2025/03/07(金) - 10:00
カーボンバイクのパイオニアであるタイムが、エアロレーシングバイクのSCYLONをフルモデルチェンジ。前作のオリジナリティを失うことなく、タイム史上最軽量で最速、最高効率を誇るピュアレーサーとしてレーシングバイクの最前線を押し広げる一台だ。

タイム SCYLON GEN2(NUDE) (c)ポディウム
多くのサイクリストの憧れとして知られるフレンチブランド、タイム。近年はクライミングバイクのALPE D’HUEZシリーズを軸にオールロードやグラベルバイクへとラインアップを拡大してきた。しかし、ラインアップの片翼を担うエアロレーサーのSCYLONも忘れられてはいない。
多くの戦績を残した名車、RXRSの系譜を受け継ぐタイムのフラッグシップとして、2017年モデルとして発表されたSCYLON。タイムのアイデンティティでもあるRTM(レジントランスファーモールディング)工法によって作られた編み込みカーボン構造により、非常に高い性能を発揮するバイクとして愛されてきた。

あらゆる要素を改善し、最先端のレーシングバイクへと生まれ変わった新型SCYLON (c)ポディウム
そんなSCYLONが遂に待望のフルモデルチェンジを果たす事となった。第2世代となるSCYLONにおいてタイムは6つの性能・特性を極限まで高めることを目指した。それは、重量、エアロダイナミクス、剛性、強度、乗り心地、そしてクラフトマンシップ。
その目標の実現のため、タイムは欧州最大の科学技術分野における応用研究機関であるフラウンホーファー研究機構と協力関係を結んだ。医療やエネルギー、環境技術、自動車やモビリティ、航空技術など多岐に渡る分野で多くの成果を残す研究機関で、ドイツの航空宇宙産業や自動車産業にRTM製造を広めた存在でもある。

タイムが得意とするフォーク。RTMならではの内部リブ構造などを採用し、高い性能を実現している (c)ポディウム
RTM工法について深い知見を持つフラウンホーファーの研究者たちは、タイムと緊密な協力関係を構築。スロバキアの工場で技術指導を行うことで、多くのブレイクスルーをタイムにもたらしたという。
エアロと重量と剛性、そして実用に耐えうる強度という相反する要素を全て満たすために、タイムはより先進的な素材を新型SCYLONに採用した。1年以上の材料試験と積層研究を経て、タイムが見出したのは東レのM46J超高弾性繊維とT800高強度繊維を、全く新しい積層順序で用いること。この2つの繊維を7:3の割合で組み合わせたマテリアルが、新型SCYLONのベースとなった。
RTM工法自体も更に進化を果たしている。高強度のT800をチューブの向きと平行に配置しつつ、高弾性のM46Jをチューブに対し角度をつけて編み込んでいく。そしてそのM46Jの編み込み角を部位によって45°から30°の範囲内で徐々に変化させていくことによって、同じチューブの中で狙った部位に狙った性能を発揮させることを可能とした。

FSAのインテグレートヘッドセットシステムを採用 (c)ポディウム
その技術を用いて生み出される新型SCYLONは、ボトムブラケットからダウンチューブ、ヘッドチューブ、トップチューブへと至る前三角をワンピースで成型。この大きな部位においてカーボン繊維が途切れることなく連続した構造を持つことで、比類ない強度と剛性、そして卓越したハンドリングを実現する。
駆動剛性を担うチェーンステーエリアも刷新され、超高弾性繊維を全体に用いることで剛性を落とすことなく20%の軽量化を実現。さらにタイヤクリアランスも32Cへと拡大され、ワイドタイヤによる快適性やグリップの向上といった恩恵をもたらした。
これらの新設計によって新型SCYLONはタイム史上最軽量のフレームへと進化した。前作に比べて150g、そしてALPE D’HUEZ01よりも軽量なバイクとして同社の歴史を塗り替えた。

新開発された専用ポスト。-20mmと+10mmの2種類のオフセットを変更可能。シートクランプも改良された (c)ポディウム
更にエアロダイナミクスについても徹底的にブラッシュアップ。フレームの各チューブの形状を最適化し、またフォークも更なるエアロ形状とすることで12%もの性能向上を果たしたという。
先述した最先端の素材と構造を採用することで、軽量かつエアロでありながら、ペダリング効率やハンドリングは少しも損なわれることなく、ヘッド周りのねじれ剛性は9%も向上。BBには新たにPF386EVOを採用することで5%の剛性向上を果たしている。更にワイドタイヤへの対応も同時に完了することで快適性も確保し、レーシングバイクの最前線へと躍り出た。

タイム SCYLON GEN2(PEARL) (c)ポディウム 
タイム SCYLON GEN2(BRILLIANT RED) (c)ポディウム
FSAのインテグレートヘッドセットシステムを採用することで、ケーブルフル内装に対応。コックピットはあえて専用モデルを用意せず、多くのハンドルを選択できるように開かれた規格を採用するのも、レーシングバイクブランドらしい姿勢だ。
一方で、シートポストは新たな専用モデルを開発。フレームとの一体感に溢れた専用ポストには新開発のヤグラが与えられている。-20mmと+10mmの2種類のオフセットを変更可能とし、大幅にポジションの幅を広げている。シートクランプも改良され、多軸CNC加工によってフレームと統合されたデザインへと削り出される。

