リドル・トレックがマティアス・ヴァチェク(チェコ)との契約をチーム最長の2029年まで延長した。プロ5年目のキャリアを持つ23歳は、得意の個人タイムトライアルに加えパンチ力のある加速も持つ未来のエース候補だ。

今年7月のツール・ド・ワロニーで勝利したマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) photo:CorVos
「チームに加入して3年目を迎え、当初の自分と今のレベルを比べて、これほど飛躍してトップレベルに立てるなんて想像もしなかった。自分の可能性を見出してくれたチームに感謝し、その恩返しを結果で示せている。将来的に、できれば来年のツール・ド・フランスに出場し、ジロとブエルタで着用したヤングライダー賞ジャージを着たい」と、ヴァチェクは契約延長を発表したプレスリリースで語った。
ヴァチェクは18歳だった2021年、ガスプロム・ルスヴェロでプロデビュー。翌年のUAEツアーでは逃げ切りを決め、ワールドツアーの大舞台でプロ初勝利を挙げた。チームが2022年に解散した後は、トレック・セガフレード(当時)へ移籍。チェコ国内選手権ではロードと得意の個人タイムトライアルの両方で王者に輝くなど、順調な成長ぶりを見せている。

2022年のUAEツアーで金星を挙げたマティアス・ヴァチェク(チェコ、当時ガスプロム・ルスヴェロ) photo:CorVos
昨年は自身初となるグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャに出場し、初日の個人TTでトップに2秒差と迫る区間2位と活躍した。第7ステージでは集団スプリントで2位に入り、合計5度のトップ10入りを果たすなど、注目の若手選手の1人となった。今年はジロ・デ・イタリアに初挑戦し、7月のツール・ド・ワロニー(UCI2.Pro)第4ステージで勝利を挙げるなど、好調ぶりを見せている。
2029年までの契約はチーム最長であり、本人が目標に掲げるクラシックレースを含む大会での活躍への期待の高さがうかがえる。
エヴェネプール退団のスーダルが元ルーベ覇者を獲得

不運続きの3年間を過ごしているファンバーレ photo:Team Visma | Lease a Bike
レムコ・エヴェネプール(ベルギー)の退団で話題のスーダル・クイックステップは、ディラン・ファンバーレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)の獲得を発表した。2014年にガーミン・シャープ(現EFエデュケーション・イージーポスト)でプロデビューしたファンバーレは33歳。イネオス・グレナディアーズに所属していた2022年には、モニュメントの1つであるパリ〜ルーベを制覇している。
2023年にヴィスマへ移籍したものの、連覇を狙ったパリ〜ルーベで落車し、肩甲骨や手を骨折。その後、驚異的な回復力で臨んだオランダ選手権ロードレースで初優勝を遂げた。しかし2024年は、6月のクリテリウム・デュ・ドーフィネで落車により鎖骨を骨折し、復帰して臨んだブエルタでは骨盤を骨折。再起を懸けて臨んだ今年1月のツアー・ダウンアンダーでも再び鎖骨を骨折するなど、不運に見舞われる3年間となった。
心機一転、スーダルへの移籍を決めたファンバーレは「若い頃にトム・ボーネンの活躍をテレビで観ていた。来年からウルフパックの一員になれるのは夢が叶った気分だ。目標はクラシックレースで再びベストな状態に戻し、勝利を争うこと。またグランツールでは総合エースをサポートし、チャンスがあればステージ優勝を狙いたい」と、前向きなコメントを残した。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

「チームに加入して3年目を迎え、当初の自分と今のレベルを比べて、これほど飛躍してトップレベルに立てるなんて想像もしなかった。自分の可能性を見出してくれたチームに感謝し、その恩返しを結果で示せている。将来的に、できれば来年のツール・ド・フランスに出場し、ジロとブエルタで着用したヤングライダー賞ジャージを着たい」と、ヴァチェクは契約延長を発表したプレスリリースで語った。
ヴァチェクは18歳だった2021年、ガスプロム・ルスヴェロでプロデビュー。翌年のUAEツアーでは逃げ切りを決め、ワールドツアーの大舞台でプロ初勝利を挙げた。チームが2022年に解散した後は、トレック・セガフレード(当時)へ移籍。チェコ国内選手権ではロードと得意の個人タイムトライアルの両方で王者に輝くなど、順調な成長ぶりを見せている。

昨年は自身初となるグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャに出場し、初日の個人TTでトップに2秒差と迫る区間2位と活躍した。第7ステージでは集団スプリントで2位に入り、合計5度のトップ10入りを果たすなど、注目の若手選手の1人となった。今年はジロ・デ・イタリアに初挑戦し、7月のツール・ド・ワロニー(UCI2.Pro)第4ステージで勝利を挙げるなど、好調ぶりを見せている。
2029年までの契約はチーム最長であり、本人が目標に掲げるクラシックレースを含む大会での活躍への期待の高さがうかがえる。
エヴェネプール退団のスーダルが元ルーベ覇者を獲得

レムコ・エヴェネプール(ベルギー)の退団で話題のスーダル・クイックステップは、ディラン・ファンバーレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)の獲得を発表した。2014年にガーミン・シャープ(現EFエデュケーション・イージーポスト)でプロデビューしたファンバーレは33歳。イネオス・グレナディアーズに所属していた2022年には、モニュメントの1つであるパリ〜ルーベを制覇している。
2023年にヴィスマへ移籍したものの、連覇を狙ったパリ〜ルーベで落車し、肩甲骨や手を骨折。その後、驚異的な回復力で臨んだオランダ選手権ロードレースで初優勝を遂げた。しかし2024年は、6月のクリテリウム・デュ・ドーフィネで落車により鎖骨を骨折し、復帰して臨んだブエルタでは骨盤を骨折。再起を懸けて臨んだ今年1月のツアー・ダウンアンダーでも再び鎖骨を骨折するなど、不運に見舞われる3年間となった。
心機一転、スーダルへの移籍を決めたファンバーレは「若い頃にトム・ボーネンの活躍をテレビで観ていた。来年からウルフパックの一員になれるのは夢が叶った気分だ。目標はクラシックレースで再びベストな状態に戻し、勝利を争うこと。またグランツールでは総合エースをサポートし、チャンスがあればステージ優勝を狙いたい」と、前向きなコメントを残した。
text:Sotaro.Arakawa
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