"自転車屋に見えない"スポーツバイクショップが描く、自由と美しさのあるサイクルライフ
こんな素敵な店で自転車を選んで、購入して、楽しみながらスポーツバイクライフを送ることができるなんて、なんて素敵なんだろうと思った。
歴史ある静かな街並みの中に、ボタニカルな雰囲気と明るい照明が漏れるガラスのファサード。通りかかった人の多くは、そこが自転車店だとは気づかない。奈良市の中心地からそう遠くない八条通りに店を構える「リベレ(Re Belle.)」は、オープンから3年あまりで関西中のサイクリストに知られる存在になった。
その理由は、単純な品揃えではない。旧知の仲であるオーナーの松井響さんと、店長の小西悠貴さんが、こだわりをもって始めたリベレが目指すのは、「自転車屋さんに見えないサイクルショップ」。つまり買うためではなく、立ち寄るために足を運べる場所だ。併設のカフェスペースでコーヒーやノンアルビール片手に会話を楽しむ人、メンテナンスの合間にライドの相談をする人、初めてのスポーツバイクを見に来た人たちも。緩やかな空気が流れる店内では、そんな人たちが自然に交わる空気がある。
「せっかくなら、目的がなくても寄れる店をつくりたかったんです」と小西さんは言う。「買うときにだけ、メンテナンスを頼むときにだけ行く場所という自転車屋のイメージがあるじゃないですか。でもせっかくなら、目的がなくても寄れる場所にしたかった。おしゃべりをしたり、仲間と集まったり、気づいたら長居している。そんな空間を目指しました」。
店舗に並ぶのは、キャノンデールやピナレロ、サーヴェロ、オルベア、リドレー、チャプター2といったブランドのバイクに、カンパニョーロやリザーブのホイール、そして多くの品数を誇るアパレル類。ナチュラルな雰囲気の店内に選りすぐられた良品が並ぶ様は、セレクトショップという言葉が最適だ。
歴史ある静かな街並みの中に、ボタニカルな雰囲気と明るい照明が漏れるガラスのファサード。通りかかった人の多くは、そこが自転車店だとは気づかない。奈良市の中心地からそう遠くない八条通りに店を構える「リベレ(Re Belle.)」は、オープンから3年あまりで関西中のサイクリストに知られる存在になった。
その理由は、単純な品揃えではない。旧知の仲であるオーナーの松井響さんと、店長の小西悠貴さんが、こだわりをもって始めたリベレが目指すのは、「自転車屋さんに見えないサイクルショップ」。つまり買うためではなく、立ち寄るために足を運べる場所だ。併設のカフェスペースでコーヒーやノンアルビール片手に会話を楽しむ人、メンテナンスの合間にライドの相談をする人、初めてのスポーツバイクを見に来た人たちも。緩やかな空気が流れる店内では、そんな人たちが自然に交わる空気がある。
「せっかくなら、目的がなくても寄れる店をつくりたかったんです」と小西さんは言う。「買うときにだけ、メンテナンスを頼むときにだけ行く場所という自転車屋のイメージがあるじゃないですか。でもせっかくなら、目的がなくても寄れる場所にしたかった。おしゃべりをしたり、仲間と集まったり、気づいたら長居している。そんな空間を目指しました」。
店舗に並ぶのは、キャノンデールやピナレロ、サーヴェロ、オルベア、リドレー、チャプター2といったブランドのバイクに、カンパニョーロやリザーブのホイール、そして多くの品数を誇るアパレル類。ナチュラルな雰囲気の店内に選りすぐられた良品が並ぶ様は、セレクトショップという言葉が最適だ。
店名の「リベレ」は、ドイツ語でとんぼを意味する言葉だ。「いつでも前を向いて飛ぶとんぼのように、自由奔放な発想で楽しい店にしたい」という想いを込めた。それに加えて、「Re=繰り返し」「Belle=美しい人へ」という語の響きも重ねて、「自転車を通じて、健康で美しくあり続けたい女性サイクリストを応援する」という理念が込められている。
そう、リベレは女性にとって高く感じるロードバイクの敷居を、ぐっと下げることを目的にもしたお店。実際に女性スタッフが接客に立ち、ウェア選びやサドルの悩み、ライドの不安など、女性ならではの悩みに寄り添ってくれるのだ。
「女性が入りづらい自転車屋ってまだまだ多いですよね。でも、リベレは女性のお客さんが自然に話せる空気を大事にしています。お店のコーディネイトにもこだわって、初めてでも入店しやすいようにしています」と言うのは、リベレの顔役であり、SNSのインフルエンサーや、イベントMCとしても活躍する内藤英未さんだ。
