UAEチームエミレーツが18歳のパブロ・トレス(スペイン)と、2030年までの6年契約を結んだと発表した。下部チームに所属する同選手はツール・ド・ラヴニールの難関山岳で10kmの独走勝利。登坂記録を更新した注目のクライマーだ。



UAEチームエミレーツと6年の長期契約が発表されたパブロ・トレス(スペイン) photo:CorVos

「UAEチームエミレーツの一員となることは夢の1つだった。同じ仲間に囲まれながら、世界最高のチームで最高のプロ選手たちと共に成長できることに興奮している。またそれを僕自身熱望していた」と、プレスリリースではパブロ・トレス(スペイン)はコメントした。

UAEチームエミレーツがチーム最長となる2030年までの6年契約を結んだトレスは、スペイン・マドリード出身の18歳。今年下部チームであるUAEチームエミレーツGenZに加入し、1月にスペインで行われたワンデーレースをトップチームのメンバーとして転戦。その後もミラノ〜トリノ(UCI1.Pro)などトップレベルのレースで経験を積んだ。

そして臨んだ今年8月のツール・ド・ラヴニールでトレスは、1級山岳フィニッシュだった第4ステージで勝利。また未舗装路の峠道として知られるコッレ・デッレ・フィネストレを駆け上がる最終第6ステージで、トレスはラスト10kmを独走。最速登坂記録を打ち立てると共に、2位に3分43秒をつける圧巻の走りを披露した。

1級山岳で逃げグループを牽引するマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

今年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスで総合優勝し、ロード世界選手権も獲ったタデイ・ポガチャル(スロベニア)に次ぐ、新たなエースの発掘を狙うUAE。チーム代表であるマウロ・ジャネッティ氏は「我々は未来に向け、才能を育てるチームであり続ける。そしてパブロ・トレスはワールドツアーにステップアップする素質を持った選手。選手としての成長はもちろん、人間としての成長も重要であると我々は考えている」と語った。

またトレスの昇格と時を同じく、マルク・ソレル(スペイン)との契約更新を発表した。今年のブエルタ・ア・エスパーニャでは積極的な逃げから何度も勝利に迫り、第16ステージで自身3度目のステージ優勝を飾ったソレル。契約期間は30歳になった選手としては高い評価とされる、2027年までの3年間だ。以下ソレルのコメント。

「このチームで引き続き走ることができ、また僕を信頼してくれてとても嬉しい。ここでは個人的な野心とチームプレーのバランスが取れている。現在チームはとても良い時期を過ごしており、レースでは家族のような雰囲気がある。このあとの数年間もトップレベルであり続け、チームに多くの勝利をもたらしたい」。

text:Sotaro.Arakawa