オーストラリア・ジーロン発のホイールブランド、パーティントンが放つ革新的カーボンホイールR-SERIES MK IIが日本上陸。独自設計・製造のリム、U字のカーボンスポーク、ベアリングシステムを採用し、1,060gという軽さを実現した超軽量モデルだ。

パーティントン R-SERIES MK II 39/44
エンスーなブランドにいち早く注目し、日本に展開することでお馴染みのトライスポーツが、新たなホイールブランド”Partington.cc(パーティントン)”の取り扱いを開始。オーストラリアのジーロングで設計開発、テスト、製造を一貫して行うブランドを紹介しよう。
今回日本に上陸することとなった新たなホイールブランドの名前は、創業者Jon Partington(ジョン・パーティントン)のファミリーネームだ。「品質とパフォーマンス、イノベーションへのこだわりを表している」とパーティントン氏はブランドムービーで語っている。彼はオーストラリアのトーキーにある小さなガレージからホイール製作をはじめ、現在はジーロングにあるディーキン大学のCarbon Nexusというカーボン研究施設でホイールを生み出している。

パーティントン R-SERIES MK II 31/31
今回日本で展開が開始されるモデルはR-SERIES MK IIで、ラインアップはリムハイトが異なるR31/31とR39/44の2種類。31や39といった数字はリムハイトを示している。つまり、R31/31は前後でハイトが統一され、39/44は前後で異なるリムハイトがペアのセットとして展開される。
R-SERIES MK IIのどちらのモデルにおいても目を惹くトピックは軽量性。R31/31は前後セットで1,060g(前480g、後ろ580g)、R39/44は前後セット1,160g(前530g、後ろ630g)と超軽量に仕上げられており、軽さを武器としたハイパフォーマンスモデルだ。

U字のスポークが、リム〜ハブ〜リムと繋がる (c)partington.cc 
独自のダイナミック・ベアリング・アーキテクチャを採用する (c)partington.cc 
リム内に発泡フォームが充填される (c)partington.cc
リム、スポーク、ハブシェルを全てカーボン素材としたこと、そしてパーティントンのオリジナル設計によって、この驚異的な軽さを実現している。特にユニークなのがスポークだ。1つスポークが、リムからカーボンハブシェルを包み込むように通過し、再びリムへと到達するU字シェイプというユニークな形状が採用されている。この形状によってスポークテンションを確保しつつ、ハブとスポークの接合部のストレスを低減する。
またスポークはリムと接着されているため、リムにはスポークホールが設けられていない。そのリムは内幅21mmのクリンチャー/チューブレスタイプで、内側に発泡フォームを充填することで剛性を確保した。これらの設計により、MK IIはクラス最高峰の横剛性(約55N/mm)と、優れた乗り心地に寄与する縦剛性を実現している。

スポークはリムと接着される

オリジナルのカーボンスポークは、U字型でハブを回り込んで隣のスポークホールに接続される

フランジ部分は類を見ない設計が施されている
パーティントンはハブも独自開発を行っている。ダイナミック・ベアリング・アーキテクチャと呼ばれるテクノロジーを採用しており、ベアリングに負荷がかかりにくいフローティング構造によって、スルーアクスルなどの締め付けなどによる影響を受けにくくなっている。アセンブルされるベアリングはセラミックスピード製。
ジーロングで独自のホイールを研究開発するパーティントンのプレミアムホイール、R-SERIES MK II。価格は1,100,000円(税込)。ハイエンドフレームとの組み合わせが映える新たな選択肢だ。

リムにはスポークホールが設けられておらず、TLタイヤを運用しやすい
ーインプレッション by 高木三千成(シクロワイアード編集部)
パーティントンの31/31で印象的だったのは、適度なしなり感です。ペダリングに対して少しだけしなるけどすぐ戻ってくる、絶妙な挙動が特徴的です。これまでのフルカーボンホイールのように、スパルタンな感触かと思っていましたが、実際に乗ってみると良い意味で普通で扱いやすいです。

