キット北村さんのクラシック遠征レポートの第三弾が届きました。今回は、ロンド・ファン・フラーンデレンのプロレース観戦記です。キット北村さんはこの日、チームバスに突撃がメインのため、勝負所でのレース観戦を捨てて、アントワープでのチームプレゼンテーションとスタート観戦、そしてゴール観戦のためにオウデナールデへと移動する流れ。グルパマFDJユナイテッドからチーム機材を何か供給してもらおうと鼻息荒くプロレース観戦に臨む。プロレースを終えるとパリ~ルーベ市民レースのためオランダ人の相棒とアランベールに試走に向かうのであった。ベルギー・フランス滞在記、中盤戦をお届けします。



石畳を制する旅・再び2026 Vol.3

自分が走ったあとは、プロレース観戦。グルパマFDJのチームバスにも突撃 photo:Kitto Kitamura

2019年のロンド・ファン・フラーンデレン観戦ではディフェンディングチャンピオンのニキ・テルプストラ選手が早々に落車リタイアしたためにガックリしたことを強く憶えています。残念ながら本レースに臨むグルパマFDJユナイテッドの選手ラインナップでは上位に喰い込めそうにないので、最初からレースを観戦するよりもチームに合流し選手とメカニックの取材をメインとすることにした!

それでは、“石畳を制する旅Vol.3 ロンド・ファン・フラーンデレン観戦記”のお話です。

レースファンについていき、チームプレゼンテーション会場へ向かう photo:Kitto Kitamura
肌寒い朝、濡れた石畳の街中を会場へと進む。レースは厳しいものとなるだろう photo:Kitto Kitamura



荘厳なマルクト広場でのチームプレゼンテーション photo:Kitto Kitamura

会場到着時には最前列はすでに埋まっていた photo:Kitto Kitamura

プロレースのスタート地点であるアントワープにアパートを借りているので、早起きせずともチームプレゼンテーションに間に合う好立地。プレゼンテーションの40分前ぐらいに到着するように向かいました。道が分からずともレースファンに付いて行けばプレゼンテーション会場に迷うことなく到着します。

プレゼンテーション会場が見えてきました。今朝は肌寒く街中の道路は濡れていました。きっと厳しいレース展開になることでしょう。キャプテン中村は松葉杖では濡れた石畳は歩きにくいようなので、先に会場の場所を確保しに向かいます。

クソ・キットとシャイセ・フィリップの自転車大好きクソ野郎2人が会場に着く頃には、既に最前列のエリアは埋まっていました。

荘厳なアントワープのマルクト広場でのプレゼンテーション、グルパマFDJユナイテッドチームはプレゼンテーションの序盤にチーム紹介がありました。



チームプレゼンテーションで司会者に呼ばれてチームが登壇する前から、観客が興奮して歓声を上げる選手達がいる。歓声の先にいるのは、石畳のレースにおいて実力も人気も突出している3人だ。それはマチュー・ファンデルプール選手、タデイ・ポガチャル選手、そしてワウト・ファンアールト選手だ。アントワープがオランダから近い位置にある事でマチューを推すオランダ人ファンが多いのは当然だろう。ポガチャルを推すファンは純粋に強い選手が好きなファンが多い。

3強の一角、地元2番人気のマチュー・ファンデルプール photo:Kitto Kitamura
3強の一角、3番人気のタデイ・ポガチャル登壇 photo:Kitto Kitamura


3強の一角、地元1番人気のワウト・ファンアールト photo:Kitto Kitamura

しかし、ワウトのファンだけは、大きく違うと感じる。数字上のモニュメントの勝利数で言えば、ワウトはマチューとポガチャルとは、差があるだろう。しかし、ファンの熱狂ぶりはワウトがベルギーNo.1だと感じました。ワウトのファンは何か『俺たち、ワウトのためなら地獄の底まで着いていくよ。』といった感じを受けました。私の推測ですが、ワウト選手は勝利に届きそうで届かなくて、ケガが多くて、家族想いで、仲間想いでエースなのに仲間のために時々献身的なアシストをする。ベルギーの人達はそんなワウト選手を愛してやまないんだと感じました。

プレゼンテーション会場が寒かったため、キャプテン中村とシェフ楓は先にアパートに戻っていました。シェフ楓が昼食のピザを焼き、ビールを用意してくれました。

シェフ楓特製ピザとビールをいただきながらレース観戦 photo:Kitto Kitamura

シャイセ・フィリップがまさかのオウデナールデに行かないと決断した photo:Kitto Kitamura

序盤はTV観戦して、後半はオウデナールデに行く予定だったのですが、シャイセ・フィリップはアパートに残るという決断を下します。残念ながら、キット北村は独りでオウデナールデに向かうことにします。

アントワープからオウデナールデに向かいますが、道を知らなくても迷うことはありません。酔っぱらったサイクリングキャップを被ったグループに付いて行けば、ゴール会場まで到着します。今日も美しいアントワープの駅から決戦の地に向かいます。

