2018/03/05(月) - 14:24
3月4日に開幕したパリ〜ニースの第1ステージは石畳坂の登りスプリントで決着。ゴルカ・イサギレ、クリストフ・ラポルト、ティム・ウェレンスとの写真判定スプリントで勝利した仏王者アルノー・デマールが2年連続大会初日にマイヨジョーヌを着た。
気温6度の雨に包まれたパリ郊外のシャトゥーで第76回パリ〜ニースが開幕した。初日はシャトゥーからパリ近郊に広がる田園地帯を抜け、同じくパリ郊外のムードン天文台にフィニッシュする135km。3つ目の3級山岳の頂上にフィニッシュラインが引かれているため、マイヨジョーヌ着用を目指すスプリンターやパンチャー、クライマーが入り乱れる混戦が繰り広げられることに。
レース先頭で冷雨に立ち向かったのはピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、BMCレーシング)、ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)の3名。33km地点の第1スプリントポイント(ルーランズ先頭通過)に差し掛かるころには、逃げトリオのリードは3分35秒まで広がった。中盤の2つの3級山岳を先頭通過したペリションは山岳賞ジャージを獲得している。
メイン集団を牽引したのは、昨年の開幕ステージで優勝したアルノー・デマール(フランス)擁するグルパマFDJと、同ステージ2位のジュリアン・アラフィリップ(フランス)擁するクイックステップフロアーズ。登りスプリントでの勝利を目指す2チームが、淡々と、着実に、逃げる3名とのタイム差を詰めていく。
雨に濡れたコースでは落車が頻発し、残り35km地点で発生した落車には優勝候補ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)が巻き込まれてしまう。ショーツが破れながらも怪我を免れたヴァンガーデレンはすぐに再スタートしたが、集団復帰を目指している際にチームカーと接触して再び落車。病院に搬送されたヴァンガーデレンは頸椎捻挫の診断を受けている。
しばらく先頭で泳がされていたロラン、ルーランズ、ペリションは残り14km地点で吸収。そこからミッチェルトン・スコットやアスタナ、ロット・スーダルが集団先頭に上がり、危険な街中のコーナーを抜けて最後の3級山岳ムードンを目指す。登りの麓に向けてポジション争いが過熱する中、およそ残り2.5km地点でイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)やヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)を含む落車が発生する。登りフィニッシュだったため「残り3kmの救済措置」は適用されず、ザカリンは1分19秒、フルサングは1分38秒のタイムを失っている。
残り1.8km地点から勾配5〜6%ほどの登りが続く3級山岳ムードンに突入するとすぐ、集団先頭からアレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール)がアタック。2015年ツール・ド・フランスでミュール・ド・ブルターニュ山頂フィニッシュを制している29歳が一気に10秒以上のリードを広げる。
ヴィエルモーズを追ったのは、デマールのために速すぎず遅すぎない一定ペースを作ったグルパマFDJ。残り1kmから少し牽制状態になったものの、イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)のペースメイクによって徐々に勢いを失うヴィエルモーズとの距離が詰まる。登り勾配の最終ストレートに入ると路面はアスファルトから石畳に。上下左右に跳ねるバイクを押さえ込みながらの登りスプリントが始まった。
残り150mからスプリントを開始したデマールやアラフィリップを抑えて、弟のヨン・イサギレ(スペイン)にリードアウトされたゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)がヴィエルモーズを追い抜いて先頭に立つ。ダンシングで突き進んだイサギレだったが、残り50mで踏み直したデマールが横に並び、ここにクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)も並んでフィニッシュへ。4名横並びでハンドルを投げ込んだ。
写真判定の結果、タイヤ幅に満たない僅差でイサギレを下したデマールが勝利。2位イサギレ、3位ラポルト、4位ウェレンスという並びでのフィニッシュとなった。
「昨日チームカーでフィニッシュをチェックしていたので、ハードなコースだと分かっていた。残り1kmの時点でアレクシ・ヴィエルモーズがまだ先行していて、自分はすでに出し切った状態に近かったけど、早めにスプリントを開始。一縷の望みをかけ、ハンドルを投げ込んでフィニッシュした。(イサギレに)負けたと思った。キャリア初の写真判定だったので、勝利を告げられた時は喜びが爆発したよ」。2年連続でパリ〜ニースの開幕ステージを制し、マイヨジョーヌを手にしたデマール。
「駆け付けてくれたファンクラブのみんなの前でシーズン初勝利を飾れて良かった。新スポンサーがついた新しいチーム名での初戦だったのでプレッシャーも大きかったんだ」。フランスの大手保険会社グルパマをタイトルスポンサーに迎え、このパリ〜ニースから名称をグルパマFDJに変更したフランスチームがシーズン3勝目を手にした(デマールはシーズン初勝利)。
登りで集団が割れたため、ステージ6位のアラフィリップが総合ライバルたちから2秒のリードを奪うことに成功。ディフェンディングチャンピオンのセルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)やダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)といった有力選手が2秒遅れの集団内でフィニッシュした一方で、ワレン・バルギル(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)は34秒遅れてフィニッシュしている。
気温6度の雨に包まれたパリ郊外のシャトゥーで第76回パリ〜ニースが開幕した。初日はシャトゥーからパリ近郊に広がる田園地帯を抜け、同じくパリ郊外のムードン天文台にフィニッシュする135km。3つ目の3級山岳の頂上にフィニッシュラインが引かれているため、マイヨジョーヌ着用を目指すスプリンターやパンチャー、クライマーが入り乱れる混戦が繰り広げられることに。
レース先頭で冷雨に立ち向かったのはピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、BMCレーシング)、ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)の3名。33km地点の第1スプリントポイント(ルーランズ先頭通過)に差し掛かるころには、逃げトリオのリードは3分35秒まで広がった。中盤の2つの3級山岳を先頭通過したペリションは山岳賞ジャージを獲得している。
メイン集団を牽引したのは、昨年の開幕ステージで優勝したアルノー・デマール(フランス)擁するグルパマFDJと、同ステージ2位のジュリアン・アラフィリップ(フランス)擁するクイックステップフロアーズ。登りスプリントでの勝利を目指す2チームが、淡々と、着実に、逃げる3名とのタイム差を詰めていく。
雨に濡れたコースでは落車が頻発し、残り35km地点で発生した落車には優勝候補ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)が巻き込まれてしまう。ショーツが破れながらも怪我を免れたヴァンガーデレンはすぐに再スタートしたが、集団復帰を目指している際にチームカーと接触して再び落車。病院に搬送されたヴァンガーデレンは頸椎捻挫の診断を受けている。
しばらく先頭で泳がされていたロラン、ルーランズ、ペリションは残り14km地点で吸収。そこからミッチェルトン・スコットやアスタナ、ロット・スーダルが集団先頭に上がり、危険な街中のコーナーを抜けて最後の3級山岳ムードンを目指す。登りの麓に向けてポジション争いが過熱する中、およそ残り2.5km地点でイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)やヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)を含む落車が発生する。登りフィニッシュだったため「残り3kmの救済措置」は適用されず、ザカリンは1分19秒、フルサングは1分38秒のタイムを失っている。
残り1.8km地点から勾配5〜6%ほどの登りが続く3級山岳ムードンに突入するとすぐ、集団先頭からアレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール)がアタック。2015年ツール・ド・フランスでミュール・ド・ブルターニュ山頂フィニッシュを制している29歳が一気に10秒以上のリードを広げる。
ヴィエルモーズを追ったのは、デマールのために速すぎず遅すぎない一定ペースを作ったグルパマFDJ。残り1kmから少し牽制状態になったものの、イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)のペースメイクによって徐々に勢いを失うヴィエルモーズとの距離が詰まる。登り勾配の最終ストレートに入ると路面はアスファルトから石畳に。上下左右に跳ねるバイクを押さえ込みながらの登りスプリントが始まった。
残り150mからスプリントを開始したデマールやアラフィリップを抑えて、弟のヨン・イサギレ(スペイン)にリードアウトされたゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)がヴィエルモーズを追い抜いて先頭に立つ。ダンシングで突き進んだイサギレだったが、残り50mで踏み直したデマールが横に並び、ここにクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)も並んでフィニッシュへ。4名横並びでハンドルを投げ込んだ。
写真判定の結果、タイヤ幅に満たない僅差でイサギレを下したデマールが勝利。2位イサギレ、3位ラポルト、4位ウェレンスという並びでのフィニッシュとなった。
「昨日チームカーでフィニッシュをチェックしていたので、ハードなコースだと分かっていた。残り1kmの時点でアレクシ・ヴィエルモーズがまだ先行していて、自分はすでに出し切った状態に近かったけど、早めにスプリントを開始。一縷の望みをかけ、ハンドルを投げ込んでフィニッシュした。(イサギレに)負けたと思った。キャリア初の写真判定だったので、勝利を告げられた時は喜びが爆発したよ」。2年連続でパリ〜ニースの開幕ステージを制し、マイヨジョーヌを手にしたデマール。
「駆け付けてくれたファンクラブのみんなの前でシーズン初勝利を飾れて良かった。新スポンサーがついた新しいチーム名での初戦だったのでプレッシャーも大きかったんだ」。フランスの大手保険会社グルパマをタイトルスポンサーに迎え、このパリ〜ニースから名称をグルパマFDJに変更したフランスチームがシーズン3勝目を手にした(デマールはシーズン初勝利)。
登りで集団が割れたため、ステージ6位のアラフィリップが総合ライバルたちから2秒のリードを奪うことに成功。ディフェンディングチャンピオンのセルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)やダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)といった有力選手が2秒遅れの集団内でフィニッシュした一方で、ワレン・バルギル(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)は34秒遅れてフィニッシュしている。
パリ〜ニース2018第1ステージ
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 3:07:39 |
2位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
3位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
4位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) | |
5位 | マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ) | |
6位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | |
7位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:02 |
8位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | |
9位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | |
10位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
50位 | ワレン・バルギル(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) | 0:00:34 |
68位 | イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:19 |
80位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:01:38 |
DNF | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) |
個人総合成績
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 3:07:29 |
2位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:04 |
3位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | 0:00:06 |
4位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) | 0:00:10 |
5位 | マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ) | |
6位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | |
7位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:12 |
8位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | |
9位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | |
10位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) |
ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 15pts |
2位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 12pts |
3位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | 9pts |
山岳賞
1位 | ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) | 8pts |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 4pts |
3位 | ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 4pts |
ヤングライダー賞
1位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:07:41 |
2位 | アムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー、ロットNLユンボ) | |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・メリダ | 9:23:01 |
2位 | ミッチェルトン・スコット | 0:00:02 |
3位 | アージェードゥーゼール |
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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