ヨネックスが軽さと空力設計を融合したロードバイクフレーム「TRACE(トレース) 」を発表した。空力性能を最重要テーマに開発を進め、軽量性をも兼ね備えたメイドインジャパンにこだわったエアロロードだ。



ヨネックス TRACEと開発協力ライダーたち photo:Makoto AYANO

新潟県長岡市を拠点とするヨネックス。2014年からロードバイクをリリースして12年目の同社が発表したのがエアロロードバイクの「TRACE(トレース)」だ。1月14日、東京でのヨネックス2026年度新製品発表会で初お披露目された。

ヨネックス TRACE photo:Makoto AYANO

「空気の壁を軽さで超える」を製品コンセプトとするTRACEは、ヨネックスのロードバイクの特長である「軽さ」と「しなり」に加え、「空力性能」を追求したフレーム。モデル名の「TRACE」とは「軌跡」「足跡」を意味し、空気の壁を突破しながら軌跡を描くように思い通りのラインを走り、レースリザルトに足跡を残すという想いを込めた。様々な高性能素材を採用し、軽量で扱いやすいフレームを実現。従来のCARBONEXシリーズとは一線を画する製品のため、あえてCARBONEXの名は冠されていない。

開発では空力性能を最重要テーマに掲げ、複数の形状試作と風洞試験を重ねて設計。1/3スケールモデルを用いた風洞実験を繰り返し、最適なチューブ形状を導き出したという。

前方にわずかに突き出した形状で空気抵抗を削減 photo:Makoto AYANO

エアロ性能に特に重要なヘッドチューブは前面投影面積を減らすため前方に尖った形状を採用。さらにダウンチューブとトップチューブは複合的な形状の細身設計により空気抵抗を最小限に減らしつつ、軽さと剛性を最適化し、未塗装フレーム重量680gを実現。

低い位置で接合される細身チューブのシートステイ photo:Makoto AYANO

同社がラケット製造などで長年培ってきたカーボン加工技術を駆使し、各部位に求められる性能に応じて最適な素材を配置。空力性能に重要な部分には高剛性素材「トレカM40X/M46X」や「NANOMETRIC DR」を、しなり性能が求められる部位には「2G-Namd Speed」を採用し、空力・剛性・軽量化を高次元で調和させた。

エアロ形状ブレードをもつFフォーク photo:Makoto AYANO
採用されるカーボンテクノロジーが記載される photo:Makoto AYANO
シートピラーはDシェイプの専用品。オフセットは15mm photo:Makoto AYANO



ダウンチューブは複合的な形状の細身設計により空気抵抗を最小限に減らす photo:Makoto AYANO
エンド周辺はコア材を内包するためdi2ケーブルは下方から出る photo:Makoto AYANO



塗装も一般的なロードバイクの約半分となるペイント重量を実現。カラーによりラップ塗装も取り入れられる。本来、塗装の仕上がりと軽量化は相反する要素だが、1台ずつ自社工場の職人の技で仕上げている。

Made in Japan、Made by YONEXならではの品質にこだわり、高い空力性能と軽量性を兼ね備える製品に仕上げた。JPT(J Pro Tour)に出場する競技者や JPTを目指す選手をはじめ、軽快で力強いライドを求める方に薦めたいという。



ヨネックス TRACEのおもな特徴

・空力性能と軽さを両立

空力性能を最重要テーマに、 1/3モデルによる風洞試験を重ね最適形状を導き出した。この結果、ヘッドチューブ及びダウンチューブとトップチューブは前方へと突き出た形状となり、フレーム重量は680g(Sサイズ、未塗装)を実現。空気抵抗値を同社従来品と比較すると、カーボネックス SLD比で-4%、カーボネックス HRD比で-6%(※50km/h走行時)。重量はカーボネックスSLD比+140g、カーボネックス HRD比-70g。剛性はカーボネックスSLD 比+10%、カーボネックスHRD比-6%と、空力性能に優れつつバランスのいい仕上がりになっている。

スリム&前方に突き出したエアロ形状のヘッドチューブ photo:Makoto AYANO
ステアリング周りにはDedaのDCR規格を採用し、ケーブルフル内装を実現 photo:Makoto AYANO



・高性能な素材を惜しみなく適材適所に搭載

ヨネックスが長年培ってきたカーボン加工技術により、 多様な高機能素材を最適な部分に配置。空力性能に重要な箇所には高剛性素材「トレカ®M40X/M46X」や「NANOMETRIC DR」を、しなり性能が求められる部位には「2G-Namd Speed」を採用し、空力・剛性・軽量化を高次元で調和させている。

28Cタイヤに最適化して設計。クリアランスは30Cまで photo:Makoto AYANO
細い丸形状シートステイの接合部 photo:Makoto AYANO



・職人技の超軽量塗装

トップチューブ上面のラップ塗装 photo:Makoto AYANO

フレームとあわせて、塗装も新潟県長岡市の自社工場で仕上げている。ロードバイクの塗装重量は一般的には約70g~120gとされているが、TRACEの塗装重量はその約半分に留める。本来塗装の仕上がりと軽量化は相反する要素だが、塗りムラを発生させず、狙った発色を実現する高度な職人技によって1台ずつ創られる。

BBはJIS/BSA(スレッド式)が採用される photo:Makoto AYANO
あえて汎用的なエンドを採用したという photo:Makoto AYANO



TRACEは現代の主流となっているフレーム規格を採用。ヘッドは上下1.5インチ。ステアリング周りにはDedaのDCR規格を採用し、ケーブルのフル内装を実現。その他のステムを取り付ける際のヘッドカバー小物も付属する。

リアディレイラーを取り付けるエンドにはUDHではなく汎用形状エンドを採用し、電動シフト専用モデルとなる。付属のシートピラーはDシェイプの専用品となり、オフセットは15mmの1種のみ。BBはJIS/BSA(スレッド式)が採用される。

面取り不要の精度を誇るディスクキャリパー台座 photo:Makoto AYANO
di2ケーブルは下出しとなる photo:Makoto AYANO



TRACEの開発にはチームユーラシアiRCタイヤの吉岡直哉と藤田涼平選手、YouTuberの下島将輝選手、金子広美選手もテストライダーとして協力。すでにJBCFレースへの実戦投入やテストライドなどで実走を重ねてきたという。またチームユーラシアiRCタイヤの岩村大樹メカニックからの組み立てやメンテナンスにおける実際的なアドバイスも取り入れ、実戦的で取り扱いやすいフレームに仕上げている。



開発協力ライダーのコメント

吉岡直哉「走ると実際より車体重量よりも軽いかのように感じる。しなやかさに加えて軽快さがある。パワーを掛けたときの反応の良さも感じる」
藤田涼平「ダンシング時の剛性感が高く、ハンドルを振った際の戻りが速い印象。スプリントでのかかりもいい」
金子広美「ダンシング時や加速時の反応が良い。下りの安定感も魅力的」
下島将輝「平坦でラクにスピードが乗っていく。フロント54-36Tで試乗したが、実際のギア比よりも軽いような印象。ダンシングしてもヨレる感じが無く、それでいてリズムが取りやすい」

ヨネックス TRACE photo:Makoto AYANO

ヨネックス TRACE フレームセット
カラー :アクアナイトブラック、ターコイズ/グレー
サイズ :XS、S、M
価格:880,000円(税込)
初回出荷:2026年3月下旬

ヨネックス TRACE シマノULTEGRA DI2 完成車
価格:1,540,000円(税込)
初回出荷:2026年5月上旬

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