先代モデルが産声を上げてから3年。キャノンデールの旗艦モデル、SuperSix EVOが早くも第5世代へとフルモデルチェンジを果たした。一見すると先代のキープコンセプトに思えるかもしれない。しかし、その内実は、EVOの原点である「レーシングバイク」への原点回帰だ。スペイン・ジローナで開催された発表会から、そのテクノロジー、開発秘話、そしてインプレッションまで総力特集する。

スペイン、ジローナで開催された新型SuperSix EVOのメディア発表会。注ぎ込まれたテクノロジーが解説されていく (c)Brazo de Hierro Photography

キャノンデール代表を務めるマルコ・キンド氏も登場。メディア陣とともにライドにも参加した (c)Brazo de Hierro Photography 
自転車コンセプトのカフェレストラン「Hors Categorie Girona」で開催されたプレゼンテーション (c)Brazo de Hierro Photography
今回のモデルチェンジの背景には、キャノンデールロードラインナップ全体の再定義がある。これまでエンデュランスモデルとして親しまれてきた「Synapse(シナプス)」は、2025年の刷新において、快適性を維持したまま、パリ〜ルーベ専用機として生まれた初代を彷彿させる、今まで以上に「走る」バイクへと変貌を遂げた。
このSynapseの進化、そしてエアログラベルモデル「SuperX(スーパーエックス)」の開発で得た知見が、SuperSix EVOをコンフォートという役割の分担から解き放った。SuperSix EVOはより純粋な、より攻撃的なスピードを追求するレーシングバイクとしての性格を強めることとなったのだ。

第5世代化を果たしたSuperSix EVO。よりアグレッシブなレーシングマシンとして生まれ変わった photo:So Isobe
プレゼンテーションで語られたのは「Fast meets light」という、先代から受け継いだ設計哲学。そのコンセプトを引き継ぎつつ、本作となる第5世代はよりアグレッシブなジオメトリーと、さらなる反応性の向上へと舵を切った。
もちろん軽さも空力性能もどちらも大事なのは承知。その上でキャノンデールとしては、そのコンビネーションこそ大事だと明言する。「選手も趣味のサイクリストも、あらゆる状況で楽に速く走れるバイクこそ大切」という姿勢を崩さない。それはエアロロードとして知られてきたSystemSixを廃止したことからも窺える、彼らがもっとも大切にする理念だ。

独走でツールの区間初勝利を掴んだベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

ジロ・デ・イタリアで逃げ切り勝利を決めたカスパー・アスグリーン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos 
ベン・ヒーリー(アイルランド)の世界選手権3位獲得を支えたSuperSix EVO(先代)。薄い塗装で軽量化を図り、第5世代用のプロトハンドルを投入した photo:So Isobe
プロレースにおいて、エアロダイナミクスがかつてないほど重要になっているのは読者諸兄も承知の通り。キャノンデールにとってその象徴的なシーンは、昨年のツール・ド・フランスで逃げ切りステージ優勝とマイヨジョーヌ着用を決めたベン・ヒーリー(アイルランド)と、同じくジロ・デ・イタリアで逃げ切りステージ優勝を挙げたカスパー・アスグリーン(デンマーク)の2シーンだったという。
この5、6年で一気に加速したプロトンのエアロ化、もっと言えば軽さが求められる山岳ステージでのエアロ化こそが、新世代EVOの開発を強力に推し進めた。今回のテストライドに同行したヒーリーは、アスグリーンと並んで「機材にうるさい選手」として知られる一人だ。
特にエアロへのこだわりが強く、チーム内で最後までSystemSixを使い続けていたヒーリーだが、3位銅メダルを獲得した2025年のロード世界選手権ではごく僅かな表面保護塗装だけを纏った先代SuperSix EVOに、当時開発段階だった新型エアロハンドルを取り付けて走った。そんな「世界3位」が新型SuperSix EVOに対して出した要求は、極めてシンプルかつ切実。「もっと反応性を上げること」、そして「よりアグレッシブなジオメトリーであること」。この2点に集約されていたという。

前作から大幅にシェイプアップしたSuperSix EVO。目の当たりにした実車は非常に美しかった photo:So Isobe
第3世代SuperSix EVOをきっかけに、今のキャノンデールロードモデルを象徴する基本デザインを踏襲している新型モデルだが、実際に目の当たりにしたフレームは全くの別物だ。「機能性と美しさの両面から一歩ずつ限界を高めた」というフレームのトップチューブやリアバックの絞り込みは非常に鋭く滑らかで、アグレッシブなエアロロードとは全く違う、惚れ惚れするほど美しいデザインへと変化を遂げている。
結果的に空力性能は損なわず、Series Oカーボン(LAB71)版の56サイズでフレーム重量は728g。同条件の先代モデル(770g)比では42gの軽量化に成功している。また、フロントフォークもプレゼンターが言う「Fast meets light」を表す良い例だ。フォークレッグやクラウン形状を大幅に見直すことで空力性能はそのままに構造的強化を果たし、結果的にSeries Oカーボン(LAB71)版で392gと軽く仕上がっている。

フレームシェイプはより鋭さを増し、空力性能と軽量化を両立。視覚的な美しさも飛躍的に向上した photo:So Isobe

シャープなリアエンドにはEVOのロゴがデザインされる photo:So Isobe 
高級感のあるグラフィック photo:So Isobe
そもそもキャノンデールにとって、軽さは今から10年以上前に「BLACK INC.」たるフレーム重量680gの超軽量マシンで世を驚かせ、軽量バイク戦線をリードしたお家芸。ディスクブレーキはもちろん、軽量モデルにも空力性能が求められることが当たり前となった今でも、軽さを求めるDNAは全くもって薄まってはいない。

選手の要求に応えるべくスタックハイトは10mm低くなった。デルタ形状のフォークコラムも継続する photo:So Isobe 
シートチューブからリアバックにかけての造形は非常にシャープ photo:So Isobe

「Black with WOW colors」として国内展開されるLAB71のフレームセット photo:So Isobe

トップチューブには折り目が美しい化粧カーボンが奢られる(LAB71とHi-Mod) photo:So Isobe 
DI2バッテリーの搭載方法もアップデート。よりユーザーフレンドリーになったという photo:So Isobe
さらに従来ラインナップされていた中間サイズの「51」サイズを「50」と「52」に細分化し、44、48、50、52、54...と合計8サイズ(グローバル)展開に。特に日本人の中心サイズでの変更であるため、より多くのユーザーがより良いサイズ選びとなったことは嬉しいポイントだ。
最大タイヤ幅は32mmまで増大し、その上でリアバックは左右両側ともに4mmのクリアランスを確保する。細身のヘッドチューブによるエアロ化と無理のないケーブルルーティングを可能にした三角形断面のステアコラム「デルタチューブ」も継承。ボトムブラケット下からアクセスするDi2バッテリーの搭載方法も改善され、よりユーザーフレンドリー化を果たしている。

エアロ仕様の完成車にアッセンブルされる「SystemBar Road」ハンドル。最も幅狭タイプでトップ340mmと攻めた形状だ photo:So Isobe
今や当たり前となった各種コンポーネントの専用部品化に伴う高性能化は、振り返ればキャノンデールが遥か彼方昔に「Si(システムインテグレーション)」としてライバルに先駆けたものだった。スパイダーアームが特徴的なホログラムクランクもそうだったし、最近ではモモデザインとコラボレーションした先代SuperSix EVOの一体型ハンドルは大きく話題を呼んだことも記憶に新しい。
キャノンデール開発陣は新たなハンドルシステムとして、流線型のエアロシェイプとハンドル幅340-380mm(トップ部分幅)と非常に攻めたラインナップを有する「SystemBar Road」ハンドル(375g)と、最軽量モデルでわずか265g(ハンドル幅は380-400mm)と軽さを重視するライダーに送る軽量ハンドル「SystemBar Road SL」ハンドルを用意した。

