石上優大(愛三工業レーシングチーム)が6名逃げに乗ったツール・ド・ランカウイ第7ステージ。集団スプリントでマッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京)がデクラインらを退け、今大会2勝目を手に入れた。



前日は7位だったマッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京) photo:PETRONASLTdL

東南アジアのマレーシアを巡るペトロナス・ツール・ド・ランカウイ(UCI2.Pro)は第7ステージを迎え、この日はミリを出発する199.3kmで争われた。コースは後半に4級山岳が1つだけある平坦ステージ。そのため前日に逃げ切り勝利を許したスプリンターチームが躍動する、白熱の集団スプリントで決着した。

スコールのため15分遅れでスタートが切られ、JCLチーム右京や愛三工業レーシングチームを含む103名が走り出す。雨が強まるなか、石上優大(愛三工業レーシングチーム)を含む6名の逃げ集団が形成された。

スコールが明け、スタートした選手たち photo:PETRONASLTdL

石上優大(愛三工業レーシングチーム)が入った逃げは6名 photo:PETRONASLTdL

2分前後のタイム差でメイン集団をコントロールしたのはリーダーチームであるDSMフィルメニッヒ・ポストNL。コース前半に設定された2つの中間スプリントは共にモハンマド・ヌル・アイマン・ロスリ(トレンガヌ・サイクリングチーム、マレーシア)が先頭通過し、その後も順調に残り距離を消化していく。しかし残り48km地点で逃げは吸収された。

4級山岳の頂上は山岳賞ジャージを着るマリオ・アパリシオのため、ホセ・ディアス(共にスペイン、ブルゴスBH)が先頭通過してライバルのポイント獲得を阻止。その後はアスタナ・カザクスタンがペースを作るプロトンから3名が飛び出したものの、これも決まらず最後の中間スプリントへ。ここはグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザクスタン)が先頭を取り、総合2位につけるトーマス・ペゼンティ(イタリア、JCLチーム右京)は3位通過で-1秒を得た。

プロトンはDSMフィルメニッヒ・ポストNLがコントロールする photo:PETRONASLTdL

その後はチューダー・プロサイクリングやDSMが先頭で人数を固め、長い最終ストレートに突入する。リック・プルイマースからマイケル・ゼイラート(共にオランダ、チューダー・プロサイクリング)にリードアウトは引き継がれ、アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング)がスプリントを開始。しかしチューダーの必勝パターンを、マッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京)が打ち破った。

集団スプリントを制したマッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京) photo:PETRONASLTdL

今大会2勝目を掴んだマッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京) photo:PETRONASLTdL

フィニッシュ直後に指を天に突き上げたマルチェッリ。「昨日は母の8周忌だったこともあり、より高いモチベーションで臨んだ。勝つことはできなかったものの、今日、母に捧ぐ勝利を手に入れた」と語り、2日目に続く今大会2勝目を増田成幸(JCLチーム右京)らチームメイトと喜んだ。
ツール・ド・ランカウイ2024第7ステージ結果
1位 マッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京) 4:18:03
2位 アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング)
3位 マイケル・ゼイラート(オランダ、チューダー・プロサイクリング)
4位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザクスタン)
5位 マヌエル・ペニャルベル(スペイン、ポルティ・コメタ)
個人総合成績
1位 マックス・プール(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) 23:20:06
2位 トーマス・ペゼンティ(イタリア、JCLチーム右京) +0:13
3位 ウナイ・イリバール(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) +0:20
4位 フェルナンド・テルセロ(スペイン、ポルティ・コメタ)
5位 アントン・チャーム(デンマーク、アスタナ・カザクスタン)
その他の特別賞
ポイント賞 アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング)
山岳賞 マリオ・アパリシオ(スペイン、ブルゴスBH)
チーム総合成績 エキポ・ケルンファルマ
text:Sotaro.Arakawa
photo:PETRONASLTdL