2021/06/24(木) - 23:00
イネオス・グレナディアーズのグランツール総合優勝量産体制を支えるピナレロの最高峰モデル、DOGMAがフルモデルチェンジを果たす。3Dプリントチタンパーツの採用などによる265gの軽量化とBB剛性強化、さら空力特性改善など、正常進化を果たした「DOGMA F」が誕生した。
ピナレロ DOGMA F DISC(プルトニウムフラッシュ) (c)kenta Onoguchi
ピナレロが誇るフラッグシップモデル、DOGMA。直近の10年に開催されたツール・ド・フランスのうち、実に7度もの総合優勝射止めた「グランツールウィナー」であり、50km/hで駆け抜ける平坦ステージから過酷な山岳ステージまで1台でトッププロからの厳しい要求に応え、そして勝利を量産してきた。
F8、F10、F12。1つ飛ばしで続いてきた新世代DOGMA最新モデルの名は「DOGMA F(ドグマ・エフ)」。これまで7世代続いた数値コードが取り除かれた理由は「DOGMAはピナレロにとって唯一無二のアイコンであり、数字や表面的な分類を超えた存在(ピナレロの発表より)」であるため。モデルに拠らないドリームバイクであり続けるべく、過去と現在のシンボルとしてシンプルな”F”を用いると同時に、未来のアイデンティティをも表現したという。
DOGMA F12からの改善点は大きく分けて265gの軽量化と12%のBB剛性強化、さらにフレーム各部のシェイプアップによる4.8%の空力特性向上という3項目だ。あらゆるステージを1台でこなすという歴代DOGMAが挑んできた難問に対し、ピナレロ開発陣は市販モデル初の3Dプリントチタンパーツ採用など最新テクノロジーを駆使しながら、そしてピナレロならではの美しさの追求という正攻法でDOGMA Fを導き出した。
より軽く、より強く、より速く。大幅な形状変更なく3つの要素を高めている (c)kenta Onoguchi
BOLIDEに基づいたブレード形状を採用したフロントフォーク (c)kenta Onoguchi
上下ベアリング径は1.5インチ。ヘッドチューブはF12よりもエアロを意識した形状に (c)kenta Onoguchi
従来語られてきたように、ピュアオールラウンダーたるDOGMAは空力特性やジオメトリー、強度、剛性、快適性のバランスの上に成り立つもの。F8時点から継続されているフレームの開発指標(=性能バランスと安全性を担保する)重量は53サイズで850gであり、それはこのDOGMA Fでも変わらない。その代わりに細部パーツを全て見直すことでトータル265gものダイエットに成功している。
例えば、イタリアのマテリアライズ社とパートナーシップを組んで生まれた3Dチタンプリントによるシートクランプのヤグラは-35g。空力を意識して薄型になったシートポストは-27g、ヘッドセットで-25g、フロントフォークで58g、スルーアクスルで20g、新しい製造過程を取り入れた新型「TALON ULTRAFAST」ハンドルバーは40g。
フレーム重量こそディスクで865g、リムで860g(共に530サイズ、塗装前)とF12から特段変化しないものの、スラムRED eTAP AXSとDTスイスのARC1400ホイールで組み上げたディスク版で6.9kg、シマノデュラエースDi2とDTスイスのARC1400ホイールで組み上げたディスク版で6.8kgとUCIルールギリギリの軽さまで、そして同仕様のリムブレーキ版では6.8kgを下回るまでに仕上げられた。
DOGMAらしい造形美はそのまま。よりメリハリの効いたフォルムとなった (c)kenta Onoguchi
ダウンチューブはボトルケージ装着を考慮したエアロフォルム (c)kenta Onoguchi
BB剛性は12%向上。規格はイタリアンスレッドを継続 (c)kenta Onoguchi
シートポストは27gもの軽量化を果たした。F12よりも目に見えて薄い (c)kenta Onoguchi
リアバックは左右非対称形状がより進化。エアロダイナミクスも向上 (c)kenta Onoguchi
イネオス・グレナディアーズからの要求に応えるため、そして何より、リムブレーキを使う一般ユーザーの声に応えるため。ピナレロはディスクブレーキのみならず、リムブレーキ版のフレームも同時にラインナップを行った。当然それぞれブラッシュアップされており、剛性強化と軽量化を経ているという。
