2020/06/10(水) - 10:00
スペシャライズドのダウンヒルバイク「Demo」がフルモデルチェンジ。前後異径のホイールサイズを採用し、ダウンヒルシーンに新たなスタンダードを作り上げた世界チャンピオンバイクだ。
スペシャライズド Demo Race 前後異径ホイールという最先端のスペックをマスプロダクトの形へ落とし込んだ意欲作だ (c)スペシャライズド・ジャパン
圧巻の走りで世界選手権を制したロイック・ブルーニ、そして気鋭のフィン・アイルスを擁するスペシャライズド・グラヴィティ。2019シーズンのワールドカップで最多の勝利数を挙げた彼らの走りを支えたのが、スペシャライズドのDHマシン「Demo」だ。
スペシャライズドが新型Demoにおいて目指したのは、考えうる限り最速であること。2019年にUCIが前後異径ホイールの使用を認可したときから、スペシャライズド・グラヴィティはこのアイディアを導入した。フロント29インチ、リア27.5インチという組み合わせへカスタマイズしたDemo29は勝利を量産し、前後異径ホイールの優位性を示してきた。
昨シーズン中に世界最速のR&Dライダーたちによって集められたデータを解析したスペシャライズドが、昨年発表したばかりのDemo29をベースに前後異径ホイールという最先端のスペックをマスプロダクトの形へ落とし込んだのが新型Demoだ。
新型Demoの開発にあたり、スペシャライズドは様々なデータを収集した (c)スペシャライズド・ジャパン
新型Demoの最も大きな特徴は、コースやライディングスタイルに応じてリアホイール径を29インチと27.5インチから選択できる点にある。ただ、ホイールを交換するだけではなく、ホルストリンクに搭載された調整機構によって、ショート、ミドル、ロングの3ポジションでチェーンステー長とBBハイトをアジャストすることで、それぞれのホイールに最適化されたジオメトリーを実現している。
ショートポジションはタイトかつテクニカルなコースに合わせバイクの取り回しを最大限に高めた27.5インチホイール専用の設定となる。一方、ロングポジションは、よりハイスピードなコースで求められる安定性を重視した29インチリアホイール専用の設定だ。ミドルポジションは、どちらのホイールにも対応する設定となり、27.5インチと組み合わせればショートよりも安定志向に、29インチと組み合わせればロングよりも敏捷性に優れた走りを実現する。
世界チャンピオンのロイック・ブルーニの勝利を支えてきたDemo (c)スペシャライズド・ジャパン
基本的な設計は昨年発表されたDemo29から継承しているが、日本市場において実質的な前作となるDemo8から大きくアップデートが加えられている。特に顕著なのはサスペンションレイアウトだ。スペシャライズドは、障害物を通過するときに可能な限り速度を維持できるよう、最適なリアアクスルの軌道を実現するためレイアウトを新設計した。
ホルストリンクを採用するFSRシステムという大枠に変更は無いものの、Demo8で採用していたBB同軸メインピボットを廃止し、チェーンリング前方まで位置を大きく変更することで、リアアクスルの軌道をより後方へと逃がす設計に。リアホイールが障害物に引っかからず、衝突エネルギーをサスペンションへ効率的に伝えることで、テクニカルなコースでのスピードを向上させている。更に、適切なアンチスクワットアングルが設定されることでペダリング時の無駄な沈み込みを抑え、より効率的に推進力へと繋げる設計でもある。
ハードなロックセクションで新設計のサスレイアウトが力を発揮する (c)スペシャライズド・ジャパン
ブレーキングにおいても新たなサスペンションレイアウトは効果を発揮する。ブレーキング時に起きる重心移動によって、リアサスペンションは伸長し後輪のトラクションに影響を与える「ライズ」と呼ばれる現象が起こるが、新たなリンク構造はサスペンションの伸びを抑えるように設計されている。このアンチライズをDemo8から大きく増加させることで、オーバースピードでコーナーに進入するような状況下においても、適切にリアトラクションを掛けることが可能となり、確実なバイクコントロールを実現した。
また、ショックユニットは可能な限りフレームの下側かつ前方へ収められることで、非常に低重心な設計に。高速域での安定性が向上し、高い路面追従性と安心感を実現した。更に、ショックユニットに対する横方向の負荷がかかりにくい構造と、カバー範囲の広いブッシュを使用できるトラニオンマウントの採用によって、リアサスペンションの耐久性も大幅に向上している。
スペシャライズド Demo Race (c)スペシャライズド・ジャパン
スペシャライズド Demo Expert (c)スペシャライズド・ジャパン
スペシャライズド Demo Race Frameset (c)スペシャライズド・ジャパン
