2024/05/02(木) - 12:00
4月28日(日)、ホソダは九州・福岡にある「久留米競輪場」へと向かった。今回は川崎に誘ったイソベくんが不在のため一人旅、見るは「オールガールズクラシック」決勝だ。レース当日6時起きをし、別件で訪れていた静岡駅から新幹線の始発に飛び乗り、乗り換えを経てJR南久留米駅に到着。そこから南東方向に15分ほど歩いて、お昼過ぎには競輪場に到着した。
ちなみに本場開催中は、JR久留米駅と西鉄久留米駅から無料シャトルバスが往復しているので、電車利用の場合には、バスでの来場をお勧めしたい。この日は30度近い暑さで、重い撮影機材を背負って歩いたら、短時間で汗だくになってしまった。
26日から始まっているこの開催は、第1レースが昼過ぎから開始されるナイター競輪かつレースもガールズケイリンのみと言う、昨年第1回を迎えた目新しさ満載の内容。晴れやかな空の下で見た川崎から趣向を変え、夜の競輪を楽しもうと計画、レース前には間に合う算段で当日出発を決めた次第。
こうして着いた久留米。この地を代表する自転車選手と言えば、この人を置いては語れない。そう、世界選手権スプリント10連覇の中野浩一さんである。KEIRINグランプリ初代優勝者でもある中野さんが打ち立てた数々の実績は、自身が駆った自転車やトロフィーとともに今も久留米競輪場で展示されている。これを見に行くだけでもここに来る価値はあるだろう。
このオールガールズクラシックの幟旗やポスターには、現在TV放映中のガールズケイリンをモチーフとしたアニメ「リンカイ!」の登場人物・久留米美虹(くるめつつじ)があしらわれている。彼女の「久留米競輪所属の現女王にして世界大会金メダリスト」と言う設定は、中野浩一さんや、女王とも称される久留米所属の児玉碧衣選手を彷彿とさせる。2018〜2020までガールズグランプリ(現GGP=最高峰レース)を三連覇した児玉選手は、今大会の優勝最有力候補でもあり、地元の注目度も並ならぬものがあった。
スタートの仕方も違っており、先頭誘導選手(先頭員)がスタートラインの約半周後ろからスタートし、スタートラインに到達した時点で号砲が鳴る。その後、先頭員が退避する前にこの横に並んでしまうと、その選手は失格となる(男子は決められた位置までに先頭員を追い抜くと失格)。競技中、横に動いて他の選手と接触し、押圧や押し上げをする動きも違反となる。これも、時に激しいぶつかり合いが見られる男子とは異なる点だ。
ガールズケイリンが国際ルールに基づくのは、オリンピックや世界選手権等の国際レースでも互角に争える、世界レベルの選手を輩出しようと言う意図がある。過去には小林優香選手が世界選手権にて自転車競技女子短距離初の銀メダルを獲得。現在ナショナルチームで活躍するガールズケイリン選手達も、佐藤水菜選手がアジア選手権やネイションズカップで優勝、世界選手権で銀メダルを獲得するなど、その成果は確実にレース結果に現れている。
自転車のフレームはスチールではなく、エアロ形状をしたカーボン製トラックフレーム。ステムはアヘッドタイプ。ただしハンドルやホイールなど、他の部品は男子同様の仕様となっている部分が大半だ。
中でもホイールには2度の変遷があり、ガールズケイリン誕生当初からしばらくは前輪にバトン、後輪にディスクを使用していたが、2016年に前輪がスポークホイールへ、2022年9月30日以降の開催では前後ともに男子と同じスポークホイールを使用することと改められている。
バイクについては、今回も選手に取材をさせていただく事が出来たので、後段で詳しく紹介する。
歩を進めてバックスタンドの下へと回ると、車券売場の中に2件ほどの定食屋さんが少し離れてあった。歩き回ってお腹も空いてきた頃合いとなり、その1店「ひかり」で腹ごしらえをすることにした。
