2021/11/29(月) - 10:06
ワイ・インターナショナルが毎年開催している社内試乗会にシクロワイアード編集部員もお邪魔した。48社・82ブランドが出展した一大試乗会に登場した新製品をチェック。Vol.2はカブト、東京サンエスをピックアップした。
ビアンキ:ディスク化したオールラウンダー、Specialissima 新作グラベルARCADEX
チェレステカラーが人気を集めるイタリアの老舗、ビアンキは数多くの試乗車を用意してワイスタッフをお出迎え。京都店や名古屋店などビアンキのショップインショップを多く展開しているワイズロードだけに、その注目度はなおさら高かったようだ。
エントリーモデルからハイエンドバイクまで、ほぼ全てのモデルの試乗車を展開したビアンキだが、やはり注目を集めていたのは、最新鋭のハイエンドレーシングバイク、Specialissimaだ。リムブレーキ時代では、超軽量クライミングバイクという位置づけであったが、モデルチェンジによってよりオールラウンドなレースバイクへと進化を果たした。
ディスクブレーキ化はもちろんのこと、ケーブルフル内装や各チューブのエアロ化によって空力性能を改善し、山岳だけではなくあらゆるシーンに対応するように。もちろん、ビアンキの誇る振動除去テクノロジー「カウンターヴェイル」による優れた快適性もあいまって全方位で活躍できる性能を身に着けている。
もう一つの注目作が昨今流行の兆しを見せるグラベルバイクであるARCADEX。現在グラベルバイクといえば、アンバウンドグラベルをはじめとしたグラベルレースに照準を合わせた高速モデルと、キャンプツーリングなどに対応するアドベンチャーモデルに大別されるが、ARCADEXはちょうどその中庸を狙った一台。
キビキビとした走りを実現している一方で、多くのストレージを装着できる拡張性を備えており、非常に多くの用途において活躍が期待できる。ビアンキらしいユニークなデザインも魅力的なポイントで、他のグラベルバイクとは趣を異にした雰囲気を纏った一台だ。
岩井商会:街乗りもグラベルも、シングルもギアードでも。チネリ TUTTO
京都から出展した岩井商会。様々なサイクルパーツを手掛ける代理店だが、近年力を入れているのがチネリのストリート系ラインアップ。イタリアの老舗ブランドでありがら、ピストカルチャーにも造詣の深いチネリの魅力を、精力的に伝えてくれる存在だ。
今回の試乗会のイチオシモデルはTUTTO PLUSというスチールバイク。フィレット仕上げのホリゾンタルフレームに、レモンイエローからグリーンへとグラデーションするフロントフォークを組み合わせた独創的なカラーリングが目を引く一台だ。
一見、オーソドックスなストリートピストのように見えるが、実はさにあらず。イタリア語で"全て"というモデル名の通り、様々な用途に対応したユーティリティバイクなのだ。ブレーキがVブレーキを採用しているのも、太いタイヤクリアランスを実現するため。最大45mm幅まで対応し、グラベルタイヤを余裕で飲み込む懐の深さを有している。
リアエンドも、トラックエンドにディレイラーハンガーを合体させたユニークな設計で、シングルスピードでも使えるし、ギアードにも出来る。更にフォークダボやキャリアダボなども設けられ、ツーリングバイク的なカスタムにも対応する、まさに使い方、組み方によってどんなバイクにも仕上げられるフレームとなっている。
ウィンクレル:ハイエンドE-MTBの定番に サンタクルズ HECKLER ユニークな小物も充実
サンタクルズやダイヤモンドなどMTBやトライアスロンの世界における、いわゆるハイブランドを中心に扱うウィンクレル。今回の試乗会で最も人気を集めていたのは、サンタクルズのE-MTBであるHECKLERだろう。
サンタクルズの人気の源でもあるVPPリンクをそのままにシマノSTEPSを組み合わせることで、登りも下りも100%楽しめる前後150mmのトレイルバイクとしてデビューした27.5インチモデル。ロードを中心に据えるワイズロードだが、MTBに造詣の深いスタッフがかわるがわるテストしていた様子。
他にもノースウェーブのシューズやSQラボのサドル、IONのプロテクター類なども展示。中でも注目なのが、サンタクルズの展開するホイールブランド、リザーブからリリースされた新作チューブレスバルブ。
イチから設計を見直し、バルブコアを廃止することで空気流量を大幅に増加させたこのチューブレスバルブは、シーラントによる目詰まり防止やビードを上げやすいといった様々な利点を持っている。既存のチューブレスバルブに不満を持っている人にはぜひ一度試してほしいプロダクトだ。
カブト:フラッグシップIZANAGIの新色と、アーバン用のCanvas
