2021/01/24(日) - 09:27
ウィリエールのエアロロード、Centoシリーズに加わったセカンドグレードディスクモデル"Cento10 SL"をインプレッション。プロユースモデルのテクノロジーを受け継ぎつつ、カーボングレードを調整することで、リーズナブルな価格と扱いやすさを手に入れた一台だ。
ウィリエール Cento10 SL (c)Makoto AYANO/cyclowired.jp
北イタリアのロッサノ・ベネトに拠点を置くウィリエール・トリエスティーナ。一世紀を越える歴史を有する老舗ブランドであり、その歴史の中で数々の輝かしい勝利を収めてきたレーシングブランドでもある。
そんなウィリエールのロードバイクラインアップにおいて、レーシングモデルとして長年ラインアップされ続けてきたのがCentoシリーズだ。イタリア語で100を意味するモデル名の通り、創業100周年を迎えた2006年に発表された記念モデルを発端とし、以降15年に渡って同社のラインアップを支え続けてきた。
フォーククラウンからダウンチューブにかけてインテグレートデザインを採用
ヘッドチューブにはトリエステの三叉槍が輝く
エアロ形状のストレートフォークが採用される
オールラウンドレーサーとしてデビューしたCentoシリーズだが、エアロモデルであるCento 1 Airの登場と、軽量クライミングバイクとしてZeroシリーズが生まれたことをきっかけに、エアロロードとしての立ち位置を固めていく。
その系譜に連なる最新のハイエンドモデルに位置づけられるのがディレクトエネルジーの選手らの要望から生まれたCento10 PRO。プロユースに応える高い剛性と、優れた空力性能で高い評価を得たエアロオールラウンダーだ。
シートチューブ付近でわずかにベンドするトップチューブ
フル内装システム対応の専用ステムとハンドルが付属する
ダウンチューブには3つのボトルケージ台座が用意され、上下からケージ位置を選択可能
裏にもケーブルが露出することない完全内装システムだ
今回インプレッションするCento10 SLは、その直系モデルとして開発されたセカンドグレードだ。フレーム形状はCento10 PROとほぼ同じデザインとされる一方で、使用するカーボングレードを"HU-MOD"とすることで手の届きやすい価格とホビーライダーにも扱いやすい性能を両立した。
Cento10 AIRのフレームデザインをほぼそのまま受け継いでいるため、そのエアロダイナミクスはトップレベルにある。カムテールデザインにNACAプロファイルのアルゴリズムを導入して設計されたチュービングは空気抜けの良さを徹底的に追及したものだ。
エアロロードながらスマートなBB周辺の造形だ
いかにも空気抜けの良さそうなシートステー 補強用ブリッジも配置されていない
フロントフォークやシートステーはホイールとのクリアランスを大きく取り、効率的に空気が流れるような設計となっている。チューブの断面形状も、それぞれの部位によって細かく調整されており、可能な限り乱流の発生を抑制するデザインだ。
更にフォーククラウンからダウンチューブにかけてのインテグレートデザインや、ドロップドシートステーによるコンパクトなリアトライアングル、カムテールデザインのシートポストに臼式シートクランプなど、エアロロードとして抑えるべきポイントは全て網羅している。
Cento10 PROからの変更としては、ダウンチューブ上部に設置されていたDi2ジャンクションなどを配置するためのプレートが廃止されていることが挙げられる。このアップデートにより、ダウンチューブ全体が滑らかに成型されるため、さらなる空力向上と軽量化を実現したという。
コンパクトなリアトライアングルデザインが空力と快適性の向上に寄与する
専用のエアロピラーを採用 ヤグラ部分はサイドハグ仕様
カムテールデザインのダウンチューブ
最新モデルらしく、ケーブルフル内装にも対応。独自設計のヘッドセットを採用することで丸型断面のフォークコラムのままケーブルフル内装を可能としており、ハンドリングフィールに悪影響を及ぼす心配もないのは、走行性能を第一と考える老舗らしいこだわりだ。
トップモデルの性能をより身近にしてくれるCento10 SL。フレームセットおよびシマノ ULTEGRA DI2完成車が用意され、ウィリエールのオリジナルステム/ハンドルであるステンマとバッラが付属する。今回のインプレッションバイクは完成車仕様そのままの1台だ。それではインプレッションに移ろう。
― インプレッション
「新たなブランドコンセプトを凝縮したウィリエールの次代を担う一台」錦織大祐(フォーチュンバイク)
かなりレーシーな味付けのバイクですね。剛性感もかなり高めで、エアロロードとして非常に明解なコンセプトが感じられますね。とにかく、全ての挙動に一本筋が通っているような乗り味で、ビシッと安定しています。
