ミュール・カペルミュールでの静かなアタック。春のクラシックシーズン開幕戦であるオムロープ・ニュースブラットで、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)が15.6kmを独走し、初出場で初優勝を飾った。

オムロープ初出場となったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:CorVos

オムロープ・ヘットニュースブラット2026 image:Omloop Het Nieuwsblad ヨーロッパでのUCIワールドツアー、そして春を告げるクラシックシーズンは今年も、オムロープ・ニュースブラットで幕を開ける。ベルギー・フランドル地方を舞台とするセミクラシックのコースは、昨年から約10km延長された総距離207.6km。コース上には8つの石畳区間と12の丘が登場し、特に終盤に駆け上がる石畳坂「ミュール・カペルミュール」と「ボスベルグ」は勝負所として自転車ロードレースファンにお馴染みだ。
集団スプリントで決着した昨年よりも終盤に丘が加わったため、スプリンターよりクラシックレーサー向けとなったレースには、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)が初参戦。アルペシンは他にヤスペル・フィリプセン(ベルギー)とカーデン・グローブス(オーストラリア)を擁する万全の布陣である一方、ヴィスマ・リースアバイクはワウト・ファンアールト(ベルギー)を体調不良で欠いた。
気温9度の降雨と強風のため、多くの選手がアームウォーマーと手袋を着用するなか、序盤に逃げ集団を形成したのはイェルテ・クラインセン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)ら5名の選手たち。メイン集団はアルペシンがペースを作り、逃げとの差を4分弱でキープ。レースは落ち着いたまま進み、後半に入ると集団牽引にはヨルディ・メーウス(ベルギー)でのスプリントを狙うレッドブル・ボーラ・ハンスグローエなども加勢した。

クレマン・アレノ(フランス、ブルゴス・ブルペレットBH)ら5名の選手たちが逃げを打つ photo:CorVos

石畳セクションに入り、沿道にはスペアホイールを手にしたチームスタッフが並ぶ photo:CorVos 
この日はとにかく落車が多発するレースとなった photo:CorVos

沿道では赤煙が焚かれた photo:CorVos
この日のプロトンでは、石畳を含むクラシックシーズンの初戦らしく落車が多発した。ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)やシュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング)が巻き込まれてリタイアを余儀なくされ、ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)はメカトラに見舞われる。
連続する丘でフィリプセンがパンクによってメイン集団から脱落し、さらに人数を絞ろうとUAEチームエミレーツXRGがペースを上げる。残り45km地点のモーレンベルグの入口でも落車が発生し、それを尻目にフロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)がアタック。落車を何とか回避したファンデルプールがフェルミールスに合流し、さらにティム・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)もジョイン。3名による追走は直後に逃げ集団を捉え、先頭は7名の集団となった。

モーレンベルグで集団を抜け出したフロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

ミュール・カペルミュールで単独先頭に立ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)が、後続とのタイム差をチームカーに尋ねる photo:CorVos
その1分後方の追走集団はヴィスマ・リースアバイクやロット・アンテルマルシェが先導したものの、強力なメンバーがローテーションを回す先頭との差は縮まらない。さらにプロトンでは残り18km地点のコーナーで再び落車が発生し、追走の旗色はますます悪くなっていく。そして先頭が6名に減った状態でミュール・カペルミュールへ突入し、レースが大きく動いた。
その主役はやはり、元世界王者のファンデルプールだった。終盤にそれまでつけていたアームウォーマーと手袋を外し、いつものスタイルへと戻ったファンデルプール。「当初から狙っていたアタック地点」だとレース後に語ったミュール・カペルミュールでシッティングのまま加速すると、残り15.6km地点でファンダイケとフェルミールスを引き離し、単独走に持ち込む。濡れた石畳坂でもシクロクロス仕込みのテクニックでトラクションをかけ、軽快にバイクを進めていく。
そして父アドリが待つ頂上で後続とのタイム差を聞いたファンデルプールは、最後の坂であるボスベルグでもスピードを落とさず、ファンダイケらに22秒差をつけてフィニッシュに到達した。

続くボスベルグもクリアし、独走を続けるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:CorVos

初出場で独走による優勝を果たしたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:CorVos
初出場ながら優勝候補の筆頭に挙げられ、多くが思い描いた独走シナリオを現実のものにしたファンデルプール。「風もあり、緊張感や寒さなどかなり過酷なコンディションだった。でも感触は良かった。カペルミュールとボスベルグは僕に適した登りで、追い風もフィニッシュに向かう助けとなった。カペルミュールまで待つ予定だったが、フェルミールスによって展開が変わり、彼がいなければこの動き(独走)は成立しなかった」とレースを振り返る。さらに「ロンド・ファン・フラーンデレンがシーズンの大きな目標の1つであることは周知の通り。タデイ(ポガチャル)はとても強く、昨年は負けてしまったが、それでも挑戦する」と、春のクラシックシーズンへの目標を語った。
一騎打ちとなった2位争いはファンダイケが先着し、積極的な動きを見せたフェルミールスは3位。スプリントに持ち込めなかったプロトンの先頭は、53秒遅れでクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が取り、4位入賞を果たしている。

