催日の9月21日、午前10時頃までは雨が街の路面を濡らしていたが、第5レース後の決勝出場選手紹介の頃には雲間に青空が覗くほどの気候に。台風の影響か、時折強風が吹くも、決勝の第11レースまで曇天のまま空が持ちこたえた。その決勝、1番車には単騎で古性優作(大阪)が。直前の向日町記念GIII「平安賞in奈良」を優勝し、当開催では1着こそないものの、順当にここに駒を進めた。
2番車は、吉田拓矢(茨城)。準決勝は先行した南関東2車の3着に食い込み、ここでは関東の前を務める。その2番手に付くのは、佐々木悠葵(群馬)。8月にタレントの天木じゅんさんとの結婚を公表し、直後の地元前橋GIII・三山王冠争奪戦の決勝は悔しい2着。関東3番手の6番車・小林泰正(群馬)も「自分が勝つ走りを」と背中を押し、初の栄冠を目指す。

3番車に収まった深谷知広(静岡)は「日に日に疲労が溜まっている」と話すも、3連勝でここに。自慢の先行力で3月のウィナーズカップに続く6つめのGIIを狙う。その番手を務めるのは8番車、KEIRINグランプリ2020覇者のベテラン、和田健太郎(千葉)。南関東はこの2車が決勝に臨んだ。
北日本からも2名、新山響平(青森)が5番車に。日本一とも称される先行力で今年は3月の豊橋、6月の久留米と、記念GIIIを2度制覇。番手には準決勝で新山を2着に残しながら1着でここへと進んだ菅田壱道(宮城)が付く。
古性と同じく単騎となったのは7番車の犬伏湧也(徳島)。オールスター競輪を制した後もその勢いは衰えず、この開催もここまで2、1、1着で勝ち上がり。多くの予想家が◎(本命)の印を打った。
共同通信社杯競輪[GII]出走表
| 車番 | 選手名 | 期 | 級班 |
|---|---|---|---|
| 1 | 古性優作(大阪) | 100期 | SS |
| 2 | 吉田拓矢(茨城) | 107期 | SS |
| 3 | 深谷知広(静岡) | 96期 | S1 |
| 4 | 佐々木悠葵(群馬) | 115期 | S1 |
| 5 | 新山響平(青森) | 107期 | S1 |
| 6 | 小林泰正(群馬) | 113期 | S1 |
| 7 | 犬伏湧也(徳島) | 119期 | S1 |
| 8 | 和田健太郎(千葉) | 87期 | S1 |
| 9 | 菅田壱道(宮城) | 91期 | S1 |
16:30、号砲と共にレースがスタート。最内から古性がやや先行するも、9番車の菅田がグイっと踏み込んで内へ向かい、古性の前へと車を被せ、先頭を取る。バックストレッチに入る頃には新山が番手を上げていき、それを横目に佐々木、小林もゆっくりと3番手にいる吉田の後ろへと車を寄せていった。
最初の4コーナーを抜ける頃には新山が前受けとなり、番手に菅田、その後ろに古性と続く。4番手となった関東勢もラインを形成し終わり、吉田、佐々木、小林の順に連なると、その後ろに下げた南関東の深谷、和田、最後に単騎の犬伏が控える並びに。

スタートで内からスッと出た古性優作(大阪)に菅田壱道(宮城)が被せていく photo: Yuichiro Hosoda 
新山響平(青森)が菅田壱道(宮城)の前に入っていく photo: Yuichiro Hosoda