世界最速を目指し、大幅な進化を果たした新型Demoはスラム X01 DH仕様のDemo Raceとスラム GX DH仕様のDemo Expertという二つの完成車とフレームセットで展開される。フレームは全てM5アルミ。価格はDemo Raceが660,000円(税抜)、Demo Expertが490,000円(税抜)、フレームセットが270,000円(税抜)。
スペシャライズド Demo Race
サイズ:S2,S3,S4
カラー:グロスブラッシュ/レッドティント/ホワイト
価格:660,000円(税抜)
スペシャライズド Demo Expert
サイズ:S2,S3,S4
カラー:グロススモーク/ブラック/クールグレイ
価格:490,000円(税抜)
スペシャライズド Demo Race Frameset
サイズ:S2,S3,S4
カラー:グロスコバルト/ブルーティントフェード/メタリックホワイトシルバー
価格:270,000円(税抜)
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スペシャライズドが新型Demoにおいて目指したのは、考えうる限り最速であること。2019年にUCIが前後異径ホイールの使用を認可したときから、スペシャライズド・グラヴィティはこのアイディアを導入した。フロント29インチ、リア27.5インチという組み合わせへカスタマイズしたDemo29は勝利を量産し、前後異径ホイールの優位性を示してきた。
昨シーズン中に世界最速のR&Dライダーたちによって集められたデータを解析したスペシャライズドが、昨年発表したばかりのDemo29をベースに前後異径ホイールという最先端のスペックをマスプロダクトの形へ落とし込んだのが新型Demoだ。
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新型Demoの最も大きな特徴は、コースやライディングスタイルに応じてリアホイール径を29インチと27.5インチから選択できる点にある。ただ、ホイールを交換するだけではなく、ホルストリンクに搭載された調整機構によって、ショート、ミドル、ロングの3ポジションでチェーンステー長とBBハイトをアジャストすることで、それぞれのホイールに最適化されたジオメトリーを実現している。
ショートポジションはタイトかつテクニカルなコースに合わせバイクの取り回しを最大限に高めた27.5インチホイール専用の設定となる。一方、ロングポジションは、よりハイスピードなコースで求められる安定性を重視した29インチリアホイール専用の設定だ。ミドルポジションは、どちらのホイールにも対応する設定となり、27.5インチと組み合わせればショートよりも安定志向に、29インチと組み合わせればロングよりも敏捷性に優れた走りを実現する。
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ホルストリンクを採用するFSRシステムという大枠に変更は無いものの、Demo8で採用していたBB同軸メインピボットを廃止し、チェーンリング前方まで位置を大きく変更することで、リアアクスルの軌道をより後方へと逃がす設計に。リアホイールが障害物に引っかからず、衝突エネルギーをサスペンションへ効率的に伝えることで、テクニカルなコースでのスピードを向上させている。更に、適切なアンチスクワットアングルが設定されることでペダリング時の無駄な沈み込みを抑え、より効率的に推進力へと繋げる設計でもある。
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また、ショックユニットは可能な限りフレームの下側かつ前方へ収められることで、非常に低重心な設計に。高速域での安定性が向上し、高い路面追従性と安心感を実現した。更に、ショックユニットに対する横方向の負荷がかかりにくい構造と、カバー範囲の広いブッシュを使用できるトラニオンマウントの採用によって、リアサスペンションの耐久性も大幅に向上している。
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スペシャライズド Demo Race
サイズ:S2,S3,S4
カラー:グロスブラッシュ/レッドティント/ホワイト
価格:660,000円(税抜)
スペシャライズド Demo Expert
サイズ:S2,S3,S4
カラー:グロススモーク/ブラック/クールグレイ
価格:490,000円(税抜)
スペシャライズド Demo Race Frameset
サイズ:S2,S3,S4
カラー:グロスコバルト/ブルーティントフェード/メタリックホワイトシルバー
価格:270,000円(税抜)
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