2024/08/31(土) - 18:45
女子オールスター競輪終幕から中2日の8月18日(日)、男子のGI「オールスター競輪」のため、イソベとホソダの2人体制で平塚競輪場に訪れた。前回よりも暑さの質が違って風があり、湿度は高め。直撃は免れたものの台風の影響がかすかに残る、そんな1日となった。
競輪場の様子は前回お伝えしているので、少し脱線して競輪観戦時に最初に当たる戸惑いポイント、「ジャージの色と選手が一致しない問題」に触れてみよう。これから解説する事を頭の片隅に置きながらレースを見て頂ければ、少し選手やレースの展開を追いかけやすくなるかも?
前回Vol.7と共通のオールスター競輪デザインのQUOカードプレゼントがあります。記事末尾をご参照の上、ぜひご応募ください。
競輪は日中やナイターの開催で1日11〜12レースあるが、いきなり全てを追いかける必要はない。まずはその日の最後を飾るメインレースをしっかり見るつもりで行ってみよう。1レースの出場選手の数も最大9名までに限られているため、レースが始まったら全員を追うのではなく、人気の高い選手や自分が注目している選手に絞っておくとレースの展開が把握しやすくなる。スタート前に3名くらいの服色と名前を頭に入れておけば十分だろう。
レースが始まったら実況放送にも耳を傾けてみよう。競輪の実況担当の方の知識と言葉を繰り出す速度は相当なもので、実況そのものに惚れ惚れとしてしまう事があるほど。常に選手の位置や並びを名前付きで呼んでくれる上、時に性格や実績まで紹介してくれるので、レースを見ながら勉強になること請け合いだ。ただし後半のレースともなると観客の数もボルテージも上がり歓声も大きいので、実況がちょっと聞きづらい事もある(笑)
そして選手を知るにはもちろん顔が大事。ビッグレース開催の最終日であれば、バンクに早めに来て決勝出場の選手紹介を見ることをオススメしたい。大抵は第4〜第6レースいずれかの後あたり。バンク内のメインスタンド前やイベントステージで、車番順に並んで1人ずつ挨拶をしていくため、選手の顔や特徴を知るにはもってこいだ。下に、この日の決勝出場選手の何人かをピックアップして写真で紹介しよう。
決勝後の表彰式はもちろん、他のレース後でも勝った選手がバンク前に来てインタビューを受けることがあるので、それを見て選手を覚えていくのも手だ。あとはメインレースまでビールを飲むもよし、食事するもよし、競輪場の雰囲気を楽しめたら十分に来た甲斐はあるはずだ。
そんなわけで、メインレースの前に一旦バトンタッチ。競輪を楽しむもう一つの手段、競輪場グルメをイソベがご紹介します。
接客に厨房に大回転のお母さんのご主人は、やはり元選手だった永伍さんの弟さん(高原兄弟は5人全員が競輪選手だった!)。さらに元選手の吉田輪太郎さんが厨房で鍋を振るうという、正真正銘の競輪メシ屋さんなのです。
注文したのはイチオシだというポークソテー定食(イソベ)とモツ煮込み(ホソダ)。ポークソテーは醤油ベースの甘じょっぱい味付けのロース肉に、たっぷり冷奴までついて大満足。モツ煮も丁寧な味付けとガッツリ量で、思わずビールを飲みたくなってしまうのでした。どの常連さんに聞いても「美味いのにボリューム満点で安くてサイコー!」とのことなので、平塚競輪に足を運ぶ際はおすすめの一店です。
決勝は地元の郡司浩平(神奈川)が1番車、ファン投票1位の古性優作(大阪)が2番車、3番には47歳のベテラン佐藤慎太郎(福島)が着いた。以下は4番守澤太志(秋田)、5番眞杉匠(栃木)、6番渡部幸訓(福島)、7番窓場千加頼(京都)、8番松井宏佑(神奈川)、9番新山響平(青森)の並び。とりわけ7番窓場は一次予選2から3連勝と充実しており、準決勝で1-2着した近畿で同期の古性とのコンビネーションに期待がかかった。
ファン投票トップ10からの勝ち上がりは、古性(1位)、眞杉(6位)、佐藤(7位)、新山(8位)、郡司(10位)の5名。ラインは新山、佐藤、守澤、渡部の北日本勢が最多の4名に近畿と神奈川が2名ずつ、単騎で眞杉が対抗する形となった。