正面玄関をくぐった先のティファニーブルーや、木を使った暖かい雰囲気、庭先のガーデンは、すべて内藤さん自身がコーディネイト。そして、店内スペースに置かれている女性向けアパレルブランド「Milibera(ミリベラ)」も、内藤さんがプロデュースするものだったりする。店内には女性の感性が自然に溶け込んでいるのだ。
内藤さんが企画するMiliberaのウェアは、きちんとイタリア製で、デザイン性だけでなく、走行中の快適さや日焼け対策、体型への配慮にも徹底してこだわっている。「ウェアがかわいいから始めてみたい、という動機でいいんです。自転車の世界って、まず見た目や気分から入ってもいいと思うんですよね。その最初の扉をもっと広くしたい」と内藤さんは言う。
実際に、リベレの女性客率は半数近くにも及ぶというからたいへん驚かされた。きめ細やかな配慮やサービス、女性だけのライドといったイベントを開催し、女性客が女性客を呼び、結果的に良いコミュニティができ上がるという好循環。「商品を買わなくたって全然OKです。ただお店に遊びに来る、コーヒーを飲みにくるだけでもいい。少しでも自転車に興味があるなら、ぜひ一度いらっしゃって欲しいですね」と内藤さんは言う。
そう、リベレは女性にとって高く感じるロードバイクの敷居を、ぐっと下げることを目的にもしたお店。実際に女性スタッフが接客に立ち、ウェア選びやサドルの悩み、ライドの不安など、女性ならではの悩みに寄り添ってくれるのだ。
「女性が入りづらい自転車屋ってまだまだ多いですよね。でも、リベレは女性のお客さんが自然に話せる空気を大事にしています。お店のコーディネイトにもこだわって、初めてでも入店しやすいようにしています」と言うのは、リベレの顔役であり、SNSのインフルエンサーや、イベントMCとしても活躍する内藤英未さんだ。
正面玄関をくぐった先のティファニーブルーや、木を使った暖かい雰囲気、庭先のガーデンは、すべて内藤さん自身がコーディネイト。そして、店内スペースに置かれている女性向けアパレルブランド「Milibera(ミリベラ)」も、内藤さんがプロデュースするものだったりする。店内には女性の感性が自然に溶け込んでいるのだ。
内藤さんが企画するMiliberaのウェアは、きちんとイタリア製で、デザイン性だけでなく、走行中の快適さや日焼け対策、体型への配慮にも徹底してこだわっている。「ウェアがかわいいから始めてみたい、という動機でいいんです。自転車の世界って、まず見た目や気分から入ってもいいと思うんですよね。その最初の扉をもっと広くしたい」と内藤さんは言う。
実際に、リベレの女性客率は半数近くにも及ぶというからたいへん驚かされた。きめ細やかな配慮やサービス、女性だけのライドといったイベントを開催し、女性客が女性客を呼び、結果的に良いコミュニティができ上がるという好循環。「商品を買わなくたって全然OKです。ただお店に遊びに来る、コーヒーを飲みにくるだけでもいい。少しでも自転車に興味があるなら、ぜひ一度いらっしゃって欲しいですね」と内藤さんは言う。
リベレに並ぶバイクやパーツ、アクセサリーなどは「売れるもの」ではなく、全てスタッフ自身が「信じられるもの」を基準にしたチョイス。それも、スペックや価格だけで判断するのではなく、ブランドを支える人、現場でその価値を伝える人、そしてそのブランドが持つ文化や哲学に共感できるかどうかがセレクト基準だ。
例えばバイクブランドで言うと、オープン当時から主軸を担うのはキャノンデールだ。クロスバイクから高級ロード、Eバイクまで幅広く展開し「スポーツバイクを始めるならまず触れてほしいブランド」としてリベレの顔になっているし、サーヴェロは松井さんが、ピナレロは小西さんが乗ってきたブランド。リドレーはシクロクロスを楽しむ層からの信頼を得ているし、チャプター2は内藤さんがデザインに魅入って乗っていたブランド。今はオルベアのカラーオーダー(MyO/マイオー)で自分好みのカラーを選択している。ウェアのデザインも手掛ける内藤さんに、カラーオーダーの相相談をできるのもオルベアを選択する魅力の一つだ。
リベレの強みは、「買う前に触れる」「乗って確かめる」体験を提供していることだ。大規模展のような在庫数ではないけれど、その一方で試乗車や市場ホイールを豊富にラインナップし、特に小柄な人や女性に嬉しいスモールサイズを置いていることもグッドポイント。油圧ディスクブレーキや、電動変速の試乗ももちろんOKで、オフロード人気を踏まえて各サイズのシクロクロス/グラベルバイクを置いているし、なんなら関西シクロクロスなどのレースで使うことだってできる(有料)のだ。
