ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の現役最終レースとなったブリテン最終日にオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が勝利。総合逆転を狙うレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を封じ込めたロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)が首位を守り抜いた。

引退の花道を歩いたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
ゲラント・トーマス(イギリス)の現役最終レースとなる第21回ロイズバンク・ツアー・オブ・ブリテン(UCI2.Pro)の最終第6ステージは、彼の引退を惜しむ涙雨。スタート地点は彼の名を冠したウェールズ・ヴェロドロームで、プロトンの仲間に作られた花道を走って登場したトーマスは、駆けつけた家族の祝福を受けてから故郷カーディフへと繋がるスタートラインへ。大会主催者はトーマスへのインタビューのほか、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング)や、かつてのチームメイト、指導者たちからのメッセージを収録したVTRをライブ放送に載せ、輝かしいキャリアのフィナーレを彩った。
メッセージに満ち溢れたニューポートを出発すると、トーマス自らアタックして沿道を盛り上げる。アタック合戦の末にユリウス・ヨハンセン(デンマーク、UAEチームエミレーツXRG)やバスティアン・トロンション(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール)、フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)、マッツ・ウェンツェル(ルクセンブルク、エキポ ケルンファルマ)が飛び出して集団からリードを得た。

ユリウス・ヨハンセン(デンマーク、UAEチームエミレーツXRG)を含む逃げグループ。ラスト150mまで逃げ続けた photo:CorVos
この日スタート時点で、総合首位ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)と同2位レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)の差はたったの2秒。なんとしても逆転を防ぎたいグルパマFDJが集団コントロールを担い、レース中盤の3級山岳を、道路を渡っていた牛の群れに阻まれながらもクリア。コース終盤に控えるカーフィリーマウンテン(登坂距離1.3km/平均9.5%)に入ると8秒遅れの総合4位、オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)が攻撃に出た。
母国最大のレースで勝ちたいオンリーだったが、グレゴワールにピッタリとマークされて沈没。ハイペースで散り散りになったメイン集団が頂上を越えると、今度はダウンヒルでエヴェネプールがアタック。タイムトライアル世界王者の予期せぬ高速アタックに混乱した集団だったものの、有力勢がペースを落とさずに追走して引き戻す。フィニッシュを目指す下りと平坦で人数が戻ったことで勝負はスプリントへ。こうしてエヴェネプールの逆転の芽は潰された。

今大会3勝目を挙げたオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
当初からの逃げグループを視界に捉えつつ、第3ステージで勝利したマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)がオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)のためにリードアウト。残り150mで逃げグループを飲み込みつつ、混戦のスプリントでポイント賞ジャージを着るコーイが両腕を突き上げた。
コーイが第1、第2ステージに続く大会3勝目を挙げ、ヴィスマが大会4勝目。「最初の3日間だけでも本当に特別だったけれど、それが大きな自信に繋がったんだ。今日はチーム一丸となって、このツアー・オブ・ブリテンを最高の形で締めくくりたいと思いっていたよ。本当にギリギリの展開だったけれど、チームの努力の成果をこうして結実させることができてとても嬉しい」と語るコーイ。スピードマンを揃えたメンバー編成で臨んだヴィスマが平坦ステージを総なめにしてみせた。

総合成績トップスリー。ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)がエヴェネプールを抑えて優勝を果たした photo:CorVos

故郷カーディフのファンの声援に応えるゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
エヴェネプールの攻撃を凌ぎ、2秒差を守り切ったグレゴワールが総合優勝を達成した。「正直に言うと昨夜はよく眠れなかったんだ。総合リードは大きくなかったのでレースを上手くコントロールする必要があった。優勝も、総合10位転落もあり得る状況だったけれど、完璧にやり遂げることができた。このようなレースで総合優勝を勝ち取れたなんて信じられない。キャリアの中でも滅多にない経験だし、レムコとジュリアンの前で勝利できたことは格別だ」と、ツール・ド・スイスの開幕ステージ優勝に続く、嬉しい勝利を挙げた22歳は話している。
トーマスは4分12秒遅れで辿り着き、最後は同じグループの選手たちに拍手を贈られながら現役最終レースをフィニッシュ。家族、友人、そしてファンが詰めかけた最終レースを無事に走り終えた。

