2024/08/24(土) - 18:30
7月のサマーナイトフェスティバルに続き、8月はファンが選んだ選手達ともに盛り上がるもう一つの夏の祭典、オールスター競輪が開催。今年は太平洋にほど近い平塚競輪場が舞台に。まずは「女子オールスター競輪」が行われる8月15日(木)、車を走らせて相模川のほとり、潮風と川風が入り交じるその場所へと足を運んだ。
平塚は現在「ABEMA湘南バンク」とも呼ばれ、KEIRINグランプリをはじめとするビッグレースを幾度も開催しており、国内でも屈指の集客力を誇る競輪場だ。クセのない400mバンクで、みなし直線は54.2m。意外にもナイターでの特別競輪は、これが初開催とのこと。場内やバンク内の昼夜の変化とともに、その様子をお伝えしていきたい。
今回も当開催デザインのQUOカードプレゼントがあります。記事末尾をご参照の上、ぜひご応募ください。
投票対象には、S級S班&1班在籍(男子の場合)と言った、いくつかの条件をクリアーした選手がラインナップされる。今年は、8年連続で児玉碧衣(福岡)がガールズのトップに、男子は古性優作(大阪)が初めて1位に選出された。加えて今年度は直前のパリオリンピック帰りのナショナルチームの選手達も参戦するとあって、ファンの注目度も一層高まった。
夏らしい太陽の強い日差しを浴びながら正門をくぐると、人々は直射日光を避け、自然と屋根のあるスペースへ。真っ直ぐ進むとイベントステージや食堂が立ち並ぶ大テントが日差しを隠してくれる。所々にミストを流す扇風機も。
場内各所に設けられた無料ドリンクコーナーには、なんと期間限定でパイナップルやマスカットなどのフルーツジュースやカルピスまであり、子供たちがこぞって注いでいた。
大テントの食堂向かいの建物は、キッズルーム併設の「なぎさラウンジ」で、ここも広く充実。マリオカート アーケードグランプリ2の対戦台や競輪4D疑似体験コーナーがあり、子供に混じって大人も楽しめるようになっていた。
個人的に密かな発見だったのは、ナムコ(現バンダイナムコ)のエレメカゲーム「ワニワニパニック」初代機。本筋から逸れるため詳細は割愛するが、当初1988年から稼働開始したこのゲームは、叩かれ続ける宿命がゆえ、今や正常稼働する機体を見つけるのも難しい。再塗装や部品交換を経ながら大切にメンテナンスされているであろうこれは、希少な逸品だ。心踊らせつつ、世代を超え、現代の子供たちがハンマー片手に楽しむ様子を撮影させて頂いた。
大テントからさらにバンク方向へ歩を進めると、メインスタンドが見えてくる。中はエアコンも効いており快適。その1階片隅にある展示コーナーには、過去のビッグレースの参加選手や優勝選手のトロフィー、記念のQUOカードなどが並べられており、それを見て過去の大会を懐かしむ人もチラホラ。スタンドはバンク間近とあって、暑さを避けながらレースの発走前後にバンク前と中とを行き来する人達が多く見受けられた。
そうしてレースと場内の様子を交互に撮影しながら過ごしていると、第7〜8レースの頃には照明が灯り、空の色とともに場内もその表情を変えていく。本日のメインレース「女子オールスター競輪決勝」が近づき陽も落ちたことで、バンク前も賑わいを増す。ここからは、その最終レース、決勝の模様をお届けしよう。
1番車はパリ五輪帰りの佐藤水菜(神奈川)。すぐ隣の2番車にファン投票1位の児玉碧衣が着く。3番日野未来(奈良)、4番石井寛子(東京)、5番久米詩(静岡)、6番坂口楓華(愛知)と来て、7番にもう1人のオリンピアン・太田りゆ(埼玉)が収まった。ナショナルチームの佐藤と太田は、ガールズケイリンを走ってきた選手達とは久しぶりの顔合わせ。佐藤は13日のドリームレース、14日のガールズ予選2を連勝。特に後者では2着の児玉まで9車身差を付けて力の差を見せつけており、決勝も圧倒的支持を得て迎えた。
体制完了してスタートすると、青いユニフォームの石井が前を取る。久米が続き、その後ろに児玉が入るも、2周回目には太田が2番手に割って入った。佐藤は5番目に並び、事前にその番手を取りたいと宣言していた日野がその通りの位置を奪取、最後尾で坂口が機会を伺った。
先頭員が離れてジャンが鳴り出すと、3コーナー入り口から坂口が最初に仕掛ける。しかしこれにすぐさま佐藤が反応して追走、最終周回へのホームストレッチラインを切る頃には早々と先頭へ踊り出る。これに一旦かわされた太田が追いすがり、外からは日野も上がってきてバックストレッチへ。坂口が後退していく中、久米と児玉が4-5番手となるも前を追い上げるまでに至らず、並びは変わらない。
