Vol.1に続く本章では、リザーブホイールの中核を成し、ヴィスマ・リースアバイクの活躍を支える2つのホイール「34|37 TA」と「42|49 TA」のインプレッションをお届けする。マイホイールとしてリザーブホイールを愛用する、走れるショップ店長にそれぞれの走り、そしてリザーブ製品の魅力を聞いた。

リザーブを愛してやまない鬼形明浩さん(CO2 bicycle)が34|37 TAと42|49 TAの2モデルをテスト。所有する52|63 TAと比較した photo:Naoki Yasuoka

群馬県安中市でCO2 bicycleを構える鬼形明浩さん photo:Naoki Yasuoka 「ミーハーで、サーヴェロに乗っているからユンボ(ヴィスマ)チームに憧れて...というのが、リザーブを選んだ一番最初のきっかけですね(笑)。でも乗ってみたら、柔らかくは無いのに乗り心地が良くて、反応がめちゃくちゃ良い。フレームが高剛性化している今の時代にはベストマッチするホイールだ!と感動しました。長いことロードバイクに乗って、色々な機材を取っ替え引っ替えしてきましたが、ここまで気に入ったホイールは初めてですね。もう手放せません」。
爽やかな笑顔でそう言うのは、群馬県安中市に自身のプロショップ「CO2 bicycle」を構える鬼形明浩さん。「走れる店長」の一人として、そして機材マニアとしても知られる鬼形さんは、リザーブホイールが日本に正規輸入された初期から自費購入し、その走りに魅了された一人。今やリザーブはクラブチーム内でもナンバーワンのホイールシェア率を誇っているそうだ。
「先ほども言いましたが、リザーブに共通した特徴が『軽やかで乗りやすく、それなのに速い』なんです。今までの常識から言えば乗り心地の良さ=ダルさに繋がりますが、リザーブはそんなことが一切ない。共同開発しているサーヴェロはもちろんですが、他ブランドのバイクと組み合わせても良く進みます。ディスク化してから特にフレームもホイールも剛性が高くなって、ちょっと乗るだけなら良いけど、50km、100kmと走る最後に脚がキツくなっている...なんてことがありますが、リザーブを履けばそれがすごく低減されるんです。
特にアマチュアレベルだと、例えばサーヴェロのS5、R5は硬くて脚上がりが早い...と言うパターンが多いですよね。そんな方がリザーブホイールを試すとすごく喜んでくれるんです。高剛性機材を踏み抜けるプロ選手ならともかく、一般の方であればなおさら。一度試すともう離れられない...と言う方が多いんです。それがクラブ内で伝わって、広がっていくんですよ。リムハイトの高い52|63 TAですらそれは一緒です。

52|63 TA(限定カラー)をセットした鬼形さんのマイバイク。リザーブのホイールは硬いフレームとの相性が抜群だという photo:Naoki Yasuoka
エアロ性能もすごく良いですね。風抜けが良くって、中速〜高速域で止まる感覚がない。僕らの地元は風が強いんですが、突然横風に煽られても危ない挙動に繋がることがないんです。グラベルホイールも所有していますが、やっぱり同じような良い感触があります」。

「バランスに優れ、ロードレースならこれ一択。群馬CSCのようなコースでは最高です」 photo:Naoki Yasuoka
現在リザーブがラインナップするロード用ホイールは、メインモデルとしてヴィスマが愛用する山岳用軽量モデルの「34|37 TA」、オールラウンド用の「42|49 TA」、エアロモデル「52|63 TA」を筆頭に、超軽量チューブラーモデルやタイムトライアル用の超ディープリムモデルを含めた合計6種類。鬼形さん自身は42|49 TAの前身に当たる「40|44」と「52|63 TA」を愛用し、クラブ内では「40|44」が今最もユーザー数が多いそうだ。
「クラブ内で一番人気は40|44ですが、それが42|49 TAに進化して軽くなりましたね。今回試したところ、42|49 TAは性能バランスがとても良いと感じました。さすがヴィスマのメインホイールだな、って。ペア1300g台だから登りは軽いし、平坦もよく伸びて、挙動も扱いやすい。よっぽどド平坦なフラットコースじゃない限り、ロードレースはこれ一択だと感じます。アップダウンがありつつも、常に流れる群馬CSCのようなコースにはピッタリじゃないでしょうか?
モデルチェンジの話を聞いた時に、リムハイト的には40|44の方が使いやすいかな? と思いました。でも、ハイトが上がっているのに軽くなっているんだったら使わない理由がありませんよね。同クラスのホイールと比べて、実際の重さはもちろん走り自体が軽いから、登りのレースでも十分使えるんです。ヒルクライムであっても、富士ヒルクライムのようなある程度緩斜面のコースならすごく武器になる。かなり優秀ですよ」。