スタート直後、郡司と古性が並んで前を取り合うも、バックストレッチに回った辺りで古性が前を取る。古性は後ろから来た窓場に前を譲り、近畿が前受け。その後ろに松井と郡司の神奈川ライン、新山をアタマに北日本勢4人が固め、単騎の眞杉は最後尾へ。
打鐘周回(赤板=残り2周回)の目前、ホームストレッチから新山響平が北日本勢を引き上げていく。次のコーナーをクリアする間に徐々に進出し、バックでは北日本勢4名が前を占めた。彼らを出して横のスペースを作った窓場は、ここから改めて勝負に出る。北日本勢最後尾の渡部から1車身前後空けて追走し続けた後、最終周回の2コーナー出口付近から古性を引き連れて外から捲っていく。
最終周の3コーナーでは2番手佐藤慎太郎のブロックを受けるも、窓場はこれに動じず、先頭を行く新山響平を捉えにかかる。そこへ4コーナーの立ち上がりから満を持して古性優作が進出、粘り続ける新山、伸びを欠いた佐藤、それをかわした窓場らをゴール前一気に差し切って優勝。古性は直後に勝利を確信し、ガッツポーズを繰り出して喜びを爆発させた。古性を牽引した窓場が2着。近畿の2人がワンツーフィニッシュを飾った。内を北日本と近畿に埋められ、後方から大外を回ることになった神奈川の松井宏佑は届かず4着まで。
インタビューで古性は「作戦は全くなかったので、千加頼どうするかなと見ていた。2コーナーからバックあたりで(彼が)すごい加速していったので、乗り越えるなと思ってたんですが、慎太郎さんのブロックも凄かったので、そこから外へ踏んだ」と最終周回の様子を振り返っていた。
また「競輪学校(現・競輪選手養成所)に居た時から千加頼を見ていて、彼が強すぎたんで、本当に追いつきたいと思ってずっとやってきた。千加頼とワンツーを決められて嬉しい。競輪学校では彼が一番強かったので、その時の千加頼に戻ってきたかなと思う」と自分よりも同期である窓場の名を何度も挙げて、喜びを表していたのが印象的だった。
競輪場の様子は前回お伝えしているので、少し脱線して競輪観戦時に最初に当たる戸惑いポイント、「ジャージの色と選手が一致しない問題」に触れてみよう。これから解説する事を頭の片隅に置きながらレースを見て頂ければ、少し選手やレースの展開を追いかけやすくなるかも?
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注目レース&選手を絞って見てみよう 競輪観戦ことはじめ
ロードレースファンの皆さんが競輪を見る時にまず戸惑うのは、毎レースで選手が着ているサイクルジャージ(競輪風に言うとユニフォーム)の色が変わってしまう点だろう。1年のうちでロードレースチームのジャージが変わるのはそうない事だが、競輪は違う。最初のうちは「一体誰がどこを走っているの?」となってしまいがちだ。競輪は日中やナイターの開催で1日11〜12レースあるが、いきなり全てを追いかける必要はない。まずはその日の最後を飾るメインレースをしっかり見るつもりで行ってみよう。1レースの出場選手の数も最大9名までに限られているため、レースが始まったら全員を追うのではなく、人気の高い選手や自分が注目している選手に絞っておくとレースの展開が把握しやすくなる。スタート前に3名くらいの服色と名前を頭に入れておけば十分だろう。
レースが始まったら実況放送にも耳を傾けてみよう。競輪の実況担当の方の知識と言葉を繰り出す速度は相当なもので、実況そのものに惚れ惚れとしてしまう事があるほど。常に選手の位置や並びを名前付きで呼んでくれる上、時に性格や実績まで紹介してくれるので、レースを見ながら勉強になること請け合いだ。ただし後半のレースともなると観客の数もボルテージも上がり歓声も大きいので、実況がちょっと聞きづらい事もある(笑)
そして選手を知るにはもちろん顔が大事。ビッグレース開催の最終日であれば、バンクに早めに来て決勝出場の選手紹介を見ることをオススメしたい。大抵は第4〜第6レースいずれかの後あたり。バンク内のメインスタンド前やイベントステージで、車番順に並んで1人ずつ挨拶をしていくため、選手の顔や特徴を知るにはもってこいだ。下に、この日の決勝出場選手の何人かをピックアップして写真で紹介しよう。
