オーナーの心意気が満ちあふれる、秋田県唯一の老舗スポーツバイク専門店
JR秋田駅で下車したら、タクシーで秋田大学医学部方面へ。県道41号線沿いの「手形にあるショーワへ」と告げれば分かるはずだ。ものの10分も車に揺られれば秋田県ナンバーワンのプロショップ、「TECHNICAL BIKE SHOP SHOWA」が見えてくる。
コンクリート打ちっぱなしのお洒落な店舗は、もし道路に面したショーウインドウが無ければ「ここは本当に自転車ショップだろうか?」と思ってしまうほど。しかし扉をくぐった先には、数多くの完成車、フレーム、ウェア、パーツ類がギッシリと並べられていて、その様はまるで「秘密基地」といったようだ。お店に入れば「いらっしゃいませ」とオーナーの松田順悦(じゅんえつ)さんが、くったくのない笑顔で迎えてくれる。
秋田県唯一のプロショップ、TECHNICAL BIKE SHOP SHOWA(テクニカルバイクショップ・ショーワ)の創業は1955年に遡る。現店舗は2005年からの営業で、順悦さんは2代目。それまでは一般車の販売・整備も行っていたが、順悦さんが1985年にオーナーを引き継いだ時点からスポーツバイクに特化したプロショップとしての道を歩んできた。
ヨーロピアンでインダストリアルな雰囲気漂うショップは一級建築士かつトライアスリートの常連さんがデザインしたそうだ。外観に看板の類いは一切無いが、ショップの存在そのものが看板として認識されているようだ。
コンクリート打ちっぱなしのお洒落な店舗は、もし道路に面したショーウインドウが無ければ「ここは本当に自転車ショップだろうか?」と思ってしまうほど。しかし扉をくぐった先には、数多くの完成車、フレーム、ウェア、パーツ類がギッシリと並べられていて、その様はまるで「秘密基地」といったようだ。お店に入れば「いらっしゃいませ」とオーナーの松田順悦(じゅんえつ)さんが、くったくのない笑顔で迎えてくれる。
秋田県唯一のプロショップ、TECHNICAL BIKE SHOP SHOWA(テクニカルバイクショップ・ショーワ)の創業は1955年に遡る。現店舗は2005年からの営業で、順悦さんは2代目。それまでは一般車の販売・整備も行っていたが、順悦さんが1985年にオーナーを引き継いだ時点からスポーツバイクに特化したプロショップとしての道を歩んできた。
ヨーロピアンでインダストリアルな雰囲気漂うショップは一級建築士かつトライアスリートの常連さんがデザインしたそうだ。外観に看板の類いは一切無いが、ショップの存在そのものが看板として認識されているようだ。
メカニックスペースで手腕を振るうのは松田さんで、松田さんの奥様、晃子さんも接客スタッフとして店頭に立っている。
40坪ほどの売り場には、ロードバイクはもちろんMTB、クロスバイク、小径車などおよそ100台の展示車が所狭しとディスプレイされている。都会では取り扱いブランドを絞って販売するショップが増えているものの、秋田では唯一、そして東北でも数少ないスポーツバイクショップだけあって、取り扱いブランドや車種、ジャンルも非常に豊富だ。
店内のあちこちに稀少デッドストック品、パワーメーターやアクションカメラのような最新ガジェット系製品から限定製品など、プレミアムなものを含めパーツ類も多種多様だ。松田さんは言う。
「やっぱり自分自身が自転車が大好きなんですよね。いろいろなモノを見て、触って、そして使ってみたい。伝統的なものも良いけれど、昔からその時代の最新製品が好きでしたし、少しでも楽に速く走れるなら積極的に取り入れてお客様に紹介していきたいと思っているんです。限定製品ですか? それは完全に私の趣味で…。もし売れなかったら自分で購入しようと思ってます(笑)。」
秋田県には20名ほどの競輪選手が在籍しており、高校生選手もおよそ20名が高体連に登録しているそうだ。そうした選手らのニーズに応え、売り場の一角には「NJS」認証のハンドルやステム、ピスト用ホイールも揃える。売れる数こそ少ないそうだが、それらを欠かさず在庫している裏には松田さんの「地元のサイクリストをサポートしたい」という気持ちがある。地元秋田最大のホビーレース「Mt.鳥海バイシクルクラシック」にも毎年オフィシャルメカニックとして参加し、大会を裏側から支えている。
40坪ほどの売り場には、ロードバイクはもちろんMTB、クロスバイク、小径車などおよそ100台の展示車が所狭しとディスプレイされている。都会では取り扱いブランドを絞って販売するショップが増えているものの、秋田では唯一、そして東北でも数少ないスポーツバイクショップだけあって、取り扱いブランドや車種、ジャンルも非常に豊富だ。
店内のあちこちに稀少デッドストック品、パワーメーターやアクションカメラのような最新ガジェット系製品から限定製品など、プレミアムなものを含めパーツ類も多種多様だ。松田さんは言う。
