カステリが2025年モデルとして投入する最高峰ウィンタージャケット「ALPHA 150」。ポーラテックと共同開発した最新素材AirCoreを採用し、透湿性を最重要視した設計思想で防風性と保温性を両立。これからの厳しい冬に向けたベースレイヤーやビブタイツと合わせて紹介しよう。



カステリ Alpha 150 Jacket

カステリ Alpha 150 Jacket photo:Naoki Yasuoka

カステリを代表する防風透湿ジャケットPerfetto。このハイパフォーマンスジャケットとテクノロジーが多く共通する派生モデルがAlphaシリーズだ。Perfettoのモデルチェンジと同時にAlphaも新作となり、新しい技術が採用されている。

Alpha 150 Jacketの核心となるのがポーラテックと共同開発した最新鋭の生地、AirCoreだ。新しい素材の開発にあたってカステリが重要視したのは、ライダーが様々な状況下で快適に過ごせる透湿性だった。生地を通過する空気の量を徹底的にコントロールすることで、熱気を逃しつつ保温性と防風性すべてを両立する、従来よりも通気性に優れたウェアを実現している。

ポーラテックと共同開発したAirCore生地が採用されている

防水性については耐水圧5,000mmを備えており、サイクリングでは十分な性能を持つ。長時間の雨でなければ浸水しないレベルとなっているため、ライド途中に雨に降られても安心できるスペックとなっている。

ストレッチ性も非常に優れており、防水防風シェルにありがちな硬さはなく、ジャージのように柔らかな着心地を実現した。さらにAirCoreはリサイクル素材を使いながら、PFASフリーで作られていることもポイントだ。

ライナーは胴回りと袖部分に効果的に配置されている

Alpha 150もAirCoreをメイン素材としつつ、ウェア内側にポーラテックのAlphaというインサレーションライナーを配置。非常に軽量でありながら、優れた保温性と吸汗速乾性を両立している。

この二層構造によって-2°C〜10°Cという厳しい冬のコンディションでも快適に走れるウェアを実現。冷たい風や雨、急な温度変化に対応しながら、重量346gという軽さと動きやすさも確保したハイスペックウェアとなっている。

メインはAirCoreで、内側にライナーが備えられている
襟部分は前傾しやすいようにカットされている


袖の内側にインナーレイヤーが加えられている
貴重品ポケット兼ベンチレーションとなっている



また細部まで作り込まれていることも魅力。ハイネックの襟はうなじ側がカットオフ+柔らかな生地が追加されており、前傾姿勢でも生地が邪魔にならず、かつ防風性も確保されている。袖部分も内側にレイヤーを加えることで、冷風の進入を防いでいる。

ジッパーにはYKK Visilon上下開閉タイプを採用し、温度調整がしやすい構造としている。ジッパーカバー付きで風や雨の侵入も軽減する。フロント側にはファスナー付きポケットが配置されており、貴重品の収納にも対応する。

カラーはBRILLIANT ORANGE/DARK GRAY、LIGHT BLACK/BLACK、DEEP BORDEAUX/CLAY、MANGO MOJITO/BLACKという4色が展開される。価格は53,350円(税込)だ。

インプレッション

「どのようなライダーにもマッチするジャケットになっている」高木三千成(シクロワイアード編集部)

着た瞬間から感じられる柔らかさが印象的な一着でした。昔のジャケットのようなパリッとした硬さやツッパリ感がまったくなく、肩回りや様々な体勢で着ていても、締め付けを感じません。乗車中、休憩中どのような時も快適で、ずっと着ていたくなるような着心地です。

防風性と通気性、保温性能のバランスが絶妙で、胴体部分の温度上昇の仕方がPerfettoとは全く異なります。Alphaの場合はインサレーションのおかげで、薄いベースレイヤーでも十分な暖かさを感じられるほどです。前腕部分などインサレーションが無い部分は通気性を感じられ、胴体部分も蒸れることがないので、空気が適度に循環している感覚があります。

「着心地の良さと防風性、保温性のバランスが取れている」高木三千成(シクロワイアード編集部)

優れた性能のおかげでレイヤリングの自由度が高いのも魅力です。サイクリングペースで走る場合はFlanders 2のような厚手を選び、体が発熱しやすいトレーニングでは薄手インナーとの組み合わせができます。

従来のジャケットは悪天候向けというイメージもありましたが、Alpha 150は普段のトレーニングライドを快適にするアウターという印象を受けました。また、ハイエンドモデルですが、レーサー向けというよりも誰もが日常的に使える一着に仕上がっていると感じました。



カステリ Flanders 2 LS Base Layer

カステリ Flanders 2 LS Base Layer

カステリが誇る真冬向けベースレイヤーがFlanders 2 LS Base Layerだ。11年ぶりのアップデートとなるFlanders 2は、縫い目を減らした構造と起毛フリースの柔らかさにより、従来モデルから快適性が大幅に向上している。

多層構造の100%ポリエステルフリース「SottoZero」素材が高い保温性と肌触りの柔らかい着心地を両立させている。さらにミッドハイトな襟が、首元を優しく包みながら冷気の侵入を防ぐ。首に冷気が直接当たらなくなるため、ライド中快適な状態が保たれるはずだ。

裏起毛によって暖かさを確保している

縫製にはフラットなMerrowステッチを採用することで、肌へのあたりを優しくしている。脇下にはメッシュ素材を配置して、不必要な熱を外側に逃す設計も施されている。温かさだけではなく、熱や湿気をコントロールすることで、適切な体温に保つことが可能となっている。

インプレッション

脇部分はメッシュ生地とされている

腕を袖に通した瞬間から伝わる温かさが特徴的な一着です。胴体部分が全面裏起毛となっているため、外に出ても寒くないという安心感が生まれてくるようです。冬場のライドは外に出るまでが高いハードルになりがちですが、この温かさがあれば外でも大丈夫だなって思えるので、外出のハードルが低くなると思います。

実際に走ってみると首元の安心感も強く、ウェア内側がしっかりと保温されていると感じられます。同時に暑くなりすぎないため、脇部分のメッシュも機能していることがわかります。

生地の触り心地も魅力の一つで、乾燥した肌で触ってもチクチクしません。着る時や脱ぐ時に乾燥肌に引っ掛かりがあると使用頻度が下がりがちなのですが、常に快適な状態が保たれます。フィット感はレギュラーとなっており、締め付けが強すぎないのも特徴だと感じました。



カステリ Sorpasso RoS Bibtight

カステリ Sorpasso RoS Bibtight
足首部分には大きなリフレクターが備えられている



カステリのビブタイツラインアップの中でもベストセラーとして人気のモデルが、Sorpasso RoS Bibtightだ。レースやハードなトレーニングを冬季も続ける本格的なアスリートに向けたモデルとなっている。

ハイスピード走行を念頭に置いたSorpassoは脚の動きを最重要視しており、メインにNano Flex 3Gという高い伸縮性を備えた生地を採用。臀部と膝周りはエルゴノミクスに基づいたカッティングとすることで、生地の伸縮性とパターンの両面から、ペダリングの行いやすさを確保している。もちろん撥水性と防風性、保温性にも優れており、冬場の快適性にも配慮されている。

太ももの前面に生地を追加し、保温性を高めている

エルゴノミクスに基づいたパネリングで動きやすさを高めている

太もも前面と下腹部にはNano Flex Xtra Dryという別生地が重ねられている。これは保温性を強化するための素材で、風が最も当たりやすい部分かつ、冷やしたくない体幹部分を守ることで、-2℃〜10℃対応という性能を実現している。

ビブストラップは平らで捻れにくい構造を採用し、安定した着用感を実現。シートパッドにはカステリ最高品質の「Progetto X2 Air seamless」を搭載している。

インプレッション

足にピタリとフィットする作りとなっている

腹部と太もも前面に配置された生地による防風性を感じられる一着でした。最も風に当たりやすい部分をプロテクトしてくれているため、そのほかの部分が通気性のある裏起毛生地だとしても、寒さに耐えられる性能を実現しています。

同時に限られたエリアだけを防風仕様とすることで、ペダリングが生地によって妨げられず、常に快適な状態が保たれます。走行スピードが速く、体が発熱しやすいライドをする方であれば、動きやすさと温かさのバランスが取れていると感じられるはずです。