新たなブランドコンセプトを凝縮したウィリエールの次代を担う一台」錦織大祐(フォーチュンバイク)
フォークやシートステーの肩部分の張り出し方が大きな特徴ですが、この設計がしっかりと走行性能に貢献しているのだと思います。この部分を拡幅し、前後から見た時にボックスのような設計とすることで、スルーアクスル化によって上がったつま先側の剛性に対応しているのでしょう。
この設計は、先にインプレッションしたFILANTE、ZERO SLとも共通するデザインで、ウィリエールのディスクロードに対する一つの回答、提案になるのだと思います。ブランドとしてバイクのコンセプトがはっきりしているのは非常に魅力的ですし、これからはこのスタビリティこそがウィリエールというブランドの特色として認知されていくのでしょう。
コーナーからの脱出の速さも印象的」錦織大祐(フォーチュンバイク) 前へと重心をかけても安定感があるので、前乗りポジションでハンドルも下げ、2~3時でしっかり自重を掛けて踏んでいくとどんどんスピードが伸びていきそうですね。ショートのトライアスロンにも良いと思います。
登りでは、ダンシングでバイクを振るとなるとエアロロードらしい乗り味が顔をのぞかせますが、シッティングで踏んでいく分には重さを感じることは無いですね。剛性自体はかなり高めなのですが、路面へしっかりとトラクションを掛けて前へと進んでくれる感覚がありました。
ダウンヒルの切り返しでもしっかり自転車が真っすぐ戻るタイミングが手に取るようにわかるので、限界を見失ってしまうようなピーキーさとは無縁です。コーナーからの脱出の速さも印象的でした。
フォーク、そしてフロントトライアングルがしっかりしているので、コーナーに前輪をねじ込んでも不安が無い。車体前半がねじれることなくそのまま通過して、踏み始めた時にもリアバックがしっかり反応してビシッとラインに戻ってくれる。剛性とスタビリティの高さが、このコーナー立ち上がりの反応性に繋がっていると思います。そういった意味ではクリテリウムや加減速の激しいテクニカルなロードレースなどもピッタリでしょう。
一方、今回は28Cタイヤとの組み合わせだったのですが、乗り味としては非常にバランスが取れていました。縦剛性の高さを良い塩梅で打ち消してくれつつ、スポーティに走ることが出来ますね。正直、この太さだともう少し重めの乗り味になるかと想像していたのですが、良い意味で裏切られました。平坦メインで快速サイクリングを楽しみたいというような方にもマッチすると思います。
これでフレームとハンドル、ステムがセットで42万円という価格設定はリーズナブルと言えるでしょう。30mmほどのミドルローハイトあたりのホイールとも決して相性が悪いというわけではないですが、バイクのポテンシャルを引き出すのであればディープリムと組み合わせたいですね。
「速さと快適さのバランスに優れたオールラウンドエアロマシン」小西真澄(ワイズロードお茶の水)
「速さと快適さのバランスに優れたオールラウンドエアロマシン」小西真澄(ワイズロードお茶の水)
バランスの良いエアロロードで、エアロだけど登りも走れて乗り心地も良いという、最近のトレンドにマッチする一台です。形自体はトップモデルと同じということなので、空力性能についてはお墨付きですし、実際に走っても空気抜けの良さは感じ取れます。
BB周りとヘッド周辺にしっかりと剛性が与えられているので、ダンシングでも撓みすぎることなくパワーを掛けていけます。とはいっても脚にくるほどの硬さではないので、ダンシングも長続きしますね。途中で脚がいっぱいになって仕方なく腰を下ろす、というような嫌な硬さはありません。
一方で、乗り心地も悪くないんですよ。サスペンション系のギミックがついていないロードとしてみれば、かなり上位に割って入るような快適性があります。スピードと乗り心地のバランスが高いレベルにあるので、形こそエアロロードなのですがオールラウンドに使えるバイクだと感じました。
「ホイールとの組み合わせでツーリングからレースまで対応できる」小西真澄(ワイズロードお茶の水) クランクにグッとパワーを掛けると良い感じで反発してきてくれ、車体を小刻みに左右に振れるようなリズム感のあるバイクです。登坂では軽やかな反発を活かして、高ケイデンスのシッティングも気持ちいいですし、大きめのギアを掛けて踏んでいくこともできます。
平坦でのスピードの乗り方も素晴らしいですね。自然とギアを上げたくなるほど気持ちよくスピードが乗っていき、車体の高い直進安定性も相まって非常にスムースな走りを楽しめます。
一方、コーナーでバイクを倒す時には素直に反応してくれ、思ったラインを通り抜けることができます。また、スルーアクスルの恩恵もあって、フレームやホイールがヨレることが無いのでコーナー中の挙動も安定しています。
シートステーの付け根の形状も効いているのか、快適性も高いレベルにありますね。加えて、フォークも縦方向にしなってくれているようで、腕へも腰へも突き上げが少ない。この快適性もスムーズな走行フィーリングに繋がっているのでしょう。
エアロロードでありながらある程度登りもこなせますし、快適性も高いのでセンチュリーライドをはじめとしたロングライドにもピッタリだと思います。個人的には、毎年ツール・ド・東北に参加しているのですが、ぜひ使ってみたいですね。
一方で、完成車状態からはホイールを交換してあげれば、よりレーシングな方向にも対応できると思います。登りが多いコースならBORA35あたりの軽量なミドルハイト、平坦が多いのであれば40~50mmほどのハイトのホイールがマッチするでしょう。ルックスとしてはディープを組み合わせてあげたいところです(笑)
予算があるのであれば、最初の一台として選んでも問題ないほど懐の深いバイクですし、もちろん2台目、3台目としても期待に応えてくれるバイクだと思います。パーツ、特にホイールとの組み合わせでツーリングからレースまで対応できますから、一台で色々楽しみたいという方にはぜひ選択肢に加えてもらいたいですね。
ウィリエール Cento10 SL (c)Makoto AYANO/cyclowired.jp
ウィリエール Cento10 SL
フレーム:HU-MODカーボン
サイズ:XS、S、M、L、XL
フレームセット+ステンマ・バッラ:420,000円(税抜)
シマノULTEGRA DI2完成車:610,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
錦織大祐(フォーチュンバイク) 錦織大祐(フォーチュンバイク)
幼少のころより自転車屋を志し、都内の大型プロショップで店長として経験を積んだ後、2010年に東京錦糸町にフォーチュンバイクをオープンさせた新進気鋭の若手店主。世界各国の自転車メーカーと繋がりを持ち、実際に海外の製造現場で得た見聞をユーザーに伝えることを信条としている。シマノ鈴鹿ロードへ20年以上に渡り連続出場する一方、普段はロングライドやスローペースでのサイクリングを楽しむ。
CWレコメンドショップページ
フォーチュンバイク HP
小西真澄(ワイズロードお茶の水) 小西真澄(ワイズロードお茶の水)
ワイズロードお茶の水でメカニックと接客、二足のわらじを履くマルチスタッフ。接客のモットーは「カッコイイ自転車に乗ってもらう」こと。お客さんにぴったりの一台が無ければ他の店舗を案内するほど、そのこだわりは強い。ロードでのロングライドを中心に、最近はグラベルにもハマり中。現在の愛車はスコットADDICT エステバン・チャベス限定モデルやキャノンデールTOP STONE。
CWレコメンドショップページ
ワイズロードお茶の水HP
text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto AYANO
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北イタリアのロッサノ・ベネトに拠点を置くウィリエール・トリエスティーナ。一世紀を越える歴史を有する老舗ブランドであり、その歴史の中で数々の輝かしい勝利を収めてきたレーシングブランドでもある。
そんなウィリエールのロードバイクラインアップにおいて、レーシングモデルとして長年ラインアップされ続けてきたのがCentoシリーズだ。イタリア語で100を意味するモデル名の通り、創業100周年を迎えた2006年に発表された記念モデルを発端とし、以降15年に渡って同社のラインアップを支え続けてきた。
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オールラウンドレーサーとしてデビューしたCentoシリーズだが、エアロモデルであるCento 1 Airの登場と、軽量クライミングバイクとしてZeroシリーズが生まれたことをきっかけに、エアロロードとしての立ち位置を固めていく。
その系譜に連なる最新のハイエンドモデルに位置づけられるのがディレクトエネルジーの選手らの要望から生まれたCento10 PRO。プロユースに応える高い剛性と、優れた空力性能で高い評価を得たエアロオールラウンダーだ。
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今回インプレッションするCento10 SLは、その直系モデルとして開発されたセカンドグレードだ。フレーム形状はCento10 PROとほぼ同じデザインとされる一方で、使用するカーボングレードを"HU-MOD"とすることで手の届きやすい価格とホビーライダーにも扱いやすい性能を両立した。
Cento10 AIRのフレームデザインをほぼそのまま受け継いでいるため、そのエアロダイナミクスはトップレベルにある。カムテールデザインにNACAプロファイルのアルゴリズムを導入して設計されたチュービングは空気抜けの良さを徹底的に追及したものだ。
