1型糖尿病を抱える選手たちで構成されるチーム ノボ ノルディスクが、タイトルスポンサーである製薬会社ノボ ノルディスクとの5年契約延長を発表した。アメリカ籍のプロチームは、この更新によりパートナーシップを2031年まで継続することになった。



今年も宇都宮ジャパンカップに参戦したチーム ノボ ノルディスク photo:Makoto AYANO

「チーム ノボ ノルディスクは『糖尿病があっても何でも達成できる』という信念を体現している。この13年間、我々のパートナーシップは自転車競技の枠を越え、糖尿病への認識を変える世界的なムーブメントへと成長した。今回の5年の延長により、世界中の糖尿病コミュニティを励まし、最高レベルのプロサイクリングで戦い続けていく」と、ノボ ノルディスクの共同創設者兼CEOであるフィル・サウザーランド氏はコメントした。

チーム ノボ ノルディスクは2008年に創設され、2011年にプロチームへ昇格した。1型糖尿病を抱える選手20名で構成され、そのミッションは「糖尿病とともに生きる人々を元気づけ、治療に積極的に取り組み、それぞれの人生の目標に向かって生きていくことを応援する」こと。毎年10月の宇都宮ジャパンカップロードレースに参戦してきたことで、日本でもお馴染みのチームとなっている。

2025年シーズンは勝利こそ挙げられなかったものの、エースであるマティアシュ・コペツキー(チェコ)が4月のレジオン・ペイ・ド・ラ・ロワール・ツール(UCI2.1)や5月のツアー・オブ・エストニア(UCI2.1)でヤングライダー賞を獲得。8月のポストノルド・ツアー・オブ・デンマーク(UCI2.Pro)では第4ステージで区間5位、第5ステージで区間4位と、世界トップスプリンターたちを相手に勝利争いを演じた。

そのコペツキーは来季、同じプロチームカテゴリーのユニベット・ティテマ・ロケッツへ移籍する。ノボ ノルディスクの選手がその実力で他のプロチームへ移籍するのは、ここ10年以上なかった快挙だ。

2026年シーズンのロースターはまだ発表されていないものの、すでに下部チームから19〜21歳の選手3名の昇格が決まっている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Makoto AYANO