2021/04/07(水) - 15:35
好評をいただいた四国一周サイクリング連載。ここではリクエストを受けて実際に旅で使用した装備の選択のコツやノウハウを紹介。ロードバイクでも旅が可能になるバイクパッキングを活用すれば、誰でも長期ツーリングに出かけることができる。
泊りがけのサイクルツーリングのハードルを大幅に下げたのが「バイクパッキング」という手法だ。ひとことで言ってキャリアを使うことなくバイクにバッグ類を取り付ける方法で、ツーリング専用のバイクでなくても直接フレームなどにバッグを取り付けることで荷物の積載が可能になる。つまりロードバイクでも荷物を積んでツーリングすることができるようになったのだ。今回、筆者が用いたロードバイクにも4つのバッグ類を取り付けることで12泊ぶんの荷物を積んでいる。
選んだバイクはジャイアントのエンデュランス系ロードバイク「DEFY Advanced Disc」。軽量で巡航性に優れたCADEX45mmディープリムホイールに32Cの太さのGAVIA FOND 0チューブレスタイヤをセット。快速ツーリングバイクとした。
これにオルトリーブ製のサドルバッグとフレームバッグを取り付け、サブとしてトップチューブ上にミニバッグとハンドル脇にフードポーチを取り付けて荷物を分散させて積んだ。
メインバッグとして選んだオルトリーブ製バイクパッキングシリーズのバッグ類は、ベルクロクロージャーやストラップ類を用いてフレーム等に取り付ける。キャリア不要のためバイクの総重量が重くならず、かつ安定した積載が可能だ。
バッグの生地や構造で完全防水になっているため雨でも安心。バイクに取り付ける前にバッグに荷物を詰めて圧縮し、内部の空気を追い出すようにしてやればコンパクトにでき、安定感も増す構造。ストラップで締め上げるようにしてバイクに固定することがコツで、うまく行えば走行中のバッグの揺れは少なくできる。バッグの容量は限られているため、荷物量にあった容量のバッグを選ぶこと、内容物を入れすぎず、不要なモノを持たないようにすることもコツだ。
バッグの内容物はおもにライド用ウェア、アフター用ウェア、雨対策の装備、修理用品など。ホテルや民宿を利用するサイクリングなら、2泊3日でも1週間以上でも、荷物の内容と量はそれほど変わらない。もちろん荷物はコンパクトで軽くするほど走りやすくなり、距離も伸ばせる。そのためにも持っていく荷物は本当に必要なものだけに絞り込み、パッキング(荷造り)は慎重に。
バイクパッキングのバッグ選びは新たな選択肢だが、取り付け方や位置によって思いのほか走行時の安定感に違いが出てしまう。一般的な傾向として、もっとも安定して取り付けられるのがフレームバッグ、次いでサドルバッグ、ハンドルバッグの順に安定感が悪くなる。とくに立ち漕ぎをした際にバッグが左右にブレることを抑えたいが、フレームやバイクの形状によってバッグの取り付けに制約があるので、なるべく現物合わせしたうえで選びたい。そしてパッキングの際にバッグが安定するようにうまく荷物を詰めることも大事だ。旅立つ前に一度は実走行で練習しておくといいだろう。
旅の思い出づくりと記録にカメラは欠かせないが、一眼レフ等はその重さによって走る距離が大きく制約されることになるので慎重に。コンデジにするか、スマホで済ませるのが現実的だ。筆者は今回スマホ(iPhone12pro)だけで済ませたが、最近の画質の良いスマホなら十分満足行く写真が撮れる。むしろ自撮り用の三脚やリモコンを持つようにして、自分が写り込む写真を工夫して撮るようにしたのは良かった。
そしてスマホもサイクルコンピュータもバッテリー頼りなので、充電用の小物やコード類は必ず必要数持ち、走る道中でも道の駅などですぐ充電できるようバッグの取り出しやすい所に入れておいた。ちなみに筆者はライトもスマホが充電できるUSB出力端子つきタイプ(knog製)を選んで日中も継ぎ足し充電した。宿のベッドでゴロゴロしながらスマホで翌日の調べ物やSNSに日記を投稿するためにスマホ用の2mコードを持っていったのも良かった。
