トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)が3日目を制したアークティック・レース・オブ・ノルウェー。初日を制し、2日連続で区間2位と好走したコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)が、総合優勝に輝いた。

現役ラストの母国レースで勝利したアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:CorVos
今年限りで現役を退くアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が第2ステージを制したアークティック・レース・オブ・ノルウェー(UCI.Pro)。勝負の分かれ目となった第3ステージは、コース前半に3つの丘を越え、平坦路を経て1級山岳(距離3.7km/平均7.8%)を駆け上がるレイアウトで争われた。
ピドコックがストロングとの一騎打ちを制す

Q36.5プロサイクリングがプロトンを先導した photo:CorVos
初日勝者で総合リーダージャージを着用するコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)を中心にレースは進んだ。スタート直後の1級山岳(登坂距離2.1km)は、先頭通過した選手に100kgのサーモンが贈られる名頂上をモーテン・ワンバクサース(ノルウェー・ナショナルチーム)がトップで通過。ノルウェー出身の4名による逃げ集団は、イスラエル・プレミアテックが牽引するメイン集団に対してリードを築いていった。
逃げグループでは、地元のクラブチームで走る19歳のセバスティアン・ヴェスルム(ノルウェー・ナショナルチーム)が最後まで粘ったものの、残り9kmで吸収される。最終山岳に突入すると、イスラエル・プレミアテックの牽引からラスト1.3kmでトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)がアタック。これに唯一ストロングが食らいついた。

ストロングとの一騎打ちを制したトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) photo:CorVos
この2名はそのまま後続を引き離し、残り150mからストロングがスプリントを開始。しかしピドコックがこれを寄せ付けず、フィニッシュラインを先頭で通過した。「長いシーズン前半を終え、多少フレッシュな状態でロードレースに戻ってくることができた。気持ちのいい勝利だ」と、ジロ・デ・イタリア後にマウンテンバイクレースを転戦していたピドコックは、ロード復帰後の初勝利を喜んだ。
ドゥヴァーシュネスがサバイバルスプリントで勝利
大会最終日の第4ステージは、2級山岳(距離1.2km/平均7.5%)を含む周回コース(135.3km)で行われた。ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)を含む8名が逃げたが、これも終盤に吸収。その後、ピドコックなどが総合リーダーのストロングに攻撃を仕掛けたが、イスラエル・プレミアテックが見事なチームワークでそれを許さなかった。
勝負は約30名の集団スプリントに持ち込まれ、プロ1年目のジョリス・デルボヴ(フランス、トタルエネルジー)が仕掛ける。しかし、すぐにフレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が前に出ると、力強い走りでトップスピードに乗った。ドゥヴァーシュネスは、ストロングとダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)の追い込みを振り切り、母国レースでの嬉しい勝利を飾った。

集団スプリントを制したフレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:CorVos

2日連続の区間2位で総合優勝したコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos
そして総合優勝には、この日も区間2位に入ったストロングが輝いた。
ストロングはレース後、「攻撃は予想していたが、想像以上に激しかった。ピドコックの得意な雨で滑りやすい路面となり、ずっと不安を感じていた。しかしチームが素晴らしくレースをコントロールしてくれた。この総合優勝は彼らのおかげだ」と感謝を述べた。7月のツール・ド・ワロニーでプロ初の総合優勝を手にしたストロングは、その勢いをノルウェーでも見せつける結果となった。

今年限りで現役を退くアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が第2ステージを制したアークティック・レース・オブ・ノルウェー(UCI.Pro)。勝負の分かれ目となった第3ステージは、コース前半に3つの丘を越え、平坦路を経て1級山岳(距離3.7km/平均7.8%)を駆け上がるレイアウトで争われた。
ピドコックがストロングとの一騎打ちを制す

初日勝者で総合リーダージャージを着用するコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)を中心にレースは進んだ。スタート直後の1級山岳(登坂距離2.1km)は、先頭通過した選手に100kgのサーモンが贈られる名頂上をモーテン・ワンバクサース(ノルウェー・ナショナルチーム)がトップで通過。ノルウェー出身の4名による逃げ集団は、イスラエル・プレミアテックが牽引するメイン集団に対してリードを築いていった。
逃げグループでは、地元のクラブチームで走る19歳のセバスティアン・ヴェスルム(ノルウェー・ナショナルチーム)が最後まで粘ったものの、残り9kmで吸収される。最終山岳に突入すると、イスラエル・プレミアテックの牽引からラスト1.3kmでトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)がアタック。これに唯一ストロングが食らいついた。

この2名はそのまま後続を引き離し、残り150mからストロングがスプリントを開始。しかしピドコックがこれを寄せ付けず、フィニッシュラインを先頭で通過した。「長いシーズン前半を終え、多少フレッシュな状態でロードレースに戻ってくることができた。気持ちのいい勝利だ」と、ジロ・デ・イタリア後にマウンテンバイクレースを転戦していたピドコックは、ロード復帰後の初勝利を喜んだ。
ドゥヴァーシュネスがサバイバルスプリントで勝利
大会最終日の第4ステージは、2級山岳(距離1.2km/平均7.5%)を含む周回コース(135.3km)で行われた。ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)を含む8名が逃げたが、これも終盤に吸収。その後、ピドコックなどが総合リーダーのストロングに攻撃を仕掛けたが、イスラエル・プレミアテックが見事なチームワークでそれを許さなかった。
勝負は約30名の集団スプリントに持ち込まれ、プロ1年目のジョリス・デルボヴ(フランス、トタルエネルジー)が仕掛ける。しかし、すぐにフレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が前に出ると、力強い走りでトップスピードに乗った。ドゥヴァーシュネスは、ストロングとダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)の追い込みを振り切り、母国レースでの嬉しい勝利を飾った。


そして総合優勝には、この日も区間2位に入ったストロングが輝いた。
ストロングはレース後、「攻撃は予想していたが、想像以上に激しかった。ピドコックの得意な雨で滑りやすい路面となり、ずっと不安を感じていた。しかしチームが素晴らしくレースをコントロールしてくれた。この総合優勝は彼らのおかげだ」と感謝を述べた。7月のツール・ド・ワロニーでプロ初の総合優勝を手にしたストロングは、その勢いをノルウェーでも見せつける結果となった。
アークティックレース・オブ・ノルウェー2025第3ステージ結果
1位 | トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) | 4:43:16 |
2位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
3位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ) | +0:12 |
4位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) | +0:16 |
5位 | ケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、ピクニック・ポストNL) | +0:17 |
第4ステージ結果
1位 | フレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 3:08:40 |
2位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
3位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ) | |
4位 | リック・プルイマース(オランダ、チューダー・プロサイクリング) | |
5位 | サカリアスコレー・ローランド(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
個人総合成績
1位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | 15:49:03 |
2位 | トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) | +0:11 |
3位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ) | +0:28 |
4位 | ライリー・シーアン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +0:35 |
5位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) | +0:39 |
その他の特別賞
ポイント賞 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) |
山岳賞 | ストーム・インゲブリクトセン(ノルウェー、チームコープ・レプソル) |
ヤングライダー賞 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) |
チーム総合成績 | XDSアスタナ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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