2番手太田と先頭佐藤の差はこの時点で2車身以上離れ、縮まらないまま最終コーナーを立ち上がる。直線にかかって太田がわずかに追い上げを見せるも勝負はここまで。佐藤が1車身半の差をつけて、初日からここまで全て1着の、いわゆる「完全優勝」を決めた。3着に日野未来、その後ろに久米、児玉が続いた。「今日は残り1周半から1周の間に仕掛けてやると強い気持ちを持っていた。そこで坂口選手が先に仕掛けたのでしっかりとスピードをもらって、あとは今までにないくらい全開で突っ込んだ」と佐藤はレースを振り返っている。
今回のオールスターは前検日を含めると8月12日から。直前までパリに居たナショナルチームのメンバーは、帰国して即バンク入りと言う強行日程だ。バンクの性質、距離、自転車、全てが変わる上に時差ボケへの対応など体調面でも不安要素も多かったはず。太田はその辺りに苦しんだのか予選は振るわなかったが、決勝では2着。勝った佐藤とともにナショナルチームの強さが際立つレースだった。
強行日程に触れ、佐藤は「競輪関連団体の方が配慮してくださり、大切にここまで運んでくださって、すごく幸せでした」と周囲への感謝も忘れなかった。これまで我慢していたと言う大好きなラーメンを味わった後、9月には伊豆ベロドロームで行われる全日本選手権トラックと前橋競輪を走る予定。
平塚は現在「ABEMA湘南バンク」とも呼ばれ、KEIRINグランプリをはじめとするビッグレースを幾度も開催しており、国内でも屈指の集客力を誇る競輪場だ。クセのない400mバンクで、みなし直線は54.2m。意外にもナイターでの特別競輪は、これが初開催とのこと。場内やバンク内の昼夜の変化とともに、その様子をお伝えしていきたい。
今回も当開催デザインのQUOカードプレゼントがあります。記事末尾をご参照の上、ぜひご応募ください。
昼から夜へ 湘南バンクの移ろう表情と熱気を味わう
オールスター競輪はプロ野球のそれと同様、年に一度、ファンが自ら投票して出場選手を選ぶことが出来る、ファン参加型のビッグレースだ。プロ野球と違うのはお祭り的色彩の濃い試合でなく、あくまでも真剣勝負の勝ち上がり式競争と言う点。男子のそれはGIの1つと定められ、格式は高い。また、女子オールスターも来年よりGIへと昇格し、単独開催となる。投票対象には、S級S班&1班在籍(男子の場合)と言った、いくつかの条件をクリアーした選手がラインナップされる。今年は、8年連続で児玉碧衣(福岡)がガールズのトップに、男子は古性優作(大阪)が初めて1位に選出された。加えて今年度は直前のパリオリンピック帰りのナショナルチームの選手達も参戦するとあって、ファンの注目度も一層高まった。
夏らしい太陽の強い日差しを浴びながら正門をくぐると、人々は直射日光を避け、自然と屋根のあるスペースへ。真っ直ぐ進むとイベントステージや食堂が立ち並ぶ大テントが日差しを隠してくれる。所々にミストを流す扇風機も。
場内各所に設けられた無料ドリンクコーナーには、なんと期間限定でパイナップルやマスカットなどのフルーツジュースやカルピスまであり、子供たちがこぞって注いでいた。
大テントの食堂向かいの建物は、キッズルーム併設の「なぎさラウンジ」で、ここも広く充実。マリオカート アーケードグランプリ2の対戦台や競輪4D疑似体験コーナーがあり、子供に混じって大人も楽しめるようになっていた。
個人的に密かな発見だったのは、ナムコ(現バンダイナムコ)のエレメカゲーム「ワニワニパニック」初代機。本筋から逸れるため詳細は割愛するが、当初1988年から稼働開始したこのゲームは、叩かれ続ける宿命がゆえ、今や正常稼働する機体を見つけるのも難しい。再塗装や部品交換を経ながら大切にメンテナンスされているであろうこれは、希少な逸品だ。心踊らせつつ、世代を超え、現代の子供たちがハンマー片手に楽しむ様子を撮影させて頂いた。
大テントからさらにバンク方向へ歩を進めると、メインスタンドが見えてくる。中はエアコンも効いており快適。その1階片隅にある展示コーナーには、過去のビッグレースの参加選手や優勝選手のトロフィー、記念のQUOカードなどが並べられており、それを見て過去の大会を懐かしむ人もチラホラ。スタンドはバンク間近とあって、暑さを避けながらレースの発走前後にバンク前と中とを行き来する人達が多く見受けられた。
