2010/01/15(金) - 22:39
開催迫る2010年プロツアー第1戦ツアー・ダウンアンダー。既に全てのチームが現地入りしており、ヨーロッパとの時差や寒暖差の適応に余念がない。ここでは注目のスプリンターや、ダウンアンダーで新たにデビューするチームについて予習しておこう。
今年もスプリンターの独壇場か?
昨年ステージ3勝&総合優勝を果たしたアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ) 先日発表されたスタートリストをご覧になれば分かるように、どのチームもスプリンターを中心に据えたメンバー編成でツアー・ダウンアンダーに挑む。
日本とアデレードの時差は0.5時間(現在はサマータイム期間中なので日本時間+1.5時間)だが、ヨーロッパとの時差は9時間と大きい。寒暖差も大きいため、どのチームも時間に余裕を持たせて現地入りしている。一番早いアージェードゥーゼルに至っては、レース開幕10日前の1月7日にアデレードに到着した。
昨年の初日クリテリウムレースを制したロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ) 注目はやはりオーストラリアが生んだスプリンターたちだ。昨年のロード世界選手権で2つのタイトル(エリートロードでエヴァンス、U23TTでボブリッジ)を獲得するなど、勢いに乗るオーストラリア。同国代表するトップスプリンターが一堂に会す。
昨年ハットトリック(ステージ3勝)を飾り、初の総合優勝に輝いたアラン・デーヴィス(オーストラリア)は、古巣アスタナジャージでの出場だ。まだチームへの移籍が決まって間もないが、チームリーダーとして連覇を狙っている。起伏のあるコースも得意であり、昨年はスプリンターの鬼門とされるウィランガ・ヒルの第5ステージで優勝を飾っている。
タイトル奪回を目指すアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) ダウンアンダーで歴代最高のステージ通算13勝を飾っているロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)は、昨年5月に負った膝の大怪我からカムバックを果たす。「初日のクリテリウムで優勝を飾った昨年よりも調子は良い」と語っており、ベテランスプリンターの復権に期待が集まる。
過去に2回総合優勝を飾っているスチュアート・オグレディ(オーストラリア、チームサクソバンク)も出場。スプリント勝負では、フアンホセ・アエド(アルゼンチン)かバーデン・クック(オーストラリア)のアシストに回るだろう。
地元オーストラリア勢に食って掛かるのが、2008年大会で総合優勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)を始めとする海外勢。グライペルは屈強なチームHTC・コロンビアを従えての出場であり、タイトル奪取に燃える。スプリンターチームとしての戦闘力は、チームHTC・コロンビアが頭一つ抜きん出ている印象だ。
他にもイタリアの新星ジャコポ・グアルニエーリ(リクイガス)、ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)、ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)らがオーストラリア勢に攻勢をかける。
初戦を迎える新チームや世界王者、ブエルタ覇者にも注目
2年連続ダウンアンダーでシーズン初戦を迎えるランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) 忘れてはならないのが2010年新たに結成され、ツアー・ダウンアンダーでデビューを迎えるレディオシャックとチームスカイの2チームだ。
昨年ツアー・ダウンアンダーで現役復帰を果たしたランス・アームストロング(アメリカ)は、2年連続オーストラリアでシーズン初戦を迎える。チームのエーススプリンターを務めるのはヘルト・ステーグマン(ベルギー)だ。
アデレードに到着し、トレーニングライドに出かけたチームスカイ photo:Cor Vosチームスカイはクリストファー・サットン(オーストラリア)をエーススプリンターに据え、チーム初勝利に懸ける。 ベン・スウィフト(イギリス)やグレッグ・ヘンダーソン(ニュージーランド)がスプリントを狙う可能性もあるだろう。とにかくこの2チームの動きからは目が離せない。
出場選手中、おそらく最も大きな声援を受けるのが、世界チャンピオンのカデル・エヴァンス(オーストラリア)だ。BMCレーシングチームに移籍した世界チャンピオンは、ジョージ・ヒンカピー(アメリカ)らを従えての出場。プロコンチネンタル登録ながらプロツアーチームにも見劣りしない。
アルカンシェルを着て母国最大のレースに挑むカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) photo:Cor Vosまた、2009年ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)は2005年大会で総合優勝を飾ったルイスレオン・サンチェス(スペイン)やスプリンターのホセホアキン・ロハス(スペイン)とともに出場する。
ガーミン・トランジションズは、昨年逃げまくったU23タイムトライアル世界チャンピオンのジャック・ボブリッジ(オーストラリア)と、オーストラリア選手権でタイムトライアル王者の栄冠を手にしたばかりのキャメロン・マイヤー(オーストラリア)など、活きのいい若手が揃う。逃げを打ってレースをかき乱してくれるはずだ。
text:Kei Tsuji
今年もスプリンターの独壇場か?
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日本とアデレードの時差は0.5時間(現在はサマータイム期間中なので日本時間+1.5時間)だが、ヨーロッパとの時差は9時間と大きい。寒暖差も大きいため、どのチームも時間に余裕を持たせて現地入りしている。一番早いアージェードゥーゼルに至っては、レース開幕10日前の1月7日にアデレードに到着した。
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昨年ハットトリック(ステージ3勝)を飾り、初の総合優勝に輝いたアラン・デーヴィス(オーストラリア)は、古巣アスタナジャージでの出場だ。まだチームへの移籍が決まって間もないが、チームリーダーとして連覇を狙っている。起伏のあるコースも得意であり、昨年はスプリンターの鬼門とされるウィランガ・ヒルの第5ステージで優勝を飾っている。
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過去に2回総合優勝を飾っているスチュアート・オグレディ(オーストラリア、チームサクソバンク)も出場。スプリント勝負では、フアンホセ・アエド(アルゼンチン)かバーデン・クック(オーストラリア)のアシストに回るだろう。
地元オーストラリア勢に食って掛かるのが、2008年大会で総合優勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)を始めとする海外勢。グライペルは屈強なチームHTC・コロンビアを従えての出場であり、タイトル奪取に燃える。スプリンターチームとしての戦闘力は、チームHTC・コロンビアが頭一つ抜きん出ている印象だ。
他にもイタリアの新星ジャコポ・グアルニエーリ(リクイガス)、ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)、ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)らがオーストラリア勢に攻勢をかける。
初戦を迎える新チームや世界王者、ブエルタ覇者にも注目
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昨年ツアー・ダウンアンダーで現役復帰を果たしたランス・アームストロング(アメリカ)は、2年連続オーストラリアでシーズン初戦を迎える。チームのエーススプリンターを務めるのはヘルト・ステーグマン(ベルギー)だ。
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出場選手中、おそらく最も大きな声援を受けるのが、世界チャンピオンのカデル・エヴァンス(オーストラリア)だ。BMCレーシングチームに移籍した世界チャンピオンは、ジョージ・ヒンカピー(アメリカ)らを従えての出場。プロコンチネンタル登録ながらプロツアーチームにも見劣りしない。
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ガーミン・トランジションズは、昨年逃げまくったU23タイムトライアル世界チャンピオンのジャック・ボブリッジ(オーストラリア)と、オーストラリア選手権でタイムトライアル王者の栄冠を手にしたばかりのキャメロン・マイヤー(オーストラリア)など、活きのいい若手が揃う。逃げを打ってレースをかき乱してくれるはずだ。
text:Kei Tsuji