今回は真冬の旅だったため、防寒シューズカバーを使いたいためにロードシューズ&ロードペダル(SPD-SL)を選択した。加えて雨の日用に防水用のレインシューズカバーと、オフ時の歩行用に折りたたみ携行可能なマリンスポーツ用のソフトシューズを持つことにした。歩けるSPDシューズを選択すればこれらは不要になり、代わりに雨の際の防水ソックス等を持つようにすれば良いだろう。
ライド中はコンタクトレンズ派の筆者は、日数分の使い捨てコンタクトレンズとメガネも持参。ライド中にかけるサングラスは調光タイプのレンズ一種類で日没後の走行にも対応できた。疲れた身体のケアにプロテインなどお気に入りサプリメントを日数分持参し、小瓶で携行したマッサージオイルは一日の疲れを癒やすためのセルフ施術と、肌荒れ防止のスキンケアにも活用した。股ズレを防止するシャモアクリームは連日乗るには欠かせない必需品。抗菌成分も配合されているためバイクパンツ側の雑菌の繁殖も抑え、肌のトラブル防止に役立つ。これは複数日ツーリングに欠かせないものとして強くおススメしておきます。
泊りがけツーリングの荷物で悩みどころは着替え衣類の取捨・選択だ。季節と天候に合わせて選ぶが、アイテムを絞るほどに荷物が軽くなって走りやすくなり、走行距離も伸ばせる。日数分の着替えを持つ人はいないと思うが、コツはかさばる衣類を減らすことと、洗濯をマメにすること。1泊2日の旅なら天気予報で雨の可能性が低ければレインギア等の装備を減らすことも可能だが、それ以上の日数なら雨の装備は削れない。
寒い時期ほどウェア類はどうしても増えてしまう。しかしなるべくかさばるウェアを持たないようにしてコンパクトな装備を目指そう。今回の旅の場合、温暖な四国とはいえ出発の前週に大雪が降るという時期だったために防寒具・雨対策グッズを最大限持つ必要があった。逆に言えばここに紹介した状態が泊りがけツーリングの荷物の「マックス」量であり、暖かい季節ならずっと荷が減らせるということ。バッグ類はその量を上限に選ぶのがコツだ。
ライド中のウェアについて。今回は季節的に冬物中心になってしまったが、春・夏なら半袖シャツ・半裾パンツが構成の基本になる。これに調整用のアンダーウェア、アームウォーマー、レッグウォーマーなどを組み合わせて温度帯に調整する。アウトドア衣料でも代用は効くが、機能に優れたサイクリング用アパレルを活用してまとめるのがもっともコンパクトでスマートにできる。
雨の用意としてレインギアは必要になるが、薄手でウィンドブレイカーとしても使用できるものなどをチョイスすれば兼用できる。グローブやシューズカバーなどは季節に合わせたアイテムを組み合わせよう。例えば四国は「南国」と呼ばれる高知〜愛媛南部の沿岸部の平均気温が本州以北よりかなり高めになるので、旅先の気温や長期予報をチェックして調整しよう。
とかくかさばる原因になるのが普段着とアウターだ。走り終えて宿でくつろぐ際、あるいは外に食事に出かける際のために今回は軽量ダウンジャケットを持った。これにサイクル用長袖アンダーシャツとTシャツを組み合わせれば上衣はこと足り、フリースなどは持たなくて済む。ボトムスには軽量のいわゆる「シャカパン」とアンダータイツで室内着を兼用。もちろんこれが四国との往復の際の移動着でもある。ウェア類を減らすコツは予備を減らすことと、兼用させることでアイテム数を減らすことだ。
ウェアを減らすもうひとつのコツは毎日の洗濯。走り終えて宿に入ったら洗濯をすぐ行うこと。町に出てコインランドリーを探すのは現実的ではないが、ビジネスホテルならコインランドリーを備えていることが多く、200円程度で洗剤も自動投入という手軽さだ。乾燥機はサイクルウェアを痛めてしまうのであえて使わないほうが良い場合も。
手洗いする場合は脱水がキモ。バスタオルに濡れたウェアをくるんで絞る「バスタオル脱水」なら脱水機同様の状態まで水分を抜くことができる。サイクルウェアは速乾性に優れるため、部屋干しでも朝までに必ず乾く。この洗濯法に慣れれば毎日同じウェアの「着たきりスズメ」でも常に清潔な状態をキープできる。