福岡と言えばとんこつラーメンが名物。取材の前後に外食をしている余裕はなかったため、場内の食事処でこれが食べられたら、と思っていた。しかし店内の価格札には「ラーメン 600円」とだけ書かれている。おそるおそる給仕のお姉さんに味を尋ねると、とんこつだと教えてくれたので、ここぞとばかりにこれを注文した。
少し待ってやって来たそのお味は、とんこつらしいマイルドさがありながらもアッサリめ。年齢柄か、あまりコッテリとしたものが苦手になりつつある筆者も、あっという間に美味しくいただく事が出来た。 川崎同様にここの食事価格もリーズナブル。ちょっと寄って一杯お酒も飲んで、とやるには丁度いい。カウンターに行って女将さんにお礼を言いつつ「東京から初めて来たもので、わからない事も多くて」と言うと「ここの事ならわかること多いから、いつでも聞いてね」と話しながら、写真撮影にも快く応じてくださった。
取材中、歩いているうちに人の温かさにも触れられた。正門までの歩道でランニングをしていた野球部の学生と思しき子たちが「こんにちは!」と挨拶してくれたことから始まり、汗をかき場内を回っている途中「暑いよな、頑張れよ」と言ってくださるお客さん等もいた。
そうして夜を迎え、バンクは大型のライトに照らされ、周囲はイルミネーションによる幻想的な雰囲気に包まれていった。その様子は、以下の写真でご覧いただきたい。
人気の中心は、やはり地元のスター・児玉碧衣(福岡)。初日のティアラカップから連勝して挑む決勝。今年は体調不良にも見舞われ万全とは言えない中、復帰後4月に入って完全優勝を2度達成、調子を戻しつつあることも事実。最内1番ゼッケンを背負っての登場となった。
ロードレースでも活躍した選手を紹介すると、3月に史上最後のガールズケイリンコレクションを制した元U17女子ロード&TTチャンプの坂口楓華(愛知)が、児玉のライバルと目されたが準決勝敗退。一方、準決勝で坂口と同走した昨年度の優秀新人賞を獲得した吉川美穂(和歌山)が決勝に残り、児玉の横、2番に並んだ。吉川は、ロード選手時代に栃木のライブガーデン・ビチステンレやスペインのビスカヤ・ドゥランゴに所属し、女子ワールドツアーへの参戦経験もある選手だ。
先頭員がスタートラインを通過すると、会場がどよめいた。牽制により、これを追う選手がおらず、しばしレースが硬直化したのだ。先頭員が半周を過ぎる頃、ようやくガールズケイリン一期生の小林莉子(東京)が最前に立ち、これを追い始める。本来風除けとなるはずの先頭員の代わりを務める形となった小林。先頭員が離れ、全選手が児玉を見て牽制が入る中、再び前を取って駆けるもバックストレッチ半ばで彼女のレースは終わった。
一方で5番手につけていた児玉が、そのバックストレッチで満を持して外から捲りを開始。3角4角と進むにつれ順調に前を交わすと、児玉をマークしていた吉川の追い込みも寄せ付けず、1車身1/2差でゴールを駆け抜け、初日から全て1着の完全優勝を遂げた。3着には、小林の番手に入っていた3番尾崎睦(神奈川)が、4番柳原真緒(福井)の追撃を1/4車輪かわして残った。
パリ五輪へ向けて調整を続ける佐藤水菜(神奈川)をはじめとしたナショナルチームの選手達は、今大会不参加。児玉の両肩にかかる期待は地元GIであることも手伝い「絶対勝利」。その期待に応える走りだったが、戦前の重圧は相当のものだったろう。「過去一番と思えるような声援が緊張を解いてくれた」と観客に何度も感謝し、表彰式や記者会見で見せた安堵混じりの笑顔が印象的だった。
ちなみに本場開催中は、JR久留米駅と西鉄久留米駅から無料シャトルバスが往復しているので、電車利用の場合には、バスでの来場をお勧めしたい。この日は30度近い暑さで、重い撮影機材を背負って歩いたら、短時間で汗だくになってしまった。