選手達の名を呼ぶ声が響く中、周回を重ねる photo: Yuichiro Hosoda
2周目に入っての隊列は、⑤新山―⑨菅田、①古性、②吉田―④佐々木―⑥小林、③深谷―⑧和田、⑦犬伏。この順番で前半3周回の終盤までを消化し、先頭誘導員が4周目のコントロールラインを過ぎると、7番手にいた深谷が和田を連れて上昇開始。新山を先頭にした隊列は、誘導員から距離を空けつつ1センター過ぎから外に車を振ってこれを警戒。
バックストレッチに入って深谷が腰を上げると、これに合わせるように新山も加速して突っ張る。深谷はここで無理せず後ろへ下がると、3コーナーで今度は4番手にいた吉田がスピードアップ。古性がやや牽制を入れつつこれを見送る。コーナー出口の傾斜を利用して吉田がさらに踏み込むと、赤板周回に入り新山をかわして先頭に、2コーナーでは関東3車が前に出切った。

残り3周回最初のコーナー、深谷知広(静岡)と和田健太郎(千葉)が外から番手を上げていく photo: Yuichiro Hosoda 
南関東勢が車を下げる中、3コーナーで吉田拓矢ら関東勢が進撃を開始 photo: Yuichiro Hosoda

新山響平(青森)を捲り切って残り2周の赤板周回へ入る吉田拓矢(茨城) photo: Yuichiro Hosoda
一方の古性も新山が後退を始めたと見るや、関東3車の後ろ4番手に飛び付き、これを追う。続いてバックストレッチに入って後方から上げていった犬伏も古性に追いつき5番手に。打鐘が鳴る中、3コーナーから再び一列棒状となった集団は、②吉田―④佐々木―⑥小林、①古性、⑦犬伏、⑤新山―⑨菅田、③深谷―⑧和田となり、最終周回へ。
ここで次なるアクションを起こしたのは吉田に「関東の総大将」と全幅の信頼を置き、その後ろを回っていた佐々木。2コーナー途中から番手発進すると、バックストレッチ入口から後退し始めた吉田と入れ替わり先頭に立った。

関東3車が前へと出切る。古性優作(大阪)がマーク先をそこに切り替え4番手に photo: Yuichiro Hosoda 
全開で踏み続ける吉田拓矢(茨城)を先頭に、関東勢が最終周回へ photo: Yuichiro Hosoda

最終2コーナー半ばから番手発進した佐々木悠葵(群馬)。小林泰正(群馬)がそれをしっかりマーク photo: Yuichiro Hosoda
古性も佐々木の出を見て3コーナー手前から捲りを打つも、小林が果敢にこれをブロック。3-4コーナーで頭突きも交えて互いに競り合うと、これに勝ったのは小林。佐々木の後ろを守って最終コーナーを立ち上がる。直線入って内から犬伏が追い込んで来るも、先頭を行く佐々木は、これを寄せ付けることなく1着フィニッシュ。小林との群馬ワンツーフィニッシュを飾った。
自身初の特別競輪優勝を手にした佐々木は、後閑信一さんとの表彰前インタビューで「作戦通りの展開」と話すも「最後は脚が一杯で、泰正さんとワンツー決められたらな、と思って走っていました。最初は抜かれたかなと思ってわからなかったんですけど、泰正さんに教えてもらえて1着と実感して本当に嬉しかった」と最終局面を振り返った。

古性優作(大阪)の進出を、小林泰正(群馬)が渾身のブロックで阻む photo: Yuichiro Hosoda 
佐々木悠葵(群馬)が先頭で最後の直線へ。内から犬伏湧也(徳島)も迫る photo: Yuichiro Hosoda

佐々木悠葵(群馬)が先頭でフィニッシュ、小林泰正(群馬)とのワンツーを決めた photo: Yuichiro Hosoda 
フィニッシュ後、小林泰正(群馬)が笑顔で佐々木悠葵(群馬)の勝利を称える photo: Yuichiro Hosoda

拳を突き上げて観客の祝福に応える佐々木悠葵(群馬) photo: Yuichiro Hosoda
終盤の決断について聞かれると、前日に佐々木豪(愛媛)から「本当にバンクが重くて、ちょっと躊躇したら危ない」とアドバイスをもらったと言い、「そのアドバイスを活かせた」と感謝した。
インタビュー後半では後閑さんに結婚を祝福され、「ファンの皆様に一言」と振られると「泣きそうなぐらい嬉しいです」と泣き真似をして会場を沸かせた。妻に向けては「優勝できたよ!」とガッツポーズ。「結婚されてから佐々木くんの表情が生まれ変わったような気がするんですが」と尋ねられると「十皮くらい剥けちゃいましたね」と冗談も。インタビューの終わりには佐々木の音頭で「競輪!」と叫ぶとファンが「最高!」と返し、最後まで優勝者自ら明るく会場を盛り上げていた。

敢闘門へ向かう途中、勝利を噛みしめるように下をむいた佐々木悠葵(群馬) photo: Yuichiro Hosoda 
「泣きそうなぐらい嬉しい」と泣き真似を見せる佐々木悠葵(群馬) photo: Yuichiro Hosoda

右手でガッツポーズを作りながら賞金ボードを掲げる佐々木悠葵(群馬) photo: Yuichiro Hosoda

関東地区の仲間たちに胴上げされる佐々木悠葵(群馬) photo: Yuichiro Hosoda
最初の4コーナーを抜ける頃には新山が前受けとなり、番手に菅田、その後ろに古性と続く。4番手となった関東勢もラインを形成し終わり、吉田、佐々木、小林の順に連なると、その後ろに下げた南関東の深谷、和田、最後に単騎の犬伏が控える並びに。



2周目に入っての隊列は、⑤新山―⑨菅田、①古性、②吉田―④佐々木―⑥小林、③深谷―⑧和田、⑦犬伏。この順番で前半3周回の終盤までを消化し、先頭誘導員が4周目のコントロールラインを過ぎると、7番手にいた深谷が和田を連れて上昇開始。新山を先頭にした隊列は、誘導員から距離を空けつつ1センター過ぎから外に車を振ってこれを警戒。
バックストレッチに入って深谷が腰を上げると、これに合わせるように新山も加速して突っ張る。深谷はここで無理せず後ろへ下がると、3コーナーで今度は4番手にいた吉田がスピードアップ。古性がやや牽制を入れつつこれを見送る。コーナー出口の傾斜を利用して吉田がさらに踏み込むと、赤板周回に入り新山をかわして先頭に、2コーナーでは関東3車が前に出切った。



一方の古性も新山が後退を始めたと見るや、関東3車の後ろ4番手に飛び付き、これを追う。続いてバックストレッチに入って後方から上げていった犬伏も古性に追いつき5番手に。打鐘が鳴る中、3コーナーから再び一列棒状となった集団は、②吉田―④佐々木―⑥小林、①古性、⑦犬伏、⑤新山―⑨菅田、③深谷―⑧和田となり、最終周回へ。
ここで次なるアクションを起こしたのは吉田に「関東の総大将」と全幅の信頼を置き、その後ろを回っていた佐々木。2コーナー途中から番手発進すると、バックストレッチ入口から後退し始めた吉田と入れ替わり先頭に立った。



古性も佐々木の出を見て3コーナー手前から捲りを打つも、小林が果敢にこれをブロック。3-4コーナーで頭突きも交えて互いに競り合うと、これに勝ったのは小林。佐々木の後ろを守って最終コーナーを立ち上がる。直線入って内から犬伏が追い込んで来るも、先頭を行く佐々木は、これを寄せ付けることなく1着フィニッシュ。小林との群馬ワンツーフィニッシュを飾った。
自身初の特別競輪優勝を手にした佐々木は、後閑信一さんとの表彰前インタビューで「作戦通りの展開」と話すも「最後は脚が一杯で、泰正さんとワンツー決められたらな、と思って走っていました。最初は抜かれたかなと思ってわからなかったんですけど、泰正さんに教えてもらえて1着と実感して本当に嬉しかった」と最終局面を振り返った。





