2015/12/17(木) - 09:08
シクロクロスに挑戦するシンガーソングライターの水越ユカさん。初レース出場目指し、基礎テクニックを学ぶ会が企画された。集まったシクロ女子6人とともに、弱虫ペダルの前田公平選手にテクニックの「基本のき」を学んだ。
とかく技術的ハードルの高いシクロクロス。今週末、12月20日の東北シクロクロス・蔵王ステージに初出場する水越ユカさんへのレース直前対策として、基本の乗車テクニックを改めておさらいする会が催された。
水越ユカさんとともに秋ヶ瀬公園に集まってくれたのは、入門者からL1クラスのレースに参戦中の6人のシクロクロス女子たち。カテゴリー1クラスで活躍する前田公平選手に基礎テクニックを教わった。
ここではそこで教えられた基本テクニックを項目ごとにお伝えします。記事最後には各パートでの動きをまとめた動画もありますので、これからシクロクロスを始めたい超初心者の方もぜひ参考にしてみてください。(まだ読んでいない人は前編のVol.1記事も参照してください)
スムーズな乗車と降車
シクロクロスでまずロードと違う点は、ひんぱんにバイクを乗り・降りする必要があること。障害物や段差など、乗っていけない難しい箇所のたびにこの繰り返しがかなりの回数にのぼるため、その一連の動作がスムーズにできるかどうかで大きな差となってしまう。
降車
降車は、なるべく障害物のすぐ手前まで遅らせること。しかし次の動作で歩きながら自転車を持ち上げたり・担いだりしなくてはならないため、それが安全に行える範囲ギリギリで行いたい。
ブレーキレバーに手を置き、減速しながらサドルから降り、身体全体で脚を軽くひねるようにしてペダルを外し、降りてすぐ走れるように脚を出す。脚を付く直前にハンドルから片手をフレームのトップチューブに移し、持ち上げるアクションの準備にも入る。足がもつれてつまずかないように、一連の動きが身につくまで練習しよう。
乗車
軽く飛び上がるようにしてサドルに乗る。ペダルに片足を載せた「けんけん乗り」ではなく、一気に飛び乗るのが速い。高く飛び上がってドスンとサドルに座るのではなく、必要最小限飛び、ショック無くサドルにお尻を載せるのがコツ。前田先生曰く「内股をサドル上に滑りこませるイメージで」とのこと。何度もやっているうちに、必要な高さが身についてくる。
ボトル拾い
シクロクロスバイクに限らず、自転車の「さばき」を身につけるのに有効だと前田先生が教えてくれたのが「ボトル拾い・置き」の動作だ。
地面に立てたボトルを、サドルに座ったまま手を伸ばして拾う。低速で行わなければならず、ハンドル操作と体重移動のバランス感覚が磨かれる。不整地のコーナーが連続するシクロクロスでは、常にバランスを取りながら走る必要が有るため、このゆっくりとした動きの中でバランスをとってバイクを操ることを覚えることは、レースにおいてもとても活きてくる。
スラローム
パイロンやマーカーなどを等間隔に起き、その間を縫って走るスラローム走行もハンドルさばきとバランス感覚を養うためにとても有効な練習方法だ。
マーカーの間を、ゆっくりジグザグと走る。前輪が通過するラインを狙うのは視線上にあるためやりやすいが、後輪が通過するポイントはそれとは少しラインが異なるため、後輪の通るラインも予想していなくてはマーカーを踏んでしまう。これは「内輪差」があるからだ。
一列に慣れたら、今度はマーカーを2列に。ジグザグしながらなるべく小回りでこなすようにする。さらに慣れてきたらスピードを上げてみよう。バイクの切り返しとハンドル操作がスムーズに身につけば、難しいコースで体力のある選手にも差をつけることができる。速く走るだけでなく、できるだけ遅く走ってみるのも逆に難しくて、動きを身につけるためには有効だ。
動画で観る 水越ユカ&シクロクロス女子たちの基礎テクニック練習会
考えたい女性のためのギアレシオ