IZANAGIは高温多湿の状況下で開催される五輪のために開発されたカブトのフラッグシップであるのはご存知だろう。そのIZANAGIに追加された新色マットオリーブオレンジとパールホワイトレッドが展示されており、一足早くその色味をチェック。
マットオリーブオレンジのメインカラーはミリタリーアイテムのようなシックな風合いで、リアのオレンジが映えるルックス。アースカラーが多いグラベル系のウェアとの相性が良さそうだ。
また2021年のラインアップではVOLZZAも注目だ。ミドルグレードながらIZANAGIと同じBOAアジャスターを使い、非常に細かいフィッティング調整を行えることが特徴。もちろん帽体の通気性なども優れており、非常にコストパフォーマンスに優れるモデルとしてラインアップされている。
また、カブトから登場したCanvasというアーバンヘルメットも目を引く存在。スポーツモデルが中心のラインアップにおいて街乗り用にフォーカスしたデザイン、手頃な価格設定で一際目立つモデルで、ロードバイクで遊ぶサイクリストも、ちょい乗りで小径車やクロスバイク、軽快車に乗る時も着用しやすいだろう。安全に自転車に乗ってもらいたいというカブトの想いから用意されるヘルメットもチェックしてもらいたい。
東京サンエス:モデルチェンジを果たしたアルミシクロクロスレーサー JFF #807
ロードとグラベルの間に位置づけられるオールロードのような存在の自転車をいち早く用意してきた東京サンエスのワンバイエス。自転車遊びに求められるスペックや性能を見極め、常に独自の歩みを進めることでサイクリストのニーズに応えてきた存在だ。
そんなワンバイエスは今年シクロクロスレーサーのフルモデルチェンジを行った。今回ももちろんCX全日本選手権を9連覇した辻浦圭一氏によるテストを経てリリースされているモデルであり、その走りの方向性は前モデルから継承されている。
複雑な太さと形状のチェーンステーとシートステーの造形から、リアバックの性能を煮詰めていることがうかがえる自転車だ。今作には筧五郎氏や現在ヨーロッパでCXシーズンを過ごしている鈴木来人の意見も反映された。フロントセンターを伸ばすことで前輪とシューズが当たりにくくなっているという。
カタログスペックにヘッドアングルが記載されていないのは企業秘密とのことだ。シクロクロスの有力選手たちの意見が反映されたアルミレーサーの走行感はぜひ試してもらいたい。
ビアンキ:ディスク化したオールラウンダー、Specialissima 新作グラベルARCADEX
チェレステカラーが人気を集めるイタリアの老舗、ビアンキは数多くの試乗車を用意してワイスタッフをお出迎え。京都店や名古屋店などビアンキのショップインショップを多く展開しているワイズロードだけに、その注目度はなおさら高かったようだ。
エントリーモデルからハイエンドバイクまで、ほぼ全てのモデルの試乗車を展開したビアンキだが、やはり注目を集めていたのは、最新鋭のハイエンドレーシングバイク、Specialissimaだ。リムブレーキ時代では、超軽量クライミングバイクという位置づけであったが、モデルチェンジによってよりオールラウンドなレースバイクへと進化を果たした。
ディスクブレーキ化はもちろんのこと、ケーブルフル内装や各チューブのエアロ化によって空力性能を改善し、山岳だけではなくあらゆるシーンに対応するように。もちろん、ビアンキの誇る振動除去テクノロジー「カウンターヴェイル」による優れた快適性もあいまって全方位で活躍できる性能を身に着けている。
もう一つの注目作が昨今流行の兆しを見せるグラベルバイクであるARCADEX。現在グラベルバイクといえば、アンバウンドグラベルをはじめとしたグラベルレースに照準を合わせた高速モデルと、キャンプツーリングなどに対応するアドベンチャーモデルに大別されるが、ARCADEXはちょうどその中庸を狙った一台。
キビキビとした走りを実現している一方で、多くのストレージを装着できる拡張性を備えており、非常に多くの用途において活躍が期待できる。ビアンキらしいユニークなデザインも魅力的なポイントで、他のグラベルバイクとは趣を異にした雰囲気を纏った一台だ。
岩井商会:街乗りもグラベルも、シングルもギアードでも。チネリ TUTTO
京都から出展した岩井商会。様々なサイクルパーツを手掛ける代理店だが、近年力を入れているのがチネリのストリート系ラインアップ。イタリアの老舗ブランドでありがら、ピストカルチャーにも造詣の深いチネリの魅力を、精力的に伝えてくれる存在だ。
今回の試乗会のイチオシモデルはTUTTO PLUSというスチールバイク。フィレット仕上げのホリゾンタルフレームに、レモンイエローからグリーンへとグラデーションするフロントフォークを組み合わせた独創的なカラーリングが目を引く一台だ。