そのうえでオススメはアルコール除菌だ。バイクパンツのパッドはバクテリアの温床になりやすく、洗剤を用いて洗っても雑菌が残ることがあり、股擦れや肌荒れトラブルにつながる。洗濯に加えてアルコールスプレーでパッドの除菌を行えば完璧。
コロナ時代の今、コンビニでもハンディタイプの除菌スプレー(マスク用で代用可)が売られており、ホテルでも宿泊客にスプレーが提供されている。これらを活用して「アルコール除菌」すれば手洗い洗濯でも十分に清潔さが保てるのでオススメだ。
路面に気をつけて走っていたのでパンクも無し。32Cの太いチューブレスタイヤは荒れた道でも乗り心地が良く、パンクに強く、13日間で途中で一回エアを足したのみ。出発前にチェーンとタイヤを新品に交換してコンディションが良かったこともノートラブルの要因だ。慣れない人はプロショップで出発前の徹底整備・消耗品の交換をしてもらえば安心だ。
連日走り続けると疲れて距離を走れなくなるという心配もあるが、ツーリングの適度なペースなら疲れも少なく、むしろ日を重ねるごとに体調が良くなる(距離が伸ばせる)ほど。だから自分が普段ワンデイで走り慣れた距離✕日数で全体プランを考えても大丈夫だ。走り慣れた人なら1週間もあれば四国一周は可能だろう。
ほかにサイクリストに人気のフェリー航路として大阪南港〜東予港を結ぶオレンジフェリーは自転車を客室にそのまま持ち込めるなど、サイクリスト対応が万全でオススメだ。夜便なら宿泊も兼ねられ、早朝に到着できる。同社の航路は他に神戸〜新居浜、臼杵〜八幡浜がある。
泊りがけのサイクルツーリングのハードルを大幅に下げたのが「バイクパッキング」という手法だ。ひとことで言ってキャリアを使うことなくバイクにバッグ類を取り付ける方法で、ツーリング専用のバイクでなくても直接フレームなどにバッグを取り付けることで荷物の積載が可能になる。つまりロードバイクでも荷物を積んでツーリングすることができるようになったのだ。今回、筆者が用いたロードバイクにも4つのバッグ類を取り付けることで12泊ぶんの荷物を積んでいる。
選んだバイクはジャイアントのエンデュランス系ロードバイク「DEFY Advanced Disc」。軽量で巡航性に優れたCADEX45mmディープリムホイールに32Cの太さのGAVIA FOND 0チューブレスタイヤをセット。快速ツーリングバイクとした。
これにオルトリーブ製のサドルバッグとフレームバッグを取り付け、サブとしてトップチューブ上にミニバッグとハンドル脇にフードポーチを取り付けて荷物を分散させて積んだ。
メインバッグとして選んだオルトリーブ製バイクパッキングシリーズのバッグ類は、ベルクロクロージャーやストラップ類を用いてフレーム等に取り付ける。キャリア不要のためバイクの総重量が重くならず、かつ安定した積載が可能だ。
バッグの生地や構造で完全防水になっているため雨でも安心。バイクに取り付ける前にバッグに荷物を詰めて圧縮し、内部の空気を追い出すようにしてやればコンパクトにでき、安定感も増す構造。ストラップで締め上げるようにしてバイクに固定することがコツで、うまく行えば走行中のバッグの揺れは少なくできる。バッグの容量は限られているため、荷物量にあった容量のバッグを選ぶこと、内容物を入れすぎず、不要なモノを持たないようにすることもコツだ。
バッグの内容物はおもにライド用ウェア、アフター用ウェア、雨対策の装備、修理用品など。ホテルや民宿を利用するサイクリングなら、2泊3日でも1週間以上でも、荷物の内容と量はそれほど変わらない。もちろん荷物はコンパクトで軽くするほど走りやすくなり、距離も伸ばせる。そのためにも持っていく荷物は本当に必要なものだけに絞り込み、パッキング(荷造り)は慎重に。
バイクパッキングのバッグ選びは新たな選択肢だが、取り付け方や位置によって思いのほか走行時の安定感に違いが出てしまう。一般的な傾向として、もっとも安定して取り付けられるのがフレームバッグ、次いでサドルバッグ、ハンドルバッグの順に安定感が悪くなる。とくに立ち漕ぎをした際にバッグが左右にブレることを抑えたいが、フレームやバイクの形状によってバッグの取り付けに制約があるので、なるべく現物合わせしたうえで選びたい。そしてパッキングの際にバッグが安定するようにうまく荷物を詰めることも大事だ。旅立つ前に一度は実走行で練習しておくといいだろう。
アイテムを厳選して装備品をコンパクトにしよう
パンク修理グッズや工具など、トラブルに備える携行品は減らせない面はあるが、コンパクトなものを選んだり、友人と一緒ならポンプなどダブるものを分担して一人が持つなど、なるべく重量物を減らす工夫をしよう。旅先で入手困難なものほど優先して持つ。要るか・要らないかを検討して、優先度の低いものや田舎でも購入可能なものは思い切って省くなどの工夫をしたい。オイルなども必要量だけを別容器に詰め替えて携行するなど、徹底するほど荷物は減らせ、軽量化できる。旅の思い出づくりと記録にカメラは欠かせないが、一眼レフ等はその重さによって走る距離が大きく制約されることになるので慎重に。コンデジにするか、スマホで済ませるのが現実的だ。筆者は今回スマホ(iPhone12pro)だけで済ませたが、最近の画質の良いスマホなら十分満足行く写真が撮れる。むしろ自撮り用の三脚やリモコンを持つようにして、自分が写り込む写真を工夫して撮るようにしたのは良かった。
そしてスマホもサイクルコンピュータもバッテリー頼りなので、充電用の小物やコード類は必ず必要数持ち、走る道中でも道の駅などですぐ充電できるようバッグの取り出しやすい所に入れておいた。ちなみに筆者はライトもスマホが充電できるUSB出力端子つきタイプ(knog製)を選んで日中も継ぎ足し充電した。宿のベッドでゴロゴロしながらスマホで翌日の調べ物やSNSに日記を投稿するためにスマホ用の2mコードを持っていったのも良かった。
今回は真冬の旅だったため、防寒シューズカバーを使いたいためにロードシューズ&ロードペダル(SPD-SL)を選択した。加えて雨の日用に防水用のレインシューズカバーと、オフ時の歩行用に折りたたみ携行可能なマリンスポーツ用のソフトシューズを持つことにした。歩けるSPDシューズを選択すればこれらは不要になり、代わりに雨の際の防水ソックス等を持つようにすれば良いだろう。
ライド中はコンタクトレンズ派の筆者は、日数分の使い捨てコンタクトレンズとメガネも持参。ライド中にかけるサングラスは調光タイプのレンズ一種類で日没後の走行にも対応できた。疲れた身体のケアにプロテインなどお気に入りサプリメントを日数分持参し、小瓶で携行したマッサージオイルは一日の疲れを癒やすためのセルフ施術と、肌荒れ防止のスキンケアにも活用した。股ズレを防止するシャモアクリームは連日乗るには欠かせない必需品。抗菌成分も配合されているためバイクパンツ側の雑菌の繁殖も抑え、肌のトラブル防止に役立つ。これは複数日ツーリングに欠かせないものとして強くおススメしておきます。
ウェア類の厳選と毎日の洗濯がコツ
泊りがけツーリングの荷物で悩みどころは着替え衣類の取捨・選択だ。季節と天候に合わせて選ぶが、アイテムを絞るほどに荷物が軽くなって走りやすくなり、走行距離も伸ばせる。日数分の着替えを持つ人はいないと思うが、コツはかさばる衣類を減らすことと、洗濯をマメにすること。1泊2日の旅なら天気予報で雨の可能性が低ければレインギア等の装備を減らすことも可能だが、それ以上の日数なら雨の装備は削れない。
寒い時期ほどウェア類はどうしても増えてしまう。しかしなるべくかさばるウェアを持たないようにしてコンパクトな装備を目指そう。今回の旅の場合、温暖な四国とはいえ出発の前週に大雪が降るという時期だったために防寒具・雨対策グッズを最大限持つ必要があった。逆に言えばここに紹介した状態が泊りがけツーリングの荷物の「マックス」量であり、暖かい季節ならずっと荷が減らせるということ。バッグ類はその量を上限に選ぶのがコツだ。