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フロントフォークやシートステーはホイールとのクリアランスを大きく取り、効率的に空気が流れるような設計となっている。チューブの断面形状も、それぞれの部位によって細かく調整されており、可能な限り乱流の発生を抑制するデザインだ。
更にフォーククラウンからダウンチューブにかけてのインテグレートデザインや、ドロップドシートステーによるコンパクトなリアトライアングル、カムテールデザインのシートポストに臼式シートクランプなど、エアロロードとして抑えるべきポイントは全て網羅している。
Cento10 PROからの変更としては、ダウンチューブ上部に設置されていたDi2ジャンクションなどを配置するためのプレートが廃止されていることが挙げられる。このアップデートにより、ダウンチューブ全体が滑らかに成型されるため、さらなる空力向上と軽量化を実現したという。
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最新モデルらしく、ケーブルフル内装にも対応。独自設計のヘッドセットを採用することで丸型断面のフォークコラムのままケーブルフル内装を可能としており、ハンドリングフィールに悪影響を及ぼす心配もないのは、走行性能を第一と考える老舗らしいこだわりだ。
トップモデルの性能をより身近にしてくれるCento10 SL。フレームセットおよびシマノ ULTEGRA DI2完成車が用意され、ウィリエールのオリジナルステム/ハンドルであるステンマとバッラが付属する。今回のインプレッションバイクは完成車仕様そのままの1台だ。それではインプレッションに移ろう。
― インプレッション
「新たなブランドコンセプトを凝縮したウィリエールの次代を担う一台」錦織大祐(フォーチュンバイク)
かなりレーシーな味付けのバイクですね。剛性感もかなり高めで、エアロロードとして非常に明解なコンセプトが感じられますね。とにかく、全ての挙動に一本筋が通っているような乗り味で、ビシッと安定しています。
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フォークやシートステーの肩部分の張り出し方が大きな特徴ですが、この設計がしっかりと走行性能に貢献しているのだと思います。この部分を拡幅し、前後から見た時にボックスのような設計とすることで、スルーアクスル化によって上がったつま先側の剛性に対応しているのでしょう。
この設計は、先にインプレッションしたFILANTE、ZERO SLとも共通するデザインで、ウィリエールのディスクロードに対する一つの回答、提案になるのだと思います。ブランドとしてバイクのコンセプトがはっきりしているのは非常に魅力的ですし、これからはこのスタビリティこそがウィリエールというブランドの特色として認知されていくのでしょう。
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登りでは、ダンシングでバイクを振るとなるとエアロロードらしい乗り味が顔をのぞかせますが、シッティングで踏んでいく分には重さを感じることは無いですね。剛性自体はかなり高めなのですが、路面へしっかりとトラクションを掛けて前へと進んでくれる感覚がありました。
ダウンヒルの切り返しでもしっかり自転車が真っすぐ戻るタイミングが手に取るようにわかるので、限界を見失ってしまうようなピーキーさとは無縁です。コーナーからの脱出の速さも印象的でした。
フォーク、そしてフロントトライアングルがしっかりしているので、コーナーに前輪をねじ込んでも不安が無い。車体前半がねじれることなくそのまま通過して、踏み始めた時にもリアバックがしっかり反応してビシッとラインに戻ってくれる。剛性とスタビリティの高さが、このコーナー立ち上がりの反応性に繋がっていると思います。そういった意味ではクリテリウムや加減速の激しいテクニカルなロードレースなどもピッタリでしょう。
一方、今回は28Cタイヤとの組み合わせだったのですが、乗り味としては非常にバランスが取れていました。縦剛性の高さを良い塩梅で打ち消してくれつつ、スポーティに走ることが出来ますね。正直、この太さだともう少し重めの乗り味になるかと想像していたのですが、良い意味で裏切られました。平坦メインで快速サイクリングを楽しみたいというような方にもマッチすると思います。
これでフレームとハンドル、ステムがセットで42万円という価格設定はリーズナブルと言えるでしょう。30mmほどのミドルローハイトあたりのホイールとも決して相性が悪いというわけではないですが、バイクのポテンシャルを引き出すのであればディープリムと組み合わせたいですね。