一見、オーソドックスなストリートピストのように見えるが、実はさにあらず。イタリア語で"全て"というモデル名の通り、様々な用途に対応したユーティリティバイクなのだ。ブレーキがVブレーキを採用しているのも、太いタイヤクリアランスを実現するため。最大45mm幅まで対応し、グラベルタイヤを余裕で飲み込む懐の深さを有している。
リアエンドも、トラックエンドにディレイラーハンガーを合体させたユニークな設計で、シングルスピードでも使えるし、ギアードにも出来る。更にフォークダボやキャリアダボなども設けられ、ツーリングバイク的なカスタムにも対応する、まさに使い方、組み方によってどんなバイクにも仕上げられるフレームとなっている。
ウィンクレル:ハイエンドE-MTBの定番に サンタクルズ HECKLER ユニークな小物も充実
サンタクルズやダイヤモンドなどMTBやトライアスロンの世界における、いわゆるハイブランドを中心に扱うウィンクレル。今回の試乗会で最も人気を集めていたのは、サンタクルズのE-MTBであるHECKLERだろう。
サンタクルズの人気の源でもあるVPPリンクをそのままにシマノSTEPSを組み合わせることで、登りも下りも100%楽しめる前後150mmのトレイルバイクとしてデビューした27.5インチモデル。ロードを中心に据えるワイズロードだが、MTBに造詣の深いスタッフがかわるがわるテストしていた様子。
他にもノースウェーブのシューズやSQラボのサドル、IONのプロテクター類なども展示。中でも注目なのが、サンタクルズの展開するホイールブランド、リザーブからリリースされた新作チューブレスバルブ。
イチから設計を見直し、バルブコアを廃止することで空気流量を大幅に増加させたこのチューブレスバルブは、シーラントによる目詰まり防止やビードを上げやすいといった様々な利点を持っている。既存のチューブレスバルブに不満を持っている人にはぜひ一度試してほしいプロダクトだ。
カブト:フラッグシップIZANAGIの新色と、アーバン用のCanvas
IZANAGIは高温多湿の状況下で開催される五輪のために開発されたカブトのフラッグシップであるのはご存知だろう。そのIZANAGIに追加された新色マットオリーブオレンジとパールホワイトレッドが展示されており、一足早くその色味をチェック。
マットオリーブオレンジのメインカラーはミリタリーアイテムのようなシックな風合いで、リアのオレンジが映えるルックス。アースカラーが多いグラベル系のウェアとの相性が良さそうだ。
また2021年のラインアップではVOLZZAも注目だ。ミドルグレードながらIZANAGIと同じBOAアジャスターを使い、非常に細かいフィッティング調整を行えることが特徴。もちろん帽体の通気性なども優れており、非常にコストパフォーマンスに優れるモデルとしてラインアップされている。
また、カブトから登場したCanvasというアーバンヘルメットも目を引く存在。スポーツモデルが中心のラインアップにおいて街乗り用にフォーカスしたデザイン、手頃な価格設定で一際目立つモデルで、ロードバイクで遊ぶサイクリストも、ちょい乗りで小径車やクロスバイク、軽快車に乗る時も着用しやすいだろう。安全に自転車に乗ってもらいたいというカブトの想いから用意されるヘルメットもチェックしてもらいたい。
東京サンエス:モデルチェンジを果たしたアルミシクロクロスレーサー JFF #807
ロードとグラベルの間に位置づけられるオールロードのような存在の自転車をいち早く用意してきた東京サンエスのワンバイエス。自転車遊びに求められるスペックや性能を見極め、常に独自の歩みを進めることでサイクリストのニーズに応えてきた存在だ。
そんなワンバイエスは今年シクロクロスレーサーのフルモデルチェンジを行った。今回ももちろんCX全日本選手権を9連覇した辻浦圭一氏によるテストを経てリリースされているモデルであり、その走りの方向性は前モデルから継承されている。
複雑な太さと形状のチェーンステーとシートステーの造形から、リアバックの性能を煮詰めていることがうかがえる自転車だ。今作には筧五郎氏や現在ヨーロッパでCXシーズンを過ごしている鈴木来人の意見も反映された。フロントセンターを伸ばすことで前輪とシューズが当たりにくくなっているという。
カタログスペックにヘッドアングルが記載されていないのは企業秘密とのことだ。シクロクロスの有力選手たちの意見が反映されたアルミレーサーの走行感はぜひ試してもらいたい。
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