ライド中のウェアについて。今回は季節的に冬物中心になってしまったが、春・夏なら半袖シャツ・半裾パンツが構成の基本になる。これに調整用のアンダーウェア、アームウォーマー、レッグウォーマーなどを組み合わせて温度帯に調整する。アウトドア衣料でも代用は効くが、機能に優れたサイクリング用アパレルを活用してまとめるのがもっともコンパクトでスマートにできる。
雨の用意としてレインギアは必要になるが、薄手でウィンドブレイカーとしても使用できるものなどをチョイスすれば兼用できる。グローブやシューズカバーなどは季節に合わせたアイテムを組み合わせよう。例えば四国は「南国」と呼ばれる高知〜愛媛南部の沿岸部の平均気温が本州以北よりかなり高めになるので、旅先の気温や長期予報をチェックして調整しよう。
とかくかさばる原因になるのが普段着とアウターだ。走り終えて宿でくつろぐ際、あるいは外に食事に出かける際のために今回は軽量ダウンジャケットを持った。これにサイクル用長袖アンダーシャツとTシャツを組み合わせれば上衣はこと足り、フリースなどは持たなくて済む。ボトムスには軽量のいわゆる「シャカパン」とアンダータイツで室内着を兼用。もちろんこれが四国との往復の際の移動着でもある。ウェア類を減らすコツは予備を減らすことと、兼用させることでアイテム数を減らすことだ。
ウェアを減らすもうひとつのコツは毎日の洗濯。走り終えて宿に入ったら洗濯をすぐ行うこと。町に出てコインランドリーを探すのは現実的ではないが、ビジネスホテルならコインランドリーを備えていることが多く、200円程度で洗剤も自動投入という手軽さだ。乾燥機はサイクルウェアを痛めてしまうのであえて使わないほうが良い場合も。
手洗いする場合は脱水がキモ。バスタオルに濡れたウェアをくるんで絞る「バスタオル脱水」なら脱水機同様の状態まで水分を抜くことができる。サイクルウェアは速乾性に優れるため、部屋干しでも朝までに必ず乾く。この洗濯法に慣れれば毎日同じウェアの「着たきりスズメ」でも常に清潔な状態をキープできる。
そのうえでオススメはアルコール除菌だ。バイクパンツのパッドはバクテリアの温床になりやすく、洗剤を用いて洗っても雑菌が残ることがあり、股擦れや肌荒れトラブルにつながる。洗濯に加えてアルコールスプレーでパッドの除菌を行えば完璧。
コロナ時代の今、コンビニでもハンディタイプの除菌スプレー(マスク用で代用可)が売られており、ホテルでも宿泊客にスプレーが提供されている。これらを活用して「アルコール除菌」すれば手洗い洗濯でも十分に清潔さが保てるのでオススメだ。
ツーリング中のバイクトラブル
今回の13日間の旅で体験したトラブルはほとんど無し。転倒やバイクを倒しての傷も無し。メカトラもゼロで、メンテと言えるのは400km毎の注油2回のみだった。路面に気をつけて走っていたのでパンクも無し。32Cの太いチューブレスタイヤは荒れた道でも乗り心地が良く、パンクに強く、13日間で途中で一回エアを足したのみ。出発前にチェーンとタイヤを新品に交換してコンディションが良かったこともノートラブルの要因だ。慣れない人はプロショップで出発前の徹底整備・消耗品の交換をしてもらえば安心だ。
ルート選択と一日に走る距離
今回は四国一周サイクリング推奨ルートに沿って走りつつ、それにこだわらずに自分の好きな道に寄り道していった。推奨ルートは約1,000kmだが、今回は12日間の走行で1,200kmを走ったから、平均で一日約100kmを走ったことになる。これはずいぶんと余裕がある日程で、寄り道した先でのんびりしたり、旧知の友人に会ってお喋りする時間をとったから。かつ夕方の17時半には日沈を迎える冬だったため、日が伸びる季節ならもっと距離は伸ばせたはずだ。連日走り続けると疲れて距離を走れなくなるという心配もあるが、ツーリングの適度なペースなら疲れも少なく、むしろ日を重ねるごとに体調が良くなる(距離が伸ばせる)ほど。だから自分が普段ワンデイで走り慣れた距離✕日数で全体プランを考えても大丈夫だ。走り慣れた人なら1週間もあれば四国一周は可能だろう。
宿泊
民宿、旅館、観光ホテル、ビジネスホテルと各種から自分の好みのタイプや予算から選んでプランをつくろう。コロナ禍で宿泊施設が休業しているケースや、ネット予約が入った日のみ営業するという宿も。一方でGWや春・夏休み期間中は早めの予約が良いだろう。飛び込みの場合、夕方になると小さな民宿などは夕食の準備が間に合わないため早めの電話連絡と、近くに食事ができる店があるかもあわせて問い合わせると良いだろう。走り出すとプランは変わるもの。携帯アプリを使ったネット予約ならキャンセルしてのプラン変更も容易いが、あくまで迷惑にならない範囲で。四国までの移動・往復
今回は羽田空港から飛行機で松山へイン、松山アウトで四国を往復した。航空券はネット予約・購入サイトの「株主優待割引」で格安航空券を購入。往路・復路の予約を入れていても便の変更が当日でも可能。チケット購入は早いものがちで2日ほど前までに購入すれば安いものが買えたが、もちろんGWや週末など繁盛期は売り切れが早いので注意。予約時にキャンセル保険に加入しておけば仕事などの都合で急な中止を強いられても負担が無いが、先の予定が読めない人は正規チケット購入が安心だろう。ほかにサイクリストに人気のフェリー航路として大阪南港〜東予港を結ぶオレンジフェリーは自転車を客室にそのまま持ち込めるなど、サイクリスト対応が万全でオススメだ。夜便なら宿泊も兼ねられ、早朝に到着できる。同社の航路は他に神戸〜新居浜、臼杵〜八幡浜がある。
四国一周ツーリングの装備品リスト
以下で紹介するのが今回の四国一周ツーリングに筆者が選んだバイクと用品、装備品のリストだ。寒さの厳しい時期だったために防寒系・雨対策系の装備が手厚く、ウェアも冬物が中心となってしまったが、暖かい季節なら気温に合わせて選択するなどして参考にして欲しい。備考として挙げた使用感やアドバイスも参考に、個人のスタイルに合わせてアレンジして選んで欲しい。なお、旅への出発前には荷物を積んだバイクで試走しておけば失敗を防げるのでおススメだ。ツーリングに使用したバイクと持参した装備品リスト
バイク&バッグ類 | |
ジャイアント DEFY Advanced Disc(サイズ:XS) | エンデュランス系ロードバイクで乗り心地が快適だった |
CADEX 45ホイール | 軽量で巡航性の高いカーボンホイールは贅沢な選択。32Cチューブレスタイヤとの相性良し |
ジャイアント FONDO チューブレスタイヤ 32C | 32Cの太さのおかげで荒れた道も快適。パンクは一度も無かった |
ライト×2個 Knog PWR ROAD 600L、PWR RIDER 450L | USB出力端子を備えるためスマホ充電に対応 |
テールライト(BB Boro)サドルバッグ後部に取り付け | USB充電式で常時点灯して使用 |
OLTRIEBシートパック 16.5L | 大型サドルバッグ。走行中に取り出さないものを詰め込む |
OLTRIEBフレームパック 4L | 安定しているため重いもの・取り出すものを積載 |
GIANT H2PROトップチューブバッグ | 補給食やサプリメントなどを |
APIDURAフードポーチ(ハンドル脇に取り付け) | ドリンク&補給食ホルダーとして |
ウェア類 | |
GORE GORE-TEXシェイクドライレインジャケット | 薄手で蒸れないためウィンドブレーカー兼用になる |
RAPHA長袖 プロチーム ウィンター ジャケット | 冬季のため常時着用した |
RAPHAプロチーム インサレーティッド ジレ | 体幹を冷やさない中綿入ベスト |
ASSOS長袖ウィンターアンダー | 厳寒期用の厚手の冬アンダー |
ASSOS長袖春秋アンダー | 薄手のアンダー。上限16℃まで快適だった |
ASSOS SPRING FALL GLOVES | 薄手でスマホ操作が優秀なグローブ。着用率が高かった |
ASSOS RAIN GLOVES | ネオプレーン製の雨用グローブ。雨の日の必需品 |
ニトリルグローブ | バイク整備やパンク修理の際の作業用に |
