予定通り勝つためには、それ以上の力が必要。そう思わせるに十分の完璧な勝利だった。居並ぶライバル達を自分のペースでふるい落とし、信頼のサポート体制でゴールを目指す。もちろんノーミス。ただ一人違うスムーズかつ強力な走りで、辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)が圧巻の8連覇を達成した。

スタートは丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)が先頭にスタートは丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)が先頭に photo:Hideaki.TAKAGI序盤から辻浦が独走態勢に

スタートは丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)がトップに立ち1周目に入る。中ほどで辻浦が先頭に立ち、1周目後半の泥地帯へ。ここも辻浦はただ一人乗車して上る。2位以下の丸山、竹之内悠(TREK)、小坂光(UTSUNOMIYA BLITZEN)、小坂正則(スワコレーシングチーム)、中山和也(スワコレーシングチーム)、山本聖吾(スワコレーシングチーム)らは押し担ぎでクリア。丸山だけが、乗車する辻浦に追いつき同時にターン、泥の下りへ。ここで再び辻浦が先頭に立ち、以後、独走態勢に。

序盤は小坂光が父・正則に先行する

1周目後半の泥部分、ひとり乗車する辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)1周目後半の泥部分、ひとり乗車する辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) photo:Hideaki.TAKAGI2周目には竹之内が丸山をかわして2番手に。トップ辻浦から15秒差。さらに15秒差で小坂光、小坂正則、丸山が続く。ここまで小坂光は父・正則にずっと先行している。

続く3周目、第1ピットを過ぎて小坂正則は小坂光を抜き、さらに丸山をも抜いて単独3番手に上がる。小坂光は逆に丸山に抜かれて5番手に。

中盤過ぎて上位陣が落ち着く

4周目、小坂正則は竹之内を抜いて2番手に。なおもペースを上げて竹之内、丸山らとの差を広げる。しかし先頭の辻浦は正確に8分40秒のラップを刻み独走する。

5周目、竹之内悠(TREK)は2番手から3番手に5周目、竹之内悠(TREK)は2番手から3番手に photo:Hideaki.TAKAGI先頭から辻浦、小坂正則、竹之内、丸山、小坂光と間隔をあけて走る。男子は7周回、残り3周だ。

終盤もこの態勢は崩れず、上位陣は周回遅れをパスしながらゴールへ進む。周回遅れは下ろされるため、走っている選手数は次第に少なくなる。

そしてゴール、辻浦が全く危なげなく優勝。2位にはまたもや小坂正則が。そして3位には竹之内が入る。竹之内はU23でのチャンピオンを獲得した。

辻浦圭一のコメント

圧勝の辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)圧勝の辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) photo:Hideaki.TAKAGI優勝の辻浦はこう語る。「優勝できてとても嬉しいです。第2ピット過ぎの段差とその後の林区間はかなり押さえて走った。もしそこでトラブルがあるとかなりのタイムロスになるので。ノートラブルだったけども、1週間前の練習で脚の筋肉を故障してしまい、痛くてかなり焦った。振り返っていい内容のレースだったと思う。このコースも世界戦に似ているので自分にとっても良かった」

竹之内悠のコメント

U23チャンピオンの竹之内はこう語る。「今日、ボクは全体で2位にはなれていましたね。ボクがしょぼかったです。途中でペースが落ちてしまった。攻める気持ちはあったけれども、体がもたもたしていた。辻浦さんと競って勝つつもりでスタートしたのですが、抜かれて3位になって、今年のクロスで一番悔しいです。」

辻浦の9連覇を阻止するのは?との問いには「ボクであるべきだと思います。今回は辻浦さんにも、小坂さんにも負けましたが」と力強く答えた。


結果 男子 7周 17.9km
1位 辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)1時間00分31秒
2位 小坂正則(スワコレーシング)+1分26秒
3位 竹之内悠(TREK)U23 +1分53秒
4位 丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)+3分39秒
5位 小坂光(UTSUNOMIYA BLITZEN)U23 +4分37秒
6位 山本聖吾(スワコレーシング)+5分45秒
7位 中山和也(スワコレーシングチーム)U23 +6分01秒
8位 小森亮平(Trek-Live STRONG U-23 Team)U23 +7分52秒
9位 入江克典(シマノドリンキング)+7分56秒
男子表彰男子表彰 photo:Hideaki.TAKAGI10位 松井正史(シマノドリンキング)+8分04秒
11位 中間森太郎(チーム埼玉県人)+8分44秒
12位 大原満(アイサンサポクラ)+9分02秒
13位 池本真也(和光機器タムラクラブ)+9分21秒
14位 合田啓祐(Teamクルーズ)U23 +9分53秒
以上、完走者14名

photo&text:高木秀彰