程よくしなるため脚にストレスがかかりにくい
ライトウェイトの各製品やマヴィックのCosmic Ultimateのようなフルカーボンホイールのような、強く押し出されるような強烈な加速感はありませんが、持ち前の質量の少なさのおかげで、強く踏み込まなくても心地よく加速してくれる印象があります。
硬さの塊のようなホイールは高いパワーやスキルが求められますが、パーティントンは若干マイルドに作られているので、巡航や加速時のスピード維持がしやすくなっています。疲れてからの踏み心地も良好で、長時間のライドでも踏み続けられるはずです。

「絶妙なしなり感があり、気持ちよく加速する」高木三千成(シクロワイアード編集部)
ハンドリング時、ホイールはバイクの倒し込みと一体となって動く感覚があります。リムが重いホイールでは慣性が働いて倒れにくかったり、コーナリング中に外に引っ張られるように感じることがありますが、パーティントンはホイール全体が軽量なので挙動の乱れもなく、ハンドリングは正確で、ラインの微調整も行いやすいです。
全体的にはローハイトリムらしさと伝統的なフルカーボンホイールの特性が融合している印象です。さらにチューブレス対応でワイドリムなので太めのタイヤとの相性も良く、これが硬すぎない乗り心地にも貢献しています。より多くのサイクリストに満足できるホイールと言ってもいいでしょう。

「素直にホイールが挙動してくれる」高木三千成(シクロワイアード編集部)
対して39mm/44mmのモデルは、31mmハイトモデルとは特性が少し異なります。特に印象的なのはウィップ感の違いで、リムハイトが高いモデルはやや固めの設計になっており、横の動きは抑えられています。よりレーシーな雰囲気で、ハイパワーなライダーも満足できる特性を持っています。
39mm/44mmというリムハイトも特別高いというわけではありませんが、31mmよりも巡航が得意ですし、30〜40km/hからさらに加速する場面では優位性があります。また前後で若干挙動が異なっていて、フロントはローハイト寄りの挙動である一方、リアはよりどっしりとしている印象がありました。ただ、チグハグさがあるわけではなく、綺麗にまとめられているのはパーティントンの技術力が感じられます。

「39/44はよりシャープな走りで、高速巡航向き」高木三千成(シクロワイアード編集部)
総じてパーティントンの魅力はバランスがとれたホイールに仕上げられていることです。特に乗り心地の良さと軽量性は通常両立しにくいパラメーターですが、パーティントンはそれを見事に実現しています。軽量で反応も良く、しかも乗り心地も優れており、長時間乗っても疲れにくい印象です。
このホイールがおすすめなのは、高級志向のサイクリストです。ハイエンドバイクに乗っていて、ラグジュアリーな走りを求める人、レースとカフェライドの両方を楽しみたい人にとって理想的なホイールでしょう。
週末のライドで急に登りを競い合うシーンなどでも活躍しますし、このホイールを装着することで「ちょっと山を越えてみようかな」と行動範囲が広がることもあるでしょう。疲れにくい特性を活かしたロングライドなど、様々な楽しみ方ができます。見た目の美しさと多彩な走行性能を兼ね備え、満足度は非常に高いホイールだと思います。

「パーティントンの魅力はバランスがとれていること」高木三千成(シクロワイアード編集部)

エンスーなブランドにいち早く注目し、日本に展開することでお馴染みのトライスポーツが、新たなホイールブランド”Partington.cc(パーティントン)”の取り扱いを開始。オーストラリアのジーロングで設計開発、テスト、製造を一貫して行うブランドを紹介しよう。
今回日本に上陸することとなった新たなホイールブランドの名前は、創業者Jon Partington(ジョン・パーティントン)のファミリーネームだ。「品質とパフォーマンス、イノベーションへのこだわりを表している」とパーティントン氏はブランドムービーで語っている。彼はオーストラリアのトーキーにある小さなガレージからホイール製作をはじめ、現在はジーロングにあるディーキン大学のCarbon Nexusというカーボン研究施設でホイールを生み出している。