キャノンデール初の軽量ロードハンドルとして開発された「SystemBar Road SL」ハンドル。265gと非常に軽い photo:So Isobe

コンピュータ画面がハンドルとツライチになるよう設計された専用マウント(手前が市販品) photo:So Isobe 
専用ボトルケージ「Carbon Gripper Aero Cage」も保持力と軽さをアップデート photo:So Isobe
特に日本での人気が出そうな「SystemBar Road SL」は、キャノンデール初の軽量ロードハンドルとして開発されたもの。トップ部分はクラシックな丸断面に近く、それでいて快適性とエアロにも配慮した自信作。モモハンドルと比較して150gも軽く、新型EVOとの組み合わせによって簡単に総重量6kg台のバイクを組み上げることが可能だ。実際に「SystemBar Road SL」ハンドルを組み合わせたLAB71モデルの完成車はペダルやコンピューター込みで6.8kg台と非常に軽く仕上がって目を引いていた。
さらに、専用エアロボトル「Gripper Aero Bottles」に組み合わせる新型のボトルケージ「CarbonGrip Aero Cage」はホールド力を高めつつ26%もの重量削減を果たしているほか、コンピュータの画面がハンドル上部とツライチになるよう設計されたアルミ製の軽量マウント、さらにLAB71と一部のHi-Mod完成車にはチタン製のサドルクランプパーツが奢られるなど、開発陣のこだわりは細部にまで宿る。

Hi-ModフレームとシマノUltegra、リザーブの34|37ホイール、SystemBar Road SLハンドルで組み上げた「SuperSix EVO 1 SL(税込138万円)」 photo:So Isobe

こちらは日本でフレームセットとして展開されるスタンダードグレードの「Cactus Greenカラー」 photo:So Isobe 
スタンダードグレード(フレームセット)のカラーバリエーションである「Cherry Lacquer」 photo:So Isobe
LAB71にはハンドルとホイールのアッセンブル別に、「SystemBar Road」ハンドルとリザーブの新型「57|64」ホイールを投入したエアロ仕様と、「SystemBar Road SL」ハンドルとDTスイスの「ARC1100 38」、もしくはリザーブの「34|37」ホイールを投入した超軽量完成車という2種類がそれぞれ用意される。1グレードにつき軽さかエアロを選べる選択肢ができたことは、カスタマイズの出費を抑える上も非常に有用だと言えるだろう。
国内で展開されるのはLAB71グレードが2種類の完成車とフレームセット、Hi-Modグレードが1種類の完成車とフレームセット、スタンダードグレードが2種類の完成車とフレームセットという合計8パッケージだ。
LAB71グレードの完成車は、スラムREDとDTスイスARC1100 Spline 38ホイール、SystemBar Road SLハンドルで武装した超軽量のSL完成車(税込220万円)と、シマノDURA-ACEとリザーブ57|64ホイール、SystemBar Roadハンドルを装備したエアロ仕様の完成車(税込215万円)から選ぶことができ、Hi-ModグレードはシマノUltegraで軽量仕様に組んだ「EVO 1 SL(税込138万円)」、 スタンダードグレードはシマノUltegra(EVO 2、税込105万円)もしくは105 DI2(EVO 5、税込75万円)で組んだパッケージだ。
また、今回発表された新しいハンドル「SystemBar Road SL(軽量)」と「SystemBar Road(エアロ)」も単品発売(税込12万円)され、従来「モモハンドル」として親しまれてきた「SystemBar R-One」も継続販売される。同じデルタコラムを使う先代SuperSix EVOのアップグレードとしても良き選択肢となるだろう。

キャノンデール SuperSix EVO LAB71 SL (c)キャノンデール

キャノンデール SuperSix EVO LAB71 (c)キャノンデール

キャノンデール SuperSix EVO SL1(Matte Black) (c)キャノンデール

キャノンデール SuperSix EVO 2(Tungsten Blue) (c)キャノンデール 
キャノンデール SuperSix EVO 2(Raw) (c)キャノンデール

キャノンデール SuperSix EVO 5(Cashmere) (c)キャノンデール 
キャノンデール SuperSix EVO 2(Tungsten Blue) (c)キャノンデール

キャノンデール SuperSix EVO LAB71(EF-Team Replica) (c)キャノンデール

キャノンデール SuperSix EVO LAB71(Black with WOW colors) (c)キャノンデール 
キャノンデール SuperSix EVO LAB71(Raw) (c)キャノンデール

キャノンデール SuperSix EVO Hi-MOD Frameset(Platinum) (c)キャノンデール

キャノンデール SuperSix EVO Frameset(Cactus Green) (c)キャノンデール 
キャノンデール SuperSix EVO Frameset(Cherry Lacquer) (c)キャノンデール 
キャノンデール SuperSix EVO Frameset(Cashmere) (c)キャノンデール