「やっぱり自分自身が自転車が大好きなんですよね。いろいろなモノを見て、触って、そして使ってみたい。伝統的なものも良いけれど、昔からその時代の最新製品が好きでしたし、少しでも楽に速く走れるなら積極的に取り入れてお客様に紹介していきたいと思っているんです。限定製品ですか? それは完全に私の趣味で…。もし売れなかったら自分で購入しようと思ってます(笑)。」
秋田県には20名ほどの競輪選手が在籍しており、高校生選手もおよそ20名が高体連に登録しているそうだ。そうした選手らのニーズに応え、売り場の一角には「NJS」認証のハンドルやステム、ピスト用ホイールも揃える。売れる数こそ少ないそうだが、それらを欠かさず在庫している裏には松田さんの「地元のサイクリストをサポートしたい」という気持ちがある。地元秋田最大のホビーレース「Mt.鳥海バイシクルクラシック」にも毎年オフィシャルメカニックとして参加し、大会を裏側から支えている。
「自転車って、楽しい乗り物じゃないですか。だからそれをたくさんの方に伝えたいんです。」と松田さん。代を引き継いで以降、一環して"自転車の楽しさを伝える"ことをコンセプトにショップを切り盛りしてきた。
松田さんのスポーツ自転車ルーツはツーリングにある。しかもにこやかで柔らかい印象からはまったく想像もつかないが、世界を股に掛け、高所や極限の地をツーリングしてきた生粋の冒険野郎(これは最高の褒め言葉だと思う)だ。取材の際のインタビューでその当時を語ってもらった。
「最初のロングツーリングはいきなりヨーロッパでした。4〜5ヶ月ほどの、ヒッチハイクしながらの貧乏旅行ですね。寝床は駅や公園です。当時はツールの結果を9月に知るような時代だから情報が無く、実際にヨーロッパの自転車文化の高さを見て衝撃を受けました。」
「それが楽しすぎて、翌年は解放されたばかりの中国へ。真冬で−20℃の中シルクロードを走ってチベットへ行った際に、"非合法だけどエベレストのベースキャンプに行く"という人と出会って、付いていっちゃったんです。で、翌年は反対のネパール側にエベレスト街道というのがあって、どうしてもそこを走りたくなって行ってみたんです。結局5500mとベースキャンプよりも高地まで登ったのですが、それは素晴しい体験でした。それでエスカレートしてしまって、翌年にはキリマンジャロ、さらにその翌年にはアコンカグア。アコンカグアはヒマラヤ山脈を除くと世界一高い山で、世界で唯一6960mという標高で自転車に乗ることができる場所なんです。世界でも自転車で成功した人はほとんどいないでしょうね。でも寒すぎて幻覚が見えました。あれは少しだけまずかったですね(笑)。」
また、松田さんは「ヨーロッパを旅行した時、当たり前のように自転車を楽しんでいる層をたくさん見て驚いたのですが、いつか日本もこうなれば良いな、と思っていました。ようやく最近、それに追いついてきていますよね。20年、30年越しでしょうか。個人的にはとても嬉しく思っているんですよ。」と 言って顔をほころばす。今でもそうした松田さんを慕うツーリストがたまにお店を訪ねてくるそうだ。
松田さんのスポーツ自転車ルーツはツーリングにある。しかもにこやかで柔らかい印象からはまったく想像もつかないが、世界を股に掛け、高所や極限の地をツーリングしてきた生粋の冒険野郎(これは最高の褒め言葉だと思う)だ。取材の際のインタビューでその当時を語ってもらった。
「最初のロングツーリングはいきなりヨーロッパでした。4〜5ヶ月ほどの、ヒッチハイクしながらの貧乏旅行ですね。寝床は駅や公園です。当時はツールの結果を9月に知るような時代だから情報が無く、実際にヨーロッパの自転車文化の高さを見て衝撃を受けました。」
「それが楽しすぎて、翌年は解放されたばかりの中国へ。真冬で−20℃の中シルクロードを走ってチベットへ行った際に、"非合法だけどエベレストのベースキャンプに行く"という人と出会って、付いていっちゃったんです。で、翌年は反対のネパール側にエベレスト街道というのがあって、どうしてもそこを走りたくなって行ってみたんです。結局5500mとベースキャンプよりも高地まで登ったのですが、それは素晴しい体験でした。それでエスカレートしてしまって、翌年にはキリマンジャロ、さらにその翌年にはアコンカグア。アコンカグアはヒマラヤ山脈を除くと世界一高い山で、世界で唯一6960mという標高で自転車に乗ることができる場所なんです。世界でも自転車で成功した人はほとんどいないでしょうね。でも寒すぎて幻覚が見えました。あれは少しだけまずかったですね(笑)。」
また、松田さんは「ヨーロッパを旅行した時、当たり前のように自転車を楽しんでいる層をたくさん見て驚いたのですが、いつか日本もこうなれば良いな、と思っていました。ようやく最近、それに追いついてきていますよね。20年、30年越しでしょうか。個人的にはとても嬉しく思っているんですよ。」と 言って顔をほころばす。今でもそうした松田さんを慕うツーリストがたまにお店を訪ねてくるそうだ。
ショーワではもちろん組み立て・メンテナンスにも妥協無し。ロードバイクやMTBは当然のこと、TTバイク、そして松田さんのルーツであるツーリング車など幅広いジャンルの自転車を手がけることができる。専門知識が必要なサスペンション関係のメンテナンスやチューニングもお手のものだ。