表彰台で初優勝を喜ぶマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:CorVos


集団スプリントで決着した昨年よりも終盤に丘が加わったため、スプリンターよりクラシックレーサー向けとなったレースには、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)が初参戦。アルペシンは他にヤスペル・フィリプセン(ベルギー)とカーデン・グローブス(オーストラリア)を擁する万全の布陣である一方、ヴィスマ・リースアバイクはワウト・ファンアールト(ベルギー)を体調不良で欠いた。
気温9度の降雨と強風のため、多くの選手がアームウォーマーと手袋を着用するなか、序盤に逃げ集団を形成したのはイェルテ・クラインセン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)ら5名の選手たち。メイン集団はアルペシンがペースを作り、逃げとの差を4分弱でキープ。レースは落ち着いたまま進み、後半に入ると集団牽引にはヨルディ・メーウス(ベルギー)でのスプリントを狙うレッドブル・ボーラ・ハンスグローエなども加勢した。




この日のプロトンでは、石畳を含むクラシックシーズンの初戦らしく落車が多発した。ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)やシュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング)が巻き込まれてリタイアを余儀なくされ、ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)はメカトラに見舞われる。
連続する丘でフィリプセンがパンクによってメイン集団から脱落し、さらに人数を絞ろうとUAEチームエミレーツXRGがペースを上げる。残り45km地点のモーレンベルグの入口でも落車が発生し、それを尻目にフロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)がアタック。落車を何とか回避したファンデルプールがフェルミールスに合流し、さらにティム・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)もジョイン。3名による追走は直後に逃げ集団を捉え、先頭は7名の集団となった。


その1分後方の追走集団はヴィスマ・リースアバイクやロット・アンテルマルシェが先導したものの、強力なメンバーがローテーションを回す先頭との差は縮まらない。さらにプロトンでは残り18km地点のコーナーで再び落車が発生し、追走の旗色はますます悪くなっていく。そして先頭が6名に減った状態でミュール・カペルミュールへ突入し、レースが大きく動いた。
その主役はやはり、元世界王者のファンデルプールだった。終盤にそれまでつけていたアームウォーマーと手袋を外し、いつものスタイルへと戻ったファンデルプール。「当初から狙っていたアタック地点」だとレース後に語ったミュール・カペルミュールでシッティングのまま加速すると、残り15.6km地点でファンダイケとフェルミールスを引き離し、単独走に持ち込む。濡れた石畳坂でもシクロクロス仕込みのテクニックでトラクションをかけ、軽快にバイクを進めていく。
そして父アドリが待つ頂上で後続とのタイム差を聞いたファンデルプールは、最後の坂であるボスベルグでもスピードを落とさず、ファンダイケらに22秒差をつけてフィニッシュに到達した。


初出場ながら優勝候補の筆頭に挙げられ、多くが思い描いた独走シナリオを現実のものにしたファンデルプール。「風もあり、緊張感や寒さなどかなり過酷なコンディションだった。でも感触は良かった。カペルミュールとボスベルグは僕に適した登りで、追い風もフィニッシュに向かう助けとなった。カペルミュールまで待つ予定だったが、フェルミールスによって展開が変わり、彼がいなければこの動き(独走)は成立しなかった」とレースを振り返る。さらに「ロンド・ファン・フラーンデレンがシーズンの大きな目標の1つであることは周知の通り。タデイ(ポガチャル)はとても強く、昨年は負けてしまったが、それでも挑戦する」と、春のクラシックシーズンへの目標を語った。
一騎打ちとなった2位争いはファンダイケが先着し、積極的な動きを見せたフェルミールスは3位。スプリントに持ち込めなかったプロトンの先頭は、53秒遅れでクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が取り、4位入賞を果たしている。

オムロープ・ニュースブラット2026結果
| 1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) | 4:53:55 |
| 2位 | ティム・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:22 |
| 3位 | フロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) | +0:24 |
| 4位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:53 |
| 5位 | エメ・デヘント(ベルギー、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | +0:54 |
| 6位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM) | +0:57 |
| 7位 | ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
| 8位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー) | |
| 9位 | アレクシ・ルナール(フランス、コフィディス) | |
| 10位 | ルーク・ランパーティ(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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