26日から始まっているこの開催は、第1レースが昼過ぎから開始されるナイター競輪かつレースもガールズケイリンのみと言う、昨年第1回を迎えた目新しさ満載の内容。晴れやかな空の下で見た川崎から趣向を変え、夜の競輪を楽しもうと計画、レース前には間に合う算段で当日出発を決めた次第。
こうして着いた久留米。この地を代表する自転車選手と言えば、この人を置いては語れない。そう、世界選手権スプリント10連覇の中野浩一さんである。KEIRINグランプリ初代優勝者でもある中野さんが打ち立てた数々の実績は、自身が駆った自転車やトロフィーとともに今も久留米競輪場で展示されている。これを見に行くだけでもここに来る価値はあるだろう。
このオールガールズクラシックの幟旗やポスターには、現在TV放映中のガールズケイリンをモチーフとしたアニメ「リンカイ!」の登場人物・久留米美虹(くるめつつじ)があしらわれている。彼女の「久留米競輪所属の現女王にして世界大会金メダリスト」と言う設定は、中野浩一さんや、女王とも称される久留米所属の児玉碧衣選手を彷彿とさせる。2018〜2020までガールズグランプリ(現GGP=最高峰レース)を三連覇した児玉選手は、今大会の優勝最有力候補でもあり、地元の注目度も並ならぬものがあった。
ガールズケイリンとは ―男子とは違う国際基準のルールによる競争―
ガールズケイリンには男子の競輪とは違うルールがある。レースは7車立て、つまり7人の選手で争われる。競技規則は、UCIレースである「ケイリン」の国際ルールに則っており、男子よりも制約が厳しい。前章で触れた「ライン」の形成は禁止され、全員単騎、個人対個人での戦いが前提だ。スタートの仕方も違っており、先頭誘導選手(先頭員)がスタートラインの約半周後ろからスタートし、スタートラインに到達した時点で号砲が鳴る。その後、先頭員が退避する前にこの横に並んでしまうと、その選手は失格となる(男子は決められた位置までに先頭員を追い抜くと失格)。競技中、横に動いて他の選手と接触し、押圧や押し上げをする動きも違反となる。これも、時に激しいぶつかり合いが見られる男子とは異なる点だ。
ガールズケイリンが国際ルールに基づくのは、オリンピックや世界選手権等の国際レースでも互角に争える、世界レベルの選手を輩出しようと言う意図がある。過去には小林優香選手が世界選手権にて自転車競技女子短距離初の銀メダルを獲得。現在ナショナルチームで活躍するガールズケイリン選手達も、佐藤水菜選手がアジア選手権やネイションズカップで優勝、世界選手権で銀メダルを獲得するなど、その成果は確実にレース結果に現れている。
自転車のフレームはスチールではなく、エアロ形状をしたカーボン製トラックフレーム。ステムはアヘッドタイプ。ただしハンドルやホイールなど、他の部品は男子同様の仕様となっている部分が大半だ。
中でもホイールには2度の変遷があり、ガールズケイリン誕生当初からしばらくは前輪にバトン、後輪にディスクを使用していたが、2016年に前輪がスポークホイールへ、2022年9月30日以降の開催では前後ともに男子と同じスポークホイールを使用することと改められている。
バイクについては、今回も選手に取材をさせていただく事が出来たので、後段で詳しく紹介する。
とんこつラーメンを求めて定食屋さんへ あちこちで人の温かさに触れる
正門をくぐり、久留米競輪場の広場へ向かうと、そこには縁日の雰囲気が広がっていた。令和6年能登半島地震の震災復興支援も兼ねた大会でもあり、そのチャリティーグッズの販売ブースも屋台とともに軒を連ねていた。歩を進めてバックスタンドの下へと回ると、車券売場の中に2件ほどの定食屋さんが少し離れてあった。歩き回ってお腹も空いてきた頃合いとなり、その1店「ひかり」で腹ごしらえをすることにした。
福岡と言えばとんこつラーメンが名物。取材の前後に外食をしている余裕はなかったため、場内の食事処でこれが食べられたら、と思っていた。しかし店内の価格札には「ラーメン 600円」とだけ書かれている。おそるおそる給仕のお姉さんに味を尋ねると、とんこつだと教えてくれたので、ここぞとばかりにこれを注文した。
