カンパニョーロがブランド初となるグラベルホイール"Levante"を発表。地中海西部に吹き付ける東風から名付けられた新作は、グラベルレースからアドベンチャーバイクパッキングまで対応する「オールグラベルホイール」として位置づけられた一本だ。



カンパニョーロ Levanteカンパニョーロ Levante (c)campagnolo.com
ドロップハンドルバイクにワイドタイヤを組合せ、あらゆる路面を快速で走り抜けるグラベルバイク。多くのバイクブランドがそのラインアップにグラベルバイクを並べ、パーツメーカーもグラベルライドにフォーカスしたプロダクトを用意している。

イタリアの老舗コンポーネントブランド、カンパニョーロも例外ではない。2020年にグラベルコンポーネントとして"EKAR"を発表。13スピードという意欲的なスペックで、グラベルライダーの心をつかむことに成功した。

カンパニョーロ本社の近くにあるエカル山で徹底的なテストが行われたというカンパニョーロ本社の近くにあるエカル山で徹底的なテストが行われたという (c)campagnolo.com
Ekarと同時に、グラベルユースに対応するという触れ込みの"エンデュランスホイール"としてSHAMAL CARBONをリリースしたカンパニョーロだが、実のところピュアなグラベル向けホイールはこれまでラインアップしてこなかった。

EKARのローンチから約2年の期間をおき、満を持して発表されたブランド初のグラベルホイールが"Levante"だ。グラベルライドに求められる様々な性能を実現するため、カンパニョーロは本社のあるビチェンツアのエカル山(もちろんEKARのモデル名はここからとられている)のグラベル、その中でもとびきりハードなコースで設計・開発・テストを実施したという。その結果、今シーズンからグラベルレーサーとして第2のキャリアを歩み始めたネイサン・ハースに「あらゆる路面、地形で限界を引き上げてくれる」と言わしめた。

HULC(ハンドメイドウルトラライトカーボン)が用いられたリムHULC(ハンドメイドウルトラライトカーボン)が用いられたリム (c)campagnolo.com
その卓越した性能を実現するため、カンパニョーロは持てるノウハウをLevanteに集約。過酷なグラベルライドを難なくこなす強度を確保しつつ、ホイールセット重量1,485gという軽さを実現するため、リムにはHULC(ハンドメイドウルトラライトカーボン)が用いられている。

HULCとは、カンパニョーロのカーボン技術の粋を集めたもので、同社のハイエンドレーシングホイールであるBORA ULTRA WTOにも採用されるカーボンだ。カーボン繊維とレジンを最適化することで、強度と剛性、重量を高次元でバランスさせることに成功した。

30mmハイトのリム内幅は25mmで、対応タイヤ幅は38mm~76mm30mmハイトのリム内幅は25mmで、対応タイヤ幅は38mm~76mm (c)campagnolo.com
更に、表面仕上げもBORA ULTRA WTOと同じC-LUXフィニッシュを採用する。深みのある美しい光沢が所有欲を満たしてくれるだけでなく、ビードの滑りが良くなるためにタイヤ装着時のトラブル低減、ビード上がりの良さといった機能面でのメリットもあるという。

また、近年のカーボンリムのトレンドともいえるのがフックレスリムだ。万が一のビードはずれを防ぐフックを廃することでリムの軽量化とタイヤの密着度を向上させることで性能を改善するというものだが、カンパニョーロは安全性を確保しつつそのメリットを享受できる「ミニフック」テクノロジーをLevanteに与えた。

BORA ULTRA WTO同様のC-LUX仕上げとされているBORA ULTRA WTO同様のC-LUX仕上げとされている (c)campagnolo.com
フックレスのように完全にビードフックを排除するわけでなく、ETRTOのクリンチャー/チューブレス企画に完全に準拠しつつ、フックの影響を最小限に抑える設計としたのがカンパニョーロのミニフックリム。リムとタイヤの隙間を減らし、より理想的なタイヤ断面形状を実現することで優れた安定性とトラクションを実現。一方で、フックレスリムより安全面でマージンを確保しているため、どんなシーンでも安心して使うことができるはず。

30mmハイトのリム内幅は25mmで、対応タイヤ幅は38mm~76mmと幅広い。スムースなグラベルからハードなシングルトラックまであらゆる地形に対応するスペックであり、「オールグラベルホイール」というカテゴライズを体現するキャパシティを有している。

新開発のアルミハブ G3スポ―キングを廃止した新開発のアルミハブ G3スポ―キングを廃止した (c)campagnolo.com
この意欲的な設計のリムに組み合わせられるのが新設計のアルミハブ。カンパニョーロの伝統であるカップ&コーンのベアリングを採用し、回転の軽さと耐久性を高いレベルで実現している。一方で、グラベルホイールに求められる強度や耐久性を鑑みた結果だろうか、カンパニョーロの象徴でもあるG3スポ―キングではなく、両側ダブルクロスの24本スポークを前後輪ともに採用していることもこのLevanteの特徴だ。

高性能なホイールを造り出すことに定評のあるカンパニョーロがグラベルカテゴリーに放つ自信作、Levante。カンパニョーロのN3Wフリーだけでなく、シマノHG、スラムXDRにも対応する。

アグレッシブなライディングスタイルにも対応する信頼性の高いホイールだアグレッシブなライディングスタイルにも対応する信頼性の高いホイールだ (c)campagnolo.com


カンパニョーロ Levante
リムハイト:30mm
リム内幅:25mm
対応タイヤ幅:38mm~76mm
スポーク:F/R 24H
セット重量:1,485g
対応フリー:N3W、HG、XDR
税込価格:250,800円(N3Wフリーボディ)、251,900円(シマノフリーボディ)
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