カステリの代表作Perfetto RoS Jacketがフルモデルチェンジ。ポーラテックと共同開発を行った新素材AirCoreを採用し、透湿性、ストレッチ性を大幅に向上。新世代ジャケットをファーストインプレッションとともに紹介しよう。

Perfetto RoS 3 Jacketをテスト。カッティングはタイトだが、生地の伸びが良く苦しさを感じない photo:Michinari Takagi
カステリといえば、もはや「Gabba・Perfetto」。そう言い切ってしまっても間違いではない、とさえ思う。
雨でも走れるジャージ、濡れても冷えないウェアというジャンルを切り開いたのは間違いなくカステリだ。特に現代レインウェアのきっかけとなったGabba(ガバ)の知名度は驚異的で、ヨーロッパのプロ選手たちは、他社製の防水ウェアでさえ「Gabba」と呼んでしまう。もはやGabbaは固有名詞ではなく、防水ジャージの代名詞として定着しているのだ。
カステリがこのシリーズにかける情熱は、他のメーカーとは一線を画している。かれこれ15年シクロワイアードに在籍し、幾多のバイクブランドの本国発表会に出席してきた筆者だが、ウェアの本国発表会に招待されたのは、後にも先にもカステリが2019年にGabba・Perfettoのリニューアルさせた時だけ。それはこのブランドが、GabbaとPerfettoを自社のアイデンティティとして本気で取り組んでいる証拠にほかならない。

ポーラテックと共同開発を行った新素材「AirCore」柔らかさと、汗むれのない快適な着心地に貢献している photo:Michinari Takagi
そんな“雨の哲学”を持つカステリが、さらに踏み込んだシリーズとしてデビューさせたのがこの2025年の秋冬モデルだ。ポーラテックと共同開発を行った新素材「AirCore(エアーコア)」を採用したシリーズを多数(旗艦モデルの「Perfetto RoS Jacket」を中心に、4つのジャケットと1つのタイツ、グローブ、シューズカバー)投入し、すでに死角のなかったラインナップを、さらに昇華構築させるに至っている。
すでにシクロワイアードではスタッフ高木による「Perfetto RoS Jacket」のインプレを掲載済みではあるものの、やはりその真骨頂は雨にこそある。そこで今回、筆者は雨の中で開催されたファクターオーナーズライドに、雨を歓迎しながらこのジャケットを投入してみた。
ファクターオーナーズライドの日は、お世辞にも走りたい!と思えないほどの天候だった。イベント中はときおりアイウェアがうっとうしくなるほど大粒の雨が降りつける。普通だったらウェアから染み込んだ雨水と風で身体はこわばり、濡れた衣服は容赦なく体温を奪い続け、知らず知らずのうちに事故リスクは高まってしまう悪コンディションだ。でも、今回Perfetto RoS Jacketを着てみたら、実に快適に2時間ほどのライドを走り切ることができたのだった。

完全防水ではないものの、縫い目の止水テープや折り返しのついたファスナーなど、細かい工夫が見て取れる photo:Michinari Takagi

ファスナーは上下両開き式。体温調節しやすい構造だ photo:Michinari Takagi 
防水ジャケットではあるものの、3つポケットを装備。雨でなくとも普段使いできるように配慮されている photo:Michinari Takagi
雨のライドでまず印象的だったのは、とにかく動きやすいことだ。一般的なレインウェアと比べればその違いは圧倒的で、ゴアテックスを使っていた先代モデルと比べてもフィット感が良くなっている。防風・防水ウェア特有のバリッとした硬さがなく、肩まわりや袖の可動域も広い。身体の動きに自然に沿ってくれるから深いポジションを取ってもストレスがなく、まるで軽いジャージを着ているような感覚さえある。