少し待ってやって来たそのお味は、とんこつらしいマイルドさがありながらもアッサリめ。年齢柄か、あまりコッテリとしたものが苦手になりつつある筆者も、あっという間に美味しくいただく事が出来た。 川崎同様にここの食事価格もリーズナブル。ちょっと寄って一杯お酒も飲んで、とやるには丁度いい。カウンターに行って女将さんにお礼を言いつつ「東京から初めて来たもので、わからない事も多くて」と言うと「ここの事ならわかること多いから、いつでも聞いてね」と話しながら、写真撮影にも快く応じてくださった。
取材中、歩いているうちに人の温かさにも触れられた。正門までの歩道でランニングをしていた野球部の学生と思しき子たちが「こんにちは!」と挨拶してくれたことから始まり、汗をかき場内を回っている途中「暑いよな、頑張れよ」と言ってくださるお客さん等もいた。
そうして夜を迎え、バンクは大型のライトに照らされ、周囲はイルミネーションによる幻想的な雰囲気に包まれていった。その様子は、以下の写真でご覧いただきたい。
児玉碧衣が重圧を跳ね除け完全優勝 オールガールズクラシック[GI]決勝
20時30分過ぎ、夜も深まり始めた久留米競輪場。場内アナウンスに促され、敢闘門より本レースへの出場選手達が入場を開始。発走機へと並び着いた。このレースに勝つと年末の最高峰レース・ガールズグランプリ[GGP]への出場権も得られるとあり、ガールズ選手達の本気度も段違いだ。人気の中心は、やはり地元のスター・児玉碧衣(福岡)。初日のティアラカップから連勝して挑む決勝。今年は体調不良にも見舞われ万全とは言えない中、復帰後4月に入って完全優勝を2度達成、調子を戻しつつあることも事実。最内1番ゼッケンを背負っての登場となった。
ロードレースでも活躍した選手を紹介すると、3月に史上最後のガールズケイリンコレクションを制した元U17女子ロード&TTチャンプの坂口楓華(愛知)が、児玉のライバルと目されたが準決勝敗退。一方、準決勝で坂口と同走した昨年度の優秀新人賞を獲得した吉川美穂(和歌山)が決勝に残り、児玉の横、2番に並んだ。吉川は、ロード選手時代に栃木のライブガーデン・ビチステンレやスペインのビスカヤ・ドゥランゴに所属し、女子ワールドツアーへの参戦経験もある選手だ。
先頭員がスタートラインを通過すると、会場がどよめいた。牽制により、これを追う選手がおらず、しばしレースが硬直化したのだ。先頭員が半周を過ぎる頃、ようやくガールズケイリン一期生の小林莉子(東京)が最前に立ち、これを追い始める。本来風除けとなるはずの先頭員の代わりを務める形となった小林。先頭員が離れ、全選手が児玉を見て牽制が入る中、再び前を取って駆けるもバックストレッチ半ばで彼女のレースは終わった。
一方で5番手につけていた児玉が、そのバックストレッチで満を持して外から捲りを開始。3角4角と進むにつれ順調に前を交わすと、児玉をマークしていた吉川の追い込みも寄せ付けず、1車身1/2差でゴールを駆け抜け、初日から全て1着の完全優勝を遂げた。3着には、小林の番手に入っていた3番尾崎睦(神奈川)が、4番柳原真緒(福井)の追撃を1/4車輪かわして残った。
パリ五輪へ向けて調整を続ける佐藤水菜(神奈川)をはじめとしたナショナルチームの選手達は、今大会不参加。児玉の両肩にかかる期待は地元GIであることも手伝い「絶対勝利」。その期待に応える走りだったが、戦前の重圧は相当のものだったろう。「過去一番と思えるような声援が緊張を解いてくれた」と観客に何度も感謝し、表彰式や記者会見で見せた安堵混じりの笑顔が印象的だった。
第2回オールガールズクラシック 決勝 結果
着 | 車番 | 選手名 | 級班 | 着差 | 上りタイム |
---|---|---|---|---|---|