朝方は寒かったのですが、オウデナールデは快晴です。ゴールするまで3時間ぐらいありますが、既にレースファンの熱気は最高潮です。

サイクリングキャップを被っている人たちについていけば道に迷うことがない photo:Kitto Kitamura
快晴のオウデナールデ、すでに最高潮の熱気 photo:Kitto Kitamura


7年ぶりのロンド・ファン・フラーンデレン博物館。展示物が更新されていた photo:Kitto Kitamura
ロンド観戦に行く機会があれば、必ず博物館には訪れるべきです photo:Kitto Kitamura



3時間ほど余裕があるので7年ぶりのロンド・ファン・フラーンデレン博物館に入館です。7年前と展示物が半分ぐらい変わっていたので、それなりに見応えはありました。

ウェブページの都合上、今回は詳しく紹介しませんがロンド・ファン・フラーンデレンに行ったら、博物館は絶対に見た方が良いと思います。博物館の外は黒山の人だかりですが、博物館内は静かなもんです。

博物館でのロンド・ファン・フラーンデレンの歴史の勉強を終えて、外に出るとだいぶ人が集まってきています。ゴールシーンに用が無いので、催しブース見学に向かいます。

博物館を出るとゴール周辺は人で溢れていた photo:Kitto Kitamura
ビールの売り子と吞んだくれファンが熱唱している photo:Kitto Kitamura


バイクトライアルの妙技に見入ってしまった photo:Kitto Kitamura

スクリーン前でビールを飲み続けるファン達 photo:Kitto Kitamura
Whooshスタッフに捕まり一式サポートされる photo:Kitto Kitamura



吞んだくれのベルギーファンとビールの売り子のお姉さんが大絶叫で歌を歌っています!世界はトランプさんとプーチンさんで混沌としておりますが、オウデナールデは平和ですね。

バイクトライアルをやっていたので思わず見入ってしまいました。25年ぐらい前のバイクトライアル世界選手権板取村大会の取材の仕事以来ぶりですね。

スクリーンの前で4~5時間ビールを飲み続けるファンの皆さんです。キット北村はお酒が弱いので居心地が悪いです。他の場所に移動します。

昨夜、ベルギーのテレビ番組に出演したので、Whooshのスタッフに捕まってしまいました。『Whooshの宣伝をしてくれ!』と頼まれ、Whooshのレーシングジャージとアームカバーとレッグカバーをサポートされてしまいました。

動物的勘で発見したグルパマFDJのチームカミオン photo:Kitto Kitamura

選手を追走していたチームカーが戻って来た photo:Kitto Kitamura

キット北村の動物的勘でチームバスが並んでいるであろうエリアを探したところ、お目当てのチームカミオンを発見しました。

グルパマFDJユナイテッドの選手らを待っていると選手の後を付いて走っていたチームカーが1台戻ってきました。最新のロードバイクは200万を超える金額ですから、総額いくらになるのでしょうか?恐ろしいです。

片付けている最中にエース機の撮影をさせてもらいました。石畳なのでカーボンスポークのDEVA RDではなくKLEOS RDだと思っていましたが、DEVA RDで走っていたようです。

何か急いでいるのか?メカニックやスタッフ達は洗車することもなく自転車をドンドン片付けていきます。チームカミオンの中を撮影しました。今回、顔見知りのスタッフが全然いないので控えめに取材をしました。

ヴァランタン・マドゥアス選手のエース機を撮影 photo:Kitto Kitamura

メカニックと話しているとスペアバイクを積んだ2台目のチームカーが到着しました。2台目のチームカーのドライバーは今大会の唯一の知り合い:フィリップ・モデュイ監督でした。モデュイ監督の指示で選手用のボトルやグルパマFDJファンクラブ用のTシャツを頂きました。メルシー・ボクーです!

選手のスペアバイクはホイールがKLEOS RDでした。1台自分用に持って帰りたいですね。スペシャルペイントなので、値段が高いのが玉に瑕ですね。

メカニックは洗車もせずに次々と片付けていく photo:Kitto Kitamura
チームカミオン内部、控えめに取材させてもらう photo:Kitto Kitamura


スペアバイクのホイールはKLEOS RD仕様 photo:Kitto Kitamura

唯一の知り合い、フィリップ・モデュイ監督と再会 photo:Kitto Kitamura
エースは既にバスの中、遅れて戻ったアシスト選手と記念撮影 photo:Kitto Kitamura



エース格の選手はメカニックとしゃべっている間にチームバスの中に入ってしまったので、遅れてゴールしたアシストの選手と記念撮影です。まだグルパマの選手の名前と顔を把握しきれていないので、お名前を存じ上げません。これから調べます。

100m先のXDSアスタナへコーヒーを飲みに移動 photo:Kitto Kitamura

XDSアスタナのマッサー、ミケーレ・パリーニさん。もうウィリエールのスポンサードは終了したが、必ず挨拶をしにいきます photo:Kitto Kitamura

熱狂的ワウト・ファンのヨナスさんと意気投合 photo:Kitto Kitamura

グルパマでの取材を終えたので100m先に見えるXDSアスタナにコーヒー飲みに伺います。XDSアスタナのマッサー:ミケーレ・パリーニさんです。ウィリエールのスポンサードは終了しましたが、プロレースの際には必ず挨拶に向かいます。

ゴールや表彰式は見ずに帰路に就きます。電車に乗るまでに時間があったのでケバブサンドイッチを食べていると、隣のベルギー人から声をかけられました。名前はヨナス・ライマーカスというそうです。熱狂的なワウト・ファンアールトのファンらしく、“ワウトが使っているプロロゴのサドルを日本で売っているんだよ!”と説明すると大変喜んでいました。意気投合し、この後オウデナールデのバーで乾杯します。次回ベルギーに来た時にはご自宅に遊びに行こうと思います!

アントワープ最後の夜はシャイセな2人が料理を担当しました photo:Kitto Kitamura

旬のホワイトアスパラ入りボロネーゼで乾杯 photo:Kitto Kitamura

アパートに帰るのが遅れましたが、アントワープの最後の夜はクソ野郎2人で料理します。前日にパスタソースは作っていたので時間はかかりません。旬のホワイトアスパラガスが安かったので、とても美味しいボロネーゼソースが出来上がりました。

ミラノ~サンレモへの序章としてのロンド・ファン・フラーンデレンも今夜で終了です。キャプテン中村の膝の完治、シェフ楓のドイツでの新しい仕事が上手く行くことを願って乾杯です。来年のミラノ~サンレモへ向けて発進します!(円安ユーロ高で資金不足なので、広島の実家に置いているビンテージマウンテンバイクを処分して資金作りをする必要があります。)

元世界王者ディルクさんの車で国境付近へ移動 photo:Kitto Kitamura
悪名高きアランベールにディルクさんと到着 photo:Kitto Kitamura


果てしなく長く、凶悪な石畳が続くアランベール photo:Kitto Kitamura

最終メンテナンス担当のヤギさん達が草を整える photo:Kitto Kitamura
ヤギさん達のメンテ完了後のアランベールの石畳 photo:Kitto Kitamura



アントワープ生活に別れを告げ、オランダから元世界チャンピオンの友人ディルクさん(現在レミーさんの元で働いている)にフランスとベルギーの国境付近まで運んでもらいました。ディルクさん曰くベルギー・オランダでのガソリンや軽油の値段に悶絶する日々だそうです。

パリ~ルーベ145kmコースの最初のセクターは悪名高きアランベールなので、ディルクさんにアランベール試走へ連れて来てもらいました。プロの選手も練習に来ていたので勉強させてもらいました。

長い、果てしなく長いこのアランベール。過去、数々のドラマが生まれました。石畳はさすがの凶悪っぷりです。正直ここを時速50㎞で走るなんて信じられませんね。

沢山のヤギさん達が最終メンテナンスをしてくれていました。石畳の隙間の草を食べてくれるのですが、お尻から大量の黒豆爆弾がコースに投下されてしまいました。


ヤギさんのメンテナンス後のアランベールです。下見は出来たので、着替えて試走に向かいます。前半部分は舗装路で出したスピードの勢いで進めましたが、後半の緩やかな登り基調がなかなかやっかいです。だいぶ走り慣れてきたので、前半は時速20kmくらいでは走れそうです。

アランベールの試走後、7年前に大変お世話になったブルノ店長のお店:フィッツェン・コーブマーカーに立ち寄ります。

7年ぶりに訪れたフィッツェン・コーブマーカー photo:Kitto Kitamura

Fietsen Mountainbikes Covemaecker Vleteren | Ieper & Poperinge
https://www.covemaecker.be/

ブルノ店長は口髭を剃っていたので、7年前より若々しく見えます。もし、コルトレイクエリア、ルーベエリアでサイクリングするなら、ブルノ店長のお店にぜひ立ち寄って下さい。きっと助けてくれる事でしょう。さて、ブルノ店長のお店のお客さんであり、私の旧友で7年前にお世話になったクリスさんにもここで会いたかったんですが残念ながら会えませんでした。

口髭を剃って若々しいブルノ店長と再会 photo:Kitto Kitamura

ディルクさんとノンアルコールビールで乾杯 photo:Kitto Kitamura

ディルクさんとはベルギーのコルトレイクで晩御飯を食べてお別れです。ベルギーでもノンアルコールビールが流行っているんですね!ノンアルコールビールで乾杯です!ここからは独りでベルギーから電車を使ってフランス入りします。

パリ~ルーベ2026参戦記につづく…

Special Thanks to

Koji Nakamura
Kaede Yanagisawa
Philipp Kasper
Philippe Mauduit (Groupama FDJ United)
Team Groupama FDJ United
Michele Pallini (XDS Astana Team)
Dirk Jansen (Erlo Sports)
Fietsen Covemaecker

Report:Kitto Kitamura

最新ニュース(全ジャンル)