SystemBar Road (c)キャノンデール 
SystemBar Road SL (c)キャノンデール 
SystemBar R-One (c)キャノンデール
次章では発表会会場のスペイン、ジローナでHi-Modグレードを乗り込んだインプレッションと、キャノンデールを知り尽くしたショップ店長と共にLAB71グレードをテストしたインプレッションを紹介します。
SuperSix EVOを、よりアグレッシブなレースマシンへ



今回のモデルチェンジの背景には、キャノンデールロードラインナップ全体の再定義がある。これまでエンデュランスモデルとして親しまれてきた「Synapse(シナプス)」は、2025年の刷新において、快適性を維持したまま、パリ〜ルーベ専用機として生まれた初代を彷彿させる、今まで以上に「走る」バイクへと変貌を遂げた。
このSynapseの進化、そしてエアログラベルモデル「SuperX(スーパーエックス)」の開発で得た知見が、SuperSix EVOをコンフォートという役割の分担から解き放った。SuperSix EVOはより純粋な、より攻撃的なスピードを追求するレーシングバイクとしての性格を強めることとなったのだ。

プレゼンテーションで語られたのは「Fast meets light」という、先代から受け継いだ設計哲学。そのコンセプトを引き継ぎつつ、本作となる第5世代はよりアグレッシブなジオメトリーと、さらなる反応性の向上へと舵を切った。
もちろん軽さも空力性能もどちらも大事なのは承知。その上でキャノンデールとしては、そのコンビネーションこそ大事だと明言する。「選手も趣味のサイクリストも、あらゆる状況で楽に速く走れるバイクこそ大切」という姿勢を崩さない。それはエアロロードとして知られてきたSystemSixを廃止したことからも窺える、彼らがもっとも大切にする理念だ。
プロトンの「エアロ化」が開発を突き動かした



プロレースにおいて、エアロダイナミクスがかつてないほど重要になっているのは読者諸兄も承知の通り。キャノンデールにとってその象徴的なシーンは、昨年のツール・ド・フランスで逃げ切りステージ優勝とマイヨジョーヌ着用を決めたベン・ヒーリー(アイルランド)と、同じくジロ・デ・イタリアで逃げ切りステージ優勝を挙げたカスパー・アスグリーン(デンマーク)の2シーンだったという。
この5、6年で一気に加速したプロトンのエアロ化、もっと言えば軽さが求められる山岳ステージでのエアロ化こそが、新世代EVOの開発を強力に推し進めた。今回のテストライドに同行したヒーリーは、アスグリーンと並んで「機材にうるさい選手」として知られる一人だ。
特にエアロへのこだわりが強く、チーム内で最後までSystemSixを使い続けていたヒーリーだが、3位銅メダルを獲得した2025年のロード世界選手権ではごく僅かな表面保護塗装だけを纏った先代SuperSix EVOに、当時開発段階だった新型エアロハンドルを取り付けて走った。そんな「世界3位」が新型SuperSix EVOに対して出した要求は、極めてシンプルかつ切実。「もっと反応性を上げること」、そして「よりアグレッシブなジオメトリーであること」。この2点に集約されていたという。
トータルパッケージで余裕の6.8kg切り。フレームシェイプはより鋭く、より美しく

第3世代SuperSix EVOをきっかけに、今のキャノンデールロードモデルを象徴する基本デザインを踏襲している新型モデルだが、実際に目の当たりにしたフレームは全くの別物だ。「機能性と美しさの両面から一歩ずつ限界を高めた」というフレームのトップチューブやリアバックの絞り込みは非常に鋭く滑らかで、アグレッシブなエアロロードとは全く違う、惚れ惚れするほど美しいデザインへと変化を遂げている。
結果的に空力性能は損なわず、Series Oカーボン(LAB71)版の56サイズでフレーム重量は728g。同条件の先代モデル(770g)比では42gの軽量化に成功している。また、フロントフォークもプレゼンターが言う「Fast meets light」を表す良い例だ。フォークレッグやクラウン形状を大幅に見直すことで空力性能はそのままに構造的強化を果たし、結果的にSeries Oカーボン(LAB71)版で392gと軽く仕上がっている。



