イタリア本土に上陸したジロ・デ・イタリア第4ステージは、クライマーによる集団スプリントで決着。ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)がアウラールを退け勝利し、区間3位のジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)が悲願のマリアローザに袖を通した。
5月12日(火)第4ステージ
カタンツァーロ〜コゼンツァ 138km(平坦)

イタリア屈指の唐辛子文化を持つカラブリア州を走るジロ4日目 photo:RCS Sport 
ガゼッタ紙で情報収集 photo:RCS Sport

愛犬と登壇したマリアローザのギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) photo:RCS Sport

ジロ・デ・イタリア第4ステージ image:RCS Sport 開幕地ブルガリアを後にしたジロ・デ・イタリアは、イタリア本土に上陸。これよりイタリア半島を北上していく初日の第4ステージは、南部カラブリア州のカタンツァーロからコゼンツァに向かう138kmだ。ステージの分類は平坦だが、コース後半に2級山岳コッツォ・トゥンノ(距離14.3km/平均5.9%)が登場するため、ピュアスプリンターにとっては厳しいステージとなる。
この日はブルガリアでの落車から回復しなかったため、ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が未出走。総合優勝を目指すヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)にとって重要な山岳アシストを早々と失うこととなった。またこの日の優勝候補筆頭であるカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック)も、同様の理由によりレース前半でリタイアしている。

ワレン・バルギル(フランス、ピクニック・ポストNL)ら6名による逃げ集団 photo:RCS Sport

ティレニア海沿いを北上するプロトン photo:RCS Sport
風の影響もあり序盤から高速で進んだこの日、6名の逃げ集団が形成される。今大会4日連続で逃げに選手を送り込んだポルティ・ヴィジットマルタからマッティア・バイス(イタリア)が入り、自身2度目のジロを走るワレン・バルギル(フランス、ピクニック・ポストNL)も乗った。それを見送ったメイン集団は、マリアローザを着るギリェルモ・シルバ(ウルグアイ)のためにXDSアスタナが牽引を担当した。
ティレニア海沿いを北上するコース前半部で逃げは十分なリードを得られず、2級山岳コッツォ・トゥンノに入った地点でその差はわずか1分35秒。プロトンの先頭をモビスターが牽き始めると、すぐに1分を切る。スペインの古豪の狙いは、かつて日本のマトリックスパワータグに所属し、登りの得意なスプリンターであるオールイス・アウラール(ベネズエラ)で勝負するためだった。

マリアローザを着用してのレースを楽しむギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) photo:CorVos

2級山岳でモビスターの牽引するプロトンが逃げを捉えた photo:CorVos
その登坂ペースにはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユニベット・ローズ・ロケッツ)やジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)といった重量級スプリンターがドロップし、本来ならば登りも耐えられるアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)は体調不良により遅れ、のちにリタイアを選択。モビスターの高速牽引によってマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)を着るポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)はもちろん、マリアローザのシルバも脱落した。
プロトンは頂上まで7km地点で逃げを捉え、その後2021年ジロ覇者のエガン・ベルナル(コロンビア、ネットカンパニー・イネオス)が遅れた。下りでは同じく総合上位を目指すデレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック)もメカトラで遅れ、ベルナルらと共に集団復帰を目指し、残り17km地点で合流した。残り11.6km地点に設定された、ボーナスタイムが与えられるレッドブルkmでは、ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)のリードアウトからヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)がスプリントした。
しかし先着し、最大6秒を獲得したのはマリアビアンカ(ヤングライダー賞ジャージ)を着るヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)。クリステンに進路を塞がれるような形になったジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が2着で、3着はジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)だった。
その後もモビスターは牽引を続け、コゼンツァに入った残り1.7km地点でクリステンが飛び出した。その狙いは自らのステージ優勝はもちろん、プロトンに残るジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)を有利にするため。このアタックを引き戻すべくモビスターのトレインは崩れ、残り300m地点でようやく集団はクリステンをキャッチし、直後にアウラールが踏み込んだ。

先行するアウラールを抜いたジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

自身3度目のステージ優勝を飾ったジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
フィニッシュまで200m以上を残した地点から仕掛けた、アウラールによるロングスプリント。その背後にチッコーネがつき、さらにその後ろからナルバエスが飛び出す。3名が横並びになったスプリントは、コース左側でもがいたナルバエスが制した。
ブルガリアでの3日間で総合エースであるアダム・イェーツ(イギリス)ら3名を失い、目標をステージ優勝に切り替えたUAEチームエミレーツXRGによる勝利。「残り700mのコーナーを良い位置で抜け、あとはスプリントで力を出し切るだけだった」と振り返ったナルバエスは、「怪我で戦列を離れ、このレースに向かう準備期間に僕を支えてくれた家族や妻、そしてチームに感謝したい。大会2日目に落車してレースを去ったチームメイトにこの勝利を捧げたい」と語った。
その言葉通り、ナルバエスはシーズン初戦のサントス・ツアー・ダウンアンダーで脊椎を骨折。春のクラシックを全休し、復帰戦となったジロで自身3度目となるステージ優勝を手に入れた。
グランツール初勝利を逃したアウラールは2位で、3位に入ったのはチッコーネ。その結果、レッドブルKMと合わせてボーナスタイム6秒を得たチッコーネが総合首位に立ち、自身初となるマリアローザに袖を通し、「子どもの頃からの夢が実現した。様々な困難を乗り越え、着用するマリアローザは格別だ」と喜んだ。

勝利を喜ぶジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

区間3位に入り、悲願のマリアローザにキスをするジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos
5月12日(火)第4ステージ
カタンツァーロ〜コゼンツァ 138km(平坦)




