UAEチームエミレーツは監督だったアラン・パイパーの復帰を発表した。同氏はタデイ・ポガチャル(スロベニア)のツール・ド・フランス総合2連覇に貢献したものの、2021年11月にがん治療専念のため退団していた。今季はレース分析官という立場でチームを支える。



レース分析官としてチーム復帰したアラン・パイパー photo:CorVos

「退団してからもチームとは連絡を取り合っていた。復帰の機会を与えてくれたマウロ(ジャネッティCEO)とチームに感謝している。以前のチームカーからではなく、レースに還元できるようなフィードバックを首脳陣たちに対して行っていきたい」と、アラン・パイパーはプレスリリースで語った。

TモバイルやBMCレーシングなどで監督を務めたパイパーはオーストラリア出身の62歳。2019年よりUAEチームエミレーツで指揮を取り、当時21歳だったタデイ・ポガチャル(スロベニア)の2020年ツール・ド・フランス総合優勝と2連覇に大きく貢献した。しかし2021年11月に、数年に渡って行うがん治療に専念するためチームを退団した。

ジャネッティCEOは「アランが退団するとき”君が戻ってくる場所は用意しておく”と伝えていた。そして彼は健康を取り戻し帰ってきた。彼が不在の間にチームは大きく成長したが、彼の専門知識が助けとなることに変わりはない」とパイパーの復帰を喜んでいる。

タデイ・ポガチャルとUAEチームエミレーツの選手たち photo:Makoto.AYANO

チームは今年、ツール・ド・フランス総合優勝を奪還するべくアダム・イェーツ(イギリス)やティム・ウェレンス(ベルギー)など大型補強を実施。またバイクはコルナゴのままに、コンポーネントをカンパニョーロからシマノにスイッチし、ホイールはエンヴィ、タイヤはピレリからコンチネンタルに変更している。

チームとしての初戦は1月17日開幕のサントス・ツアー・ダウンアンダー(UCI.WT)だが、1月10日のオーストラリアナショナルTT選手権において新加入のジェイ・ヴァインが優勝。チームとして幸先の良いスタートを切っている。

text:Sotaro.Arakawa