今回日本で展開が開始されるモデルはR-SERIES MK IIで、ラインアップはリムハイトが異なるR31/31とR39/44の2種類。31や39といった数字はリムハイトを示している。つまり、R31/31は前後でハイトが統一され、39/44は前後で異なるリムハイトがペアのセットとして展開される。
R-SERIES MK IIのどちらのモデルにおいても目を惹くトピックは軽量性。R31/31は前後セットで1,060g(前480g、後ろ580g)、R39/44は前後セット1,160g(前530g、後ろ630g)と超軽量に仕上げられており、軽さを武器としたハイパフォーマンスモデルだ。



リム、スポーク、ハブシェルを全てカーボン素材としたこと、そしてパーティントンのオリジナル設計によって、この驚異的な軽さを実現している。特にユニークなのがスポークだ。1つスポークが、リムからカーボンハブシェルを包み込むように通過し、再びリムへと到達するU字シェイプというユニークな形状が採用されている。この形状によってスポークテンションを確保しつつ、ハブとスポークの接合部のストレスを低減する。
またスポークはリムと接着されているため、リムにはスポークホールが設けられていない。そのリムは内幅21mmのクリンチャー/チューブレスタイプで、内側に発泡フォームを充填することで剛性を確保した。これらの設計により、MK IIはクラス最高峰の横剛性(約55N/mm)と、優れた乗り心地に寄与する縦剛性を実現している。



パーティントンはハブも独自開発を行っている。ダイナミック・ベアリング・アーキテクチャと呼ばれるテクノロジーを採用しており、ベアリングに負荷がかかりにくいフローティング構造によって、スルーアクスルなどの締め付けなどによる影響を受けにくくなっている。アセンブルされるベアリングはセラミックスピード製。
ジーロングで独自のホイールを研究開発するパーティントンのプレミアムホイール、R-SERIES MK II。価格は1,100,000円(税込)。ハイエンドフレームとの組み合わせが映える新たな選択肢だ。

ーインプレッション by 高木三千成(シクロワイアード編集部)
パーティントンの31/31で印象的だったのは、適度なしなり感です。ペダリングに対して少しだけしなるけどすぐ戻ってくる、絶妙な挙動が特徴的です。これまでのフルカーボンホイールのように、スパルタンな感触かと思っていましたが、実際に乗ってみると良い意味で普通で扱いやすいです。

ライトウェイトの各製品やマヴィックのCosmic Ultimateのようなフルカーボンホイールのような、強く押し出されるような強烈な加速感はありませんが、持ち前の質量の少なさのおかげで、強く踏み込まなくても心地よく加速してくれる印象があります。
硬さの塊のようなホイールは高いパワーやスキルが求められますが、パーティントンは若干マイルドに作られているので、巡航や加速時のスピード維持がしやすくなっています。疲れてからの踏み心地も良好で、長時間のライドでも踏み続けられるはずです。

ハンドリング時、ホイールはバイクの倒し込みと一体となって動く感覚があります。リムが重いホイールでは慣性が働いて倒れにくかったり、コーナリング中に外に引っ張られるように感じることがありますが、パーティントンはホイール全体が軽量なので挙動の乱れもなく、ハンドリングは正確で、ラインの微調整も行いやすいです。
全体的にはローハイトリムらしさと伝統的なフルカーボンホイールの特性が融合している印象です。さらにチューブレス対応でワイドリムなので太めのタイヤとの相性も良く、これが硬すぎない乗り心地にも貢献しています。より多くのサイクリストに満足できるホイールと言ってもいいでしょう。

対して39mm/44mmのモデルは、31mmハイトモデルとは特性が少し異なります。特に印象的なのはウィップ感の違いで、リムハイトが高いモデルはやや固めの設計になっており、横の動きは抑えられています。よりレーシーな雰囲気で、ハイパワーなライダーも満足できる特性を持っています。
39mm/44mmというリムハイトも特別高いというわけではありませんが、31mmよりも巡航が得意ですし、30〜40km/hからさらに加速する場面では優位性があります。また前後で若干挙動が異なっていて、フロントはローハイト寄りの挙動である一方、リアはよりどっしりとしている印象がありました。ただ、チグハグさがあるわけではなく、綺麗にまとめられているのはパーティントンの技術力が感じられます。

総じてパーティントンの魅力はバランスがとれたホイールに仕上げられていることです。特に乗り心地の良さと軽量性は通常両立しにくいパラメーターですが、パーティントンはそれを見事に実現しています。軽量で反応も良く、しかも乗り心地も優れており、長時間乗っても疲れにくい印象です。
このホイールがおすすめなのは、高級志向のサイクリストです。ハイエンドバイクに乗っていて、ラグジュアリーな走りを求める人、レースとカフェライドの両方を楽しみたい人にとって理想的なホイールでしょう。
週末のライドで急に登りを競い合うシーンなどでも活躍しますし、このホイールを装着することで「ちょっと山を越えてみようかな」と行動範囲が広がることもあるでしょう。疲れにくい特性を活かしたロングライドなど、様々な楽しみ方ができます。見た目の美しさと多彩な走行性能を兼ね備え、満足度は非常に高いホイールだと思います。

パーティントン R-SERIES MK II 39/44
Front 39 | |
ブレーキ | Disc brake only integrated composite design |
タイヤ | Clincher or tubeless ready |
スペック | High lateral stiffness (~55N/mm), exceptional ride comfort (radial compliance) |
ハブ | Hybrid composite hub shell, CeramicSpeed bearings |
スポーク | Asymmetric bladed full carbon, rim-to-rim design – ‘20-hole rim’ |
アクスル | 12mm through axle |
リムハイト | 39mm |
外幅 | 26.5mm |
内幅 | 21mm |
仕上げ | Matte-clear painted finish |
重量 | 530g |
Rear 44 | |
ブレーキ | Disc brake only integrated composite design |
タイヤ | Clincher or tubeless ready |
スペック | High lateral stiffness (~55N/mm), exceptional ride comfort (radial compliance) |
ハブ | Hybrid composite hub shell,CeramicSpeed bearings |
スポーク | Asymmetric bladed full carbon, rim-to-rim design – ‘20-hole rim’ |
アクスル | 12mm through axle |
リムハイト | 44mm |
外幅 | 26.5mm |
内幅 | 21mm |
仕上げ | Matte-clear painted finish |
重量 | 630g |
セット重量 | 1,160g |
税込価格 | 1,100,000円 |
パーティントン R-SERIES MK II 31/31
Front31 | |
ブレーキ | Disc brake only integrated composite design |
タイヤ | Clincher or tubeless ready |
スペック | High lateral stiffness (~55N/mm), exceptional ride comfort (radial compliance) |
ハブ | Hybrid composite hub shell, CeramicSpeed bearings |
スポーク | Asymmetric bladed full carbon, rim-to-rim design – ‘20-hole rim’ |
アクスル | 12mm through axle |
リムハイト | 31mm |
外幅 | 26.5mm |
内幅 | 21mm |
仕上げ | Matte-clear painted finish |
重量 | 480g |
Rear31 | |
ブレーキ | Disc brake only integrated composite design |
タイヤ | Clincher or tubeless ready |
スペック | High lateral stiffness (~55N/mm), exceptional ride comfort (radial compliance) |
ハブ | Hybrid composite hub shell,CeramicSpeed bearings |
スポーク | Asymmetric bladed full carbon, rim-to-rim design – ‘20-hole rim’ |
アクスル | 12mm through axle |
リムハイト | 31mm |
外幅 | 26.5mm |
内幅 | 21mm |
仕上げ | Matte-clear painted finish |
重量 | 580g |
セット重量 | 1,060g |
税込価格 | 1,100,000円 |
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