タイツは「ESPRESSO BIBTIGHT」非常に伸びが良く、着心地が滑らか。今まで履いてきたタイツで一番の履き心地だった photo:Michinari Takagi このしなやかさは、Polartecとカステリが共同開発した新素材「AirCore」のおかげにほかならない。寒さの原因である風を完全に遮断しながらも、生地そのものが柔らかく、身体の動きに追従してくれる。もちろんフィット感が良いからバタつきなんて皆無だ。
防水性能に関して、まず最初に伝えておきたいのは、Perfetto RoS Jacketは完全防水ではないということだ。もし「雨を一滴も通したくない」「どんな土砂降りでも濡れたくない」という用途なら、迷わずGabba RoSを選ぶべきだろう。
しかしそれでも「そこそこ雨が降ってる2-3時間ほどのライド」程度であれば、Perfetto RoS Jacketの防水性能は期待を裏切らない。1時間を超えたあたりでうっすらと内側に水分が染みてきたものの、持ち前の防風性能のおかげで身体は冷えすぎず、それでいてAirCore素材の特徴である内側の湿気や熱だけを効率的に放出するから余計な汗冷えもない。さらに雨が上がった後の速乾性も素晴らしく、15分も走ればウェアはほとんど乾いてしまった。いつまでも濡れたウェアで走らなければいけない煩わしささは、このPerfetto RoS Jacketから
そもそも一日中雨の中を走り続ける人は一部の選手くらいだし、自分も含めてホビーサイクリストが一番頭を悩ませるのが「せっかくの休日なのに、ちょっと雨降りそう。でも多分いけそう」というシチュエーション。「曇りときどき小雨」というような変化の中で、ウェアは着重ねすることなく1枚で快適に走れることこそが重要だ。その点で、Perfetto RoSはGabbaよりも汎用性が高く、日常的に使いやすい。

別日にはALPHA 150 JACKETもテスト。中綿素材の「ALPHA DIRECT」によって薄いのに防寒性能は完璧。汗むれも少なく、12-3℃の気温でも十分使える

中綿素材の「ALPHA DIRECT」。試しにファスナーを開放し、これだけで走ってみたものの、十分に暖かく大変驚かされた 
ALPHA 150 JACKETもAirCoreを使う。優れた透湿性が幅広い気温で使える要素になっていると感じた
ファクターライドの後も2回ほど雨の中を走ったけれど、登坂でペースを上げても内部に蒸れは溜まらず、ダウンヒルで気温が下がっても汗冷えの感覚はほとんどない。ホンモノ志向の競技ベースの方にはピッタリとハマること間違いないはず。
ライド前の天気予報が雨だと、どんなサイクリストも少し気が重くなる。バイクも汚れるし、体も冷える。でも、カステリのレインウェアを持ってさえいれば雨予報の見え方が変わる。
Gabbaが生んだ「濡れても冷えない」という発想を、より日常的で、扱いやすい形に進化させたのがPerfetto RoS Jacketだ。シリアスライダーこそ、その名の通り、雨でも晴れでも、完璧(Perfetto)なウェアをワードローブに一つ加えておくべきだろう。
カステリ Perfetto RoS 3 Jacket
フィット:タイトフィット
温度:4℃〜14℃
重量:244g
カラー:LIGHT BLACK/SILVER REFLEX、MOCHA/BLACK REFLEX、POOL BLUE/BLACK REFLEX、RICH RED/BLACK REFLEX
価格:39,820円(税込)
カステリ Perfetto RoS 3 W Jacket(ウィメンズモデル)
フィット:タイトフィット
温度:4℃〜14℃
重量:208g
カラー:HIBISCUS/BLACK REFLEX、LIGHT BLACK/SILVER REFLEX、POOL BLUE/BLACK REFLEX、MANGO MOJITO/BLACK REFLEX
価格:39,820円(税込)

カステリといえば、もはや「Gabba・Perfetto」。そう言い切ってしまっても間違いではない、とさえ思う。
雨でも走れるジャージ、濡れても冷えないウェアというジャンルを切り開いたのは間違いなくカステリだ。特に現代レインウェアのきっかけとなったGabba(ガバ)の知名度は驚異的で、ヨーロッパのプロ選手たちは、他社製の防水ウェアでさえ「Gabba」と呼んでしまう。もはやGabbaは固有名詞ではなく、防水ジャージの代名詞として定着しているのだ。
カステリがこのシリーズにかける情熱は、他のメーカーとは一線を画している。かれこれ15年シクロワイアードに在籍し、幾多のバイクブランドの本国発表会に出席してきた筆者だが、ウェアの本国発表会に招待されたのは、後にも先にもカステリが2019年にGabba・Perfettoのリニューアルさせた時だけ。それはこのブランドが、GabbaとPerfettoを自社のアイデンティティとして本気で取り組んでいる証拠にほかならない。

