2016/03/23(水) - 09:56
フィニッシュラインに至る登り緩斜面をパワフルに駆け上がり、軽量スプリンターたちを打ち破ったナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)がボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャで開幕2連勝。山あり谷ありのシーズンを送っているフレンチスプリンターが勢いに乗っている。
カタルーニャ第2ステージはマタロから一路北上し、多くの北米出身選手が住み着くジローナの街をかすめて1級山岳アンヘルス峠(登坂距離10km/平均勾配3.8%)をクリア。一旦標高160mまで下がってからジワリと登り返し、標高420mのオロットにフィニッシュする。
前日に発生したベルギー連続テロの犠牲者を悼み、エティックス・クイックステップは黒い喪章バンドをつけての出走。スタート前には選手全員で黙祷が捧げられた。
レース序盤にトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、マキシム・ブエ(フランス、エティックス・クイックステップ)、ボリス・ドロン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)、カミル・グラデク(ポーランド、ベルバ・アクティブジェット)という4名の逃げが形成されたが、総合リーダーチームでスプリント2連勝を狙うコフィディスが牽引するメイン集団から大きなリードを奪えないままレースは進む。
2日連続で逃げ、1級山岳アンヘルス峠を先頭通過したドロンが山岳賞トップに。そしてデヘントが2つのスプリントポイントを先頭通過。合計6秒のボーナスタイムを獲得したデヘントは総合3位まで順位を上げることに成功している。
フィニッシュまで30kmを切ると逃げグループの中で脚の差が出始め、残り25km地点からデヘントが独走を開始。しかしコフィディス率いるメイン集団はデヘントを泳がすことなく残り18km地点で捕まえた。
フィニッシュ地点オロットに向かう緩斜面でも集団はばらけず、チームスカイやティンコフ、トレック・セガフレード、AG2Rラモンディアールがポジションを争いながら集団先頭で高速巡航。残り3kmを切るとモビスターやオリカ・グリーンエッジ、FDJが先頭に立ち、160名を超える大集団がスプリントになだれ込む。
山がちなコース設定のためピュアスプリンターの数が少なく、どのチームもスプリントに向けてのリードアウト要員を揃えていない。そのため完全に主導権を握るチームは現れないまま残り1kmアーチを通過する。最終ストレートに差し掛かったところで、髭面が目立つジェフリー・スープ(フランス、コフィディス)がリーダージャージを連れて先頭に立った。
残り200mでスープに解き放たれたブアニに敵う選手はいない。緩斜面のスプリントでジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)を振り切ったブアニが勝利。リーダージャージを着て開幕2連勝を飾った。
「今日は序盤から腹痛に悩まされていたけど、何とか乗り切ることができた。チームのおかげでスプリントはパーフェクトだったよ。このシーズン4勝目はチームに捧げたい。明日から2日間は厳しい山岳ステージなので、しっかりリカバリーしたい。その先にはまたスプリントのチャンスが待っている。不運に見舞われたミラノ〜サンレモを終えてからすぐこのカタルーニャに出場してよかった」とブアニは語る。
翌日の第3ステージは標高1725mの1級山岳ラ・モリーナ山頂フィニッシュが登場。1級山岳が4つ設定された難関山岳ステージでマイヨジョーヌ候補たちが動く。
選手コメントはレキップ紙より。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2016第2ステージ結果
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 4h39’10”
2位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
4位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
5位 カルロス・バルベーロ(スペイン、カハルーラル)
6位 キール・レイネン(アメリカ、トレック・セガフレード)
7位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
8位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
9位 パウェル・フランツァク(ポーランド、ベルバ・アクティブジェット)
10位 ケヴィン・レザ(フランス、FDJ)
個人総合成績
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 9h07’41”
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) +14”
3位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
4位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) +16”
5位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
6位 マキシム・ブエ(フランス、エティックス・クイックステップ)
7位 ルイス・フェルファーク(ベルギー、ロット・ソウダル) +17”
8位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) +18”
9位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター) +19”
10位 アレクセイ・ツァテヴィッチ(ロシア、カチューシャ) +20”
山岳賞
1位 ボリス・ドロン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
スプリント賞
1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
ヤングライダー賞
1位 ルイス・フェルファーク(ベルギー、ロット・ソウダル)
チーム総合成績
1位 チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
カタルーニャ第2ステージはマタロから一路北上し、多くの北米出身選手が住み着くジローナの街をかすめて1級山岳アンヘルス峠(登坂距離10km/平均勾配3.8%)をクリア。一旦標高160mまで下がってからジワリと登り返し、標高420mのオロットにフィニッシュする。
前日に発生したベルギー連続テロの犠牲者を悼み、エティックス・クイックステップは黒い喪章バンドをつけての出走。スタート前には選手全員で黙祷が捧げられた。
レース序盤にトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、マキシム・ブエ(フランス、エティックス・クイックステップ)、ボリス・ドロン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)、カミル・グラデク(ポーランド、ベルバ・アクティブジェット)という4名の逃げが形成されたが、総合リーダーチームでスプリント2連勝を狙うコフィディスが牽引するメイン集団から大きなリードを奪えないままレースは進む。
2日連続で逃げ、1級山岳アンヘルス峠を先頭通過したドロンが山岳賞トップに。そしてデヘントが2つのスプリントポイントを先頭通過。合計6秒のボーナスタイムを獲得したデヘントは総合3位まで順位を上げることに成功している。
フィニッシュまで30kmを切ると逃げグループの中で脚の差が出始め、残り25km地点からデヘントが独走を開始。しかしコフィディス率いるメイン集団はデヘントを泳がすことなく残り18km地点で捕まえた。
フィニッシュ地点オロットに向かう緩斜面でも集団はばらけず、チームスカイやティンコフ、トレック・セガフレード、AG2Rラモンディアールがポジションを争いながら集団先頭で高速巡航。残り3kmを切るとモビスターやオリカ・グリーンエッジ、FDJが先頭に立ち、160名を超える大集団がスプリントになだれ込む。
山がちなコース設定のためピュアスプリンターの数が少なく、どのチームもスプリントに向けてのリードアウト要員を揃えていない。そのため完全に主導権を握るチームは現れないまま残り1kmアーチを通過する。最終ストレートに差し掛かったところで、髭面が目立つジェフリー・スープ(フランス、コフィディス)がリーダージャージを連れて先頭に立った。
残り200mでスープに解き放たれたブアニに敵う選手はいない。緩斜面のスプリントでジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)を振り切ったブアニが勝利。リーダージャージを着て開幕2連勝を飾った。
「今日は序盤から腹痛に悩まされていたけど、何とか乗り切ることができた。チームのおかげでスプリントはパーフェクトだったよ。このシーズン4勝目はチームに捧げたい。明日から2日間は厳しい山岳ステージなので、しっかりリカバリーしたい。その先にはまたスプリントのチャンスが待っている。不運に見舞われたミラノ〜サンレモを終えてからすぐこのカタルーニャに出場してよかった」とブアニは語る。
翌日の第3ステージは標高1725mの1級山岳ラ・モリーナ山頂フィニッシュが登場。1級山岳が4つ設定された難関山岳ステージでマイヨジョーヌ候補たちが動く。
選手コメントはレキップ紙より。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2016第2ステージ結果
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 4h39’10”
2位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
4位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
5位 カルロス・バルベーロ(スペイン、カハルーラル)
6位 キール・レイネン(アメリカ、トレック・セガフレード)
7位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
8位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
9位 パウェル・フランツァク(ポーランド、ベルバ・アクティブジェット)
10位 ケヴィン・レザ(フランス、FDJ)
個人総合成績
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 9h07’41”
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) +14”
3位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
4位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) +16”
5位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
6位 マキシム・ブエ(フランス、エティックス・クイックステップ)
7位 ルイス・フェルファーク(ベルギー、ロット・ソウダル) +17”
8位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) +18”
9位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター) +19”
10位 アレクセイ・ツァテヴィッチ(ロシア、カチューシャ) +20”
山岳賞
1位 ボリス・ドロン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
スプリント賞
1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
ヤングライダー賞
1位 ルイス・フェルファーク(ベルギー、ロット・ソウダル)
チーム総合成績
1位 チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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