2022/03/11(金) - 12:57
総合勢によるアタック合戦が繰り広げられたティレーノ~アドリアティコ4日目。緩勾配の登坂勝負をタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が制し、ガンナとエヴェネプールを抜き総合トップに躍り出た。
ティレーノ~アドリアティコ第4ステージは古代ローマ人によって作られたマルモレの滝を出発し、アペニン山脈を越えてアドリア海に近いベッランテを目指す202km。序盤から標高1,105mまで登って東へ緩やかに下り、終盤は丘の上にある街ベッランテの周回コース(20km)を2周する。フィニッシュへと続く距離4.2km/平均勾配5.7%の坂を3度登るため、過去2ステージで活躍したスプリンターではなく、パンチャーや総合を狙うクライマーたちが激しい勝負を繰り広げた。
前日勝者のユアンがキャリア最大の目標と語るミラノ〜サンレモ(3月19日)に向け棄権したこの日、ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)やクリス・ハミルトン(オーストラリア、チームDSM)ら、総合成績で遅れたクライマーも含む10名の逃げグループが先行。この逃げに乗ったクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)が山岳ポイントのつく3つの山頂をトップで通過し、ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)を逆転して山岳賞ジャージを確定させた。
一方、39歳のマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、UAEチームエミレーツ)と23歳ミッケル・ビョーグ(デンマーク)がペースメイクを担ったプロトンでは、最大5分あった逃げとの差が、3分を下回った残り50km地点でマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が落車する。その後無事に集団復帰を果たしたコルトを含むメイン集団は、ベッランテの周回コースに入りバラバラに遅れてくる逃げを吸収。単独先頭となったシモンズが40秒のリードで最終周回に突入していった。
残り13kmでシモンズが吸収されると同時に、エースのペテル・サガン(スロバキア)が去ったトタルエネルジーのヴァランタン・フェロン(フランス)が単独アタックを見せる。それをトレック・セガフレードの隊列の先頭についたシモンズが自ら引き戻すと、3度目のベッランテの登りに入り、いよいよ総合勢による登坂バトルが始まった。
アタックの口火を切ったのはロマン・バルデ(フランス、チームDSM)。その動きをマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)が潰し、ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)とミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン)が続いてジャブを打つ。これにソレルが遅れ単独になったポガチャルが自ら反応していった。
フィニッシュまで2kmを残し、ここまで集団後方で息を潜めていたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)がスルスルと前に上がり加速する。だが勾配6%と緩い登りでは決まらず、30名程度で残り1km地点をリッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)を先頭に通過。ラフェによる二度目のアタックを利用し、ポガチャルがここで自ら飛び出した。
ダンシングで加速するポガチャルのスピードにライバルたちはついていくことができない。一気に後続との差を広げたツール・ド・フランス覇者が、そのままフィニッシュラインで両手を広げた。
「今日はどのチームも集団牽引をしたがらなかったので、僕たちが200kmに渡って前に出た。最後はアタックに反応しなければその選手がそのままフィニッシュまで行ってしまうような登りだった。今日は必ずしも勝つ必要があったわけではないが、仲間の頑張りに勝利で報いたかった」と、ポガチャルは余裕すら漂わせるコメントとともにレースを振り返った。
ボーナスタイムを加算したポガチャルは、登りで遅れたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)とエヴェネプールを逆転して首位浮上。今シーズンはUAEツアーで総合優勝を挙げ、ストラーデ・ビアンケも優勝と完璧な滑り出しを見せるポガチャルが、総合優勝を大きく引き寄せている。
ステージ2位にはヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が2秒差で入り、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)は同タイムの4位でフィニッシュして総合2位をキープしている。
ティレーノ~アドリアティコ第4ステージは古代ローマ人によって作られたマルモレの滝を出発し、アペニン山脈を越えてアドリア海に近いベッランテを目指す202km。序盤から標高1,105mまで登って東へ緩やかに下り、終盤は丘の上にある街ベッランテの周回コース(20km)を2周する。フィニッシュへと続く距離4.2km/平均勾配5.7%の坂を3度登るため、過去2ステージで活躍したスプリンターではなく、パンチャーや総合を狙うクライマーたちが激しい勝負を繰り広げた。
前日勝者のユアンがキャリア最大の目標と語るミラノ〜サンレモ(3月19日)に向け棄権したこの日、ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)やクリス・ハミルトン(オーストラリア、チームDSM)ら、総合成績で遅れたクライマーも含む10名の逃げグループが先行。この逃げに乗ったクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)が山岳ポイントのつく3つの山頂をトップで通過し、ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)を逆転して山岳賞ジャージを確定させた。
一方、39歳のマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、UAEチームエミレーツ)と23歳ミッケル・ビョーグ(デンマーク)がペースメイクを担ったプロトンでは、最大5分あった逃げとの差が、3分を下回った残り50km地点でマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が落車する。その後無事に集団復帰を果たしたコルトを含むメイン集団は、ベッランテの周回コースに入りバラバラに遅れてくる逃げを吸収。単独先頭となったシモンズが40秒のリードで最終周回に突入していった。
残り13kmでシモンズが吸収されると同時に、エースのペテル・サガン(スロバキア)が去ったトタルエネルジーのヴァランタン・フェロン(フランス)が単独アタックを見せる。それをトレック・セガフレードの隊列の先頭についたシモンズが自ら引き戻すと、3度目のベッランテの登りに入り、いよいよ総合勢による登坂バトルが始まった。
アタックの口火を切ったのはロマン・バルデ(フランス、チームDSM)。その動きをマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)が潰し、ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)とミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン)が続いてジャブを打つ。これにソレルが遅れ単独になったポガチャルが自ら反応していった。
フィニッシュまで2kmを残し、ここまで集団後方で息を潜めていたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)がスルスルと前に上がり加速する。だが勾配6%と緩い登りでは決まらず、30名程度で残り1km地点をリッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)を先頭に通過。ラフェによる二度目のアタックを利用し、ポガチャルがここで自ら飛び出した。
ダンシングで加速するポガチャルのスピードにライバルたちはついていくことができない。一気に後続との差を広げたツール・ド・フランス覇者が、そのままフィニッシュラインで両手を広げた。
「今日はどのチームも集団牽引をしたがらなかったので、僕たちが200kmに渡って前に出た。最後はアタックに反応しなければその選手がそのままフィニッシュまで行ってしまうような登りだった。今日は必ずしも勝つ必要があったわけではないが、仲間の頑張りに勝利で報いたかった」と、ポガチャルは余裕すら漂わせるコメントとともにレースを振り返った。
ボーナスタイムを加算したポガチャルは、登りで遅れたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)とエヴェネプールを逆転して首位浮上。今シーズンはUAEツアーで総合優勝を挙げ、ストラーデ・ビアンケも優勝と完璧な滑り出しを見せるポガチャルが、総合優勝を大きく引き寄せている。
ステージ2位にはヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が2秒差で入り、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)は同タイムの4位でフィニッシュして総合2位をキープしている。
ティレーノ〜アドリアティコ2022第4ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 4:48:39 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 0:02 |
3位 | ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス) | |
4位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
5位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:05 |
6位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
8位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 14:36:47 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 0:09 |
3位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:21 |
4位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | 0:36 |
5位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:43 |
6位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 0:45 |
7位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン) | 0:50 |
8位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | 0:56 |
9位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 1:02 |
10位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | 1:04 |
その他の特別賞
ポイント賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード) |
ヤングライダー賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp