2020/10/06(火) - 15:27
エンヴィから登場した「FOUNDATION COLLECTION」をインプレッション。ブランド初の価格を抑えたセカンドグレードとして登場したモデルで、チューブレスに最適化されたフックレスリムが最大の特徴。優れた空力性能を実現したオールラウンドカーボンホイールに仕上がる。
カーボンパーツ専業ブランドとして国内でも一目置かれるENVE(エンヴィ)。アメリカで手間暇かけてハンドメイドされる高性能パーツを多数揃え、比較的高級路線のブランドというイメージを持っている人も少なくないはず。そんなエンヴィがブランドへの間口を広げるべく、初のセカンドグレードとして生み出したホイールが「FOUNDATION COLLECTION」だ。
"手掛ける製品全てが最高の性能を持ったトップモデル"というエンヴィの信念は揺るがず、価格は抑えながらも性能には一切の妥協がないハイパフォーマンスホイールとして開発された今作。プロチームも愛用するフラッグシップ、SESシリーズで培ったエアロのノウハウを投入することで価格以上の性能を引き出すことに成功している。
CFD解析と風洞実験を基にデザインされた、外幅28mmのワイドなディープリムを採用することで高速巡航性能と横風に対する安定性を両立。ボリュームあふれるリムによって風を切り裂くような走りを実現している。
さらに、MTBホイールのMシリーズやオールロードホイールのSES ARシリーズで実績を重ねたフックレスリムを投入。ビードフックのないシンプルな構造が高い強度や軽量性を生み出すとともに、タイヤを嵌めた時に段差が少ない形状となることでエアロ効果も高めてくれる。チューブレスタイヤ専用設計のため、転がりの軽さや乗り心地の良さなど多くのメリットを享受できるだろう。
リム内幅も21mmと広く、25~28Cサイズのチューブレスタイヤで最適なエアロ性能を発揮するよう考えられている。もちろん、パンク時などはチューブを入れることも可能。タイヤ幅ごとの推奨空気圧や適合タイヤの種類などはエンヴィの本国サイトを参照してほしい。
リムだけではなく、自社開発のENVE ROADハブのテクノロジーを活用した、FOUNDATION ROADハブも新たに開発された。切削加工の簡素化でコストカットを図っているものの、フランジのジオメトリーなど基本的な設計は上位モデルを参考にした作りとなり、ホイール全体で見た剛性やかかりの良さといった性能を追求している。パワー伝達性に優れたインスタントドライブ360のフリー構造と、信頼性と耐久性の高いNTN製のスチールベアリングを採用している。
今回インプレッションを行ったのは45mmハイトの「ENVE 45」。よりエアロを追求した65mmハイトの「ENVE 65」もラインアップしている。2モデルともにどんなバイクにも合わせやすいシンプルなルックスが特徴的だ。ディスクブレーキ対応モデルのみの展開で、価格は179,800円(税抜)。
― インプレッション
「45mmの絶妙なハイトは使いやすさ抜群、バイクを選ばないデザインも魅力」成毛千尋(アルディナサイクラリー)
カーボンホイールで20万円を切る価格帯と考えると、かなりイイところを突いてきたなって感じのホイールですよね。競合となるのはロヴァールのCL50やジップの303 Sなどが挙げられるでしょう。普段使っているロヴァールCLX50と比較してもそこまで大きな差は感じないほどよく走ってくれましたし、コストパフォーマンスで見てもかなり優秀なホイールだと思います。
なんといっても45mmという絶妙なリムハイトが良いですよね。どんなシーンにも対応してくれる万能感が非常に好印象でした。これよりハイトの高い50mmとかになると、どうしても風の影響を受けたり重量が重くなったりするので、扱いやすさのある45mmというのはこのホイールのミソだと思います。
平坦でのエアロ感のある巡航はもちろん、登りも緩斜面であればそのままの勢いでスピードに乗ってこなせてしまうような、ガンガン進んでくれる走りを見せてくれました。ディープリムらしい流れるようなスピード感や巡航性能の醍醐味はこの45mmのハイトで十分に味わうことができます。40km/hくらいで横風を受けても煽られる感覚がなかったので、リムの形状も良いのでしょうね。
1540gという重量も特に重さが気になるようなことはありません。超軽量という訳ではありませんが、日々安心して使うことができる作りだと思いますね。チューブレスにも対応してますし、何か1本だけちょっと良いホイールが欲しい、そんなニーズにドンピシャではないでしょうか。
そしてやっぱりこの価格でエンヴィのホイールが手に入るというのはかなり魅力的ですよね。合わせるバイクブランドを選ばないですし、凝ってる感もあって我が道を行きたいって人にオススメだと思います。エンヴィなのでクラシカルなバイク、それこそクロモリフレームに合わせてもマッチするでしょうし、そういう"スタイル"で乗ってもカッコよく決まるホイールだと思いますね。
ENVE 45
タイヤタイプ:チューブレス
リム:ハイト45mm、内幅21mm、外幅28mm、フックレス
重量:1,541g(前後ペア)
ブレーキ:ディスクブレーキ専用
ハブ:エンヴィFoundation Road Alloy、ID360 40t ラチェット
スポーク:Sapim CX Sprint、前後24H
価格:179,800円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
成毛千尋(アルディナサイクラリー)
東京・小平市にあるアルディナサイクラリーの店主。Jプロツアーを走った経験を持つ強豪ライダーで、2009年ツール・ド・おきなわ市民200km4位、2018年グランフォンド世界選手権にも出場。ロードレース以外にもツーリングやトライアスロン経験を持ち、自転車の多様な楽しみ方を提案している。初心者からコアなサイクリストまで幅広く歓迎しており、ユーザーに寄り添ったショップづくりを心がける。奥さんと二人でお店を切り盛りしており女性のお客さんもウェルカムだ。
アルディナサイクラリー
