UCIプロコンチネンタルチーム「チャンピオンシステム」に移籍し、初めての国内レースに参加する西薗良太が狙うのは「総合上位」だ。凱旋出場とも言えるTOJ。新ジャージを着て走る西薗にファンの期待は膨らむ。

参加者と会話を楽しみながら笑顔を見せる西薗良太(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)参加者と会話を楽しみながら笑顔を見せる西薗良太(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム) (c)Sonoko.Tanaka


「総合に大きく影響する富士山ステージだけを見るなら、ライバルチームと差があるのは事実です。しかし、去年より確実に強くなっているという手応えがあります。どの程度のタイムで走れるかは、実際に走ってみないとわかりませんが、まずは富士山までのステージでタイムを失わないこと、そして富士山ステージが終わった時点で、その先の作戦を改めて考えることになると思いますが、チームとして攻撃の切り札を、最後までできるだけ多く残していきたいですね」と話す。

西薗良太とフランキー・ヴァンパー監督(ベルギー、チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)西薗良太とフランキー・ヴァンパー監督(ベルギー、チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム) (c)Sonoko.Tanaka春のシーズンは、大部分をヨーロッパ(ベルギー)を拠点にして過ごした西薗、「オマーンのレースが終わって、ヨーロッパでは上りのレースが多く予定されていたので、そのための準備をしました。

参加者と会話を楽しみながら笑顔を見せる西薗良太(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)参加者と会話を楽しみながら笑顔を見せる西薗良太(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム) (c)Sonoko.Tanakaしかし、ヨーロッパに行ってみると、狙っていたレースがキャンセルになったり、雪が降ってしまって十分なトレーニングができず、思うような走りができない日々が続きました。去年と比べたら強くなっているけど、『これではいけない!』そう思って、ベルギーよりも暖かい南フランスでトレーニングを積みました。

それからは、レースでも手応えを感じ、UCIプロチームが多く参戦するジロ・デル・トレンティーノなどでは、勝負どころの上りで、チームのアシスト選手としてはたった1人だけ先頭集団に残り、エースを助けることができました」と続ける。

彼の評価は監督からも高い。
フランキー・ヴァンパー監督は言う。「リョウタには、とてもいい印象をもっている。ヨーロッパの最近のレースでもとてもいい動きをしてくれた。とくに上りに強い選手なので、今回のツアー・オブ・ジャパンでは、アディク・オスマン(マレーシア)らとともに、チャンスがあるだろうね。チームのエースとなることを期待している。まずは勝負どころの富士山までに、いかにライバルを打ち負かすかが重要になってくると思う。ステージ優勝もアグレッシブルに狙っていきたいね!」。

春先のシーズン、今回ツアー・オブ・ジャパンに参戦するアジア人選手たちは本場ヨーロッパで、氷点下の気温や降り積もる雪などにより、とても厳しい経験をしたという。アジアでは有名な選手たちもヨーロッパではまったくの無名。精神的にもダメージを受けた選手がいそうだが、気候が良くなるとともに、選手たちのコンディションやモチベーションは、これまでの反動もあって、とても高まっていると言う。

第1ステージ、堺での個人タイムトライアルでは、西薗はナショナルチャンピオンジャージで走る予定だ。プロコンチネンタルチームの一員として、日本のレースに戻ってきた彼と、アジアとヨーロッパ、アメリカ、多国籍なメンバーで一致団結して戦うチャンピオンシステム・プロサイクリングチームを応援しよう。


photo&text:Sonoko.Tanaka

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