終盤の決断について聞かれると、前日に佐々木豪(愛媛)から「本当にバンクが重くて、ちょっと躊躇したら危ない」とアドバイスをもらったと言い、「そのアドバイスを活かせた」と感謝した。
インタビュー後半では後閑さんに結婚を祝福され、「ファンの皆様に一言」と振られると「泣きそうなぐらい嬉しいです」と泣き真似をして会場を沸かせた。妻に向けては「優勝できたよ!」とガッツポーズ。「結婚されてから佐々木くんの表情が生まれ変わったような気がするんですが」と尋ねられると「十皮くらい剥けちゃいましたね」と冗談も。インタビューの終わりには佐々木の音頭で「競輪!」と叫ぶとファンが「最高!」と返し、最後まで優勝者自ら明るく会場を盛り上げていた。




共同通信社杯競輪[GII]結果
| 着 | 車番 | 選手名 | 級班 | 着差 | 上りタイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 1着 | 4 | 佐々木悠葵(群馬) | S1 | 9.8秒 | |
| 2着 | 6 | 小林泰正(群馬) | S1 | 1車輪 | 9.7秒 |
| 3着 | 7 | 犬伏湧也(徳島) | S1 | 1車身 | 9.6秒 |
| 4着 | 1 | 古性優作(大阪) | SS | 1/2車身 | 9.9秒 |
| 5着 | 9 | 菅田壱道(宮城) | S1 | 1車輪 | 9.4秒 |
| 6着 | 5 | 新山響平(青森) | S1 | 1/2車身 | 9.5秒 |
| 7着 | 3 | 深谷知広(静岡) | S1 | 1車身1/2 | 9.6秒 |
| 8着 | 8 | 和田健太郎(千葉) | S1 | 3車身 | 9.6秒 |
| 9着 | 2 | 吉田拓矢(茨城) | SS | 7車身 | 11.0秒 |
あなたの自転車見せてください 〜着実に実績を重ね初の自力ビッグレースへ、堀江省吾編〜
27回目のバイクチェックは、長野の堀江省吾選手(119期)。実は筆者と同じ長野県屋代高校の出身。おそらく自転車のプロレーサーでは唯一の同校卒業生だ。そんなご縁もあり、今回快く取材を引き受けて頂いた。
在校時の堀江選手はバドミントン班に所属(※屋代高は部を班と呼びます)、信州大学進学後に自転車競技を始めると、実力を高めて行く。その後大学院にも進んだ堀江選手だったが、競輪選手を志して日本競輪選手養成所へ。2021年にはプロデビューを果たす。
トラック競技の実績も豊富で、大学時代の2019年にはイナーメ信濃山形に所属しJBCF東日本トラック男子ケイリン優勝、JBCF全日本トラック男子ケイリン2位。プロデビュー後の2021年と2023年にはJBCF全日本トラック1kmTT優勝を遂げている。その間、競輪選手としても堅実に実績を重ね、昨年のGI・寬仁親王牌は2日目からの補充だったが、この大会でついに自ら権利を獲得し、正式なビッグレース初出場を決めた。
そんな堀江選手が現在駆るのはパナソニックのフレーム。デビュー以降ブリヂストンのフレームを使っており、一昨年あたりからパナソニックをメインにしたとのこと。

ジオメトリーはKEIRINグランプリ2023の覇者でもある松浦悠士選手(広島)のフレームがベースになっており、「松浦フレーム」と呼ばれて幾人もの競輪選手が参考にしているのだとか。特徴としてはハンガー下がりが大きめで68mm。以前は60mmにしており、下げてからは「踏み心地が少し重くなるんですけど、スピードの流れは断然こちらの方が良いです」。
そのカラーリングは「元々赤が好きだったのですけど、全て赤にしてしまうと丸々松浦さんになってしまうので」と照れながら、チューブの中央に「キラキラ系の」シルバーポリッシュを加えた事を教えてくれた。
空力特性も意識した規定最小幅340mmのハンドルはクロモリ製で、ステムは深曲がりの125mm。A級の頃はアルミのハンドルやステムも使っていたと言うが、ダッシュ時の剛性に関して「柔いと言うか、反応が遅れてくる。軽いんですけど、少しフワフワしている」との評。そこからクロモリに戻したそう。