ASSOS MILLE GT WINTER TIGHTS | パッド付きウィンタータイツ |
ASSOS MILLE GT SPRING FALL KNICKERS | 秋冬用ニッカータイプ(パッド付き) |
ASSOSウィンターソックス | 混ウール製冬用ソックス |
SwiftWickソックス | コットン製の薄手ソックス |
リカバリー用コンプレッションソックス | リラックス時に着用。マッサージ効果あり |
KASK PROTONEヘルメット | |
ビーニー | 薄手フリースの防寒キャップ |
ネックゲーター | ライド中のお店立ち寄り用マスクを兼ねる |
RAPHAウィンター シューズカバー | 冬のライドに欠かせない |
モンベル スーパーストレッチ サイクルレインパンツ | ストレッチ性があり裾を絞れてペダリングに支障なし |
レインシューズカバー | バイクシューズに被せる雨天時の防水用 |
シャワーキャップ | ヘルメットに被せて防水に。ビジネスホテルで調達できる |
行動着 | |
モンベルプラズマ1000ダウンジャケット | 市販品のなかでダントツにコンパクトで暖かいダウンジャケット |
ノースフェイス ヴァーブライトパンツ | 室内&行動着になる「シャカパン」 |
Tシャツ(ノースフェース軽量Tシャツ) | アンダー上に着て室内&行動着として |
パンツ | 軽量なポリプロピレン製 |
携帯用シューズ | 丸めて小さくなるビーチシューズ。底は薄いが歩くには十分 |
小物類 | |
ウォーターフラスク | 冬季のためボトル代わりにしてバッグ内に仕込んだ |
財布 | 防水のコンパクトなものをポケットに |
現金、クレジットカード類 | 交通系カードはチャージして持つ。pasmoも四国で使えた |
名刺代わりの紙 | メールアドレスなどを記載。知り合った人に渡す |
タオル | ホテルと旅館では不要、民宿とゲストハウスでは必要 |
オークリーJawbraker +TALEX調光レンズ | この1セットでナイトライドまでに対応できた |
メガネ | ケースもコンパクトなものを持った |
ワンデイコンタクトレンズ日数分 | 日数オーバーで足りなくなった |
スキンケア、ヘルスケア用品 | |
シャモアクリーム | ロングツーリングの必需品。携帯容器に移し替えて必要な量を持つ |
マッサージオイル | 携帯ボトルで。顔に塗って防風・肌荒れ対策にも |
歯ブラシ | |
使い捨てカミソリ+シェービングフォーム | フォームは日数分の小包をホテルで調達 |
アルコール系除菌スプレー | マスク用をバイクパンツのパッド殺菌用に活用 |
リップクリーム | 荒れ防止と日焼け対策に |
正露丸 | 万能薬。数錠をビニール小袋に包んで携行 |
スマホ&カメラ関連 | |
iPhone12S pro | スペアのコンデジも持たずiPhoneだけに絞った |
USB充電器 2個(合計3口)=iPhone、サイコン、ライト充電用 | 3口を同時充電できるように |
miniUSBコード✕2、Lightningコード✕1 | スマホ用は2mの長さがあると便利だった |
ハンドグリップ | 分離式無線シャッター搭載スマホグリップ(撮影用に) |
自撮り棒兼コンパクト三脚 | セルフ撮影用。自分の写りこんだ写真が残せるのは嬉しい |
バイク用ツール&リペアグッズ | |
LEZYNEコンパクトツール | 携帯工具。輪行含めて必要なツールが揃ったものを |
ミニポンプ (Airbone) | 非常用として軽量でかさばらないものを |
Stan's DART TOOL | チューブレスタイヤ修理キット。全行程でパンク無し |
パンク修理キットとスペアチューブ、タイヤブート | チューブレスタイヤ用 |
Viprosブルーノオイル | チェーン潤滑用。小容器に注油2回ぶんを入れて携行 |
四国一周サイクリング 記事一覧
写真と文:綾野 真、取材協力:愛媛県自転車新文化推進協会