市販されているシクロクロスバイク完成車で、一般的なギア比はフロント46×36T、リア11〜25Tの場合が多い。ただしこれはトップレベルの選手に合わせたギア設定になっているようだ。入門者や、女子サイクリストがオフロードで使うにはいささか重すぎる(ギア比が高すぎる)と言っていい。
つまり、もっと軽いギア比域を充実させたいということ。今回参加していただいたARAIレーシングの武田和美さんはサイクルファクトリーARAIの店長夫人で、かつ各地のシクロクロスレースで活躍中の武田和佳選手(Liv)のお母さん。
そんな武田和美さんからは、「女子&入門者用にはアウターギアを小さなものに交換し、リアスプロケットも少し大きめにするのが良いでしょう」とのアドバイスをもらった。もちろん最適なギア比は個人差があるため一概には決められないが、目安としてアウターギア(チェーンリング)を42や40T、スプロケットを12〜27Tなどに交換するのがオススメだ。ただし交換・取り付けできるチェーンリングやディレイラーの変速制限などもあるため、スポーツバイク専門店に相談してみよう。
水越ユカさんが東北シクロクロス@蔵王ステージに挑戦
水越ユカさんのシクロクロス初挑戦は、自身がアンバサダーをつとめる12月20日の東北シクロクロス・蔵王ステージのL2クラスだ。果たして、結果はいかに? シクロワイアード編集部も応援&取材に駆けつけます。 後日のレポートをお楽しみに!
水越ユカさんプロフィール
富山県射水市出身のシンガーソングライター。中学生の頃から作詞作曲をはじめ、2009年から本格的に歌手としての活動を開始した。学生時代には陸上部に所属し、ハードル走に打ち込んでいたというアクティブ派で、2014年の東京マラソンにはチャリティーランナーとして参加した。ツール・ド・東北に参加してみたい! という思いからロードバイクを始め、ほぼぶっつけ本番で100kmコースを完走。スポーツバイクの面白さにのめりこんでしまったそう。
水越ユカオフィシャルサイト
この企画に登場してくれたシクロ女子6人の皆さんのプロフィールと愛車はこちら。
photo&text:Makoto.AYANO
とかく技術的ハードルの高いシクロクロス。今週末、12月20日の東北シクロクロス・蔵王ステージに初出場する水越ユカさんへのレース直前対策として、基本の乗車テクニックを改めておさらいする会が催された。
水越ユカさんとともに秋ヶ瀬公園に集まってくれたのは、入門者からL1クラスのレースに参戦中の6人のシクロクロス女子たち。カテゴリー1クラスで活躍する前田公平選手に基礎テクニックを教わった。
ここではそこで教えられた基本テクニックを項目ごとにお伝えします。記事最後には各パートでの動きをまとめた動画もありますので、これからシクロクロスを始めたい超初心者の方もぜひ参考にしてみてください。(まだ読んでいない人は前編のVol.1記事も参照してください)
スムーズな乗車と降車
シクロクロスでまずロードと違う点は、ひんぱんにバイクを乗り・降りする必要があること。障害物や段差など、乗っていけない難しい箇所のたびにこの繰り返しがかなりの回数にのぼるため、その一連の動作がスムーズにできるかどうかで大きな差となってしまう。
降車
降車は、なるべく障害物のすぐ手前まで遅らせること。しかし次の動作で歩きながら自転車を持ち上げたり・担いだりしなくてはならないため、それが安全に行える範囲ギリギリで行いたい。
ブレーキレバーに手を置き、減速しながらサドルから降り、身体全体で脚を軽くひねるようにしてペダルを外し、降りてすぐ走れるように脚を出す。脚を付く直前にハンドルから片手をフレームのトップチューブに移し、持ち上げるアクションの準備にも入る。足がもつれてつまずかないように、一連の動きが身につくまで練習しよう。
乗車
軽く飛び上がるようにしてサドルに乗る。ペダルに片足を載せた「けんけん乗り」ではなく、一気に飛び乗るのが速い。高く飛び上がってドスンとサドルに座るのではなく、必要最小限飛び、ショック無くサドルにお尻を載せるのがコツ。前田先生曰く「内股をサドル上に滑りこませるイメージで」とのこと。何度もやっているうちに、必要な高さが身についてくる。