サドルはブラウンのカシマックス ファイブゴールド。同じサドルでも色によってグリップが違うそうですね、と話を振ると「最初はブラックを使っていたんですけれど、ちょっと滑る感じがして。養成所の頃からブラウンにし始めて、白にも1度した事があったんですけど、これに落ち着きました」と経緯を話しつつ「あと、色も好みなので」と、はにかんだ。
チェーンには日本ナショナルチームも使うD.I.D MIDASを奢る。「硬めでひと踏み目は重いが、先行をしている時などはずっと踏める感覚があります」。しかし「冬になって重くなってきたら軽いチェーンにしたりする事も」と季節や状態に合わせたセッティングも欠かさない。




ペダルは製品ごとに軸長や踏み面の広さが違うと言い、「他のペダルは違和感があって、自分はこれが一番しっくりくる」とMKS RX-1を使い続ける。シューズは39.5を使いながらトゥークリップはLサイズと深めの嵌まりを好む。
前輪タイヤは抵抗が少ないと言うソーヨーRED RII、後輪はかかりの良さを狙って同社のGOLD STARに。ホイールはエアロスポークを用いて前結線、後ろフリーのスタンダードな組み方。落車した際の安全性も考慮しつつ「一番は固さ」だそうで、注文時に張力を高めにしてもらっているのだとか。A級の時はもう少し柔らかくしていた事もあると話すが、S級になってからはダッシュでワンテンポ遅れる事が増え、固めのテンションとしている。



7月から歯の手術の失敗による痛みや腫れの影響で欠場が続いていた堀江選手は、8月の前橋GIII・三山王冠争奪戦で復帰。次戦がこの開催となった。開催中、前日までの3走は7、6、5着と苦しんでいたが、3走後に同県の菊池岳仁選手から、「もっと(シートポストを)上げても良いんじゃないか」と言われ5〜6mmアップ。シューズの中敷きなども変更して臨んだラストのS級一般戦で1着。「ラインのお陰」と感謝しながら、昨年の寬仁親王牌3日目に続く特別競輪2勝目を挙げた。
この取材をお願いした際には、自身も読者でもあると言うシクロワイアードへの出演をとても喜んでくださり、たいへん光栄でした。堀江選手、ありがとうございました。


JKA協賛プレゼントキャンペーン第27弾
優勝選手サイン入りQUOカード
27回目となる公益財団法人 JKA協賛によるプレゼントキャンペーン。今回も応募フォームのアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で、大会オリジナルQUOカードが当たります。フォームには、宛先に加えて任意で感想を入力するだけ。最短1分ほどで入力が完了します。今回も大会限定QUOカード2枚1セットを5名様に。2枚のうち1枚は、GII初優勝を遂げた佐々木悠葵選手の直筆サイン&日付入りです。奮ってご応募ください!

※QUOカードは1枚あたり500円分となります。
※ご応募は、お一人様1回限りとさせていただきます。複数回ご応募された場合は、抽選対象から除外となりますので、ご注意ください。
※当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。電話やメールでの当選結果のご質問にはお答えできませんので、ご了承ください。
※当サイトにおける個人情報の取り扱いについて、ご応募される前に下記のリンク先にある文章をお読みください。応募と同時に当方針に同意したものとみなされます。
→プライバシーポリシー
結びに――既報の通り、当大会の決勝と同日、2017年にこの共同通信社杯競輪を制した諸橋愛選手(新潟、79期)が、9月中旬に出走した競走での落車事故を起因とした多臓器不全によりこの世を去った。ここに改めて諸橋愛選手のご冥福を祈り、ご遺族に哀悼の意を捧げます。
提供:公益財団法人 JKA text&photo: Yuichiro Hosoda