そもそもキャノンデールにとって、軽さは今から10年以上前に「BLACK INC.」たるフレーム重量680gの超軽量マシンで世を驚かせ、軽量バイク戦線をリードしたお家芸。ディスクブレーキはもちろん、軽量モデルにも空力性能が求められることが当たり前となった今でも、軽さを求めるDNAは全くもって薄まってはいない。
スタックハイトを10mm短縮し、サイズ展開を刷新
ヒーリーが言うように、そして先代デビュー時の特集記事でEFのプロ選手、そして国内トップアマチュア選手が話したように、より低くアグレッシブなライドポジションを求める声に対し、開発陣は新型EVOのスタックハイト(BB軸中心からヘッドチューブ軸上部)を10mm下げるという改善で応じた。一体型ハンドル/ステムが主流となった今現在では、前下がりステムでハンドル位置を下げることも難しい。先述したように、エンデュランスモデルのSynapseがより「走る」モデルに生まれ変わったことも、SuperSix EVOがよりアグレッシブなジオメトリーを得た理由の一つにある。




さらに従来ラインナップされていた中間サイズの「51」サイズを「50」と「52」に細分化し、44、48、50、52、54...と合計8サイズ(グローバル)展開に。特に日本人の中心サイズでの変更であるため、より多くのユーザーがより良いサイズ選びとなったことは嬉しいポイントだ。
最大タイヤ幅は32mmまで増大し、その上でリアバックは左右両側ともに4mmのクリアランスを確保する。細身のヘッドチューブによるエアロ化と無理のないケーブルルーティングを可能にした三角形断面のステアコラム「デルタチューブ」も継承。ボトムブラケット下からアクセスするDi2バッテリーの搭載方法も改善され、よりユーザーフレンドリー化を果たしている。
Si(システムインテグレーション)の再定義と、2種類の新型ハンドル

今や当たり前となった各種コンポーネントの専用部品化に伴う高性能化は、振り返ればキャノンデールが遥か彼方昔に「Si(システムインテグレーション)」としてライバルに先駆けたものだった。スパイダーアームが特徴的なホログラムクランクもそうだったし、最近ではモモデザインとコラボレーションした先代SuperSix EVOの一体型ハンドルは大きく話題を呼んだことも記憶に新しい。
キャノンデール開発陣は新たなハンドルシステムとして、流線型のエアロシェイプとハンドル幅340-380mm(トップ部分幅)と非常に攻めたラインナップを有する「SystemBar Road」ハンドル(375g)と、最軽量モデルでわずか265g(ハンドル幅は380-400mm)と軽さを重視するライダーに送る軽量ハンドル「SystemBar Road SL」ハンドルを用意した。



特に日本での人気が出そうな「SystemBar Road SL」は、キャノンデール初の軽量ロードハンドルとして開発されたもの。トップ部分はクラシックな丸断面に近く、それでいて快適性とエアロにも配慮した自信作。モモハンドルと比較して150gも軽く、新型EVOとの組み合わせによって簡単に総重量6kg台のバイクを組み上げることが可能だ。実際に「SystemBar Road SL」ハンドルを組み合わせたLAB71モデルの完成車はペダルやコンピューター込みで6.8kg台と非常に軽く仕上がって目を引いていた。
さらに、専用エアロボトル「Gripper Aero Bottles」に組み合わせる新型のボトルケージ「CarbonGrip Aero Cage」はホールド力を高めつつ26%もの重量削減を果たしているほか、コンピュータの画面がハンドル上部とツライチになるよう設計されたアルミ製の軽量マウント、さらにLAB71と一部のHi-Mod完成車にはチタン製のサドルクランプパーツが奢られるなど、開発陣のこだわりは細部にまで宿る。
3種のフレームグレードを継続、エアロか軽量かを選べる豊富な完成車バリエーション
先代モデルに引き続き、新型EVOも使用するカーボン素材別にトップモデルの「LAB71(シリーズゼロカーボン)」、セカンドグレードの「Hi-MOD」、そして「スタンダードモッド」という3グレード体制は変わらない。


LAB71にはハンドルとホイールのアッセンブル別に、「SystemBar Road」ハンドルとリザーブの新型「57|64」ホイールを投入したエアロ仕様と、「SystemBar Road SL」ハンドルとDTスイスの「ARC1100 38」、もしくはリザーブの「34|37」ホイールを投入した超軽量完成車という2種類がそれぞれ用意される。1グレードにつき軽さかエアロを選べる選択肢ができたことは、カスタマイズの出費を抑える上も非常に有用だと言えるだろう。
国内で展開されるのはLAB71グレードが2種類の完成車とフレームセット、Hi-Modグレードが1種類の完成車とフレームセット、スタンダードグレードが2種類の完成車とフレームセットという合計8パッケージだ。
LAB71グレードの完成車は、スラムREDとDTスイスARC1100 Spline 38ホイール、SystemBar Road SLハンドルで武装した超軽量のSL完成車(税込220万円)と、シマノDURA-ACEとリザーブ57|64ホイール、SystemBar Roadハンドルを装備したエアロ仕様の完成車(税込215万円)から選ぶことができ、Hi-ModグレードはシマノUltegraで軽量仕様に組んだ「EVO 1 SL(税込138万円)」、 スタンダードグレードはシマノUltegra(EVO 2、税込105万円)もしくは105 DI2(EVO 5、税込75万円)で組んだパッケージだ。
また、今回発表された新しいハンドル「SystemBar Road SL(軽量)」と「SystemBar Road(エアロ)」も単品発売(税込12万円)され、従来「モモハンドル」として親しまれてきた「SystemBar R-One」も継続販売される。同じデルタコラムを使う先代SuperSix EVOのアップグレードとしても良き選択肢となるだろう。
新型SuperSix EVO ラインアップ
SuperSix EVO LAB71 SL

| フレーム | LAB71 SuperSix EVO, Gen 5, Ultralight Series 0 Carbon 12×142 thru-axle, BSA 68mm threaded BB, flat mount disc integrated seat binder, UDH |
| フォーク | LAB71 SuperSix EVO, Gen 5, Ultralight Series 0 Carbon integrated crown race, 12×100mm thru-axle flat mount disc, internal routing 1-1/8" to 1-1/4" Delta steerer 55mm offset (44-54cm), 45mm offset (56cm) |
| ハンドルバー | Cannondale SystemBar Road SL. ultralight full carbon integrated bar/stem: 90x380mm (44-52cm), 100x380mm (54-56cm) |
| バーテープ | Fizik Tempo Bondcush Soft, 3mm |
| シートポスト | Cannondale C1 Aero 40 Carbon V2, Ti Hardware 0mm offset (44-54cm), 15mm offset (56cm) |
| クランク | SRAM RED AXS Power Meter, 48/35: 165mm (44-50cm), 170mm (52-56cm) |
| ドライブトレイン | SRAM RED AXS, 12-speed |
| カセットスプロケット | SRAM RED XG-1290, 10-30, 12-speed |
| サドル | Fizik Vento Antares 00, carbon shell and rails, 140mm |
| ホイール | DT Swiss ARC 1100 Spline 38 CS, carbon, 20mm inner width, 38mm depth |
| タイヤ | Vittoria Corsa Pro, 700x28c Tube Type |
| 付属品 | Cannondale Gripper Aero Bottles & Gripper Carbon Aero Cages Dual Socket BB tool,SystemBar SL Garmin/Wahoo computer mount Shimano EC300 charging connector |
| サイズ | 44, 48, 50, 52, 54, 56 |
| カラー | RAW |
| 価格 | 2,200,000円 |
SuperSix EVO LAB71

| フレーム | LAB71 SuperSix EVO, Gen 5, Ultralight Series 0 Carbon 12×142 thru-axle, BSA 68mm threaded BB, flat mount disc integrated seat binder, UDH |
| フォーク | LAB71 SuperSix EVO, Gen 5, Ultralight Series 0 Carbon integrated crown race, 12×100mm thru-axle flat mount disc, internal routing 1-1/8" to 1-1/4" Delta steerer 55mm offset (44-54cm), 45mm offset (56cm) |
| ハンドルバー | Cannondale SystemBar Road, ultra low drag full carbon integrated bar/stem: 90x340mm (44-52cm), 100x360mm (54-56cm) |
| バーテープ | Fizik Tempo Bondcush Soft, 3mm |
| シートポスト | Cannondale C1 Aero 40 Carbon V2, Ti Hardware,0mm offset |
| クランク | Shimano Dura-Ace R9200, 52/36, 4ilii PRECISION 3+ PRO Power Meter: 165mm (48-50cm), 170mm (52-54cm) |
| ドライブトレイン | Shimano Dura-Ace Di2 R9250, 12-speed |
| カセットスプロケット | Shimano Dura-Ace R9200, 11-30, 12-speed |
| サドル | Fizik Vento Antares 00, carbon shell and rails, 140mm |
| ホイール | Reserve 57|64 Carbon, Turbulent Aero, tubeless ready |
| タイヤ | Vittoria Corsa PRO TLR, 700x29c |
| 付属品 | Cannondale Gripper Aero Bottles & Gripper Carbon Aero Cages Dual Socket BB tool, Fillmore tubeless valves SystemBar Road SL Garmin/Wahoo computer mount Shimano EC300 charging connector |
| サイズ | 48, 50, 52, 54 |
| カラー | Cashmere |
| 価格 | 2,150,000円(税込) |
SuperSix EVO 1 SL

| フレーム | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated cable routing, 12×142 thru- axle BSA 68mm threaded BB, flat mount disc integrated seat binder, UDH |
| フォーク | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated crown race, 12x100mm thru- axle flat mount disc, internal routing 1-1/8" to 1-1/4" Delta steerer, 55mm offset |
| ハンドルバー | SystemBar Road SL, ultralight full carbon integrated bar/stem: 90x380mm (48-52cm), 100x380mm (54cm) |
| バーテープ | Fizik Tempo Bondcush Soft, 3mm |
| シートポスト | Cannondale C1 Aero 40 Carbon V2, Ti Hardware,0mm offset |
| クランク | Shimano Ultegra R8100, 52/36, 4iiii PRECISION 3+ PRO Power Meter: 165mm (48-50cm), 170mm (52-54cm) |
| ドライブトレイン | Shimano Ultegra Di2, 12-speed |
| カセットスプロケット | Shimano Ultegra R8100, 11-30, 12-speed |
| サドル | Fizik Vento Antares R1, carbon rails, 140mm |
| ホイール | Reserve 34|37 Carbon, Turbulent Aero, tubeless ready |
| タイヤ | Vittoria Corsa Pro, 700x28c, tubeless ready |
| 付属品 | Cannondale Gripper Aero Bottles & Gripper Carbon Aero Cages Fillmore tubeless valves, SystemBar Road SL Garmin/Wahoo computer mount Shimano EC300 charging connector |
| サイズ | 48, 50, 52, 54 |
| カラー | Matte Black |
| 価格 | 1,380,000円(税込) |
SuperSix EVO 2


| フレーム | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated cable routing, 12×142 thru- axle, BSA 68mm threaded BB, flat mount disc integrated seat binder, UDH |
| フォーク | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated crown race, 12x100mm thru- axle flat mount disc, internal routing 1-1/8" to 1-1/4" Delta steerer, 55mm offset |
| ハンドルバー | Vision Trimax Carbon Aero: 380mm |
| ステム | Cannondale C1 Conceal, Alloy, 31.8, -6° 90mm (48-52cm), 100mm (54cm) |
| バーテープ | Cannondale Bar Tape, 3.5mm |
| シートポスト | Cannondale C1 Aero 40 Carbon V2, 0mm offset |
| クランク | Shimano Ultegra R8100, 52/36: 165mm (48-50cm), 170mm (52-54cm) |
| ドライブトレイン | Shimano Ultegra Di2 R8150, 12-speed |
| カセットスプロケット | Shimano Ultegra R8100, 11-30, 12-speed |
| サドル | Fizik Vento Antares R5, S-Alloy rails, 140mm |
| ホイール | DT Swiss ERC 45, carbon, 24mm inner width, 45mm depth, 24h, tubeless ready |
| タイヤ | Schwalbe One TLR, 700x28c, tubeless ready |
| 付属品 | Tubeless valves, Shimano EC300 charging connector, Conceal Stem accessory mount |
| サイズ | 48, 50, 52, 54 |
| カラー | Tungsten Blue、Raw |
| 価格 | 1,050,000円(税込) |
SuperSix EVO 5


