いよいよ今週末、1月17日(本戦は19日〜)、南半球オーストラリアで2010年UCIプロツアー初戦ツアー・ダウンアンダーが開幕する。レディオシャックやチームスカイのデビュー戦として注目を集めるこのレース。オーストラリア勢を中心に、早くもトップスプリンターたちが激突する。

真夏のオーストラリアを舞台に開催されるツアー・ダウンアンダー真夏のオーストラリアを舞台に開催されるツアー・ダウンアンダー ツアー・ダウンアンダーは1999年に第1回大会が開催され、今年で開催12回目を迎えるオーストラリア最大のロードレース。冬の寒さがピークを迎えるヨーロッパを飛び出した選手たちが、夏の盛りを迎えた南半球オーストラリアで盛大にバトルを繰り広げる真夏(真冬と言うべき?)の名物レースだ。

ダウンアンダーはUCI(国際自転車競技連合)がヨーロッパ圏外で初めてプロツアーレースに指定した大会であり、ロードレースの国際化、ならびにシーズンスタート早期化の火付け役でもある。

アデレード市内ライミル公園の1.7km周回コースで行なわれる初日のキャンサー・カウンシル・ヘルプライン・クラシックアデレード市内ライミル公園の1.7km周回コースで行なわれる初日のキャンサー・カウンシル・ヘルプライン・クラシック かつては温暖な気候を利用してのトレーニング的な意味合いも強かったが、2008年にプロツアーレースに指定されると競技レベルが大幅にアップ。ヨーロッパレースに見劣りしない、世界トップレベルの選手たちが集うビッグレースとなった。昨年はオーストラリア国内におけるスポーツイベントの観客動員数記録を更新している。

シーズン初戦だけに、ニューバイクやジャージなど、レース以外の注目度も高い。特に2010年は新生チームスカイ(イギリス)とレディオシャック(アメリカ)のデビュー戦にあたり、例年以上に注目を集めている。オメガファーマ・ロットやフットオン・セルヴェットはチーム名称&チームジャージ変更後初のレースとなる。

観客が詰めかける第5ステージ、ウィランガ・ヒルの上り観客が詰めかける第5ステージ、ウィランガ・ヒルの上り レース開催場所は南オーストラリア州、州都アデレード近郊。「ダウンアンダー」とは元々イギリスから見て地球の裏側にあるオーストラリアやニュージーランドを指す言葉だ。日本との時差は0.5時間(現在はサマータイム期間中なので日本時間+1.5時間)ある。

レースの開催期間は17日〜24日までの8日間。初日に開催されるキャンサー・カウンシル・ヘルプライン・クラシックは顔見せ的な意味合いの強いクリテリウムレースで、19日から6日間に渡って開催されるプロツアーレースには含まれず、総合成績には反映されない。

全6ステージはいずれも全長が150km以下。同地域には大きな山脈が無く、大会の最標高地点も標高500m程度と低い。海沿いの平野部や、ワインの産地として世界的に有名なクレア・バレーと呼ばれる丘陵地帯がコースの大部分を占めている。

コース後半にウィランガ・ヒルを含む第5ステージコース後半にウィランガ・ヒルを含む第5ステージ image:www.tourdownunder.com.auTTスペシャリストがリードを広げるようなタイムトライアルも無ければ、クライマーが活躍するような山岳ステージも無い。毎年総合上位に名を連ねるはスプリンターたちだ。

唯一スプリンターの障害となるのが、最終日前日、第5ステージのゴール手前に登場するウィランガ・ヒル。計2回登場するこの上りは、7.5%ほどの勾配が3kmに渡って続く大会最大の難所であり、毎年大勢の観客が詰めかける。最後の上り(ゴール20km手前)でアタックを成功させ、ゴールまでスプリンターたちを振り切ることが出来れば、アタッカーにも総合優勝のチャンスはある。

最終日はアデレード市内で行なわれるクリテリウム。アデレード市民の大歓声に包まれる中、スプリンターたちが最後のバトルを繰り広げる。

シクロワイアードではレースレポートに加え、毎日の現地レポートをお届けする予定です!ご期待下さい!見どころ・選手編は後ほどお伝えします。


text:Kei Tsuji

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