2017/03/24(金) - 11:13
降雪によってレース前半の58kmがカットされたボルタ・ア・カタルーニャ第4ステージ。総合上位陣も動いた終盤の2級山岳で集団に残り、スプリント勝負に持ち込んだナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)が勝利した。
標高1177mあるピレネーの山あいの街リビアをスタートする194.3kmで争われる予定だったが、寒さと降雪によってレース主催者は58km地点(標高690m)を新たなスタート地点に設定した。レインジャケットを着込んで出走サインを済ませた選手たちは、チームバスに乗って58km地点まで移動して慌ただしくスタートを切った。
この日の最大の難所は残り13km地点に位置する2級山岳トゥロ・デル・プイグ(5.4km/平均5%)だ。獲得標高差1,200mの"カタルーニャにしては"比較的難易度の低いステージだが、スプリンターが勝負に残るためにはこの2級山岳を集団内で乗り越えなければならない。
30km地点で飛び出したジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)やマルティン・ケイゼル(オランダ、ロットNLユンボ)、マッテーオ・ボーノ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ディエゴ・ルビオ(スペイン、カハルーラル)、フアン・オソリオ(コロンビア、マンサナポストボン)の逃げグループは3分のアドバンテージを築くことに成功したが、スプリンターチームは常に逃げを射程圏内に置いた。
レース後半に入って本格的な追走が始まる中、集団落車に巻き込まれたイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)が長時間の集団追走を強いられた。ザカリンはチームメイトの力を借りて集団に復帰し、この日はタイムを失うことなくフィニッシュにたどり着いたが、臀部に怪我を負ったため第5ステージのDNSを決めている。
2級山岳トゥロ・デル・プイグの登坂開始を前に逃げグループは吸収され、そこから総合上位陣によるアタック合戦が始まる。ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)やダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)がアタックを仕掛けて抜け出しを図り、そこにゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)やアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)が反応して先行。人数が約半分に絞られたメイン集団はこれらのアタックを飲み込んだ状態で2級山岳の頂上を通過する。
ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)のSTRAVAログによると、メイン集団は10分49秒で全長5.4kmの登坂を完了している。登坂平均スピードは30.4km/h。VAM(平均登坂速度:1時間当たりの獲得標高)は1,600m。このハイスピードヒルクライムに対応できなかったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)らは集団から脱落した。
頂上通過後も集団先頭は活性化した状態が続き、下りでのマルク・ソレール(スペイン、モビスター)らの飛び出しにアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)が反応。強力な先頭グループを形成したが、メイン集団とのタイム差は広がらない。
残り5km地点でフルームやバルベルデが引き戻されると、ステージ優勝争いは2級山岳を生き残ったスプリンターたちによる戦いに。チームメイトのリードアウトを受けたダヴィデ・チモライ(イタリア、エフデジ)が好位置からスプリントを開始した。
2勝目に向けてスプリントしたチモライだったが、この日はブアニの加速が一枚上手だった。最終的に1車身差をつけたブアニが勝利。今シーズン2勝目をつかんだ(シーズン最多勝は5勝のユアンとキッテル)。
「チーム全体の働きをこうして勝利で締めくくることができて本当に嬉しい。第1ステージでは残り250mで早めに仕掛けてしまい、スプリントが最後まで伸びなかった。数センチ差で負けたことにフラストレーションが溜まっていただけに、この勝利で少し気が休まるよ」と26歳のスプリンターは語っている。
ボルタ・ア・カタルーニャ2017第4ステージ
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 3h04'27"
2位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、エフデジ)
3位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・スコット)
4位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)
5位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループグベルト)
6位 ピーター・セリー(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
7位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ)
8位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ)
9位 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター)
10位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
個人総合成績
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) 13h29'00"
2位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング) +41"
3位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +44"
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +45"
5位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) +49"
6位 マルク・ソレール(スペイン、モビスター) +1'10"
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +1'13"
8位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +1'18"
9位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +1'25"
10位 ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、トレック・セガフレード)
スプリント賞
1位 ディエゴ・ルビオ(スペイン、カハルーラル) 7pts
2位 ムリーロ・アフォンソ(ブラジル、ソールブラジル) 5pts
3位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) 5pts
山岳賞
1位 ムリーロ・アフォンソ(ブラジル、ソールブラジル) 48pts
2位 アントニオ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 37pts
3位 ナトナエル・ベルハネ(エリトリア、ディメンションデータ) 32pts
ヤングライダー賞
1位 マルク・ソレール(スペイン、モビスター) 13h30'10"
2位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +08"
3位 カルロス・ベローナ(スペイン、クイックステップフロアーズ) +22"
チーム総合成績
1位 チームスカイ 40h30'17"
2位 トレック・セガフレード +46"
3位 モビスター +1'10"
