今シーズンからイネオス・グレナディアーズの選手が着用を始めたカスクの新型エアロヘルメット”NIRVANA”が正式発表。耳まで覆うシェルデザインによってエアロダイナミクスを高めつつ、高い通気性、3Dプリント製インナーパッドによる安全性向上を実現した意欲作だ。



カスク NIRVANA (c)日直商会

イネオス・グレナディアーズの2024年チームキット発表当初より選手たちが着用を開始したカスクの新型ヘルメット。エアロモデルの”UTOPIA”に似た造形を持ち、その後継品として世界中の注目を集めた新型が正式発表となる。

モデル名はNIRVANA(ニルヴァーナ)。理想郷という意味を持つUTOPIAから、輪廻から解放されるた状態を示す涅槃=NIRVANAへと変貌を遂げたこの新型は、エアロダイナミクスと相反する通気性の両立という課題を解決し、レーサーを悩みから解き放つヘルメットを実現した。

先述したようにシェルの造形はUTOPIAらしさを残しているが、細部をチェックしてみると新たな形状へとアップデートされている。この造形の開発にはCFD解析が取り入れられており、エアロダイナミクスと通気性、内部温度管理を高いレベルで実現する形状を徹底的に煮詰められている。

後頭部は大胆に絞り込まれている (c)日直商会

その結果生み出されたのが、耳を覆うような独特のシェル造形だ。さらにUTOPIAよりも絞られた後頭部や、側頭部のベンチレーションホールを省略することで、ヘルメット周囲の空気を効率的に後方へ流し、空気抵抗を低減させている。

またUTOPIAと同じようなデザインのベンチレーションホールの大きさや配置がアップデートされている。このインテークから取り込まれた風は内部のダクトに沿って流れるため、前頭部と頭頂部の熱をヘルメット後方へと押し出してくれる。これらの設計によってNIRVANAは同クラスのエアロヘルメットよりも空気抵抗が35%、通気性は19%優れている性能を実現した。

エアロ、通気性、安全性に優れるNIRVANA (c)日直商会

安全性に関してはカスクの他モデルと同様にWG11テストに従って設計が行われている。これはカスク独自のテスト形式であり、回転方向の衝撃から頭部を守る性能を厳格な社内基準で見極め、プロテクション能力を高めている。

NIRVANAでは、サドルに採用されるような3Dプリント製ハニカム構造パッド”MULTIPODインナーパッド”を搭載し、直線的な衝撃と捩れ方向の衝撃を吸収できるようになっている。これによってWG11の基準もクリアし、脳に伝わる回転衝撃の低減を狙っている。このパッドは構造的に熱がこもりにくいため、長時間のライドで不快になりにくいはずだ。

3Dプリンター製MULTIPODパッドが搭載れている (c)日直商会

また一般的なクッションパッドは前面と上部側面に配置される。メリノウール製とされているため吸湿速乾性に富み、MULTIPODでは吸収できない汗の処理もしっかりと行ってくれる。メリノウールの防臭性もありがたい性能だ。

カラーラインアップはWHITE MATT、グラデーショングラフィックが映えるCHERRY BURST、BLUEBERRY FADEの3種類。サイズはMとL。重量はMサイズで270g。価格は46,200円(税込)。

カスク NIRVANA(CHERRY BURST) (c)日直商会

カスク NIRVANA(BLUEBERRY FADE) (c)日直商会
カスク NIRVANA(WHITE MATT) (c)日直商会





カスク NIRVANA
カラー:WHITE MATT、CHERRY BURST、BLUEBERRY FADE
サイズ:M、L
重量:270g(Mサイズ)
価格:46,200円(税込)

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