この日はブルガリアでの落車から回復しなかったため、ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が未出走。総合優勝を目指すヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)にとって重要な山岳アシストを早々と失うこととなった。またこの日の優勝候補筆頭であるカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック)も、同様の理由によりレース前半でリタイアしている。


風の影響もあり序盤から高速で進んだこの日、6名の逃げ集団が形成される。今大会4日連続で逃げに選手を送り込んだポルティ・ヴィジットマルタからマッティア・バイス(イタリア)が入り、自身2度目のジロを走るワレン・バルギル(フランス、ピクニック・ポストNL)も乗った。それを見送ったメイン集団は、マリアローザを着るギリェルモ・シルバ(ウルグアイ)のためにXDSアスタナが牽引を担当した。
ティレニア海沿いを北上するコース前半部で逃げは十分なリードを得られず、2級山岳コッツォ・トゥンノに入った地点でその差はわずか1分35秒。プロトンの先頭をモビスターが牽き始めると、すぐに1分を切る。スペインの古豪の狙いは、かつて日本のマトリックスパワータグに所属し、登りの得意なスプリンターであるオールイス・アウラール(ベネズエラ)で勝負するためだった。


その登坂ペースにはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユニベット・ローズ・ロケッツ)やジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)といった重量級スプリンターがドロップし、本来ならば登りも耐えられるアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)は体調不良により遅れ、のちにリタイアを選択。モビスターの高速牽引によってマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)を着るポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)はもちろん、マリアローザのシルバも脱落した。
プロトンは頂上まで7km地点で逃げを捉え、その後2021年ジロ覇者のエガン・ベルナル(コロンビア、ネットカンパニー・イネオス)が遅れた。下りでは同じく総合上位を目指すデレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック)もメカトラで遅れ、ベルナルらと共に集団復帰を目指し、残り17km地点で合流した。残り11.6km地点に設定された、ボーナスタイムが与えられるレッドブルkmでは、ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)のリードアウトからヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)がスプリントした。
しかし先着し、最大6秒を獲得したのはマリアビアンカ(ヤングライダー賞ジャージ)を着るヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)。クリステンに進路を塞がれるような形になったジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が2着で、3着はジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)だった。
その後もモビスターは牽引を続け、コゼンツァに入った残り1.7km地点でクリステンが飛び出した。その狙いは自らのステージ優勝はもちろん、プロトンに残るジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)を有利にするため。このアタックを引き戻すべくモビスターのトレインは崩れ、残り300m地点でようやく集団はクリステンをキャッチし、直後にアウラールが踏み込んだ。


フィニッシュまで200m以上を残した地点から仕掛けた、アウラールによるロングスプリント。その背後にチッコーネがつき、さらにその後ろからナルバエスが飛び出す。3名が横並びになったスプリントは、コース左側でもがいたナルバエスが制した。
ブルガリアでの3日間で総合エースであるアダム・イェーツ(イギリス)ら3名を失い、目標をステージ優勝に切り替えたUAEチームエミレーツXRGによる勝利。「残り700mのコーナーを良い位置で抜け、あとはスプリントで力を出し切るだけだった」と振り返ったナルバエスは、「怪我で戦列を離れ、このレースに向かう準備期間に僕を支えてくれた家族や妻、そしてチームに感謝したい。大会2日目に落車してレースを去ったチームメイトにこの勝利を捧げたい」と語った。
その言葉通り、ナルバエスはシーズン初戦のサントス・ツアー・ダウンアンダーで脊椎を骨折。春のクラシックを全休し、復帰戦となったジロで自身3度目となるステージ優勝を手に入れた。
グランツール初勝利を逃したアウラールは2位で、3位に入ったのはチッコーネ。その結果、レッドブルKMと合わせてボーナスタイム6秒を得たチッコーネが総合首位に立ち、自身初となるマリアローザに袖を通し、「子どもの頃からの夢が実現した。様々な困難を乗り越え、着用するマリアローザは格別だ」と喜んだ。


ジロ・デ・イタリア2026第4ステージ結果
| 1位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | 3:08:46 |
| 2位 | オールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター) | |
| 3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | |
| 4位 | ベン・ターナー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | |
| 5位 | アレッサンドロ・ピナレロ(イタリア、NSNサイクリングチーム) | |
| 6位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
| 7位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | |
| 8位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ) | |
| 9位 | アンドレア・ラッカーニ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | |
| 10位 | ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) |
マリアローザ(個人総合成績)
| 1位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | 16:18:51 |
| 2位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | +0:04 |
| 3位 | フロリアン・ストーク(ドイツ、チューダープロサイクリング) | |
| 4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、ネットカンパニー・イネオス) | |
| 5位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | +0:06 |
| 6位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
| 7位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | +0:10 |
| 8位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
| 9位 | マルケル・ベロキ(スペイン、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
| 10位 | ヤン・ヒルト(チェコ、NSNサイクリングチーム) |
マリアチクラミーノ(ポイント賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 105pts |
| 2位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 64pts |
| 3位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | 50pts |
マリアアッズーラ(山岳賞)
| 1位 | ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ) | 42pts |
| 2位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 18pts |
| 3位 | アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ) | 12pts |
マリアビアンカ(ヤングライダー賞)
| 1位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | 16:18:55 |
| 2位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:02 |
| 3位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | +0:06 |
チーム総合成績
| 1位 | EFエデュケーション・イージーポスト | 48:57:03 |
| 2位 | チューダープロサイクリング | |
| 3位 | モビスター |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
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