入荷してきた自転車は客注・在庫問わず、BBもフロントフォークも全ていったんバラしてからグリスアップを施し、ブレーキワイヤーも交換。さらにBG FITに基づいたフィッティングを丁寧に施してから納車する。一般的な自転車ショップではここまでの作業を行わないが、一台一台、時間を掛けて丁寧な作業を欠かさない。それにはかつて過酷な環境で自転車を走らせてきた松田さんならではの思い、そしてノウハウがある。
「例えばもしそのまま組み付けてしまったら、どうなるかは目に見えていますよね。一つ一つの作業に気を遣って耐久性を上げて、自信をもってお渡しできる状態にまで仕上げます。特にカーボンバイクには繊細は作業が必要とされますから、注意しているんです。」いつも(自転車の話をする時は特に)笑顔を絶やさない松田さんだが、この時は少しだけ真剣な眼差しが光る。そしてその考えは、若き三浦メカニックにも引き継がれているようだ。
そして前述した地元の自転車文化を支えたい、という思いは、SHOWA Racing Factoryというクラブチームとなって顕れている。抜群の自転車フィールドが広がる秋田市周辺を舞台に、クラブでは一ヶ月に1回ずつ、ヒルクライムとTTの記録会を欠かさず開催。毎回20〜30人ほどが集まるという盛況ぶりだ。
もともとはデュアスロンの練習会として93年から始めたが、最近ではトライアスロンに興じるお客が増えてきたため、それに応える形でランニングのタイム計測も組み込んでいるそう。お客さんからの強い要望でTTも開催し、20年以上も続けてきているそうだ。
クラブに難しい決まりごとやしばりは一切無く、あるとすれば飲み会に顔を出すことくらいだ(笑)。会員も秋田を中心に東北に幅広く点在し、人数も非常に多い。これは全て松田さんの人望と、メカニックに関する熱い思いがあるからこそだろう。
取材の終わりにこれからの展望について聞くと、松田さんからは「いままで当たり前のようにやってきたことを、当たり前のようにこれからも続けていきたい。」という答えが返ってきた。決して派手さは無いが、安心・安全な自転車ライフを届けたいという強い思いがショーワには根付いている。
取材した私も秋田周辺に寄る機会があれば、また松田さんの冒険話を聞きに行きたい。そう思わせてくれるほどに素敵で、とても居心地が良く、そしてあたたかさに満ちたプロショップだった。
入荷してきた自転車は客注・在庫問わず、BBもフロントフォークも全ていったんバラしてからグリスアップを施し、ブレーキワイヤーも交換。さらにBG FITに基づいたフィッティングを丁寧に施してから納車する。一般的な自転車ショップではここまでの作業を行わないが、一台一台、時間を掛けて丁寧な作業を欠かさない。それにはかつて過酷な環境で自転車を走らせてきた松田さんならではの思い、そしてノウハウがある。
「例えばもしそのまま組み付けてしまったら、どうなるかは目に見えていますよね。一つ一つの作業に気を遣って耐久性を上げて、自信をもってお渡しできる状態にまで仕上げます。特にカーボンバイクには繊細は作業が必要とされますから、注意しているんです。」いつも(自転車の話をする時は特に)笑顔を絶やさない松田さんだが、この時は少しだけ真剣な眼差しが光る。そしてその考えは、若き三浦メカニックにも引き継がれているようだ。
そして前述した地元の自転車文化を支えたい、という思いは、SHOWA Racing Factoryというクラブチームとなって顕れている。抜群の自転車フィールドが広がる秋田市周辺を舞台に、クラブでは一ヶ月に1回ずつ、ヒルクライムとTTの記録会を欠かさず開催。毎回20〜30人ほどが集まるという盛況ぶりだ。
もともとはデュアスロンの練習会として93年から始めたが、最近ではトライアスロンに興じるお客が増えてきたため、それに応える形でランニングのタイム計測も組み込んでいるそう。お客さんからの強い要望でTTも開催し、20年以上も続けてきているそうだ。
クラブに難しい決まりごとやしばりは一切無く、あるとすれば飲み会に顔を出すことくらいだ(笑)。会員も秋田を中心に東北に幅広く点在し、人数も非常に多い。これは全て松田さんの人望と、メカニックに関する熱い思いがあるからこそだろう。
取材の終わりにこれからの展望について聞くと、松田さんからは「いままで当たり前のようにやってきたことを、当たり前のようにこれからも続けていきたい。」という答えが返ってきた。決して派手さは無いが、安心・安全な自転車ライフを届けたいという強い思いがショーワには根付いている。
取材した私も秋田周辺に寄る機会があれば、また松田さんの冒険話を聞きに行きたい。そう思わせてくれるほどに素敵で、とても居心地が良く、そしてあたたかさに満ちたプロショップだった。
アクセス
JR秋田駅から車で10分ほど。駐車場あり
39.730801154695, 140.14477998018
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