クイックステップとカチューシャの強烈な集団牽引にもかかわらず単独逃げ切りを成功させたミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)は、2位のエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)に32秒差をつけて勝利。

逃げ切り勝利を達成したミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)逃げ切り勝利を達成したミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ) photo:Kei Tsuji

ステージ優勝のミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)


3月のティレーノ~アドリアティコ2009の総合優勝者は、昨第5ステージで遅れて総合争いから脱落したかに思えたが、その失敗を跳ね返す勝利だ。

「昨日タイムを失って、総合争いが無理になったと知った。その埋め合わせのためにアタックしようと考えていたんだ。今朝、サヴィオ監督がちょっと悲しそうだった。そして彼はこう指示したんだ『今日は誰かが逃げなければいけない....。逃げるのは、スカルポーニ』とね。そして僕はそのとおりにしたよ。

キリエンカとはいいタイム差を生み出せた。でもそれが十分なものかは分からなかったんだ。彼は協力してくれたし、彼がいなかったら逃げ切るのは不可能だったと思う。でも最後は、ひとりになってフィニッシュできた。勝利の感覚は物凄いものだ。

総合の争える位置まで取り戻したかった。逃げようと思っていても、ステージの序盤は(逃げが頻発して)それは容易じゃなかった。逃げた5人のなかではキリエンカがもっとも危険な選手だった。彼がパンクしたのには気づかなかったんだ。カーブを曲がり損ねたか何かだと思っていた。ちょっと彼を待ったけれど」。

記者からはオペラシオン・プエルトについて、また18ヶ月の謹慎期間について聞かれた。

「過去のことにはもうこれ以上答えたくない。僕からは過去は過去としか言えない。レースから遠ざかる時期はどの選手にとっても良くないもの。もうそれ以上そのことを考えたくないんだ。もしそれを考えていたら続けられなくなってしまう」。


ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)はマリアチクラミーノも同時に獲得ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)はマリアチクラミーノも同時に獲得 photo:Kei Tsuji

ディルーカ「来季の契約はジロ後に話し合う」



36秒遅れのメイン集団の9位でフィニッシュしたダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)は、余裕を持ってマリアローザを守った。トップ10にも大きな変動は無い。ディルーカには「来季もこの小規模のプロコンチーム、LPRブレークスに残るのか?」という質問がとんだ。ディルーカは言う

「ジロの後、チームマネージメントをする人々と席について話し合うつもりだ。僕自身としては来年もチームと契約をしている。ペタッキがどうするかは分からない。契約は尊重されるべきだ。でも僕ら選手にとって重要なのは大きなレースに出れるかどうかだ。クラシックやツール・ド・フランスのようなビッグレースにね。

来年もUCIプロツアーがあるのかどうか僕には分からない。でも僕は僕たちのスポンサーがもっとチームに投資してくれて、ビッグレースに参戦できるようになることを望んでいるよ」。




逃げるように真っ先にゴール地点を離れるランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)逃げるように真っ先にゴール地点を離れるランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) photo:Kei Tsuji

アームストロング on Twitter「110km/hはクレイジーだ!」


携帯デバイス等でウェブ上に「つぶやき」を投稿するTwitter(ツイッター)にはまっているランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)は、無事フィニッシュすると逃げるようにチームバスに向けて姿を消したが、次のようにつぶやいている。

「最後の30kmは狂ってた。今日スピードが110km/h出た。それって時速70mph(マイル)ぐらい。クレイジー! ホントにそんなことする必要あるのか? 明日も似たようなフィニッシュだ。これは自転車バイレースなんだ。モトGPじゃない」


text:綾野 真
photo:辻啓、CorVos

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