そうしてレースと場内の様子を交互に撮影しながら過ごしていると、第7〜8レースの頃には照明が灯り、空の色とともに場内もその表情を変えていく。本日のメインレース「女子オールスター競輪決勝」が近づき陽も落ちたことで、バンク前も賑わいを増す。ここからは、その最終レース、決勝の模様をお届けしよう。
パリ五輪オリンピアン・佐藤水菜が女子オールスター完全V
第12レース、レース前にゲストDJのマーク・パンサーが光の演出とともに会場の熱気を押し上げると、場内アナウンスが入り選手達が入場、発走機に7名の選手達が並んだ。1番車はパリ五輪帰りの佐藤水菜(神奈川)。すぐ隣の2番車にファン投票1位の児玉碧衣が着く。3番日野未来(奈良)、4番石井寛子(東京)、5番久米詩(静岡)、6番坂口楓華(愛知)と来て、7番にもう1人のオリンピアン・太田りゆ(埼玉)が収まった。ナショナルチームの佐藤と太田は、ガールズケイリンを走ってきた選手達とは久しぶりの顔合わせ。佐藤は13日のドリームレース、14日のガールズ予選2を連勝。特に後者では2着の児玉まで9車身差を付けて力の差を見せつけており、決勝も圧倒的支持を得て迎えた。
体制完了してスタートすると、青いユニフォームの石井が前を取る。久米が続き、その後ろに児玉が入るも、2周回目には太田が2番手に割って入った。佐藤は5番目に並び、事前にその番手を取りたいと宣言していた日野がその通りの位置を奪取、最後尾で坂口が機会を伺った。
先頭員が離れてジャンが鳴り出すと、3コーナー入り口から坂口が最初に仕掛ける。しかしこれにすぐさま佐藤が反応して追走、最終周回へのホームストレッチラインを切る頃には早々と先頭へ踊り出る。これに一旦かわされた太田が追いすがり、外からは日野も上がってきてバックストレッチへ。坂口が後退していく中、久米と児玉が4-5番手となるも前を追い上げるまでに至らず、並びは変わらない。
2番手太田と先頭佐藤の差はこの時点で2車身以上離れ、縮まらないまま最終コーナーを立ち上がる。直線にかかって太田がわずかに追い上げを見せるも勝負はここまで。佐藤が1車身半の差をつけて、初日からここまで全て1着の、いわゆる「完全優勝」を決めた。3着に日野未来、その後ろに久米、児玉が続いた。「今日は残り1周半から1周の間に仕掛けてやると強い気持ちを持っていた。そこで坂口選手が先に仕掛けたのでしっかりとスピードをもらって、あとは今までにないくらい全開で突っ込んだ」と佐藤はレースを振り返っている。
今回のオールスターは前検日を含めると8月12日から。直前までパリに居たナショナルチームのメンバーは、帰国して即バンク入りと言う強行日程だ。バンクの性質、距離、自転車、全てが変わる上に時差ボケへの対応など体調面でも不安要素も多かったはず。太田はその辺りに苦しんだのか予選は振るわなかったが、決勝では2着。勝った佐藤とともにナショナルチームの強さが際立つレースだった。
強行日程に触れ、佐藤は「競輪関連団体の方が配慮してくださり、大切にここまで運んでくださって、すごく幸せでした」と周囲への感謝も忘れなかった。これまで我慢していたと言う大好きなラーメンを味わった後、9月には伊豆ベロドロームで行われる全日本選手権トラックと前橋競輪を走る予定。
女子オールスター競輪 決勝 結果
着 | 車番 | 選手名 | 級班 | 着差 | 上りタイム |
---|---|---|---|---|---|
1着 | 1 | 佐藤水菜(神奈川) | L1 | 11.8秒 | |
2着 | 7 | 太田りゆ(埼玉) | L1 | 1車身1/2 | 11.7秒 |
3着 | 3 | 日野未来(奈良) | L1 | 3/4車身 | 11.7秒 |
4着 | 5 | 久米詩(静岡) | L1 | 3/4車身 | 11.6秒 |
5着 | 2 | 児玉碧衣(福岡) | L1 | 1車身1/2 | 11.6秒 |
6着 | 6 | 坂口楓華(愛知) | L1 | 4車身 | 12.0秒 |
7着 | 4 | 石井寛子(東京) | L1 | 大差 |
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ひとたび平塚を離れ、中2日空けて、次回は男子のオールスター競輪で再びここへ。ファンが選んだトップスター達の競演は、まだまだ続きます。お楽しみに!
提供:公益財団法人 JKA text&photo: Yuichiro Hosoda