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
カーボンパーツ専業ブランドとして国内でも一目置かれるENVE(エンヴィ)。アメリカで手間暇かけてハンドメイドされる高性能パーツを多数揃え、比較的高級路線のブランドというイメージを持っている人も少なくないはず。そんなエンヴィがブランドへの間口を広げるべく、初のセカンドグレードとして生み出したホイールが「FOUNDATION COLLECTION」だ。
"手掛ける製品全てが最高の性能を持ったトップモデル"というエンヴィの信念は揺るがず、価格は抑えながらも性能には一切の妥協がないハイパフォーマンスホイールとして開発された今作。プロチームも愛用するフラッグシップ、SESシリーズで培ったエアロのノウハウを投入することで価格以上の性能を引き出すことに成功している。
CFD解析と風洞実験を基にデザインされた、外幅28mmのワイドなディープリムを採用することで高速巡航性能と横風に対する安定性を両立。ボリュームあふれるリムによって風を切り裂くような走りを実現している。
さらに、MTBホイールのMシリーズやオールロードホイールのSES ARシリーズで実績を重ねたフックレスリムを投入。ビードフックのないシンプルな構造が高い強度や軽量性を生み出すとともに、タイヤを嵌めた時に段差が少ない形状となることでエアロ効果も高めてくれる。チューブレスタイヤ専用設計のため、転がりの軽さや乗り心地の良さなど多くのメリットを享受できるだろう。
リム内幅も21mmと広く、25~28Cサイズのチューブレスタイヤで最適なエアロ性能を発揮するよう考えられている。もちろん、パンク時などはチューブを入れることも可能。タイヤ幅ごとの推奨空気圧や適合タイヤの種類などはエンヴィの本国サイトを参照してほしい。
リムだけではなく、自社開発のENVE ROADハブのテクノロジーを活用した、FOUNDATION ROADハブも新たに開発された。切削加工の簡素化でコストカットを図っているものの、フランジのジオメトリーなど基本的な設計は上位モデルを参考にした作りとなり、ホイール全体で見た剛性やかかりの良さといった性能を追求している。パワー伝達性に優れたインスタントドライブ360のフリー構造と、信頼性と耐久性の高いNTN製のスチールベアリングを採用している。
今回インプレッションを行ったのは45mmハイトの「ENVE 45」。よりエアロを追求した65mmハイトの「ENVE 65」もラインアップしている。2モデルともにどんなバイクにも合わせやすいシンプルなルックスが特徴的だ。ディスクブレーキ対応モデルのみの展開で、価格は179,800円(税抜)。
― インプレッション
「45mmの絶妙なハイトは使いやすさ抜群、バイクを選ばないデザインも魅力」成毛千尋(アルディナサイクラリー)
カーボンホイールで20万円を切る価格帯と考えると、かなりイイところを突いてきたなって感じのホイールですよね。競合となるのはロヴァールのCL50やジップの303 Sなどが挙げられるでしょう。普段使っているロヴァールCLX50と比較してもそこまで大きな差は感じないほどよく走ってくれましたし、コストパフォーマンスで見てもかなり優秀なホイールだと思います。
なんといっても45mmという絶妙なリムハイトが良いですよね。どんなシーンにも対応してくれる万能感が非常に好印象でした。これよりハイトの高い50mmとかになると、どうしても風の影響を受けたり重量が重くなったりするので、扱いやすさのある45mmというのはこのホイールのミソだと思います。
平坦でのエアロ感のある巡航はもちろん、登りも緩斜面であればそのままの勢いでスピードに乗ってこなせてしまうような、ガンガン進んでくれる走りを見せてくれました。ディープリムらしい流れるようなスピード感や巡航性能の醍醐味はこの45mmのハイトで十分に味わうことができます。40km/hくらいで横風を受けても煽られる感覚がなかったので、リムの形状も良いのでしょうね。
1540gという重量も特に重さが気になるようなことはありません。超軽量という訳ではありませんが、日々安心して使うことができる作りだと思いますね。チューブレスにも対応してますし、何か1本だけちょっと良いホイールが欲しい、そんなニーズにドンピシャではないでしょうか。
そしてやっぱりこの価格でエンヴィのホイールが手に入るというのはかなり魅力的ですよね。合わせるバイクブランドを選ばないですし、凝ってる感もあって我が道を行きたいって人にオススメだと思います。エンヴィなのでクラシカルなバイク、それこそクロモリフレームに合わせてもマッチするでしょうし、そういう"スタイル"で乗ってもカッコよく決まるホイールだと思いますね。
ENVE 45
タイヤタイプ:チューブレス
リム:ハイト45mm、内幅21mm、外幅28mm、フックレス
重量:1,541g(前後ペア)
ブレーキ:ディスクブレーキ専用
ハブ:エンヴィFoundation Road Alloy、ID360 40t ラチェット
スポーク:Sapim CX Sprint、前後24H
価格:179,800円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
成毛千尋(アルディナサイクラリー)
東京・小平市にあるアルディナサイクラリーの店主。Jプロツアーを走った経験を持つ強豪ライダーで、2009年ツール・ド・おきなわ市民200km4位、2018年グランフォンド世界選手権にも出場。ロードレース以外にもツーリングやトライアスロン経験を持ち、自転車の多様な楽しみ方を提案している。初心者からコアなサイクリストまで幅広く歓迎しており、ユーザーに寄り添ったショップづくりを心がける。奥さんと二人でお店を切り盛りしており女性のお客さんもウェルカムだ。
アルディナサイクラリー
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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