2024/10/07(月) - 08:42
雨が未舗装路を泥濘に変えたパリ〜トゥールは、最後までリードを維持した2名によるマッチスプリントで決着。パリ五輪ロードの銅メダリストであるクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)がヴァチェクを下し、母国レースで初優勝を飾った。
クライマーやパンチャーが欧州におけるワールドツアー最終レース「イル・ロンバルディア(10月12日)」に向かうなか、スプリンターやクラシックレーサーはこのパリ〜トゥール(UCI.Pro)が最終目標となる。
今年118回目を迎え、フランス・パリ近郊シャルトルから南のトゥールまで駆けるレースは213.8kmの平坦路。しかしレース後半には10箇所の未舗装路と8箇所の短い丘が登場するため、例年集団スプリントだけでなく、逃げ切りや独走などあらゆる可能性を残したレースとなっている。
シーズン終盤の大一番に向け、スタート地点であるシャルトルに集まったのはヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)やジャパンカップに参戦予定のマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)を含む156名の選手たち。は昨年トレーニー(研修生)ながら優勝したライリー・シーアン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)は、2連覇を目指し出場した。
雨がぱらつく気温16度のなかレースは始まり、エドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)を含む4名の逃げ集団が出来上がる。最大5分差を得た逃げに対し、メイン集団は今季42勝と昨年より約2倍の勝ち星を重ねるリドル・トレックがコントロール。TTヨーロッパ王者であるアッフィニが中心となり作るペースにセリエル・デサル(ベルギー、ビンゴールWB)が遅れ、レースは後半に入り逃げグループは3名となった。
一度止んだ雨は未舗装路に向かう選手たちを再び濡らし、1つ目の丘を前にプロトンから初出場初優勝を目指すピーダスンがアタック。それにパスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)が食らいついたものの、かまわず高出力で踏み続けたピーダスンはアッカーマンを引き離す。単独追走となった元世界王者の1分前方では、逃げの3名がこの日1つ目の急坂を越え、雨が染み込んだ未舗装路に突入した。
繋ぎ区間の平坦路を時速50km以上で飛ばしたピーダスンは、残り57kmで逃げ集団に合流。一方、1分差から徐々にタイム差を縮めていくプロトンではハイペースと多発する落車が人数を減らしていく。そして逃げはピーダスンとアッフィニの2名に絞られ、30秒前後のリードで次々に登場する丘とジャージを汚す未舗装路をクリアしていった。
メイン集団の先頭は2018年覇者であるセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク)が追走を担当する。しかし残り37km地点でパンクに見舞われ、その後先頭が激しく入れ替わったプロトンからクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)とマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)が飛び出す。そして残り29kmで先頭集団に追いついた。
ヴィスマとリドルがそれぞれ2名づつ入れる、珍しいレース展開のなかプロトンと23秒差で突き進む。しかし先にアッフィニが遅れ、続いてピーダスンも脱落。フィニッシュまで22kmを残し入れ替わった先頭2名(ラポルト&ヴァチェク)は、ここから粘り強い走りを披露した。
フィリプセンやアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)など集団スプリントに持ち込みたいメンバーのいるプロトンは、30秒前後の差をなかなか縮めることができない。それは残り10km、そして残り5kmを通過しても変わらず、ラポルトとヴァチェクは33秒差でフラムルージュ(残り1km)をくぐった。
脚を緩め牽制に入った2人は、横並びでほぼ同時にスプリントを開始する。しかし集団スプリントからでも勝利が狙えるラポルトのスピードにヴァチェクは敵わず、泥塗れのラポルトが両手を拡げながらフィニッシュ。母国フランスのレースで初優勝を果たした。
「この勝利が意味するものは大きい。2023年のヨーロッパ選手権を制した以来となる勝利だからね。パリ五輪での銅メダルは素晴らしい結果だが、甘い勝利を味わいたかった。このレースに対するモチベーションは高く、最高の形でシーズンを締めくくることができた」と語ったラポルト。シーズン5勝をマークした昨年から一転、今年は勝利から遠ざかり、ツール・ド・フランスでもワウト・ファンアールト(ベルギー)のアシストを徹していた。
21秒遅れでやってきたプロトンの先頭は、フィリプセンが取って3位表彰台に立つ。またこれが最終レースとなったミケル・モルコフ(デンマーク、アスタナ・カザクスタン)は、10分49秒遅れの121位で、約20年に及んだ現役生活に別れを告げた。
クライマーやパンチャーが欧州におけるワールドツアー最終レース「イル・ロンバルディア(10月12日)」に向かうなか、スプリンターやクラシックレーサーはこのパリ〜トゥール(UCI.Pro)が最終目標となる。
今年118回目を迎え、フランス・パリ近郊シャルトルから南のトゥールまで駆けるレースは213.8kmの平坦路。しかしレース後半には10箇所の未舗装路と8箇所の短い丘が登場するため、例年集団スプリントだけでなく、逃げ切りや独走などあらゆる可能性を残したレースとなっている。
