2021/05/30(日) - 14:35
iRCがリリースしたMTBクロスカントリー・マラソン向けタイヤ"MIBRO for Marathon"。旧作よりコントロール性が向上したモデルをインプレッション。
IRC MIBRO For Marathon
iRCからリリースされた新型MTBタイヤのMIBRO for Marathon。セルフディスカバリーアドベンチャー王滝などクロスカントリー・マラソンに向けて開発されたモデルということが製品名から伝わってくるタイヤだ。
iRCの29er向けMTBタイヤのメインはクロスカントリーレース向けSERAC XCと、エンデューロなどグラヴィティ系の遊びを楽しむためのTANKENという2種類。その間を繋ぐのがMIBRO for Marathonと考えるのがわかりやすい。
トレッドパターンをそれらと比べてみると、MIBRO for Marathonの目指すものが想像しやすい。MIBRO for Marathonは、大きなブロックが敷き詰められたTANKENよりも、ブロックサイズは控えめ。パターンはサイドが整列しているTANKENとは異なり、アウト寄りとイン寄りが交互に配置されている。また、ブロックに切り欠きが設けられ転がりの軽さを意識したSERAC XCよりもブロックのエッジは立っている。
29×2.3インチの実測重量は736g
MIBRO for Marathonの重量は29×2.10インチでは695g、2.30インチでは736g(実測値、カタログよりも+1g)となっており、TANKEN(1065g/2.30インチ)とSERAC XC(720g/2.10インチ)よりも軽量に仕上げられている。以下はカタログ重量値。
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iRCからリリースされた新型MTBタイヤのMIBRO for Marathon。セルフディスカバリーアドベンチャー王滝などクロスカントリー・マラソンに向けて開発されたモデルということが製品名から伝わってくるタイヤだ。
iRCの29er向けMTBタイヤのメインはクロスカントリーレース向けSERAC XCと、エンデューロなどグラヴィティ系の遊びを楽しむためのTANKENという2種類。その間を繋ぐのがMIBRO for Marathonと考えるのがわかりやすい。
トレッドパターンをそれらと比べてみると、MIBRO for Marathonの目指すものが想像しやすい。MIBRO for Marathonは、大きなブロックが敷き詰められたTANKENよりも、ブロックサイズは控えめ。パターンはサイドが整列しているTANKENとは異なり、アウト寄りとイン寄りが交互に配置されている。また、ブロックに切り欠きが設けられ転がりの軽さを意識したSERAC XCよりもブロックのエッジは立っている。
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MIBRO for Marathonの重量は29×2.10インチでは695g、2.30インチでは736g(実測値、カタログよりも+1g)となっており、TANKEN(1065g/2.30インチ)とSERAC XC(720g/2.10インチ)よりも軽量に仕上げられている。以下はカタログ重量値。
27.5×2.10 | 27.5×2.30 | 29×2.10 | 29×2.30 | |
---|---|---|---|---|
MIBRO for Marathon | 650g | 690g | 695g | 735g |
TANKEN | - | 1000g | - | 1065 |
SERAC XC | - | 690g(×2.25) | 720g | - |
SDA王滝のような長い登りで軽量なアドバンテージを得つつ、グリップ力も発揮できる設計のタイヤといえよう。そんなMIBRO for Marathonを愛車に装着し、フィールドに連れ出した。
中央部は整列し、サイド部分は互い違いに配置されたトレッドパターン
漕ぎ出しに以前使用していたタイヤ(前後ともに740gほど、前トレイル用、後ろクロスカトリー向けで、スペック的には非常に似ている)よりも若干重く感じたのは、今回はリアもMIBRO for Marathonでノブが高いためだろう。ただ、そう感じたのはほんの一瞬だけであり、スピードが乗っていくと重さを気にせずタイヤが転がっていってくれる。
下りをメインとしたトレイル系タイヤの場合はノブが大きく、走行している時にノブの存在が際立つことがあるが、MIBRO for Marathonは想像以上にスムースな印象。直進時は接地している部分がトレッドのセンター部分だけであり、さらにそこが低ころがり抵抗を意識した低いノブであり、サイドも高すぎないことが影響しているのだろう。
ルーズな路面でもしっかりとトラクションが掛かるグリップ感が特徴
また、直進時に接地している部分がタイヤのセンターのみのため、ダンシングなどで車体を左右に倒すと小気味よくパタパタと倒れてくれる印象で、サイドノブが存在を主張してくることは少ない。もちろんコーナーでバイクが倒れると、サイドノブの存在感が現れ仕事していることが伝わってくる。
ノブは柔らかい作りのため、ハードな路面の場合はノブが柔軟に曲がることでグリップを稼いでいるようだ。トレイルを気持ちよく走っている分には不足を感じないほどのグリップ力。砂利敷の下りを走っている時は、タイヤのノブが砂利を弾いてグリップ力のキャパシティを伝えてくれるような印象がある。ただノブ自体は小ぶりのため、絶対的なグリップ力はエンデューロやトレイル用のビッグノブのタイヤよりはもちろん控えめ。
