2018/03/21(水) - 09:57
終盤の2級山岳でスプリンターを振るい落とした集団によるスプリントに持ち込まれたボルタ・ア・カタルーニャ第2ステージ。旧友と息子に捧げる勝利を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が総合首位に立った。
カタルーニャ州の州都バルセロナの内陸側に広がる丘陵&山岳地帯を走るボルタ・ア・カタルーニャ第2ステージ。全長175.6kmコースの獲得標高差は2,200mで、残り10km地点で2級山岳リーリャ峠(全長5.4km/平均5%)をクリアするピュアスプリンターには苦しいレイアウトだ。
今大会最強スプリンターと目されたナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)は気管支炎の悪化によりスタートせず。レースが始まってすぐ、イゴール・メリノ(スペイン、ブルゴスBH)、アントニオ・モリーナ(スペイン、カハルーラル)、ミケル・ビズカラ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)の3名が逃げグループを形成し、クイックステップフロアーズがコントロールするメイン集団から3分のリードを築いた。
中盤に踏切が閉まるトラブルに見舞われながら、向かい風の影響で予定よりずっとスローペースでレースは進む。タイム差が縮まるとアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)がカウンターアタックを仕掛けて逃げグループに合流。しかしタイム差を広げることができず、逃げメンバーは全員吸収された。
残り41km地点からカウンターアタックで独走したシリル・バルト(フランス、エウスカディ・ムリアス)の後ろでは、第2スプリントポイントでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)とナイロ・キンタナ(コロンビア)のモビスターコンビがスプリント。それぞれ2番手と3番手で通過し、2秒と1秒のボーナスタイムを得ている。
しばらく先頭で泳がせていたバルトを残り15kmで吸収した集団は、ミッチェルトン・スコットとモビスターを先頭に2級山岳リーリャ峠にアタック。山岳賞ジャージ狙いのピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)が先頭通過するとともに、平均5%の登りを平均スピード32.9km/h(VAMは1,673m)で駆け上がったメイン集団からはスプリンターたちが脱落する。リーダージャージのアルバロホセ・オデーグ(コロンビア、クイックステップフロアーズ)もここで遅れた。
2級山岳リーリャ峠で100名弱に絞られた集団は70km/hオーバーでポジション争いを繰り広げながらフィニッシュへ。街中の連続コーナーを抜け、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)がエンリーコ・ガスパロット(イタリア)のためにリードアウトしたが、フェンス際から力強く加速したバルベルデが先頭に立つ。早めに勝利を確信して手を挙げるキンタナに見守られながら、バルベルデが先頭でフィニッシュした。ステージ4位に入ったエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)のSTRAVAログによると、選手たちは緩やかな登り最終ストレートをトップスピード55km/h前後で駆け抜けている。
「集団分裂が起こるような風が強い危険なステージだったので、チームは常に集団先頭で状況をコントロールした。逃げ吸収後にスプリントポイントでボーナスタイム獲得のチャンスが回ってきたのでしっかりとスプリント。でもステージ優勝は予定していなかった。ミッチェルトン・スコットが最後の2級山岳で強力なペースを作ったおかげでスプリンターが脱落して、最終ストレートが自分向きの登り基調だと知っていたし、そのまま良いポジションをキープしてステージ優勝を狙うことになったんだ」と、シーズン6勝目を飾ったバルベルデは語る。シーズン5勝を飾っているスプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)とディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)を抑え、37歳のバルベルデがシーズン最多勝だ。
フィニッシュ地点バルスは2011年に自宅ガレージで事故死したシャビエル・トンド(スペイン、当時モビスター)の生まれた町。「このバルスでは独走でもスプリントでも勝ったことがある。友人シャビ・トンドに捧げる勝利を飾ることができてよかった。この勝利はシャビと、先週サッカーの試合中に鎖骨を骨折した息子のイバンに捧げたい。本当は自宅で息子に寄り添ってあげたいところだけど、この勝利が喜びをもたらし、励ましになればと思う」とバルベルデは語る。「予定より早い総合リードだけど、最終的な総合優勝という目標は変わらない。落ち着いて、安全に、自信を持って戦っていきたい」。
翌日の第3ステージは標高2,148mの超級山岳バルテル2000にフィニッシュする予定だったが、積雪によって標高のある峠がカット。コース全長は199kmから153kmに短縮され、1級山岳ブラコンス峠と2級山岳コリャボス峠が設定されただけの中級山岳ステージに変更されている。今大会最難関の山頂フィニッシュが省かれたことでコースの難易度はぐっと下がった。
ボルタ・ア・カタルーニャ2018第2ステージ ハイライトムービー
カタルーニャ州の州都バルセロナの内陸側に広がる丘陵&山岳地帯を走るボルタ・ア・カタルーニャ第2ステージ。全長175.6kmコースの獲得標高差は2,200mで、残り10km地点で2級山岳リーリャ峠(全長5.4km/平均5%)をクリアするピュアスプリンターには苦しいレイアウトだ。
今大会最強スプリンターと目されたナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)は気管支炎の悪化によりスタートせず。レースが始まってすぐ、イゴール・メリノ(スペイン、ブルゴスBH)、アントニオ・モリーナ(スペイン、カハルーラル)、ミケル・ビズカラ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)の3名が逃げグループを形成し、クイックステップフロアーズがコントロールするメイン集団から3分のリードを築いた。
中盤に踏切が閉まるトラブルに見舞われながら、向かい風の影響で予定よりずっとスローペースでレースは進む。タイム差が縮まるとアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)がカウンターアタックを仕掛けて逃げグループに合流。しかしタイム差を広げることができず、逃げメンバーは全員吸収された。
残り41km地点からカウンターアタックで独走したシリル・バルト(フランス、エウスカディ・ムリアス)の後ろでは、第2スプリントポイントでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)とナイロ・キンタナ(コロンビア)のモビスターコンビがスプリント。それぞれ2番手と3番手で通過し、2秒と1秒のボーナスタイムを得ている。