タイム SCYLON GEN2(BRILLIANT PURPLE) (c)ポディウム
レーシングバイクとしてタイム史上最高の一台として送り出される新型SCYLON。日本ではNUDE、PEARL、BRILLIANT RED、BRILLIANT PURPLEの4カラーが展開される。価格は792,000円(税込)。
タイム SCYLON
フレーム素材:GEN2 BCS M46J/T800カーボンファイバーレイアップ
ボトムブラケット:PF386EVO
最大タイヤ幅:700x32C
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
カラー:NUDE、PEARL、BRILLIANT RED、BRILLIANT PURPLE
価格:792,000円(税込)

多くのサイクリストの憧れとして知られるフレンチブランド、タイム。近年はクライミングバイクのALPE D’HUEZシリーズを軸にオールロードやグラベルバイクへとラインアップを拡大してきた。しかし、ラインアップの片翼を担うエアロレーサーのSCYLONも忘れられてはいない。
多くの戦績を残した名車、RXRSの系譜を受け継ぐタイムのフラッグシップとして、2017年モデルとして発表されたSCYLON。タイムのアイデンティティでもあるRTM(レジントランスファーモールディング)工法によって作られた編み込みカーボン構造により、非常に高い性能を発揮するバイクとして愛されてきた。

そんなSCYLONが遂に待望のフルモデルチェンジを果たす事となった。第2世代となるSCYLONにおいてタイムは6つの性能・特性を極限まで高めることを目指した。それは、重量、エアロダイナミクス、剛性、強度、乗り心地、そしてクラフトマンシップ。
その目標の実現のため、タイムは欧州最大の科学技術分野における応用研究機関であるフラウンホーファー研究機構と協力関係を結んだ。医療やエネルギー、環境技術、自動車やモビリティ、航空技術など多岐に渡る分野で多くの成果を残す研究機関で、ドイツの航空宇宙産業や自動車産業にRTM製造を広めた存在でもある。

RTM工法について深い知見を持つフラウンホーファーの研究者たちは、タイムと緊密な協力関係を構築。スロバキアの工場で技術指導を行うことで、多くのブレイクスルーをタイムにもたらしたという。
エアロと重量と剛性、そして実用に耐えうる強度という相反する要素を全て満たすために、タイムはより先進的な素材を新型SCYLONに採用した。1年以上の材料試験と積層研究を経て、タイムが見出したのは東レのM46J超高弾性繊維とT800高強度繊維を、全く新しい積層順序で用いること。この2つの繊維を7:3の割合で組み合わせたマテリアルが、新型SCYLONのベースとなった。
RTM工法自体も更に進化を果たしている。高強度のT800をチューブの向きと平行に配置しつつ、高弾性のM46Jをチューブに対し角度をつけて編み込んでいく。そしてそのM46Jの編み込み角を部位によって45°から30°の範囲内で徐々に変化させていくことによって、同じチューブの中で狙った部位に狙った性能を発揮させることを可能とした。

その技術を用いて生み出される新型SCYLONは、ボトムブラケットからダウンチューブ、ヘッドチューブ、トップチューブへと至る前三角をワンピースで成型。この大きな部位においてカーボン繊維が途切れることなく連続した構造を持つことで、比類ない強度と剛性、そして卓越したハンドリングを実現する。
駆動剛性を担うチェーンステーエリアも刷新され、超高弾性繊維を全体に用いることで剛性を落とすことなく20%の軽量化を実現。さらにタイヤクリアランスも32Cへと拡大され、ワイドタイヤによる快適性やグリップの向上といった恩恵をもたらした。
これらの新設計によって新型SCYLONはタイム史上最軽量のフレームへと進化した。前作に比べて150g、そしてALPE D’HUEZ01よりも軽量なバイクとして同社の歴史を塗り替えた。

更にエアロダイナミクスについても徹底的にブラッシュアップ。フレームの各チューブの形状を最適化し、またフォークも更なるエアロ形状とすることで12%もの性能向上を果たしたという。
先述した最先端の素材と構造を採用することで、軽量かつエアロでありながら、ペダリング効率やハンドリングは少しも損なわれることなく、ヘッド周りのねじれ剛性は9%も向上。BBには新たにPF386EVOを採用することで5%の剛性向上を果たしている。更にワイドタイヤへの対応も同時に完了することで快適性も確保し、レーシングバイクの最前線へと躍り出た。


FSAのインテグレートヘッドセットシステムを採用することで、ケーブルフル内装に対応。コックピットはあえて専用モデルを用意せず、多くのハンドルを選択できるように開かれた規格を採用するのも、レーシングバイクブランドらしい姿勢だ。
一方で、シートポストは新たな専用モデルを開発。フレームとの一体感に溢れた専用ポストには新開発のヤグラが与えられている。-20mmと+10mmの2種類のオフセットを変更可能とし、大幅にポジションの幅を広げている。シートクランプも改良され、多軸CNC加工によってフレームと統合されたデザインへと削り出される。

レーシングバイクとしてタイム史上最高の一台として送り出される新型SCYLON。日本ではNUDE、PEARL、BRILLIANT RED、BRILLIANT PURPLEの4カラーが展開される。価格は792,000円(税込)。
タイム SCYLON
フレーム素材:GEN2 BCS M46J/T800カーボンファイバーレイアップ
ボトムブラケット:PF386EVO
最大タイヤ幅:700x32C
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
カラー:NUDE、PEARL、BRILLIANT RED、BRILLIANT PURPLE
価格:792,000円(税込)
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