ツール・ド・おきなわ開催を前にした沖縄本島北部に大雨による土砂崩れ災害が発生。土曜に予定されていたサイクリング部門はすべて中止。日曜のレース部門についてはすべてのクラスを本部半島外周を走り名護へフィニッシュする50kmコース1周で実施する判断となった。



東海岸のレースコース上で発生した土砂崩れ。翌日までの復旧は難しい状況だ ©ツール・ド・おきなわ2024

11月9・10日の2日間にわたり開催されるツール・ド・おきなわ。開催地の名護市から北部のやんばる地方に前日から線状降水帯が発生、豪雨が降り続き、未明にかけて土砂崩れや道路陥没が発生した。長距離系レースが走る大宜味村、国頭村、東村一帯では土砂崩れが複数箇所で発生し、住民に避難勧告も出る状況に。水分を含んだ地盤は緩みやすく、コース全域がそのまま警戒地域と一致することに。雨は日曜の朝にかけまだ降り続き、降水量は200mmに達する予想だ。

レース部門の開催と安全対策について説明するUCI審判のエドワード&ウォルター氏 photo:Makoto AYANO

コースの道路状況を視察した主催者及び道路事務所は、明日までに道路修復を終えることができず、安全なレースを開催できないとして北部の道路のレース使用を断念。代替案として50kmレースで使われる本部半島一周のコースを使い、全クラスのレースを走らせる決定をした。

「苦渋の決断」としながらもレース実施に踏み切る変更だが、国際レースをはじめとした長距離レースもすべて50kmの一周のみで実施。年齢・性別により細分化したレースクラスは統合するなどして実施する。

普久川ダムへの登り道路上にも土砂が流れ込む ©ツール・ド・おきなわ2024
北部一帯に複数箇所の土砂流入がある状況だ ©ツール・ド・おきなわ2024



国際レースのチャンピオンレースのスタート時刻は変わらず6時45分。市民200km(50km)レースが10分後の6時55分スタートで、その後に140km系、100km系〜といった順で時差をもって続けて出走していく。

審判団による会議では「危険な事態やオーバーラップ(追い抜き)が生じないこと、選手や関係者の安全を第一にレースを実施すること」が強調された。

今夜から明日午前にかけても雨が降る予報となっているため、今後の警報の発令状況およびコース状況次第では開催中止を判断する場合があることも説明された。

レースの開催可否や時間変更等について、詳しくはツール・ド・おきなわ公式サイトやSNSでの発信によるタイムテーブルを随時参照のこと。

text:Makoto.AYANO