F12よりも鋭利で、刃物のように薄くなったフレームフォルムは空力改善のため。フロントフォークはTTバイク、BOLIDEに基づいたブレード形状を採用したことで、横風下ではヨットセイルのように前進する動きを促進するよう機能する。これは横風が強くなるにつれて増幅するという。
新しい製造過程を取り入れた新型「TALON ULTRAFAST」ハンドルバー (c)kenta Onoguchi
ピナレロによる設計がさりげなくアピールされる (c)kenta Onoguchi
シートクランプのヤグラはピナレロ市販モデル初となる3Dチタンプリント製だ (c)kenta Onoguchi
CFD解析によれば、フレーム全体ではF12比較でリムブレーキが3.2%の、ディスクブレーキでは4.8%もの特性向上を叶えた。これは40km/h時に1.3ワット、50km/h時には2.6ワットのエネルギーセーブを可能とする数値であり、より高速化するロードレースにおいては大きなアドバンテージになる。
ピナレロのお家芸と言える左右非対称形状はより進化し、そのフレームを形作るのは東レが誇るT1100 1Kナノアロイ。イタリアンスレッド式のボトムブラケットと、上下1.5インチの大径ヘッドベアリングはF12から引き継がれている。
ピナレロ DOGMA F(イルプションレッド) (c)ピナレロジャパン
ピナレロ DOGMA F(ブラックオンブラック) (c)ピナレロジャパン
また、ピナレロの良心と言える細かなサイズラインナップも継続採用されており、430から620まで11ものフレームサイズが用意される。TALON ULTRAFASTのハンドルサイズは16、シートポストはセットバック量の差で2種類、つまり合計352もの組み合わせから最適なポジションを選び出せる。
DOGMA Fはフレームセットで発売され、ディスクとリムは共に税込93万5千円。カラーはシルバーが印象的なプルトニウムフラッシュとイルプションレッド、そしてブラックオンブラックという3カラー展開となる。
安定したハンドリングはピナレロの、そしてDOGMAの真骨頂 (c)ピナレロジャパン
DOGMA Fを試すテイオ・ゲイガンハートとゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ) (c)ピナレロジャパン
グランツール常勝マシン、DOGMAの最新モデルの初陣は、マイヨジョーヌ奪還を狙うツール・ド・フランス。チームプレゼンテーションの舞台上で、イネオスカラーに塗られたDOGMA Fがお目見えすることとなる。
ピナレロ DOGMA F
素材: Carbon Torayca T1100 1K Dream Carbon with Nanoalloy Technology
フレーム: Asymmetric frame
フォーク:Onda Fork Dogma F with ForkFlap
ステアリングコラム径: 1.5 upper and lower steerer
ボトムブラケット規格: Italian thread BB
シートクランプ: Seatclamp Twin Force
シートやぐら: 3D printed titanium top seatclamp
リムブレーキ規格:Direct mount rim brake
最大タイヤサイズ:622x28c
サイズ:430、465、500、515、530、540、550、560、575、595、620(CC)
カラー:PLUTONIUM FLASH、ERUPTION RED、BLACK ON BLACK
ディスクブレーキ仕様
ブレーキ規格:Disc flat mount、最大160mm、リア-TA142
重量:865g ※サイズ530:塗装前
価格:935,000円(税込)
リムブレーキ仕様
ブレーキ規格:Direct mount rim brake
重量:860g
価格:935,000円(税込)
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ピナレロが誇るフラッグシップモデル、DOGMA。直近の10年に開催されたツール・ド・フランスのうち、実に7度もの総合優勝射止めた「グランツールウィナー」であり、50km/hで駆け抜ける平坦ステージから過酷な山岳ステージまで1台でトッププロからの厳しい要求に応え、そして勝利を量産してきた。