決勝後の表彰式はもちろん、他のレース後でも勝った選手がバンク前に来てインタビューを受けることがあるので、それを見て選手を覚えていくのも手だ。あとはメインレースまでビールを飲むもよし、食事するもよし、競輪場の雰囲気を楽しめたら十分に来た甲斐はあるはずだ。
そんなわけで、メインレースの前に一旦バトンタッチ。競輪を楽しむもう一つの手段、競輪場グルメをイソベがご紹介します。
競輪ファミリーが営む店「FOODたかはら」
勝手に?恒例企画となった競輪場グルメレポート。今回訪れたのは、定食から一品もの、おつまみまでを揃える定食屋さん「FOODたかはら」です。「競輪場で定食食べられるなんてレア!」と思って列に並んだら、カウンターにはかつてのオールスター競輪決勝レースのジャージ...。伺ったところ、かつて「逃げの神様」と知られ、今年2月に亡くなった稀代の名選手、高原永伍さんのご親戚が経営されているお店なのでした。接客に厨房に大回転のお母さんのご主人は、やはり元選手だった永伍さんの弟さん(高原兄弟は5人全員が競輪選手だった!)。さらに元選手の吉田輪太郎さんが厨房で鍋を振るうという、正真正銘の競輪メシ屋さんなのです。
注文したのはイチオシだというポークソテー定食(イソベ)とモツ煮込み(ホソダ)。ポークソテーは醤油ベースの甘じょっぱい味付けのロース肉に、たっぷり冷奴までついて大満足。モツ煮も丁寧な味付けとガッツリ量で、思わずビールを飲みたくなってしまうのでした。どの常連さんに聞いても「美味いのにボリューム満点で安くてサイコー!」とのことなので、平塚競輪に足を運ぶ際はおすすめの一店です。
切磋琢磨した近畿の同期がワンツー オールスター競輪[GI]
場内を光と音で包みこんだイルミネーションパフォーマンスが終わり、レーサーズゲートから選手が入場してくる。日中より気温は下がったものの湿度が高く、水分が身体にまとわりつくよう。バンク中央の照明灯もほんのり霞がかっていた。決勝は地元の郡司浩平(神奈川)が1番車、ファン投票1位の古性優作(大阪)が2番車、3番には47歳のベテラン佐藤慎太郎(福島)が着いた。以下は4番守澤太志(秋田)、5番眞杉匠(栃木)、6番渡部幸訓(福島)、7番窓場千加頼(京都)、8番松井宏佑(神奈川)、9番新山響平(青森)の並び。とりわけ7番窓場は一次予選2から3連勝と充実しており、準決勝で1-2着した近畿で同期の古性とのコンビネーションに期待がかかった。
ファン投票トップ10からの勝ち上がりは、古性(1位)、眞杉(6位)、佐藤(7位)、新山(8位)、郡司(10位)の5名。ラインは新山、佐藤、守澤、渡部の北日本勢が最多の4名に近畿と神奈川が2名ずつ、単騎で眞杉が対抗する形となった。
スタート直後、郡司と古性が並んで前を取り合うも、バックストレッチに回った辺りで古性が前を取る。古性は後ろから来た窓場に前を譲り、近畿が前受け。その後ろに松井と郡司の神奈川ライン、新山をアタマに北日本勢4人が固め、単騎の眞杉は最後尾へ。
打鐘周回(赤板=残り2周回)の目前、ホームストレッチから新山響平が北日本勢を引き上げていく。次のコーナーをクリアする間に徐々に進出し、バックでは北日本勢4名が前を占めた。彼らを出して横のスペースを作った窓場は、ここから改めて勝負に出る。北日本勢最後尾の渡部から1車身前後空けて追走し続けた後、最終周回の2コーナー出口付近から古性を引き連れて外から捲っていく。
最終周の3コーナーでは2番手佐藤慎太郎のブロックを受けるも、窓場はこれに動じず、先頭を行く新山響平を捉えにかかる。そこへ4コーナーの立ち上がりから満を持して古性優作が進出、粘り続ける新山、伸びを欠いた佐藤、それをかわした窓場らをゴール前一気に差し切って優勝。古性は直後に勝利を確信し、ガッツポーズを繰り出して喜びを爆発させた。古性を牽引した窓場が2着。近畿の2人がワンツーフィニッシュを飾った。内を北日本と近畿に埋められ、後方から大外を回ることになった神奈川の松井宏佑は届かず4着まで。
インタビューで古性は「作戦は全くなかったので、千加頼どうするかなと見ていた。2コーナーからバックあたりで(彼が)すごい加速していったので、乗り越えるなと思ってたんですが、慎太郎さんのブロックも凄かったので、そこから外へ踏んだ」と最終周回の様子を振り返っていた。
また「競輪学校(現・競輪選手養成所)に居た時から千加頼を見ていて、彼が強すぎたんで、本当に追いつきたいと思ってずっとやってきた。千加頼とワンツーを決められて嬉しい。競輪学校では彼が一番強かったので、その時の千加頼に戻ってきたかなと思う」と自分よりも同期である窓場の名を何度も挙げて、喜びを表していたのが印象的だった。
着 | 車番 | 選手名 | 級班 | 着差 | 上りタイム |
---|---|---|---|---|---|
1着 | 2 | 古性優作(大阪) | SS | 11.0秒 | |
2着 | 7 | 窓場千加頼(京都) | S1 | 1車輪 | 11.1秒 |
3着 | 9 | 新山響平(青森) | SS | 1/4車輪 | 11.4秒 |
4着 | 8 | 松井宏佑(神奈川) | S1 | タイヤ | 10.9秒 |
5着 | 3 | 佐藤慎太郎(福島) | SS | 1/8車輪 | 11.3秒 |
6着 | 1 | 郡司浩平(神奈川) | S1 | 3/4車輪 | 10.8秒 |
7着 | 4 | 守澤太志(秋田) | S1 | 3/4車身 | 11.3秒 |
8着 | 6 | 渡部幸訓(福島) | S1 | 1/2車輪 | 11.2秒 |
9着 | 5 | 眞杉匠(栃木) | SS | 1車身1/2 | 10.9秒 |
あなたの自転車見せて下さい 〜オリンピアン・太田海也選手編〜
今回の番外!あなたの自転車見せて下さいで取り上げるのは、持ち前の体力を武器に、パリ五輪のスプリントとケイリンに参戦・帰国したばかりのオリンピアン、太田海也選手。まだ時差ボケが抜けきらないまま第6Rに出場して逃げ切り勝利を挙げた期待の若手だ。「うわ!シクロワイアードですか!いつも見てます!」とのことで、ニコニコ顔で取材に応えていただきました(ありがとうございます!)。彼が駆るのはデビューから一貫して東京町田の今野製作所が造るケルビム。トラック競技で使用するカーボンバイクとできるだけ乗り味を揃えることを優先しており、トラック界のトレンドに合わせてフレームジオメトリーは身体に対して大きめ。「筋肉量ゆえにパワーが有り余っているので、それを活かした走りができるようにオーダーしています。細かい寸法やパイプ選定は全て今野さん(今野真一ビルダー)にお任せしています」と言う。
ケルビムの「Triplecrown Aero」は、今回のオールスター競輪で初実戦投入したバイク。カラーリングは「強そうに見えるように」オーダーしたものだといい、細部の処理が光るラグレスフレームの形状を引き立てる。トラックバイクからの乗り換えに少し戸惑ったそうだが、「最終日でようやく乗り方が分かって身体も馴染んできましたね。でも、ちゃんと乗り込めばもっと馴染めると思います」とも。
バイクと同じように、36本スポークで指定されるホイールも硬さを優先したセッティング。普段は前後輪共に結線仕様だが、今回前輪は事情があって結線なしのものを使った。「結線すると剛性が出るし、(何かあっても)車輪が割れないので安全性にも繋がりますからね」とは本人談。他の選手同様に太田選手もハンドル周りのサイズは試行錯誤しているようで、今回はステムを5mm短いものにしてみたという。
「タクシーの時間があるのでスミマセン!今度ぜひゆっくりお話しさせて下さい!」と、早々に会場を後にした太田選手。今後も競輪とトラック競技をダブルで突き詰めていくとのことで、成長と結果に期待したいところです。
JKA協賛プレゼントキャンペーン第2弾 オールスター競輪クオカードを5名様に
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次回は9月のGII「第40回 共同通信社杯」。10月のジャパンカップでロードレースファンにも馴染み深い開催地・宇都宮にあるバンクは、国内でも珍しい500mの周長を持つ。別名「雷神バンク」での決戦の模様をお伝えしたい。
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