グリップが優れているため、安心して乗ることができる
砂利や落ち葉が表面を覆う登り坂などで後輪がトラクションを失う時は、ノブが路面を掻き出してしまうような印象がある。XC系の低転がり抵抗を狙ったタイヤでスリップする時はタイヤの踏ん張りが効かずに氷の上でツルッと行くようなイメージがあるとしたら、MIBRO for Marathonはタイヤ自体の踏ん張りは効いてるが、路面が応えてくれないという感じだ。
ノブが路面を捉えきれなくなるとトラクション抜けが発生するが、新たに接地するノブがすぐさまトラクションを回復してくれる。右足のペダリングで抜けたとしたら、左足で踏み込むときには既にグリップ力は戻っているような印象だ。トラクションコントロールを意識しなくても良く、初心者でも安心して使えるというのが実感だ。
トレイルライドにも最適なタイヤという印象だ
SDA王滝などで好成績を狙う場合はより軽量なレースタイヤを履くという選択肢が有力になると思うが、安全に完走を狙う場合はMIBRO for Marathonは心強い味方になってくれそうだ。
また、ゲレンデでアグレッシブに攻める場合はTANKENを選びたいが、近所のトレイルまで自走する方には転がり抵抗とグリップ力のバランスが丁度良いだろう。前輪はMIBRO for Marathonで、後輪はトラクションコントロールに長ける方はXCタイヤ、気になる方はMIBRO for Marathonと使い分けることで、このタイヤの魅力を引き出せるはずだ。
iRC MIBRO For Marathon
iRC MIBRO for Marathon
タイヤ形式:TUBELESS READY
ケーシング:120TPI
価格:6,600円(税抜)
サイズ/重量
29×2.10 (700×53C)/695g
29×2.30 (700×58C)/735g
27.5×2.10 (650×53B)/650g
27.5×2.30 (650×58B)/690g
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漕ぎ出しに以前使用していたタイヤ(前後ともに740gほど、前トレイル用、後ろクロスカトリー向けで、スペック的には非常に似ている)よりも若干重く感じたのは、今回はリアもMIBRO for Marathonでノブが高いためだろう。ただ、そう感じたのはほんの一瞬だけであり、スピードが乗っていくと重さを気にせずタイヤが転がっていってくれる。
下りをメインとしたトレイル系タイヤの場合はノブが大きく、走行している時にノブの存在が際立つことがあるが、MIBRO for Marathonは想像以上にスムースな印象。直進時は接地している部分がトレッドのセンター部分だけであり、さらにそこが低ころがり抵抗を意識した低いノブであり、サイドも高すぎないことが影響しているのだろう。
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また、直進時に接地している部分がタイヤのセンターのみのため、ダンシングなどで車体を左右に倒すと小気味よくパタパタと倒れてくれる印象で、サイドノブが存在を主張してくることは少ない。もちろんコーナーでバイクが倒れると、サイドノブの存在感が現れ仕事していることが伝わってくる。
ノブは柔らかい作りのため、ハードな路面の場合はノブが柔軟に曲がることでグリップを稼いでいるようだ。トレイルを気持ちよく走っている分には不足を感じないほどのグリップ力。砂利敷の下りを走っている時は、タイヤのノブが砂利を弾いてグリップ力のキャパシティを伝えてくれるような印象がある。ただノブ自体は小ぶりのため、絶対的なグリップ力はエンデューロやトレイル用のビッグノブのタイヤよりはもちろん控えめ。
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ノブが路面を捉えきれなくなるとトラクション抜けが発生するが、新たに接地するノブがすぐさまトラクションを回復してくれる。右足のペダリングで抜けたとしたら、左足で踏み込むときには既にグリップ力は戻っているような印象だ。トラクションコントロールを意識しなくても良く、初心者でも安心して使えるというのが実感だ。
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SDA王滝などで好成績を狙う場合はより軽量なレースタイヤを履くという選択肢が有力になると思うが、安全に完走を狙う場合はMIBRO for Marathonは心強い味方になってくれそうだ。
また、ゲレンデでアグレッシブに攻める場合はTANKENを選びたいが、近所のトレイルまで自走する方には転がり抵抗とグリップ力のバランスが丁度良いだろう。前輪はMIBRO for Marathonで、後輪はトラクションコントロールに長ける方はXCタイヤ、気になる方はMIBRO for Marathonと使い分けることで、このタイヤの魅力を引き出せるはずだ。
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iRC MIBRO for Marathon
タイヤ形式:TUBELESS READY
ケーシング:120TPI
価格:6,600円(税抜)
サイズ/重量
29×2.10 (700×53C)/695g
29×2.30 (700×58C)/735g
27.5×2.10 (650×53B)/650g
27.5×2.30 (650×58B)/690g
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