2025年シーズンは46勝とチーム最多記録をマークしたリドル・トレックが、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエからベルンハルト・アイゼル(オーストリア)を監督として招聘。一方、そのレッドブルにはアラン・パイパーが戦略顧問として加入した。



引退後はコメンテーターなどを務めたベルンハルト・アイゼル data-sub-caption= photo:Makoto AYANO

アイゼルはプロ19年のキャリアで、ヘント〜ウェヴェルヘム優勝などクラシックレースやマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のアシストとして活躍。2019年に引退後は、解説者を挟み、2022年から2025年までの4年間レッドブル・ボーラ・ハンスグローエで監督を務めた。

リドル・トレックへの加入に際し、アイゼルは「リドルは若い選手から注目を集めており、スプリントの戦力が素晴らしく揃っている。コメンテーターの時代に見たミランのスプリントやピーダスンが”ピーダスン(の独自の勝ち方)”をしているシーンは、近年の自転車競技の最高の形の一つだ」とチームの魅力を説明。「だが一番の理由はルカ(グエルチレーナGM)だ。彼は僕がマペイでプロになった2001年、初めてのコーチだった人だからね」と語る。

「少し緊張しているが、同時に自分の人生の新しい章に胸が高鳴っている」と意気込みを語った。



パイパーがUAEからレッドブルに加入

レース分析官としてチーム復帰したアラン・パイパー photo:CorVos

TモバイルやBMCレーシングなどで監督を歴任したパイパーは、2019年よりUAEチームエミレーツXRGに加入。タデイ・ポガチャル(スロベニア)のツール・ド・フランス連覇(2020、21年)に貢献したものの、2021年11月、がん治療に専念するためチームを離れた。

その後2023年にチームにレース分析官として復帰し、このたび、戦略顧問(ストラテジーアドバイサー)としてレッドブルに加入した。

現在65歳のパイパーは、「ここ数年目覚ましい活躍を見せるレッドブル・ボーラ・ハンスグローエに加入することができてワクワクしている。このチームはさらに強化できる大きな可能性を感じている。重要なのは、明確な競技ビジョンを持ち、それを日々のパフォーマンスにつなげること。それこそが私を突き動かす原動力だ」と、加入の理由を語った。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos