2024/04/15(月) - 13:15
スプリントバトルで決着したアムステルゴールドレース・レディースエディション。勝利を確信してガッツポーズを作るウィーベスをマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が追い抜き、母国で2度目の優勝を果たした。
劇的なスプリントで幕を閉じたパリ〜ルーベから7日後の4月14日(日)、オランダにて第10回アムステルゴールドレース・レディースエディションが開催された。男子と同じくアルデンヌクラシック3連戦(フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ)の初戦である本大会は、21の短い登り(ベルグ)と男子と同じく数多のコーナーが特徴のレースだ。
スタートラインの先頭に並んだのは、現在2連覇中のデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)。またチームメイトには世界王者ロッテ・コペッキー(ベルギー)やスプリンターのロレーナ・ウィーベス(オランダ)が揃い、この世界最強メンバーに挑むべく優勝経験者であるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)も出場した。
序盤に逃げを打ったのはクララ・エモンド(カナダ、EFエデュケーション・キャノンデール)とクインティ・ショーンズ(オランダ、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム)の2人。しかしスタート後46km地点で警察のモトバイクが事故を起こしたため、レースは一時中断する。1時間にも及んだ中断の末、レース距離が158kmから101.4kmに短縮。そのため合計3周する18kmコースからの再開となった。
それでもカウベルグ、ゴールヘマーベルグ、ベメラーベルクと主要なベルグを越える残り距離は55km。レースが再開して逃げを捉えたメイン集団からは優勝候補の一人であるエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)がカウベルグでアタックし、そこにキャニオン・スラムから登りが得意なニエウィアドマとエリーズ・シャベイ(スイス)が追従。遅れてフォレリングも合流したものの、協調体制が整わなかったためヒューマンパワードヘルスの牽引するプロトンに引き戻された。
すると今度はリカルダ・ボーンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム)ら3名が飛び出す。常にキャニオン・スラムが先手を取るなか、1分半のリードを許したプロトンではリドルのルシンダ・ブラント(オランダ)やロンゴボルギーニが積極的に仕掛け、フォレリングがこれらを自ら引き戻す。
そしてリドルが先導したメイン集団は、最大勾配11.8%のカウベルグ(残り2km)で逃げていた3名をキャッチ。ウィーベスのアシストを終えたコペッキーが役割を終えて遅れるなか、先頭ではニエウィアドマの加速にウィーベスやロンゴボルギーニが食らいつく。そして20名程度に絞られた集団は残り1kmを通過し、一度ペースが落ち着いた後、集団スプリントが幕開けた。
フォレリングが先頭で牽引しながら最終ストレートに突入し、その後フォスを背後につけたアンナ・ヘンダーソン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)に先頭が代わる。ロンゴボルギーニが先にスプリントを開始し、その左側とフェンスの間からウィーベスが飛び出した。
フェンスから少し内側に進路を取り、スピードに伸び悩む右側のファイファー・ジョルジ(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)を確認したウィーベスがフィニッシュ手前でガッツポーズを作る。しかしその更に左側からもがいたフォスが、フィニッシュライン手前でウィーベスを抜き去った。
母国オランダ最大のワンデーレースで、2021年大会に続く自身2度目の優勝を飾ったフォス。「信じられない勝利。もちろん勝つことができて嬉しいが、同時にウィーベスに同情する。なぜなら私も似た経験があるから。フィニッシュラインに向かって全力を尽くし、それが勝利に繋がった」と喜んだ。
一方、勝利を逃したウィーベスは「とても馬鹿らしいミスを犯してしまった。マリアンヌ・フォスが迫っていることを感じていなかった。きっと今夜は悪夢をみるだろう。厳しい現実だが良い教訓になった」と悔しさを語りながらも、表彰台では笑顔を見せた。
劇的なスプリントで幕を閉じたパリ〜ルーベから7日後の4月14日(日)、オランダにて第10回アムステルゴールドレース・レディースエディションが開催された。男子と同じくアルデンヌクラシック3連戦(フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ)の初戦である本大会は、21の短い登り(ベルグ)と男子と同じく数多のコーナーが特徴のレースだ。
スタートラインの先頭に並んだのは、現在2連覇中のデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)。またチームメイトには世界王者ロッテ・コペッキー(ベルギー)やスプリンターのロレーナ・ウィーベス(オランダ)が揃い、この世界最強メンバーに挑むべく優勝経験者であるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)も出場した。
序盤に逃げを打ったのはクララ・エモンド(カナダ、EFエデュケーション・キャノンデール)とクインティ・ショーンズ(オランダ、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム)の2人。しかしスタート後46km地点で警察のモトバイクが事故を起こしたため、レースは一時中断する。1時間にも及んだ中断の末、レース距離が158kmから101.4kmに短縮。そのため合計3周する18kmコースからの再開となった。
それでもカウベルグ、ゴールヘマーベルグ、ベメラーベルクと主要なベルグを越える残り距離は55km。レースが再開して逃げを捉えたメイン集団からは優勝候補の一人であるエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)がカウベルグでアタックし、そこにキャニオン・スラムから登りが得意なニエウィアドマとエリーズ・シャベイ(スイス)が追従。遅れてフォレリングも合流したものの、協調体制が整わなかったためヒューマンパワードヘルスの牽引するプロトンに引き戻された。
すると今度はリカルダ・ボーンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム)ら3名が飛び出す。常にキャニオン・スラムが先手を取るなか、1分半のリードを許したプロトンではリドルのルシンダ・ブラント(オランダ)やロンゴボルギーニが積極的に仕掛け、フォレリングがこれらを自ら引き戻す。
そしてリドルが先導したメイン集団は、最大勾配11.8%のカウベルグ(残り2km)で逃げていた3名をキャッチ。ウィーベスのアシストを終えたコペッキーが役割を終えて遅れるなか、先頭ではニエウィアドマの加速にウィーベスやロンゴボルギーニが食らいつく。そして20名程度に絞られた集団は残り1kmを通過し、一度ペースが落ち着いた後、集団スプリントが幕開けた。
フォレリングが先頭で牽引しながら最終ストレートに突入し、その後フォスを背後につけたアンナ・ヘンダーソン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)に先頭が代わる。ロンゴボルギーニが先にスプリントを開始し、その左側とフェンスの間からウィーベスが飛び出した。
フェンスから少し内側に進路を取り、スピードに伸び悩む右側のファイファー・ジョルジ(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)を確認したウィーベスがフィニッシュ手前でガッツポーズを作る。しかしその更に左側からもがいたフォスが、フィニッシュライン手前でウィーベスを抜き去った。
母国オランダ最大のワンデーレースで、2021年大会に続く自身2度目の優勝を飾ったフォス。「信じられない勝利。もちろん勝つことができて嬉しいが、同時にウィーベスに同情する。なぜなら私も似た経験があるから。フィニッシュラインに向かって全力を尽くし、それが勝利に繋がった」と喜んだ。
一方、勝利を逃したウィーベスは「とても馬鹿らしいミスを犯してしまった。マリアンヌ・フォスが迫っていることを感じていなかった。きっと今夜は悪夢をみるだろう。厳しい現実だが良い教訓になった」と悔しさを語りながらも、表彰台では笑顔を見せた。
アムステルゴールドレース・レディースエディション2024結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | 2:35:02 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
3位 | インヴィル・ゴーシャン(ノルウェー、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
4位 | ファイファー・ジョルジ(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
5位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | |
6位 | エレオノラ・ガスパリーニ(イタリア、UAEチームADQ) | |
7位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル) | |
8位 | アムベル・クラーク(オランダ、FDJスエズ) | |
9位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
10位 | ソラヤ・パラディン(イタリア、キャニオン・スラム) | |
22位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:07 |
77位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | +1:33 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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