| フレーム | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated cable routing, 12×142 thru- axle BSA 68mm threaded BB, flat mount disc integrated seat binder, UDH |
| フォーク | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated crown race, 12x100mm thru- axle flat mount disc, internal routing 1-1/8" to 1-1/4" Delta steerer, 55mm offset |
| ハンドルバー | Vision Trimax Carbon Aero: 380mm |
| ステム | Cannondale C1 Conceal, Alloy, 31.8, -6°: 90mm (48-52cm), 100mm (54cm) |
| バーテープ | Cannondale Bar Tape, 3.5mm |
| シートポスト | Cannondale C1 Aero 40 Carbon V2, 0mm offset |
| クランク | Shimano 105 7100, 50/34: 165mm (48-50cm), 170mm (52-54cm) |
| ドライブトレイン | Shimano 105 Di2 R7150, 12-speed |
| カセットスプロケット | Shimano 105 R7100, 11-34, 12-speed |
| サドル | Fizik Vento Antares R7, 140mm |
| ホイール | Vision SC45 123, carbon, 23mm inner width, 45mm depth |
| タイヤ | Schwalbe One TLR, 700x28c, tubeless ready |
| 付属品 | Tubeless valves, Shimano EC300 charging connector, Conceal Stem accessory mount |
| サイズ | 48, 50, 52, 54 |
| カラー | Cashmere、Raw |
| 価格 | 750,000円(税込) |
SuperSix EVO LAB71 Frameset



| フレーム | LAB71 SuperSix EVO, Gen 5, Ultralight Series 0 Carbon 12×142 thru-axle, BSA 68mm threaded BB flat mount disc, integrated seat binder, UDH |
| フォーク | LAB71 SuperSix EVO, Gen 5, Ultralight Series 0 Carbon integrated crown race, 12×100mm thru-axle flat mount disc, internal routing, 1-1/8" to 1-1/4" Delta steerer 55mm offset (44-54cm), 45mm offset (56cm) |
| シートポスト | Cannondale C1 Aero 40 Carbon V2, Ti Hardware 0mm offset (44-54cm), 15mm offset (56cm) |
| サイズ | 44, 48, 50, 52, 54, 56 |
| カラー | Raw、Black with WOW colors、EF-Team Replica |
| 価格 | 890,000円(税込) |
SuperSix EVO Hi-MOD Frameset

| フレーム | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated cable routing, 12×142 thru- axle BSA 68mm threaded BB, flat mount disc integrated seat binder, UDH |
| フォーク | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated crown race, 12x100mm thru- axle flat mount disc, internal routing 1-1/8" to 1-1/4" Delta steerer, 55mm offset |
| シートポスト | Cannondale C1 Aero 40 Carbon V2, Ti Hardware 0mm offset (44-54cm), 15mm offset (56cm) |
| サイズ | 44, 48, 50, 52, 54, 56 |
| カラー | Jet Black w/ Raw Carbon and Smoked Chrome-Code、lon Blue、Platinum |
| 価格 | 670,000円(税込) |
SuperSix EVO Frameset



| フレーム | SuperSix EVO Hi-MOD Carbon, Gen 5 integrated cable routing, 12×142 thru- axle BSA 68mm threaded BB, flat mount disc integrated seat binder, UDH |
| フォーク | SuperSix EVO Carbon integrated crown race, 12×100mm thru-axle flat mount disc, internal routing, 1-1/8" to 1-1/4" Delta steerer 55mm offset (44-54cm), 45mm offset (56cm) |
| シートポスト | Cannondale C1 Aero 40 Carbon V2, 0mm offset (44-54cm), 15mm offset |
| カラー1 | Cherry Lacquer (CHL) Sizes 44, 48, 50, 52, 54 |
| カラー2 | Cactus Green (CTG) Sizes 44, 48, 50, 52, 54 |
| カラー3 | Cashmere (CAS) Sizes 44, 48, 50, 52, 54, 56 |
| 付属品 | Cannondale Gripper Aero Bottles & ReGrip Aero Cages |
| 価格 | 330,000円(税込) |
キャノンデール ハンドルラインアップ



| SystemBar Road | SystemBar SL | SystemBar R-One | |
|---|---|---|---|
| リーチ | 85mm | 85mm | 80mm |
| ドロップ | 130mm | 130mm | 130mm |
| フレア | 40mm | 40mm | 20mm |
| ステムアングル | -6° | -6° | -6° |
| 重量 | 375g | 265g | 415g |
| サイズ | 340x90mm 360x100-120mm 380x100-120mm | 380x90-120mm 400x100-130mm | 380x90-120mm 400x90-120mm 420x100-120mm |
| 価格 | 120,000円(税込) | 120,000円(税込) | 110,000円(税込) |
次章では発表会会場のスペイン、ジローナでHi-Modグレードを乗り込んだインプレッションと、キャノンデールを知り尽くしたショップ店長と共にLAB71グレードをテストしたインプレッションを紹介します。
提供:インターテック | text:So Isobe