DT180ハブ仕様で1200gという軽さを誇る34|37 TA。「軽いのにペダリングが続く感覚に驚いた」と鬼形さんは評価する photo:Naoki Yasuoka
しかし超軽量ホイールと言えば、その軽さや初速の速さとは引き換えに慣性モーメントが落ちやすく、常に正確なペダリングが求められたり、軽さを担保するための硬さゆえ、足上がりが早いといった問題を抱えてきたこともまた事実。しかし鬼形さんは「軽くなってもなおリザーブ特有の良さが活きてますね。これは凄い。びっくりしました」と太鼓判を押す。
「モデルチェンジでかなりのダイエットを図ってますが、最初のその情報を聞いたときに『軽いのは良いけど、リザーブの良さが消えてないか?』って心配だったんです。ほら、よくあるじゃないですか。軽いだけでスカスカして踏みづらいホイールが。でも試してみたら、あれ、全然その嫌な感じがないぞ、って。
よく聞く失敗パターンで、ヒルクライムでタイムを狙うから軽いホイールにしたけど、結局上手く扱えなくてタイムを落とすってありますよね。でも34|37 TAはペダリングが続く。軽いし、速いし、伸びる。特にトルクをかけて登りを走る時の感覚はびっくりしました。モデルチェンジ前後でリムハイトは変わっていませんが、明らかに良くなりましたね。

「ヒルクライムで良いのは当然。エアロフレームとの組み合わせでクリテリウムにも良い」と言う photo:Naoki Yasuoka
ウインクレルさんが「カーボンリムの樹脂が違うんですよ」と仰ってましたが、乗り心地や伸び感はそこから来てるんじゃないか、って思います。スポークテンションを上げたままでも、しっかり路面の凹凸やペダリングパワーのギクシャク感を吸収してくれて、リザーブらしい乗り味に繋がるのかなあ、と」。
超軽量ホイールだから上り性能の良さは当たり前。加えて鬼形さんは「実はクリテリウムを含めたロードレースでも使いやすいホイール」だと評価する。今ではほとんどのロードバイクがエアロ化し、フレーム側で空力性能を確保していることがその理由だ。
「加速が得意で、かつ伸びるという性格上、低速コーナーが続くクリテリウムはイイと思いますよ。何度も何度も踏み直すシーンでこの立ち上がりの良さは確実に効くでしょう。エアロフレームにエアロホイールという組み合わせはカッコいいけど、なかなか踏みきれるものじゃない。エアロ性能はフレーム側で担保しておいて、ホイールには加速を求める。この34|37 TAの走りを知ってしまうと、今のホビーレースでは34|37 TAとエアロフレームのコンビネーションがとてもイイんじゃないかな、と」。

「この走りの良さは、きっと絶妙なバランスの上に成り立っている」と鬼形さんは言う photo:Naoki Yasuoka
ハブやスポークのカーボン化や波型リムなど特殊構造化が進むホイール界だが、リザーブのホイールは基本的に全てDTスイスのハブとサピムのスポーク、リザーブオリジナルのリムというごく一般的な構造を取る。視覚的アピールは少ないが、「スポークも、ハブも、ごく普通の構造なのにすごく走りが良い。不思議な感覚ですよ。きっと性能バランスが良いんだと思います」と鬼形さんは言う。

「距離を乗れば乗るほどメリットが増えるのがリザーブの良いところ。シンプルな構造ゆえに安心感も高い」 photo:Naoki Yasuoka 「シンプルな構造ゆえの安心感は高いですよね。DTスイスのハブは補修体制も整えられているし、スポークもサピムだから組み直しも難しくない。さらにはタイヤの組み付けも基本フロアポンプで上げられるほど簡単です。ヴィットリアからもほぼリザーブ専用と言っても過言ではない29Cタイヤがリリースされましたし、より安心感は高いと思います。さらに予算に合わせてハブのグレードを選べるのもポイント。リムは同じだからハブのグレードを下げてもそこまで大きな性能変化が無くて、『グレード下げちゃったなあ』っていうがっかり感も他メーカーより少ないですよね。
今回複数モデルを試して、改めて感じたのがワイドリムがもたらす恩恵ですね。タイヤの低圧運用、と聞くとモタつくイメージが根強いんですが、やっぱりワイドリムで空気量が確保されている状態だと、転がりが軽いのに乗り心地が良いんですよね。ナローリムで低圧にしちゃうと変な乗り味になってしまいますが、リザーブにはそれがない。
そのメリットは50kmよりも100km、100kmより150kmと距離を乗るほどに大きくなるものなんです。高圧にすればシャッキリ感は増すけれど、どうしても振動で疲れて踏めなくなっちゃう。28c、30cタイヤと、それにピッタリ合うように設計されたリムの組み合わせは、本当にメリットを感じます。まさに現代らしいホイールだと言えますね」。
「ここまで感触が良かったホイールは初めてです。僕はミーハーだから機材をコロコロ変えるんですが、リザーブのホイールだけはもう何年も使っています。珍しいことですよ」。