1着 | 1 | 児玉碧衣(福岡) | L1 | 11.9秒 | |
2着 | 2 | 吉川美穂(和歌山) | L1 | 1車身1/2 | 11.8秒 |
3着 | 3 | 尾崎睦(神奈川) | L1 | 2車身 | 12.2秒 |
4着 | 4 | 柳原真緒(福井) | L1 | 1/4車輪 | 12.1秒 |
5着 | 6 | 野口諭実可(大分) | L1 | 1/2車身 | 12.0秒 |
6着 | 7 | 久米詩(静岡) | L1 | 1車身1/2 | 12.5秒 |
7着 | 5 | 小林莉子(東京) | L1 | 大差 | 13.7秒 |
女子選手のバイクは男子とどう違う? あなたの自転車見せて下さい 〜ガールズケイリン編〜
今回もレースを終えた選手にバイクを見せていただくことが出来た。お話を伺ったのは、豊岡英子選手(大阪)。かねてからのシクロワイアードの読者であれば名前を聞いてピンと来た方もいらっしゃるだろう。シクロクロス全日本選手権7連覇・計8勝と、かつてその分野で最強を誇った女王、その人だ。機材へのこだわりから競輪の世界へ飛び込んでからの想いなどを話していただいた。ガールズケイリンのピストバイクもNJSに登録・認定を受けた機材となるが、何よりも特徴的なのがフレームだ。女子選手達が駆るバイクのフレームはカーボン製。軽量で空力性能にも優れる形状となっている。いくつかあるメーカーのほとんどを試した末に豊岡選手が選んだのはブリヂストンのTS9。「ナショナルチームの選手が使っていますし、まずはその憧れから。でも実際に乗ったその日にハロン(200m)で、今までどうしても超えられなかった12秒台のタイムを11秒台に更新出来たので、本当に合っていると信じて乗っています」と惚れ込んでいる。
ホイールは現在前後ともにロープロファイルリムに36Hのハブ、チューブラータイヤを組み合わせて使うようになっているが、2022年の8月まではディスクホイールを履いていた。豊岡選手は、空力特性が良く剛性が高いカーボンフレームに合わせるため、グランコンペのラージフランジハブにエアロスポークを組み合わせ、そのディスクホイールの性能や感触に可能な限り近づくようにしていると言う。
サドルはセッレイタリアの穴開きタイプのフライト。「私は座った時に一番伸びるから」とフラットなセッティング。プラスワンでの拘りポイントを聞くと、ハンドルのグリップを指して「これかな」と教えてくれた。一見すると厚手のバーテープにも見えたためメーカーを問うと、実はテニスラケット用のグリップで、これが一番しっかり握れるのだとか。
ロードやシクロクロスから一転、競輪の世界に飛び込んでからも長くなるが、「レースの仕方からセッティングまで何もかも違いますが、大好きな自転車を仕事にし続けられている事が何よりも幸せです」と語り、かつて加瀬加奈子選手(新潟)と競った最年長優勝記録も「またいつか更新できるように頑張ります!」と笑顔とともに力強く答え、インタビューを締めくくってくれた。
個人的に未踏の地だった久留米で、ライトが照らすバンクの中で行われたガールズケイリンは、非常に新鮮な驚きをもたらしてくれた。久留米競輪場は、施設の多くが老朽化が進み、2023年3月には改修計画も発表されている。しかし、あえて今行って昭和の面影を残すその素朴な外観を記憶に収めておくべきだと言っておこう。なぜなら、改修されたら現在の姿はもう見られないのだから。そして何年かして改修された後にここを再び訪れた時、その違いは実際に見た者にしか語れないのだ。
次回は5月5日(日)開催の年度前半最大級のレース、日本選手権競輪[GI]を追っていわき平競輪場へ。空中バンクとも呼ばれる独特な構造をした競輪場での戦いに、今から胸が高鳴っている。
提供:公益財団法人 JKA photo&text: Yuichiro Hosoda