2022/04/24(日) - 14:46
カブトの新たなトレイルヘルメット"FM-X"をインプレッション。前作FM-8よりも洗練されたデザインを与えられ、ゴーグルとの相性も向上したニューモデルをトレイルにてテストした。
シクロクロスやグラベルバイクを入り口に、オフロードバイクの世界に足を踏み入れたロードバイカーも増えてきた昨今。CW編集部にもその波は確実に来ており、フルサスMTBを手に入れる面子もちらほら。
ロードバイクユーザーがMTBを始めるにあたり、よく言われるのが「まずどんなバイク買えばいいの」という問題だ。諸説紛々として結論は出ない話題であるが、とりあえずある程度登りも下りも楽しめるオールマウンテン/トレイルバイクを手に入れたとする。事実私もそうしたのだが、次に待っているのが「何着ればいいの」という問題だ。
ウエアはもちろん、シューズそしてヘルメットもロードとMTBでは少し違ってくる。XCバイクであればジャージ&レーパンにロード系ヘルメットという組み合わせでも違和感ないけども、いわゆるトレイルライドでは、TPO的な意味でも、またプロテクションという面でも少し不安な面はある。
とはいえ、ウエアはアウトドアウェアでも問題ないし、シューズだってフラットペダルであればスニーカーやハイキングシューズで大丈夫。そうなると、まず揃えたいのはヘルメットということになる。
そのような中、カブトが発表したFM-Xは実に絶妙なところを突いてきた一着だ。まず、なんといってもカブトのヘルメットという安心感。近年、多くのブランドがアジアンフィットモデルを用意しているが、それでも多くの日本人サイクリストにとって身近な存在であり、「カブトなら間違いなく被りやすいだろう」という信頼感は、ヘルメットを選ぶ上で大きな要素だ。
実際、編集部に届いたFM-Xを被ってみてもその予想は全く裏切られなかった。モストロ以降歴代のカブトヘルメットに軒並みフィットする典型的な丸型頭の私にとって、FM-Xの被り心地は非常に馴染みやすかった。それでいて、後頭部まで覆うシェル形状は安心感がある。
デザイン面においても、最新バイクや流行のシンプルなウエアに合わせても違和感のないルックスに仕上げられている。つるりとした丸みを帯びた形状であった前作のFM-8と比べると、全体的に直線的なデザインを取り入れたFM-Xは一気にモダンな一着へと生まれ変わっている。
カブト自身、FM-Xはトレイル&アーバンヘルメットと位置付けているが、実際のところ「スポーツ用品感」は薄めであるし、アースカラーのマットグレーやマットコヨーテは普段着にもなじませやすく街中で被っていても違和感ないレベルまで洗練されている。
今回はゴーグルと組み合わせてみたが、バンドのおさまりも良くライド中にズレるような心配も無い。ゴーグルを使わない時には可動式のバイザーの下に収納でき、トレイルユースで不満が出ることは無いだろう。大ぶりなOTG(眼鏡対応)ゴーグルを使用していても着用時にヘルメットと干渉することも、収納時に不安定さを感じることも無かったので、普通サイズのゴーグルであればより使いやすいはずだ。
最高20℃ほどの気温下で、登って下ってを繰り返したが、頭部に熱がこもるような感覚もなく1日中被っていられるだけの通気性も有している。イザナギをはじめとしたレース用ヘルメットで培った技術が活かされているのだろう、ベンチレーションホールも大きく、また内部のエアチャネルもしっかり設計されているため空気抜けは非常に良好だ。
また、重量もかなり軽く作られている。ペダルアップ区間の長いトレイルがメインフィールドのライダーにとって、この軽さは魅力的だろう。
一点気になるとしたら、バイザーの長さだろうか。他ブランドのトレイルモデルに比べるとバイザーサイズはかなり小さめ。とはいえ、ここは好みの問題と言えるかもしれない。実際、バイザー付きのヘルメットを初めて被った時に、長めのバイザーに視界を遮られる不安感があったという知人もいる。初めてのトレイルヘルメットとして違和感少なく着用できるという狙いにおいては、正しい設計だと言えるだろう。
価格もこなれており、8000円でお釣りがくるのは嬉しいポイント。MTBを手に入れて、これからいろいろ揃えていこうという人にはピッタリだ。更に言えば、まだ自分のバイクは無いけれどパークやコースでバイクをレンタルして楽しんでいる、という人にもオススメだ。かさばるし値も張る本体はレンタルでも、身に着けるものを馴染んだものにするだけで、より楽しみの幅は広がるはずだ。
カブト FM-X
サイズ:M/L
カラー:マットオリーブ、マットブラック、マットグレー、マットコヨーテ、マットイエローグリーン、マットアッシュブルー
価格:7,920円(税込)
text:NaokiYasuoka
photo:Gakuto Fujiwara, Naoki Yasuoka
シクロクロスやグラベルバイクを入り口に、オフロードバイクの世界に足を踏み入れたロードバイカーも増えてきた昨今。CW編集部にもその波は確実に来ており、フルサスMTBを手に入れる面子もちらほら。
ロードバイクユーザーがMTBを始めるにあたり、よく言われるのが「まずどんなバイク買えばいいの」という問題だ。諸説紛々として結論は出ない話題であるが、とりあえずある程度登りも下りも楽しめるオールマウンテン/トレイルバイクを手に入れたとする。事実私もそうしたのだが、次に待っているのが「何着ればいいの」という問題だ。
ウエアはもちろん、シューズそしてヘルメットもロードとMTBでは少し違ってくる。XCバイクであればジャージ&レーパンにロード系ヘルメットという組み合わせでも違和感ないけども、いわゆるトレイルライドでは、TPO的な意味でも、またプロテクションという面でも少し不安な面はある。
とはいえ、ウエアはアウトドアウェアでも問題ないし、シューズだってフラットペダルであればスニーカーやハイキングシューズで大丈夫。そうなると、まず揃えたいのはヘルメットということになる。
そのような中、カブトが発表したFM-Xは実に絶妙なところを突いてきた一着だ。まず、なんといってもカブトのヘルメットという安心感。近年、多くのブランドがアジアンフィットモデルを用意しているが、それでも多くの日本人サイクリストにとって身近な存在であり、「カブトなら間違いなく被りやすいだろう」という信頼感は、ヘルメットを選ぶ上で大きな要素だ。
実際、編集部に届いたFM-Xを被ってみてもその予想は全く裏切られなかった。モストロ以降歴代のカブトヘルメットに軒並みフィットする典型的な丸型頭の私にとって、FM-Xの被り心地は非常に馴染みやすかった。それでいて、後頭部まで覆うシェル形状は安心感がある。
デザイン面においても、最新バイクや流行のシンプルなウエアに合わせても違和感のないルックスに仕上げられている。つるりとした丸みを帯びた形状であった前作のFM-8と比べると、全体的に直線的なデザインを取り入れたFM-Xは一気にモダンな一着へと生まれ変わっている。
カブト自身、FM-Xはトレイル&アーバンヘルメットと位置付けているが、実際のところ「スポーツ用品感」は薄めであるし、アースカラーのマットグレーやマットコヨーテは普段着にもなじませやすく街中で被っていても違和感ないレベルまで洗練されている。
今回はゴーグルと組み合わせてみたが、バンドのおさまりも良くライド中にズレるような心配も無い。ゴーグルを使わない時には可動式のバイザーの下に収納でき、トレイルユースで不満が出ることは無いだろう。大ぶりなOTG(眼鏡対応)ゴーグルを使用していても着用時にヘルメットと干渉することも、収納時に不安定さを感じることも無かったので、普通サイズのゴーグルであればより使いやすいはずだ。
最高20℃ほどの気温下で、登って下ってを繰り返したが、頭部に熱がこもるような感覚もなく1日中被っていられるだけの通気性も有している。イザナギをはじめとしたレース用ヘルメットで培った技術が活かされているのだろう、ベンチレーションホールも大きく、また内部のエアチャネルもしっかり設計されているため空気抜けは非常に良好だ。
また、重量もかなり軽く作られている。ペダルアップ区間の長いトレイルがメインフィールドのライダーにとって、この軽さは魅力的だろう。
一点気になるとしたら、バイザーの長さだろうか。他ブランドのトレイルモデルに比べるとバイザーサイズはかなり小さめ。とはいえ、ここは好みの問題と言えるかもしれない。実際、バイザー付きのヘルメットを初めて被った時に、長めのバイザーに視界を遮られる不安感があったという知人もいる。初めてのトレイルヘルメットとして違和感少なく着用できるという狙いにおいては、正しい設計だと言えるだろう。
価格もこなれており、8000円でお釣りがくるのは嬉しいポイント。MTBを手に入れて、これからいろいろ揃えていこうという人にはピッタリだ。更に言えば、まだ自分のバイクは無いけれどパークやコースでバイクをレンタルして楽しんでいる、という人にもオススメだ。かさばるし値も張る本体はレンタルでも、身に着けるものを馴染んだものにするだけで、より楽しみの幅は広がるはずだ。
カブト FM-X
サイズ:M/L
カラー:マットオリーブ、マットブラック、マットグレー、マットコヨーテ、マットイエローグリーン、マットアッシュブルー
価格:7,920円(税込)
text:NaokiYasuoka
photo:Gakuto Fujiwara, Naoki Yasuoka
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