ボトル拾い
シクロクロスバイクに限らず、自転車の「さばき」を身につけるのに有効だと前田先生が教えてくれたのが「ボトル拾い・置き」の動作だ。
地面に立てたボトルを、サドルに座ったまま手を伸ばして拾う。低速で行わなければならず、ハンドル操作と体重移動のバランス感覚が磨かれる。不整地のコーナーが連続するシクロクロスでは、常にバランスを取りながら走る必要が有るため、このゆっくりとした動きの中でバランスをとってバイクを操ることを覚えることは、レースにおいてもとても活きてくる。
スラローム
パイロンやマーカーなどを等間隔に起き、その間を縫って走るスラローム走行もハンドルさばきとバランス感覚を養うためにとても有効な練習方法だ。
マーカーの間を、ゆっくりジグザグと走る。前輪が通過するラインを狙うのは視線上にあるためやりやすいが、後輪が通過するポイントはそれとは少しラインが異なるため、後輪の通るラインも予想していなくてはマーカーを踏んでしまう。これは「内輪差」があるからだ。
一列に慣れたら、今度はマーカーを2列に。ジグザグしながらなるべく小回りでこなすようにする。さらに慣れてきたらスピードを上げてみよう。バイクの切り返しとハンドル操作がスムーズに身につけば、難しいコースで体力のある選手にも差をつけることができる。速く走るだけでなく、できるだけ遅く走ってみるのも逆に難しくて、動きを身につけるためには有効だ。
動画で観る 水越ユカ&シクロクロス女子たちの基礎テクニック練習会
考えたい女性のためのギアレシオ
市販されているシクロクロスバイク完成車で、一般的なギア比はフロント46×36T、リア11〜25Tの場合が多い。ただしこれはトップレベルの選手に合わせたギア設定になっているようだ。入門者や、女子サイクリストがオフロードで使うにはいささか重すぎる(ギア比が高すぎる)と言っていい。
つまり、もっと軽いギア比域を充実させたいということ。今回参加していただいたARAIレーシングの武田和美さんはサイクルファクトリーARAIの店長夫人で、かつ各地のシクロクロスレースで活躍中の武田和佳選手(Liv)のお母さん。
そんな武田和美さんからは、「女子&入門者用にはアウターギアを小さなものに交換し、リアスプロケットも少し大きめにするのが良いでしょう」とのアドバイスをもらった。もちろん最適なギア比は個人差があるため一概には決められないが、目安としてアウターギア(チェーンリング)を42や40T、スプロケットを12〜27Tなどに交換するのがオススメだ。ただし交換・取り付けできるチェーンリングやディレイラーの変速制限などもあるため、スポーツバイク専門店に相談してみよう。
水越ユカさんが東北シクロクロス@蔵王ステージに挑戦
水越ユカさんのシクロクロス初挑戦は、自身がアンバサダーをつとめる12月20日の東北シクロクロス・蔵王ステージのL2クラスだ。果たして、結果はいかに? シクロワイアード編集部も応援&取材に駆けつけます。 後日のレポートをお楽しみに!
水越ユカさんプロフィール
富山県射水市出身のシンガーソングライター。中学生の頃から作詞作曲をはじめ、2009年から本格的に歌手としての活動を開始した。学生時代には陸上部に所属し、ハードル走に打ち込んでいたというアクティブ派で、2014年の東京マラソンにはチャリティーランナーとして参加した。ツール・ド・東北に参加してみたい! という思いからロードバイクを始め、ほぼぶっつけ本番で100kmコースを完走。スポーツバイクの面白さにのめりこんでしまったそう。
水越ユカオフィシャルサイト
この企画に登場してくれたシクロ女子6人の皆さんのプロフィールと愛車はこちら。
photo&text:Makoto.AYANO
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