ゲラント・トーマス(イギリス)の現役最終レースとなる第21回ロイズバンク・ツアー・オブ・ブリテン(UCI2.Pro)の最終第6ステージは、彼の引退を惜しむ涙雨。スタート地点は彼の名を冠したウェールズ・ヴェロドロームで、プロトンの仲間に作られた花道を走って登場したトーマスは、駆けつけた家族の祝福を受けてから故郷カーディフへと繋がるスタートラインへ。大会主催者はトーマスへのインタビューのほか、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング)や、かつてのチームメイト、指導者たちからのメッセージを収録したVTRをライブ放送に載せ、輝かしいキャリアのフィナーレを彩った。
メッセージに満ち溢れたニューポートを出発すると、トーマス自らアタックして沿道を盛り上げる。アタック合戦の末にユリウス・ヨハンセン(デンマーク、UAEチームエミレーツXRG)やバスティアン・トロンション(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール)、フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)、マッツ・ウェンツェル(ルクセンブルク、エキポ ケルンファルマ)が飛び出して集団からリードを得た。

この日スタート時点で、総合首位ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)と同2位レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)の差はたったの2秒。なんとしても逆転を防ぎたいグルパマFDJが集団コントロールを担い、レース中盤の3級山岳を、道路を渡っていた牛の群れに阻まれながらもクリア。コース終盤に控えるカーフィリーマウンテン(登坂距離1.3km/平均9.5%)に入ると8秒遅れの総合4位、オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)が攻撃に出た。
母国最大のレースで勝ちたいオンリーだったが、グレゴワールにピッタリとマークされて沈没。ハイペースで散り散りになったメイン集団が頂上を越えると、今度はダウンヒルでエヴェネプールがアタック。タイムトライアル世界王者の予期せぬ高速アタックに混乱した集団だったものの、有力勢がペースを落とさずに追走して引き戻す。フィニッシュを目指す下りと平坦で人数が戻ったことで勝負はスプリントへ。こうしてエヴェネプールの逆転の芽は潰された。

当初からの逃げグループを視界に捉えつつ、第3ステージで勝利したマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)がオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)のためにリードアウト。残り150mで逃げグループを飲み込みつつ、混戦のスプリントでポイント賞ジャージを着るコーイが両腕を突き上げた。
コーイが第1、第2ステージに続く大会3勝目を挙げ、ヴィスマが大会4勝目。「最初の3日間だけでも本当に特別だったけれど、それが大きな自信に繋がったんだ。今日はチーム一丸となって、このツアー・オブ・ブリテンを最高の形で締めくくりたいと思いっていたよ。本当にギリギリの展開だったけれど、チームの努力の成果をこうして結実させることができてとても嬉しい」と語るコーイ。スピードマンを揃えたメンバー編成で臨んだヴィスマが平坦ステージを総なめにしてみせた。


エヴェネプールの攻撃を凌ぎ、2秒差を守り切ったグレゴワールが総合優勝を達成した。「正直に言うと昨夜はよく眠れなかったんだ。総合リードは大きくなかったのでレースを上手くコントロールする必要があった。優勝も、総合10位転落もあり得る状況だったけれど、完璧にやり遂げることができた。このようなレースで総合優勝を勝ち取れたなんて信じられない。キャリアの中でも滅多にない経験だし、レムコとジュリアンの前で勝利できたことは格別だ」と、ツール・ド・スイスの開幕ステージ優勝に続く、嬉しい勝利を挙げた22歳は話している。
トーマスは4分12秒遅れで辿り着き、最後は同じグループの選手たちに拍手を贈られながら現役最終レースをフィニッシュ。家族、友人、そしてファンが詰めかけた最終レースを無事に走り終えた。
ツアー・オブ・ブリテン2025第6ステージ結果
1位 | オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | 2:28:19 |
2位 | サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
4位 | エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | ノア・イジドール(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | |
6位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング) | |
7位 | バスティアン・トロンション(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | |
8位 | トム・クラッベ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) | |
9位 | アントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | |
10位 | ブラディ・ギルモア(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) |
個人総合成績
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 19:31:23 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:02 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング) | +0:04 |
4位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +0:08 |
5位 | オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | +0:12 |
6位 | エウラリオ・アフォンソ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
8位 | バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック) | |
9位 | ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:17 |
10位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツ) |
その他の特別賞
山岳賞 | ヴィクトル・フェルクーイェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
ポイント賞 | オラフ・コーイ(オランダ、ィスマ・リースアバイク) |
ヤングライダー賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:So.Isobe
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