生地が途中で切り替えられたことによる不快感もありません。タイト目に作られていますが、どの生地も伸縮性に優れているため、着心地は良好です。トレーニングライドなど走りに集中したい時はSorpassoが活躍してくれると思います。



カステリ Polare 4 Bibtight

カステリ Polare 4 Bibtight

より厳しい寒さに対応するモデルとして位置づけられるのがPolare 4 Bibtightだ。こちらは-5℃〜5℃というSorpassoよりも低い気温帯をカバーする厳冬期向けの一着として仕立てられている。

最大の特徴は脚の前面に採用されたPolartec AirCore素材だ。冬の厳しい冷風をシャットアウトする防風性を備えつつ、熱や湿気などは逃すという優れた性能を備えており、快適な状態を保ってくれる。腰と脚の裏面にはThermoflexというフリース素材を配置。保温性と同時に伸縮性も確保しており、ペダリングや前傾姿勢で生地が突っ張りにくくなっている。

裏起毛によって保温性を高めている
厚手グローブでも扱いやすいジッパーとされている



シートパッドには「KISS Air2」を採用。厚すぎず程よいクッション性を提供してくれるため、長時間のライドでも快適な状態が保たれる。視認性を高める反射ストライプを膝上前面とふくらはぎ背面に配置し、冬の日照時間が短い時期の安全性にも配慮している。

インプレッション

脚の前面はAirCoreで、裏面は伸縮性に優れる生地が採用されている

脚の全面に使用されているPolartec生地が、防風、保温性という面で常に脚を守ってくれる感覚が強くありました。そのため生地はハリが強めとなっています。脚を曲げた状態で快適になるようにパネリングされているため、ペダリング時のストレスも小さめです。

裏地の起毛素材が熱を逃さずに、足と腹部周りが常に温かいです。対応気温帯が示すように、氷点下の状況でもライダーがサイクリングに集中できるビブタイツに仕上げられていると感じます。



カステリ Espresso 2 Glove

カステリ Espresso 2 Glove

Espresso 2 Gloveは軽量性と保温性を高度に両立させたウィンターグローブだ。冬のサイクリングにおいて欠かせない手の保温性は、2つの素材が大きく貢献している。

一つは手の甲側に採用されたPolartec NeoShellという素材。冷たい風をシャットアウトする防風性を備えつつ、湿気は外側に排出される透湿性を両立した高機能素材で、グローブの内側を常に快適な状態に維持してくれることが特徴だ。

大きめのジッパーでフィット性と着脱性を確保する

もう一つは内側に採用されたプリマロフトのインサレーション。保温性に定評のある人工羽毛がグローブ内側の熱をしっかりと蓄えてくれるため、気温3℃〜10℃に対応。首都圏であればウィンターシーズンを通して活躍してくれるはずだ。

着脱を容易にするYKKロングジッパー、視認性を高める反射素材、そしてタッチスクリーン対応の指先インサートなど、実用的な機能が網羅されている。グローブを外すことなくサイクルコンピューターやスマートフォンを操作できる点は、冬のライドにおける小さなストレスを確実に軽減する。



カステリ Alpha 150 Jacket
対応温度:-2°C〜10°C
重量:346g
フィット:タイトフィット
カラー:BRILLIANT ORANGE/DARK GRAY、LIGHT BLACK/BLACK、DEEP BORDEAUX/CLAY、MANGO MOJITO/BLACK
主要素材:Polartec AirCore(外層)、Polartec Alpha(内層)
価格:53,350円(税込)

カステリ Flanders 2 LS Base Layer
対応温度:-2°C〜10°C
重量:218g
フィット:レギュラーフィット
カラー:BLACK、GRAY
素材:SottoZero(100%ポリエステルフリース)
価格:14,300円(税込)

カステリ Sorpasso RoS Bibtight
対応温度:-2°C〜10°C
重量:349g
フィット:タイトフィット
カラー:BLACK/SILVER REFLEX、BLACK、BLACK RED、DARK GRAY、BELGIAN BLUE
価格:32,450円(税込)

カステリ Polare 4 Bibtight
対応温度:-5°C〜5°C
重量:352g
フィット:レギュラーフィット
カラー:BLACK
価格:36,300円(税込)

カステリ Espresso 2 Glove
対応温度:3°C〜10°C
重量:155g
カラー:BLACK
価格:15,400円(税込)
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