鬼形明浩さん(CO2 bicycle) photo:Naoki Yasuoka NHKで放送されたツール・ド・フランスをきっかけに中学〜高校時代に自転車競技に打ち込み、抜きん出たセンスでプロ選手まで駆け上がったものの「23歳までに欧州に行けなければ辞める」「機材愛が高すぎて与えられたものに乗れない」といった理由からショップスタッフに転身。ショップ勤務を経て8年前に群馬県安中市に自身のショップ「CO2 bicycle」をオープン。お店のモットーは「楽しんだもの勝ち」。クラブライドも活発に行い人気を集めている。
CO2 bicycle
住所:群馬県安中市下後閑1384-2 リラテラス
電話:027-386-4831
ショップSNS:https://www.facebook.com/co2bicycle/?locale=ja_JP
リザーブ愛と共に、リザーブの新型主力ホイールを語る


爽やかな笑顔でそう言うのは、群馬県安中市に自身のプロショップ「CO2 bicycle」を構える鬼形明浩さん。「走れる店長」の一人として、そして機材マニアとしても知られる鬼形さんは、リザーブホイールが日本に正規輸入された初期から自費購入し、その走りに魅了された一人。今やリザーブはクラブチーム内でもナンバーワンのホイールシェア率を誇っているそうだ。
「先ほども言いましたが、リザーブに共通した特徴が『軽やかで乗りやすく、それなのに速い』なんです。今までの常識から言えば乗り心地の良さ=ダルさに繋がりますが、リザーブはそんなことが一切ない。共同開発しているサーヴェロはもちろんですが、他ブランドのバイクと組み合わせても良く進みます。ディスク化してから特にフレームもホイールも剛性が高くなって、ちょっと乗るだけなら良いけど、50km、100kmと走る最後に脚がキツくなっている...なんてことがありますが、リザーブを履けばそれがすごく低減されるんです。
特にアマチュアレベルだと、例えばサーヴェロのS5、R5は硬くて脚上がりが早い...と言うパターンが多いですよね。そんな方がリザーブホイールを試すとすごく喜んでくれるんです。高剛性機材を踏み抜けるプロ選手ならともかく、一般の方であればなおさら。一度試すともう離れられない...と言う方が多いんです。それがクラブ内で伝わって、広がっていくんですよ。リムハイトの高い52|63 TAですらそれは一緒です。

エアロ性能もすごく良いですね。風抜けが良くって、中速〜高速域で止まる感覚がない。僕らの地元は風が強いんですが、突然横風に煽られても危ない挙動に繋がることがないんです。グラベルホイールも所有していますが、やっぱり同じような良い感触があります」。
ロードレースに最適:オールラウンドな「42|49 TA」

現在リザーブがラインナップするロード用ホイールは、メインモデルとしてヴィスマが愛用する山岳用軽量モデルの「34|37 TA」、オールラウンド用の「42|49 TA」、エアロモデル「52|63 TA」を筆頭に、超軽量チューブラーモデルやタイムトライアル用の超ディープリムモデルを含めた合計6種類。鬼形さん自身は42|49 TAの前身に当たる「40|44」と「52|63 TA」を愛用し、クラブ内では「40|44」が今最もユーザー数が多いそうだ。
「クラブ内で一番人気は40|44ですが、それが42|49 TAに進化して軽くなりましたね。今回試したところ、42|49 TAは性能バランスがとても良いと感じました。さすがヴィスマのメインホイールだな、って。ペア1300g台だから登りは軽いし、平坦もよく伸びて、挙動も扱いやすい。よっぽどド平坦なフラットコースじゃない限り、ロードレースはこれ一択だと感じます。アップダウンがありつつも、常に流れる群馬CSCのようなコースにはピッタリじゃないでしょうか?
モデルチェンジの話を聞いた時に、リムハイト的には40|44の方が使いやすいかな? と思いました。でも、ハイトが上がっているのに軽くなっているんだったら使わない理由がありませんよね。同クラスのホイールと比べて、実際の重さはもちろん走り自体が軽いから、登りのレースでも十分使えるんです。ヒルクライムであっても、富士ヒルクライムのようなある程度緩斜面のコースならすごく武器になる。かなり優秀ですよ」。
エアロフレームとの組み合わせで可能性無限大:「34|37 TA」
「飛び道具」と呼べるチューブラーモデルを除き、現在リザーブラインナップの中で最も軽いチューブレスホイールがこの「34|37 TA」だ。昨年秋のモデルチェンジによって、リムハイトはそのままにリム1本あたり30g軽量化を果たし、前後ペア重量はDT180ハブ仕様で1200gと驚きの軽さを誇っている。
しかし超軽量ホイールと言えば、その軽さや初速の速さとは引き換えに慣性モーメントが落ちやすく、常に正確なペダリングが求められたり、軽さを担保するための硬さゆえ、足上がりが早いといった問題を抱えてきたこともまた事実。しかし鬼形さんは「軽くなってもなおリザーブ特有の良さが活きてますね。これは凄い。びっくりしました」と太鼓判を押す。
「モデルチェンジでかなりのダイエットを図ってますが、最初のその情報を聞いたときに『軽いのは良いけど、リザーブの良さが消えてないか?』って心配だったんです。ほら、よくあるじゃないですか。軽いだけでスカスカして踏みづらいホイールが。でも試してみたら、あれ、全然その嫌な感じがないぞ、って。
よく聞く失敗パターンで、ヒルクライムでタイムを狙うから軽いホイールにしたけど、結局上手く扱えなくてタイムを落とすってありますよね。でも34|37 TAはペダリングが続く。軽いし、速いし、伸びる。特にトルクをかけて登りを走る時の感覚はびっくりしました。モデルチェンジ前後でリムハイトは変わっていませんが、明らかに良くなりましたね。

ウインクレルさんが「カーボンリムの樹脂が違うんですよ」と仰ってましたが、乗り心地や伸び感はそこから来てるんじゃないか、って思います。スポークテンションを上げたままでも、しっかり路面の凹凸やペダリングパワーのギクシャク感を吸収してくれて、リザーブらしい乗り味に繋がるのかなあ、と」。
超軽量ホイールだから上り性能の良さは当たり前。加えて鬼形さんは「実はクリテリウムを含めたロードレースでも使いやすいホイール」だと評価する。今ではほとんどのロードバイクがエアロ化し、フレーム側で空力性能を確保していることがその理由だ。
「加速が得意で、かつ伸びるという性格上、低速コーナーが続くクリテリウムはイイと思いますよ。何度も何度も踏み直すシーンでこの立ち上がりの良さは確実に効くでしょう。エアロフレームにエアロホイールという組み合わせはカッコいいけど、なかなか踏みきれるものじゃない。エアロ性能はフレーム側で担保しておいて、ホイールには加速を求める。この34|37 TAの走りを知ってしまうと、今のホビーレースでは34|37 TAとエアロフレームのコンビネーションがとてもイイんじゃないかな、と」。
「この走りの良さは、きっと絶妙なバランスの上に成り立っている」

ハブやスポークのカーボン化や波型リムなど特殊構造化が進むホイール界だが、リザーブのホイールは基本的に全てDTスイスのハブとサピムのスポーク、リザーブオリジナルのリムというごく一般的な構造を取る。視覚的アピールは少ないが、「スポークも、ハブも、ごく普通の構造なのにすごく走りが良い。不思議な感覚ですよ。きっと性能バランスが良いんだと思います」と鬼形さんは言う。

今回複数モデルを試して、改めて感じたのがワイドリムがもたらす恩恵ですね。タイヤの低圧運用、と聞くとモタつくイメージが根強いんですが、やっぱりワイドリムで空気量が確保されている状態だと、転がりが軽いのに乗り心地が良いんですよね。ナローリムで低圧にしちゃうと変な乗り味になってしまいますが、リザーブにはそれがない。
そのメリットは50kmよりも100km、100kmより150kmと距離を乗るほどに大きくなるものなんです。高圧にすればシャッキリ感は増すけれど、どうしても振動で疲れて踏めなくなっちゃう。28c、30cタイヤと、それにピッタリ合うように設計されたリムの組み合わせは、本当にメリットを感じます。まさに現代らしいホイールだと言えますね」。
「ここまで感触が良かったホイールは初めてです。僕はミーハーだから機材をコロコロ変えるんですが、リザーブのホイールだけはもう何年も使っています。珍しいことですよ」。
テスター:鬼形明浩さん(CO2 bicycle)

CO2 bicycle
住所:群馬県安中市下後閑1384-2 リラテラス
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製作:シクロワイアード編集部 | 提供:ウインクレル