シーズン終盤の大一番に向け、スタート地点であるシャルトルに集まったのはヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)やジャパンカップに参戦予定のマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)を含む156名の選手たち。は昨年トレーニー(研修生)ながら優勝したライリー・シーアン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)は、2連覇を目指し出場した。
雨がぱらつく気温16度のなかレースは始まり、エドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)を含む4名の逃げ集団が出来上がる。最大5分差を得た逃げに対し、メイン集団は今季42勝と昨年より約2倍の勝ち星を重ねるリドル・トレックがコントロール。TTヨーロッパ王者であるアッフィニが中心となり作るペースにセリエル・デサル(ベルギー、ビンゴールWB)が遅れ、レースは後半に入り逃げグループは3名となった。
一度止んだ雨は未舗装路に向かう選手たちを再び濡らし、1つ目の丘を前にプロトンから初出場初優勝を目指すピーダスンがアタック。それにパスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)が食らいついたものの、かまわず高出力で踏み続けたピーダスンはアッカーマンを引き離す。単独追走となった元世界王者の1分前方では、逃げの3名がこの日1つ目の急坂を越え、雨が染み込んだ未舗装路に突入した。
繋ぎ区間の平坦路を時速50km以上で飛ばしたピーダスンは、残り57kmで逃げ集団に合流。一方、1分差から徐々にタイム差を縮めていくプロトンではハイペースと多発する落車が人数を減らしていく。そして逃げはピーダスンとアッフィニの2名に絞られ、30秒前後のリードで次々に登場する丘とジャージを汚す未舗装路をクリアしていった。
メイン集団の先頭は2018年覇者であるセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク)が追走を担当する。しかし残り37km地点でパンクに見舞われ、その後先頭が激しく入れ替わったプロトンからクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)とマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)が飛び出す。そして残り29kmで先頭集団に追いついた。
ヴィスマとリドルがそれぞれ2名づつ入れる、珍しいレース展開のなかプロトンと23秒差で突き進む。しかし先にアッフィニが遅れ、続いてピーダスンも脱落。フィニッシュまで22kmを残し入れ替わった先頭2名(ラポルト&ヴァチェク)は、ここから粘り強い走りを披露した。
フィリプセンやアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)など集団スプリントに持ち込みたいメンバーのいるプロトンは、30秒前後の差をなかなか縮めることができない。それは残り10km、そして残り5kmを通過しても変わらず、ラポルトとヴァチェクは33秒差でフラムルージュ(残り1km)をくぐった。
脚を緩め牽制に入った2人は、横並びでほぼ同時にスプリントを開始する。しかし集団スプリントからでも勝利が狙えるラポルトのスピードにヴァチェクは敵わず、泥塗れのラポルトが両手を拡げながらフィニッシュ。母国フランスのレースで初優勝を果たした。
「この勝利が意味するものは大きい。2023年のヨーロッパ選手権を制した以来となる勝利だからね。パリ五輪での銅メダルは素晴らしい結果だが、甘い勝利を味わいたかった。このレースに対するモチベーションは高く、最高の形でシーズンを締めくくることができた」と語ったラポルト。シーズン5勝をマークした昨年から一転、今年は勝利から遠ざかり、ツール・ド・フランスでもワウト・ファンアールト(ベルギー)のアシストを徹していた。
21秒遅れでやってきたプロトンの先頭は、フィリプセンが取って3位表彰台に立つ。またこれが最終レースとなったミケル・モルコフ(デンマーク、アスタナ・カザクスタン)は、10分49秒遅れの121位で、約20年に及んだ現役生活に別れを告げた。
パリ〜トゥール2024結果
1位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | 5:00:27 |
2位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | |
3位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:21 |
4位 | マイク・トゥーニッセン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
5位 | アレクシ・ルナール(フランス、コフィディス) | |
6位 | ケース・ボル(オランダ、アスタナ・カザクスタン) | |
7位 | アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
8位 | トム・ファンアスブルック(ベルギー、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング) | |
10位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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