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport
標高1177mあるピレネーの山あいの街リビアをスタートする194.3kmで争われる予定だったが、寒さと降雪によってレース主催者は58km地点(標高690m)を新たなスタート地点に設定した。レインジャケットを着込んで出走サインを済ませた選手たちは、チームバスに乗って58km地点まで移動して慌ただしくスタートを切った。
この日の最大の難所は残り13km地点に位置する2級山岳トゥロ・デル・プイグ(5.4km/平均5%)だ。獲得標高差1,200mの"カタルーニャにしては"比較的難易度の低いステージだが、スプリンターが勝負に残るためにはこの2級山岳を集団内で乗り越えなければならない。
30km地点で飛び出したジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)やマルティン・ケイゼル(オランダ、ロットNLユンボ)、マッテーオ・ボーノ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ディエゴ・ルビオ(スペイン、カハルーラル)、フアン・オソリオ(コロンビア、マンサナポストボン)の逃げグループは3分のアドバンテージを築くことに成功したが、スプリンターチームは常に逃げを射程圏内に置いた。
レース後半に入って本格的な追走が始まる中、集団落車に巻き込まれたイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)が長時間の集団追走を強いられた。ザカリンはチームメイトの力を借りて集団に復帰し、この日はタイムを失うことなくフィニッシュにたどり着いたが、臀部に怪我を負ったため第5ステージのDNSを決めている。
2級山岳トゥロ・デル・プイグの登坂開始を前に逃げグループは吸収され、そこから総合上位陣によるアタック合戦が始まる。ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)やダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)がアタックを仕掛けて抜け出しを図り、そこにゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)やアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)が反応して先行。人数が約半分に絞られたメイン集団はこれらのアタックを飲み込んだ状態で2級山岳の頂上を通過する。
ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)のSTRAVAログによると、メイン集団は10分49秒で全長5.4kmの登坂を完了している。登坂平均スピードは30.4km/h。VAM(平均登坂速度:1時間当たりの獲得標高)は1,600m。このハイスピードヒルクライムに対応できなかったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)らは集団から脱落した。
頂上通過後も集団先頭は活性化した状態が続き、下りでのマルク・ソレール(スペイン、モビスター)らの飛び出しにアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)が反応。強力な先頭グループを形成したが、メイン集団とのタイム差は広がらない。
残り5km地点でフルームやバルベルデが引き戻されると、ステージ優勝争いは2級山岳を生き残ったスプリンターたちによる戦いに。チームメイトのリードアウトを受けたダヴィデ・チモライ(イタリア、エフデジ)が好位置からスプリントを開始した。
2勝目に向けてスプリントしたチモライだったが、この日はブアニの加速が一枚上手だった。最終的に1車身差をつけたブアニが勝利。今シーズン2勝目をつかんだ(シーズン最多勝は5勝のユアンとキッテル)。
「チーム全体の働きをこうして勝利で締めくくることができて本当に嬉しい。第1ステージでは残り250mで早めに仕掛けてしまい、スプリントが最後まで伸びなかった。数センチ差で負けたことにフラストレーションが溜まっていただけに、この勝利で少し気が休まるよ」と26歳のスプリンターは語っている。
ボルタ・ア・カタルーニャ2017第4ステージ
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 3h04'27"
2位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、エフデジ)
3位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・スコット)
4位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)
5位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループグベルト)
6位 ピーター・セリー(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
7位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ)
8位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ)
9位 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター)
10位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
個人総合成績
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) 13h29'00"
2位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング) +41"
3位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +44"
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +45"
5位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) +49"
6位 マルク・ソレール(スペイン、モビスター) +1'10"
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +1'13"
8位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +1'18"
9位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +1'25"
10位 ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、トレック・セガフレード)
スプリント賞
1位 ディエゴ・ルビオ(スペイン、カハルーラル) 7pts
2位 ムリーロ・アフォンソ(ブラジル、ソールブラジル) 5pts
3位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) 5pts
山岳賞
1位 ムリーロ・アフォンソ(ブラジル、ソールブラジル) 48pts
2位 アントニオ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 37pts
3位 ナトナエル・ベルハネ(エリトリア、ディメンションデータ) 32pts
ヤングライダー賞
1位 マルク・ソレール(スペイン、モビスター) 13h30'10"
2位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +08"
3位 カルロス・ベローナ(スペイン、クイックステップフロアーズ) +22"
チーム総合成績
1位 チームスカイ 40h30'17"
2位 トレック・セガフレード +46"
3位 モビスター +1'10"
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport
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