ファクターがブガッティとのコラボレーションによる「Bugatti Factor ONE」を発表。世界を驚かせたONEをベースに、UCI非認証の超エアロフロントフォークをセットし、このバイクのために作られたプレミアムパーツを詰め込んだ完成車価格380万円(税抜)の超プレミアムエアロロードだ。本日3月18日に渋谷で開催された発表会の模様と合わせてお伝えします。



ブガッティとのコラボレーションで生まれた「Bugatti Factor ONE」。UCIルール非適合のフロントフォークを新規制作した超プレミアムモデルだ photo:So Isobe

ファクターCEOを務めるカルヴィン・チャン氏によるプレゼンテーション photo:So Isobe
渋谷のスクランブルスクエア45階で開催された発表会。先日デビューしたばかりのOSTRO VAM 2.0の新色も並んだ photo:So Isobe



先冬にリリースされたファクターのエアロロード「ONE」。UCI規定に適合しつつもエアロロードの常識を覆す圧倒的な先進フォルムは業界に衝撃を与え、ブランドとしての評価はまさに誰もが無視できないものとなった。しかし、今回ブガッティとのコラボレーションで生まれた「Bugatti Factor ONE」は、一切の妥協を排し最もエアロダイナミクスに優れた一台を作るという理想の下に、スタンダードモデルが順守したUCIルールさえも無視。この限定モデルのためだけにフロントフォークを完全新設計するというこだわりようだ。

創業当初にアストンマーティンとコラボし、今に至るONEの原型となったスペシャルバイクを数量限定で発売した過去をもつファクター。プレゼンテーションを行ったカルヴィン・チャンCEOによれば、ファクターの実力を認めた多くの自動車ブランドが協業を持ちかけてきたものの、「ベストオブベストのブランドと組みたかった」と、ファクターが自転車業界で目指す超プレミアムブランドからの本命オファーを待ち続けてきたという。

ONEの特徴でもあるフロントフォークは更に拡幅。UCI非適合で究極の速さを目指したという photo:So Isobe

フォークエンドには整流効果を高めるトンネルを追加 photo:So Isobe
ディスクキャリパーの取り付けを見る photo:So Isobe


フロントフォークは通常品との比較で30mmほどワイド化されている photo:So Isobe

実際にブガッティモデルのフレーム自体のデザインは一緒だが、ONEの特徴でもあるエアロフォークの全幅は30mmほど広くなり、フォークエンドには空気の流れを整えるトンネルを追加。フレームにはマスプロダクションモデルとは異なり、所有欲を高める化粧カーボンシートを追加し、カーボン地が透けて見える秀逸な仕上がりになっている。

本来、わずか250台という極小量生産モデルのために、わざわざフォークを金型から新造し、空力特性をゼロから書き換えることは量産メーカーの常識ではあり得ない。だが、UCIルールを無視してまでもワイドスタンス化されたそのフォークは、量産モデルでは到達し得なかった極限の低ドラッグ数値を叩き出すに至ったという。

足元を支えるホイールはファクターのコンポーネントブランドであるBlack Inc(ブラックインク)が、このプロジェクトのために開発した「Bugatti Hyper 62」。62mmのディープリムながら前後セットで1298gという驚異的な軽さを誇り、ハイパーカーのホイールに求められる強靭なねじれ剛性をカーボン製のリム・トゥ・リムスポークで実現している。

ブガッティを象徴するエンブレム「ダンシング・エレファント」。創業者の弟であり、著名な彫刻家であるレンブラント・ブガッティが1920年代にデザインしたものだ photo:So Isobe

ブルーからブラックに変わるグラデーション。アクセントのグラフィックも加えられている photo:So Isobe
通常モデルのONEと異なり、編目が美しい化粧カーボンを追加。ルックスの美しさにもこだわり抜いた photo:So Isobe



ブガッティの歴史的なレーシングカーである「タイプ35」をオマージュし、現在にもデザインが引き継がれている「ツートーン・スプリット(青と黒のツートンカラー)」を採用。カーボンの造形を光と影のコントラストで引き立てている。さらにフロントには、ブガッティ創業者の弟であり、著名な彫刻家であるレンブラント・ブガッティが1920年代に制作したエンブレム「ダンシング・エレファント」が刻まれた。かつての伝説的レーシングカー「タイプ35」から時速400kmオーバーを日常とする「シロン」まで、一世紀以上にわたり「比類なき存在」であり続けたブガッティの重みがこのスーパーマシンには宿っている。

基本的にはブルーのみで販売されるが、ブガッティオーナーであれば、自身のクルマと同じカラーにペイントできるという特権がある。サドルやバーテープはブガッティに使用されているものと同じアルカンターラ仕上げで、さらにCarbon-Ti製のチェーンリングやエアロディスクローター、ボルト、コンチネンタルのタイヤなどは全てこのモデルのロゴが記されるという超プレミアムモデルに仕上げられている。

SRMのパワーメーターに、特別ロゴ入りのCarbon-Ti製カーボンチェーンリングを奢る photo:So Isobe

サドルとバーテープはブガッティの内装と同じアルカンターラ仕様 photo:So Isobe
1298gという軽さを誇るブラックインクの「Bugatti Hyper 62」ホイールと、オリジナルロゴ入りのコンチネンタルGP 5000タイヤ photo:So Isobe


来場したカルヴィン・チャンCEOとBugatti Factor ONE photo:So Isobe

この「Bugatti Factor ONE」は、既存の高級ブランドが行ってきたようなライセンス供与モデルに留まらない。航空宇宙開発や最高峰モータースポーツのエンジニアリングカンパニーに端を発し、自転車生産のスペシャリストであるロブ・ギティス氏の元、常に高性能なハイエンドバイクのみを追求し続けてきたファクターの執着が、世界トップクラスのハイパーカーブランドであるブガッティと共鳴して生まれたプロダクト。

完成車価格418万円、世界限定250台という超プレミアモデル。細部に至るまでの作り込みを見るに、コレクターや機材マニア、究極の速さを求めるアスリートにとっては、価格に見合う価値とステータスは十二分にありそうだ。

OSTRO VAM 2.0のニューカラー。こちらはシルバーとホワイトのグラデーションに彩られたARCTIC CHROME photo:So Isobe

こちらは陶器をイメージしたTERRACOTTA ORANGE photo:So Isobe
RCC(Rapha Cycling Club)仕様のMONZA。一般発売も行われるという photo:So Isobe





Bugatti Factor ONE
世界限定250台
シートポスト:ONE V3 3K
ホイール:ブラックインク Hyper62
コンポーネント:スラム RED AXS + SRMパワーメーター
BB:セラミックスピード
ヘッドセット:セラミックスピード SLT
プーリー:セラミックスピード OSPW
サドル:セライタリア SLRカスタム
チェーンリング、ボルト、ブレーキローター:Carbon-Ti
コンピューターマウント:3Dプリント
バーテープ:ブガッティ
ボトルケージ:ブラックインク
タイヤ:コンチネンタル カスタム
税込価格:418万円