そんな“雨の哲学”を持つカステリが、さらに踏み込んだシリーズとしてデビューさせたのがこの2025年の秋冬モデルだ。ポーラテックと共同開発を行った新素材「AirCore(エアーコア)」を採用したシリーズを多数(旗艦モデルの「Perfetto RoS Jacket」を中心に、4つのジャケットと1つのタイツ、グローブ、シューズカバー)投入し、すでに死角のなかったラインナップを、さらに昇華構築させるに至っている。
すでにシクロワイアードではスタッフ高木による「Perfetto RoS Jacket」のインプレを掲載済みではあるものの、やはりその真骨頂は雨にこそある。そこで今回、筆者は雨の中で開催されたファクターオーナーズライドに、雨を歓迎しながらこのジャケットを投入してみた。
ファクターオーナーズライドの日は、お世辞にも走りたい!と思えないほどの天候だった。イベント中はときおりアイウェアがうっとうしくなるほど大粒の雨が降りつける。普通だったらウェアから染み込んだ雨水と風で身体はこわばり、濡れた衣服は容赦なく体温を奪い続け、知らず知らずのうちに事故リスクは高まってしまう悪コンディションだ。でも、今回Perfetto RoS Jacketを着てみたら、実に快適に2時間ほどのライドを走り切ることができたのだった。



雨のライドでまず印象的だったのは、とにかく動きやすいことだ。一般的なレインウェアと比べればその違いは圧倒的で、ゴアテックスを使っていた先代モデルと比べてもフィット感が良くなっている。防風・防水ウェア特有のバリッとした硬さがなく、肩まわりや袖の可動域も広い。身体の動きに自然に沿ってくれるから深いポジションを取ってもストレスがなく、まるで軽いジャージを着ているような感覚さえある。

防水性能に関して、まず最初に伝えておきたいのは、Perfetto RoS Jacketは完全防水ではないということだ。もし「雨を一滴も通したくない」「どんな土砂降りでも濡れたくない」という用途なら、迷わずGabba RoSを選ぶべきだろう。
しかしそれでも「そこそこ雨が降ってる2-3時間ほどのライド」程度であれば、Perfetto RoS Jacketの防水性能は期待を裏切らない。1時間を超えたあたりでうっすらと内側に水分が染みてきたものの、持ち前の防風性能のおかげで身体は冷えすぎず、それでいてAirCore素材の特徴である内側の湿気や熱だけを効率的に放出するから余計な汗冷えもない。さらに雨が上がった後の速乾性も素晴らしく、15分も走ればウェアはほとんど乾いてしまった。いつまでも濡れたウェアで走らなければいけない煩わしささは、このPerfetto RoS Jacketから
そもそも一日中雨の中を走り続ける人は一部の選手くらいだし、自分も含めてホビーサイクリストが一番頭を悩ませるのが「せっかくの休日なのに、ちょっと雨降りそう。でも多分いけそう」というシチュエーション。「曇りときどき小雨」というような変化の中で、ウェアは着重ねすることなく1枚で快適に走れることこそが重要だ。その点で、Perfetto RoSはGabbaよりも汎用性が高く、日常的に使いやすい。



ファクターライドの後も2回ほど雨の中を走ったけれど、登坂でペースを上げても内部に蒸れは溜まらず、ダウンヒルで気温が下がっても汗冷えの感覚はほとんどない。ホンモノ志向の競技ベースの方にはピッタリとハマること間違いないはず。
ライド前の天気予報が雨だと、どんなサイクリストも少し気が重くなる。バイクも汚れるし、体も冷える。でも、カステリのレインウェアを持ってさえいれば雨予報の見え方が変わる。
Gabbaが生んだ「濡れても冷えない」という発想を、より日常的で、扱いやすい形に進化させたのがPerfetto RoS Jacketだ。シリアスライダーこそ、その名の通り、雨でも晴れでも、完璧(Perfetto)なウェアをワードローブに一つ加えておくべきだろう。
カステリ Perfetto RoS 3 Jacket
フィット:タイトフィット
温度:4℃〜14℃
重量:244g
カラー:LIGHT BLACK/SILVER REFLEX、MOCHA/BLACK REFLEX、POOL BLUE/BLACK REFLEX、RICH RED/BLACK REFLEX
価格:39,820円(税込)
カステリ Perfetto RoS 3 W Jacket(ウィメンズモデル)
フィット:タイトフィット
温度:4℃〜14℃
重量:208g
カラー:HIBISCUS/BLACK REFLEX、LIGHT BLACK/SILVER REFLEX、POOL BLUE/BLACK REFLEX、MANGO MOJITO/BLACK REFLEX
価格:39,820円(税込)
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