F8、F10、F12。1つ飛ばしで続いてきた新世代DOGMA最新モデルの名は「DOGMA F(ドグマ・エフ)」。これまで7世代続いた数値コードが取り除かれた理由は「DOGMAはピナレロにとって唯一無二のアイコンであり、数字や表面的な分類を超えた存在(ピナレロの発表より)」であるため。モデルに拠らないドリームバイクであり続けるべく、過去と現在のシンボルとしてシンプルな”F”を用いると同時に、未来のアイデンティティをも表現したという。
DOGMA F12からの改善点は大きく分けて265gの軽量化と12%のBB剛性強化、さらにフレーム各部のシェイプアップによる4.8%の空力特性向上という3項目だ。あらゆるステージを1台でこなすという歴代DOGMAが挑んできた難問に対し、ピナレロ開発陣は市販モデル初の3Dプリントチタンパーツ採用など最新テクノロジーを駆使しながら、そしてピナレロならではの美しさの追求という正攻法でDOGMA Fを導き出した。
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例えば、イタリアのマテリアライズ社とパートナーシップを組んで生まれた3Dチタンプリントによるシートクランプのヤグラは-35g。空力を意識して薄型になったシートポストは-27g、ヘッドセットで-25g、フロントフォークで58g、スルーアクスルで20g、新しい製造過程を取り入れた新型「TALON ULTRAFAST」ハンドルバーは40g。
フレーム重量こそディスクで865g、リムで860g(共に530サイズ、塗装前)とF12から特段変化しないものの、スラムRED eTAP AXSとDTスイスのARC1400ホイールで組み上げたディスク版で6.9kg、シマノデュラエースDi2とDTスイスのARC1400ホイールで組み上げたディスク版で6.8kgとUCIルールギリギリの軽さまで、そして同仕様のリムブレーキ版では6.8kgを下回るまでに仕上げられた。
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F12よりも鋭利で、刃物のように薄くなったフレームフォルムは空力改善のため。フロントフォークはTTバイク、BOLIDEに基づいたブレード形状を採用したことで、横風下ではヨットセイルのように前進する動きを促進するよう機能する。これは横風が強くなるにつれて増幅するという。
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ピナレロのお家芸と言える左右非対称形状はより進化し、そのフレームを形作るのは東レが誇るT1100 1Kナノアロイ。イタリアンスレッド式のボトムブラケットと、上下1.5インチの大径ヘッドベアリングはF12から引き継がれている。
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DOGMA Fはフレームセットで発売され、ディスクとリムは共に税込93万5千円。カラーはシルバーが印象的なプルトニウムフラッシュとイルプションレッド、そしてブラックオンブラックという3カラー展開となる。
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ピナレロ DOGMA F
素材: Carbon Torayca T1100 1K Dream Carbon with Nanoalloy Technology
フレーム: Asymmetric frame
フォーク:Onda Fork Dogma F with ForkFlap
ステアリングコラム径: 1.5 upper and lower steerer
ボトムブラケット規格: Italian thread BB
シートクランプ: Seatclamp Twin Force
シートやぐら: 3D printed titanium top seatclamp
リムブレーキ規格:Direct mount rim brake
最大タイヤサイズ:622x28c
サイズ:430、465、500、515、530、540、550、560、575、595、620(CC)
カラー:PLUTONIUM FLASH、ERUPTION RED、BLACK ON BLACK
ディスクブレーキ仕様
ブレーキ規格:Disc flat mount、最大160mm、リア-TA142
重量:865g ※サイズ530:塗装前
価格:935,000円(税込)
リムブレーキ仕様
ブレーキ規格:Direct mount rim brake
重量:860g
価格:935,000円(税込)
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