2016/03/28(月) - 10:38
バルセロナを見下ろすモンジュイックの丘で総合上位陣がアタックの応戦。ライバルたちの断続的なアタックを封じたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ総合優勝を果たした。
ボルタ・ア・カタルーニャを締めくくる第7ステージは、バルセロナの街を見下ろす3級山岳モンジュイックの丘(2km/5.7%)を含む6.4km周回を8回リピートする。コース全長は136kmと短いが、僅差の総合争いにスパイスを与える可能性を秘めた危険なステージだ。
8km地点のスプリントポイントで再び動いたのは総合4位のダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)だった。3番手通過でボーナスタイム1秒を獲得したマーティンはリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)と同タイムで並ぶ。規定によってマーティンが総合3位に躍り出た。
その後、元U23世界チャンピオンのマテイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)やカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、ディメンションデータ)、ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)を含む12名の逃げグループが形成され、3分のリードを得てモンジュイックの周回コースに突入する。
メイン集団ではキンタナから王座奪取を狙う総合上位陣がアタックを連発。総合14位ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)がワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)らとともに一時的に30秒リードの稼ぎ出したものの、モビスター勢がこの動きを封じ込める。
4分半のヒルクライムと4分間のダウンヒルを繰り返すモンジュイックのインターバル。周回を重ねるごとにリードを失いながらも、先頭ではアレクセイ・ツァテヴィッチ(ロシア、カチューシャ)とプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)が逃げ切り。スプリント一騎打ちでツァテヴィッチが勝利した。
メイン集団では総合8位クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)や総合2位アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)、総合5位ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、そしてマーティンらがそれぞれアタックを繰り出したが、リーダージャージのキンタナは落ち着いて対処する。最後までばらけることなく走った総合上位陣は、ステージ優勝を飾ったツァテヴィッチから14秒遅れの集団内でフィニッシュした。
長い歴史を有するボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャにおいて最も僅差(7秒差)で決まったキンタナの総合優勝。キンタナは2015年ツール・ド・フランス総合2位&ヤングライダー賞獲得、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合4位の成績を残しているが、2015年ティレーノ〜アドリアティコでの総合優勝以降、1年以上にわたって勝利から遠ざかっていた。
「キャリアの中で有数の厳しいレースだった。今日はホセ・エラーダとマルク・ソレールが風邪に苦しんでいたので、実質的にメンバー5人でレースをコントロール。1週間にわたって働き続けてくれたチームに感謝だ。それにコロンビア応援団にも感謝している。数年前は沿道にコロンビア人を発見するだけで驚いたけど、今では至る所で声援を送ってくれるんだ」とキンタナは語る。
「強力なライバルたちが集まる中での勝利は自信を与えてくれる。マイヨジョーヌ獲得に向けてコンディショニングが順調であることを確認できたよ」。2013年ブエルタ・アル・パイスバスコ、2014年ジロ・デ・イタリア、2015年ティレーノに続く自身4度目のUCIワールドツアーステージレース総合優勝を飾ったキンタナは、ツールに向けてブエルタ・アル・パイスバスコとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、ツール・ド・ロマンディに出場予定だ。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2016第7ステージ結果
1位 アレクセイ・ツァテヴィッチ(ロシア、カチューシャ) 3h13’33”
2位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)
3位 ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、IAMサイクリング) +14”
4位 ワウト・ポエルス(オランダ、チームスカイ)
5位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール)
7位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
8位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
9位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
10位 カルロス・バルベーロ(スペイン、カハルーラル)
個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 30h50’19”
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +07”
3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) +17”
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
5位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +27”
6位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) +31”
7位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ) +42”
8位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +46”
9位 ヒュー・カーシー(イギリス、カハルーラル) +1’01”
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール) +1’16”
山岳賞
1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
スプリント賞
1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
ヤングライダー賞
1位 ヒュー・カーシー(イギリス、カハルーラル)
チーム総合成績
1位 BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ボルタ・ア・カタルーニャを締めくくる第7ステージは、バルセロナの街を見下ろす3級山岳モンジュイックの丘(2km/5.7%)を含む6.4km周回を8回リピートする。コース全長は136kmと短いが、僅差の総合争いにスパイスを与える可能性を秘めた危険なステージだ。
8km地点のスプリントポイントで再び動いたのは総合4位のダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)だった。3番手通過でボーナスタイム1秒を獲得したマーティンはリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)と同タイムで並ぶ。規定によってマーティンが総合3位に躍り出た。
その後、元U23世界チャンピオンのマテイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)やカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、ディメンションデータ)、ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)を含む12名の逃げグループが形成され、3分のリードを得てモンジュイックの周回コースに突入する。
メイン集団ではキンタナから王座奪取を狙う総合上位陣がアタックを連発。総合14位ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)がワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)らとともに一時的に30秒リードの稼ぎ出したものの、モビスター勢がこの動きを封じ込める。
4分半のヒルクライムと4分間のダウンヒルを繰り返すモンジュイックのインターバル。周回を重ねるごとにリードを失いながらも、先頭ではアレクセイ・ツァテヴィッチ(ロシア、カチューシャ)とプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)が逃げ切り。スプリント一騎打ちでツァテヴィッチが勝利した。
メイン集団では総合8位クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)や総合2位アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)、総合5位ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、そしてマーティンらがそれぞれアタックを繰り出したが、リーダージャージのキンタナは落ち着いて対処する。最後までばらけることなく走った総合上位陣は、ステージ優勝を飾ったツァテヴィッチから14秒遅れの集団内でフィニッシュした。
長い歴史を有するボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャにおいて最も僅差(7秒差)で決まったキンタナの総合優勝。キンタナは2015年ツール・ド・フランス総合2位&ヤングライダー賞獲得、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合4位の成績を残しているが、2015年ティレーノ〜アドリアティコでの総合優勝以降、1年以上にわたって勝利から遠ざかっていた。
「キャリアの中で有数の厳しいレースだった。今日はホセ・エラーダとマルク・ソレールが風邪に苦しんでいたので、実質的にメンバー5人でレースをコントロール。1週間にわたって働き続けてくれたチームに感謝だ。それにコロンビア応援団にも感謝している。数年前は沿道にコロンビア人を発見するだけで驚いたけど、今では至る所で声援を送ってくれるんだ」とキンタナは語る。
「強力なライバルたちが集まる中での勝利は自信を与えてくれる。マイヨジョーヌ獲得に向けてコンディショニングが順調であることを確認できたよ」。2013年ブエルタ・アル・パイスバスコ、2014年ジロ・デ・イタリア、2015年ティレーノに続く自身4度目のUCIワールドツアーステージレース総合優勝を飾ったキンタナは、ツールに向けてブエルタ・アル・パイスバスコとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、ツール・ド・ロマンディに出場予定だ。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2016第7ステージ結果
1位 アレクセイ・ツァテヴィッチ(ロシア、カチューシャ) 3h13’33”
2位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)
3位 ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、IAMサイクリング) +14”
4位 ワウト・ポエルス(オランダ、チームスカイ)
5位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール)
7位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
8位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
9位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
10位 カルロス・バルベーロ(スペイン、カハルーラル)
個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 30h50’19”
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +07”
3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) +17”
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
5位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +27”
6位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) +31”
7位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ) +42”
8位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +46”
9位 ヒュー・カーシー(イギリス、カハルーラル) +1’01”
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール) +1’16”
山岳賞
1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
スプリント賞
1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
ヤングライダー賞
1位 ヒュー・カーシー(イギリス、カハルーラル)
チーム総合成績
1位 BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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