「速さと快適さのバランスに優れたオールラウンドエアロマシン」小西真澄(ワイズロードお茶の水)
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バランスの良いエアロロードで、エアロだけど登りも走れて乗り心地も良いという、最近のトレンドにマッチする一台です。形自体はトップモデルと同じということなので、空力性能についてはお墨付きですし、実際に走っても空気抜けの良さは感じ取れます。
BB周りとヘッド周辺にしっかりと剛性が与えられているので、ダンシングでも撓みすぎることなくパワーを掛けていけます。とはいっても脚にくるほどの硬さではないので、ダンシングも長続きしますね。途中で脚がいっぱいになって仕方なく腰を下ろす、というような嫌な硬さはありません。
一方で、乗り心地も悪くないんですよ。サスペンション系のギミックがついていないロードとしてみれば、かなり上位に割って入るような快適性があります。スピードと乗り心地のバランスが高いレベルにあるので、形こそエアロロードなのですがオールラウンドに使えるバイクだと感じました。
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平坦でのスピードの乗り方も素晴らしいですね。自然とギアを上げたくなるほど気持ちよくスピードが乗っていき、車体の高い直進安定性も相まって非常にスムースな走りを楽しめます。
一方、コーナーでバイクを倒す時には素直に反応してくれ、思ったラインを通り抜けることができます。また、スルーアクスルの恩恵もあって、フレームやホイールがヨレることが無いのでコーナー中の挙動も安定しています。
シートステーの付け根の形状も効いているのか、快適性も高いレベルにありますね。加えて、フォークも縦方向にしなってくれているようで、腕へも腰へも突き上げが少ない。この快適性もスムーズな走行フィーリングに繋がっているのでしょう。
エアロロードでありながらある程度登りもこなせますし、快適性も高いのでセンチュリーライドをはじめとしたロングライドにもピッタリだと思います。個人的には、毎年ツール・ド・東北に参加しているのですが、ぜひ使ってみたいですね。
一方で、完成車状態からはホイールを交換してあげれば、よりレーシングな方向にも対応できると思います。登りが多いコースならBORA35あたりの軽量なミドルハイト、平坦が多いのであれば40~50mmほどのハイトのホイールがマッチするでしょう。ルックスとしてはディープを組み合わせてあげたいところです(笑)
予算があるのであれば、最初の一台として選んでも問題ないほど懐の深いバイクですし、もちろん2台目、3台目としても期待に応えてくれるバイクだと思います。パーツ、特にホイールとの組み合わせでツーリングからレースまで対応できますから、一台で色々楽しみたいという方にはぜひ選択肢に加えてもらいたいですね。
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ウィリエール Cento10 SL
フレーム:HU-MODカーボン
サイズ:XS、S、M、L、XL
フレームセット+ステンマ・バッラ:420,000円(税抜)
シマノULTEGRA DI2完成車:610,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
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幼少のころより自転車屋を志し、都内の大型プロショップで店長として経験を積んだ後、2010年に東京錦糸町にフォーチュンバイクをオープンさせた新進気鋭の若手店主。世界各国の自転車メーカーと繋がりを持ち、実際に海外の製造現場で得た見聞をユーザーに伝えることを信条としている。シマノ鈴鹿ロードへ20年以上に渡り連続出場する一方、普段はロングライドやスローペースでのサイクリングを楽しむ。
CWレコメンドショップページ
フォーチュンバイク HP
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ワイズロードお茶の水でメカニックと接客、二足のわらじを履くマルチスタッフ。接客のモットーは「カッコイイ自転車に乗ってもらう」こと。お客さんにぴったりの一台が無ければ他の店舗を案内するほど、そのこだわりは強い。ロードでのロングライドを中心に、最近はグラベルにもハマり中。現在の愛車はスコットADDICT エステバン・チャベス限定モデルやキャノンデールTOP STONE。
CWレコメンドショップページ
ワイズロードお茶の水HP
text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto AYANO
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