「普通、こんなに高いものを選ぶんだから、購入前に一度試したい、乗ってみたいって思うのは当然ですよね。でも、他のショップを見渡しても、試乗車を揃えているお店がいかに少ないことか。こういうサービスはどんどん普及していって欲しいし、そのきっかけになれたら嬉しい」と小西さんは言う。
買った後に不具合が出ないように、購入前・購入後のフィッティングサービスもバッチリ用意している。担当するのは大学時代にスポーツ医学を学んでいたという小西さん。小西さんはこれまで各社のフィッティングサービスを学んできたが、現在はマシンを使ったデジタル型ではなく、診察台を使って身体の可動域を見ながら行うアナログ式にこだわっている。サービスを何度も受けて、ベストポジションを探るリピーターも少なくないというから、その信頼度は非常に高い。
例えばバイクブランドで言うと、オープン当時から主軸を担うのはキャノンデールだ。クロスバイクから高級ロード、Eバイクまで幅広く展開し「スポーツバイクを始めるならまず触れてほしいブランド」としてリベレの顔になっているし、サーヴェロは松井さんが、ピナレロは小西さんが乗ってきたブランド。リドレーはシクロクロスを楽しむ層からの信頼を得ているし、チャプター2は内藤さんがデザインに魅入って乗っていたブランド。今はオルベアのカラーオーダー(MyO/マイオー)で自分好みのカラーを選択している。ウェアのデザインも手掛ける内藤さんに、カラーオーダーの相相談をできるのもオルベアを選択する魅力の一つだ。
リベレの強みは、「買う前に触れる」「乗って確かめる」体験を提供していることだ。大規模展のような在庫数ではないけれど、その一方で試乗車や市場ホイールを豊富にラインナップし、特に小柄な人や女性に嬉しいスモールサイズを置いていることもグッドポイント。油圧ディスクブレーキや、電動変速の試乗ももちろんOKで、オフロード人気を踏まえて各サイズのシクロクロス/グラベルバイクを置いているし、なんなら関西シクロクロスなどのレースで使うことだってできる(有料)のだ。
「普通、こんなに高いものを選ぶんだから、購入前に一度試したい、乗ってみたいって思うのは当然ですよね。でも、他のショップを見渡しても、試乗車を揃えているお店がいかに少ないことか。こういうサービスはどんどん普及していって欲しいし、そのきっかけになれたら嬉しい」と小西さんは言う。
買った後に不具合が出ないように、購入前・購入後のフィッティングサービスもバッチリ用意している。担当するのは大学時代にスポーツ医学を学んでいたという小西さん。小西さんはこれまで各社のフィッティングサービスを学んできたが、現在はマシンを使ったデジタル型ではなく、診察台を使って身体の可動域を見ながら行うアナログ式にこだわっている。サービスを何度も受けて、ベストポジションを探るリピーターも少なくないというから、その信頼度は非常に高い。
安心安全、プロ仕上げのバイクを日夜送り出すメカニック作業は、小西さんと、ニューカマーの若手、自檀地一(じだんじ・はじめ)さんのメインワーク。メカニック作業の徹底したこだわりが、お店が多くのリピーターを抱える理由の一つにもなっている。
「頼まれたことだけをやるんじゃなくて、その先を見て仕上げるのがうちのスタイルです。お客さんが何か一つ求めているなら、その2倍、3倍のサービスで返したい。そんな風に考えています」と言うのは小西さん。例えば変速調整だけで預けられたバイクでも、車体を拭きあげて、各部の締め付けや、機能をしっかりチェックしてから納車する(これはアピールしていることではなく、あくまで思いやりのサービスとして)。整備後に車体を受け取ったお客さんが「なんか気持ちいい」と言う、それがリベレの理想形だ。
例えば、メーカーから「7部組み」状態で入荷する完成車は、残りの3割を組み上げるのではなく、ヘッド周りも、ワイヤーやブレーキホースも、全てバラバラのゼロベースにしてから再び組み直す。ユーザーの乗り方に合わせてグリスの種類や使用量を変えたり、オフロード用の車両なら、それに合わせて「手」を加えたり...。リベレで取り扱いのないブランドのバイクだって持ち込み修理可能だし、出先でトラブルがあった人の駆け込み寺としての補修部品もきっちり揃えられている。特にスラム製品の在庫量には気を遣っているそうで、スラムのロードコンポを所有している方にとっては福音となるはずだ。
リベレを語るうえで欠かせないのが「販売」ではなく、「一緒に乗って楽しむ」を一番大切にしていること。周囲に広がる走りやすい環境でカフェライドを開催したり、週末には常連さん限定のライドを開催したり、お客さん同士が誘い合って出かけたり。昔ながらのショップのような「ショップチーム」という活動は行なっていないものの、シクロクロスレースにはみんな揃いのジャージで参加して、今や関西方面では大きな勢力になっているという。
さらには専用バスを使った長野方面へのライド企画、全日本チャンピオンを招いたシクロクロススクールなどなど、普通のショップとは一線を画した体験メニューの充実っぷりはものすごい。「もちろん持ち込み修理だってウェルカムですが、極論すると、うちで買わなかったら後悔する、レベルまでユーザーの満足度を上げたいと考えているんです」と松井さんは胸を張る。
クラブ活動が軌道に乗る一方で、リベレは地域との連携にも力を入れ始めている。近鉄との協業で進むサイクルトレイン構想や、地元ホテルとの連携による宿泊×自転車プランなど、奈良を「走って泊まる街」にするための動きが静かに始まっている。
「奈良は観光地として知られているけれど、宿泊者数は全国でも下位なんです。でも、自転車なら走る観光ができる。地域と連携して、サイクリングが新しい奈良の魅力になるような仕組みをつくりたいですね(松井さん)」
リベレが描く未来像は、単なるバイクショップの枠を超えている。ライダー同士がつながり、地域と人が交わり、走る文化そのものが奈良の風景の一部になる。その始まりが、八条通りの一軒のショップから始まっているのだ。
「頼まれたことだけをやるんじゃなくて、その先を見て仕上げるのがうちのスタイルです。お客さんが何か一つ求めているなら、その2倍、3倍のサービスで返したい。そんな風に考えています」と言うのは小西さん。例えば変速調整だけで預けられたバイクでも、車体を拭きあげて、各部の締め付けや、機能をしっかりチェックしてから納車する(これはアピールしていることではなく、あくまで思いやりのサービスとして)。整備後に車体を受け取ったお客さんが「なんか気持ちいい」と言う、それがリベレの理想形だ。
例えば、メーカーから「7部組み」状態で入荷する完成車は、残りの3割を組み上げるのではなく、ヘッド周りも、ワイヤーやブレーキホースも、全てバラバラのゼロベースにしてから再び組み直す。ユーザーの乗り方に合わせてグリスの種類や使用量を変えたり、オフロード用の車両なら、それに合わせて「手」を加えたり...。リベレで取り扱いのないブランドのバイクだって持ち込み修理可能だし、出先でトラブルがあった人の駆け込み寺としての補修部品もきっちり揃えられている。特にスラム製品の在庫量には気を遣っているそうで、スラムのロードコンポを所有している方にとっては福音となるはずだ。
リベレを語るうえで欠かせないのが「販売」ではなく、「一緒に乗って楽しむ」を一番大切にしていること。周囲に広がる走りやすい環境でカフェライドを開催したり、週末には常連さん限定のライドを開催したり、お客さん同士が誘い合って出かけたり。昔ながらのショップのような「ショップチーム」という活動は行なっていないものの、シクロクロスレースにはみんな揃いのジャージで参加して、今や関西方面では大きな勢力になっているという。
さらには専用バスを使った長野方面へのライド企画、全日本チャンピオンを招いたシクロクロススクールなどなど、普通のショップとは一線を画した体験メニューの充実っぷりはものすごい。「もちろん持ち込み修理だってウェルカムですが、極論すると、うちで買わなかったら後悔する、レベルまでユーザーの満足度を上げたいと考えているんです」と松井さんは胸を張る。
クラブ活動が軌道に乗る一方で、リベレは地域との連携にも力を入れ始めている。近鉄との協業で進むサイクルトレイン構想や、地元ホテルとの連携による宿泊×自転車プランなど、奈良を「走って泊まる街」にするための動きが静かに始まっている。
「奈良は観光地として知られているけれど、宿泊者数は全国でも下位なんです。でも、自転車なら走る観光ができる。地域と連携して、サイクリングが新しい奈良の魅力になるような仕組みをつくりたいですね(松井さん)」
リベレが描く未来像は、単なるバイクショップの枠を超えている。ライダー同士がつながり、地域と人が交わり、走る文化そのものが奈良の風景の一部になる。その始まりが、八条通りの一軒のショップから始まっているのだ。
アクセス
無料駐車場が8台。公共交通機関の場合は近鉄奈良駅から 青山住宅行きバスに乗車約5分で 「東之阪町」バス停 下車後すぐ。JR奈良駅西口から 青山住宅行きバスに乗車約12分で 「東之阪町」バス停 下車後すぐ。