しばらく先頭で泳がせていたバルトを残り15kmで吸収した集団は、ミッチェルトン・スコットとモビスターを先頭に2級山岳リーリャ峠にアタック。山岳賞ジャージ狙いのピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)が先頭通過するとともに、平均5%の登りを平均スピード32.9km/h(VAMは1,673m)で駆け上がったメイン集団からはスプリンターたちが脱落する。リーダージャージのアルバロホセ・オデーグ(コロンビア、クイックステップフロアーズ)もここで遅れた。
2級山岳リーリャ峠で100名弱に絞られた集団は70km/hオーバーでポジション争いを繰り広げながらフィニッシュへ。街中の連続コーナーを抜け、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)がエンリーコ・ガスパロット(イタリア)のためにリードアウトしたが、フェンス際から力強く加速したバルベルデが先頭に立つ。早めに勝利を確信して手を挙げるキンタナに見守られながら、バルベルデが先頭でフィニッシュした。ステージ4位に入ったエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)のSTRAVAログによると、選手たちは緩やかな登り最終ストレートをトップスピード55km/h前後で駆け抜けている。
「集団分裂が起こるような風が強い危険なステージだったので、チームは常に集団先頭で状況をコントロールした。逃げ吸収後にスプリントポイントでボーナスタイム獲得のチャンスが回ってきたのでしっかりとスプリント。でもステージ優勝は予定していなかった。ミッチェルトン・スコットが最後の2級山岳で強力なペースを作ったおかげでスプリンターが脱落して、最終ストレートが自分向きの登り基調だと知っていたし、そのまま良いポジションをキープしてステージ優勝を狙うことになったんだ」と、シーズン6勝目を飾ったバルベルデは語る。シーズン5勝を飾っているスプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)とディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)を抑え、37歳のバルベルデがシーズン最多勝だ。
フィニッシュ地点バルスは2011年に自宅ガレージで事故死したシャビエル・トンド(スペイン、当時モビスター)の生まれた町。「このバルスでは独走でもスプリントでも勝ったことがある。友人シャビ・トンドに捧げる勝利を飾ることができてよかった。この勝利はシャビと、先週サッカーの試合中に鎖骨を骨折した息子のイバンに捧げたい。本当は自宅で息子に寄り添ってあげたいところだけど、この勝利が喜びをもたらし、励ましになればと思う」とバルベルデは語る。「予定より早い総合リードだけど、最終的な総合優勝という目標は変わらない。落ち着いて、安全に、自信を持って戦っていきたい」。
翌日の第3ステージは標高2,148mの超級山岳バルテル2000にフィニッシュする予定だったが、積雪によって標高のある峠がカット。コース全長は199kmから153kmに短縮され、1級山岳ブラコンス峠と2級山岳コリャボス峠が設定されただけの中級山岳ステージに変更されている。今大会最難関の山頂フィニッシュが省かれたことでコースの難易度はぐっと下がった。
ボルタ・ア・カタルーニャ2018第2ステージ ハイライトムービー
ボルタ・ア・カタルーニャ2018第2ステージ結果
1位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 4:41:50 |
2位 | ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) | |
3位 | ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | |
5位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | |
6位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | ホセ・ロハス(スペイン、モビスター) | |
8位 | タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ) | |
9位 | トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | |
10位 | アレックス・ハウズ(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) |
個人総合成績
1位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 8:21:09 |
2位 | ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:04 |
3位 | ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:06 |
4位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:00:11 |
5位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 0:00:12 |
6位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) | |
7位 | エデュアルド・プラデス(スペイン、エウスカディ・ムリアス). | |
8位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
9位 | ヨルディ・シモン(スペイン、ブルゴスBH) | |
10位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) |
山岳賞
1位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 5pts |
2位 | ウィルマル・パレデス(コロンビア、マンサナポストボン) | 3pts |
3位 | イゴール・メリノ(スペイン、ブルゴスBH) | 3pts |
スプリント賞
1位 | トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング) | 5pts |
2位 | アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) | 5pts |
3位 | シリル・バルト(フランス、エウスカディ・ムリアス) | 3pts |
ヤングライダー賞
1位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 3:39:21 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:00:10 |
3位 | タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ) |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・メリダ | 25:04:03 |
2位 | ボーラ・ハンスグローエ | |
3位 | モビスター |
text:Kei Tsuji
photo:Volta Ciclista a Catalunya
photo:Volta Ciclista a Catalunya
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